シンフォギアでいちばん好きな曲、正義を信じて握りしめて
シンフォギアでいちばん好きな回、Gの喪失までのカウントダウン
作者はビッキー大好きです、未来さん並みにね。
そんなことはさておいて第2話、今回のクリスちゃんはガンプラを買いにきました。
そう思って家を飛び出してガンプラを取り扱っているという家電量販店に赴いた。作るための工具はすぐに見つかったし、ガンプラが置いてあるであろう棚もそのすぐ側だった。早速買って家で作ろう。と意気込んでいた。いたけれど...
「ガンプラの種類がこんなに多いなんて、聞いてねぇぞ...」
ガンプラコーナーに着いたアタシの第一声がこれだ。壁一面見渡す限りに積まれた大量のガンプラの箱、反対側の棚にまで続いてやがる。
アタシは思わず頭を抱えてしまった。最初に作るガンプラは自分が好きなものを選ぼう。とは書いてあったが、こんなにたくさんだと見て回るだけで朝になっちまう。
しっかし、ガンプラってのは一体どんだけの種類があるんだ?よく言うガンダムってロボットもバカほど種類があるし、ライバル関係のザクってやつもため息が出るほど種類があるって、早い話がどれを選べばいいか全くわからない。試しにそこらにあったガンプラを1つとって見てみる。箱には『RG OOライザー』と書かれていた。
「ゼロゼロライザー?...これもガンダムなのか?」
「それはダブルオーライザーデス!私設武装組織ソレスタルビーインングが開発したダブルオーガンダムに支援機のオーライザーが合体した形態で、まさにガンダムを超越したガンダムデース!」
「うわあぁ!?」
振り返るとそこには見知った顔があった。背の低い金髪の少女、私やあのバカと同じS.O.N.G.に所属するシンフォギア奏者、暁切歌だった。
あまりに突然現れたから受け身も取れず、おおきな声をあげちまった。見回してみると他の客が結構コッチ見てた、変に目立っちまったじゃねぇかよ...いや、それよりもまず
「ちょ、いきなり何するデスか!」
「それはコッチのセリフだ!急に出てきてガンプラの解説する方がおかしいだろ!そもそも、なんでお前がいるんだよ!?」
「それこそこっちのセリフデス!クリス先輩もガンプラをやっていたデスか?」
やってない...とは言いづらかったから「関係ねぇだろ!」って言ってごまかした。
それにしても、まさか顔見知りに出会うとは...確かにここはリディアン女学院からそう離れちゃいない。けれど、わざわざガンプラを買いにこんな所へ来る生徒もいないと踏んでいたんだが...しかも、よりもよって
まあ、出会っちまったもんはしょうがない。アタシもばったり会っちまうかもとは思っていた。いたんだがなぁ...
待てよ、コイツがいるって事は、まさか!?
「どうしたの切ちゃん?...あ、クリス先輩。」
「あ、調!戻ってきたデスか!」
そうだ、コイツがいるって事は絶対にいるに決まってるじゃねぇか。この黒髪ツインテールのコイツは月読調、切歌とは大抵セットで過ごしている。
言い忘れていたが、両方ともアタシと同じリディアンに通う後輩だ。
「こ、これから始めようとだな...それより、お前は何やってんだよ!」
「新作のガンプラを買いに来たのデス!それにこのお店にはガンプラバトルシステムが置いてあるから、久しぶりにガンプラバトルをしに来たのデース!」
「私は切ちゃんが無駄使いしないかの見張り役。あと、切ちゃんの相手役をする為に来たの。」
新作のガンプラをねぇ、アタシには関係...あることだったな。まさかコイツらにこんな趣味があったとは、しかもやたらとガンプラに詳しそうだな。このガンプラ(ダブルオーライザーだったっけか?)についてもペラペラ話してたし、ちょっと聞いてみるか。
「なあ。お前って結構ガンダムとか...」
「もちろん、大好きデスよ!」
「そうか...じゃあガンプラについても詳しいわけか。」
やっぱりそうだコイツ、以外とこういう知識だけは豊富なんだな。それを勉強にも活かせれば、今よりもっとマシな点数を取れるんじゃないのか?
それはさて置いてだ。ちょうどいい、アタシに合ったガンプラをコイツに選んでもらおう。自分のモンくらい自分で選べって言われそうだけど、アタシはガンダムやガンプラについての知識は全く無い。だったらそれを借りない手はない、っといった感じだ。
問題はどうやってコイツに頼むかだよなぁ、先輩的に言うか?それともそれとなーく誘導していくか、このどっちかになるのは決まりきってることだ。
「あ、それなら私がクリス先輩に一番合うガンプラ選びますデスよ!」
「はぁ!?なんでそうなるんだよ!」
「こういうのは、何事も知識のある人に聞くのが一番。」
何か閃いた素振りを見せたと思ったらアタシと全く同じじゃねぇか。てか向こうから先に言われちまった...どうすんだよ、これって先輩としての威厳がガタ落ちしてるよな?なんとかして持ち直さねぇと...それにマリアから2人の後輩を任せられた以上、先輩としてしっかりしとかないと...
