ふぇいと えきせんとりっく! めいど あんど ばとらー! 作:猫好き猫アレルギー
イベントと続きなシーズンはキツイよ。
「…………ねぇ、なえかさん」
「……何かしら? 遠坂さん?」
私と遠坂さんはお互いに乾いた笑顔をしながら、目の前にある光景を全力で見なかった事にしたかった。
「ここって、日本よね?」
「ええ。日本の冬木って、地名の筈よ」
周囲からは、動物らしき鳴き声が響いてくる。
「ふふ……そうよね。日本よね。冬木のはずよね。……………………ふふ」
「アハハ」
何なのかしらこれ?
「姉