「しょ、しょうがねぇな。そこまで言うんなら頼もうかな?」
「了解デース!この暁切歌、雪音先輩に似合った最高のガンプラを選んできますよ〜!」
「私も一緒に行ってきます。」
「おう!アタシに似合った最高にカッコいいのを頼むぜ。」
そう言うとアイツは元気そうに走っていった。
...頼むぜって言ったけど、切歌に任せて本当に大丈夫だったんだろうか?
別に信用してないわけじゃない。心配なのはアイツのセンスだ。ぶっちゃけるとアイツのセンスはなかなか独特なモンだったと思う。カッコいいのって言ったから大丈夫だとは思うんだが...不安だ。
そう言う意味でもアイツら2人で行かせてよかったかもな、実際になんか2つの箱持って揉めてるっぽいし。
そんなこんなで心配してるとアイツらが戻ってきた。箱は1つってとこはちゃんと絞って選んでくれたみたいだな。
「お待たせしましたデース!私たちが選んだのはこれデス!」
「『ガンダムグシオンリベイク』、最新作の鉄血のオルフェンズに出てくる遠距離支援を重点において作られたガンダム。加えて近接戦用追加装備のハルバードセット。」
2人が手に持っていたのは長いライフルで武装したクリーム色のアーマーを持つガンプラと武器セットだった。詳しく説明されてもあんまりピンと来ねえけどさ。とにかく、コイツらが選んでくれた中で、コレが一番アタシに似合ってるんならありがたく受け取ろうじゃねぇか。
「なるほどな、ありがたく使わせてもらうぜ。」
「おお!気に入ってくれたデスか!調の言った通りデス!」
「同じグシオンでも、先輩に似合うのはコッチだと思ってた。」
へえ、グシオンってガンダムは2種類あんのな。もう片方も気になるところだけどそれはまた今度、今はさっさと帰ってガンプラ作ることが先決だな。「あんがと」って礼を言って調からガンプラを受け取った。
改めてみるとこのガンダムはかなり細身なんだな。ガンダムもロボットなんだからゴツいイメージがあったんだけど、コイツは先入観ってヤツだったのか?
アタシがガンプラの箱に目を取られてる間に、いつの間にか切歌の横から調がスッと前に出てきてジーっとコッチを見ていた。
「なんだよ、アタシの顔に何か付いてんのか?」
「...ガンプラバトルしましょう。」
はぁ?いきなりの事で目が点になった。いやいや、急になに言ってんだコイツ。
「クリス先輩はガンプラバトルをする為にガンプラを買いに来たんでしょう?だったらバトルの練習もすべき。」
「おおー!さすが調、よく考えているデス!じゃ、先輩の相手はこの私が引き受けるデース!」
「おいおい!勝手に話を!」
「じゃあ調はクリス先輩のガンプラ作りを手伝って欲しいデース!」
任せてと言わんばかりの笑顔サムズアップで返す調。いやだから、なんでそういう事になってんだよ。アタシは自分で作って自分でバトルの訓練だってしてみせるから!けれどそんなことお構いなく話は進んでいく。しょうがない、付き合ってやるか...
って、そんなわけにはいかねぇだろ!アタシはぶんぶん首を振ってその考えを吹き飛ばす。バトルの練習まで後輩に付き合ってもらう必要はねぇし、何より製作の1から10までぜーんぶ後輩に教わりながらってのは気がひける。やっぱりここは適当な理由つけて断るべきだ。
「悪りぃ、気持ちは嬉しいんだが、今日は遠慮しとく。」
「えー!?なんでデスか?」
「自分の力で作ってみたくなったんだよ、選んでくれてありがとうな。」
そう言ってアタシはその場をあとにする。今回は断わっっちまったけど、あのバカに勝てた暁には絶対相手してやるさ。
...おっと、まだ缶スプレーとか買ってなかったな。急いで買って帰ろう、そんでもって早速ガンプラ作りだ!
第2話「会い戦士(後編完)」
さてさて、後輩たちの誘いを断って自分で作り出したクリスちゃん、果たしてビッキーよりカッコいいガンプラを作る事はできるのか?次回のクリスちゃんは初のガンプラバトル!
次回 第3話「悪魔降臨」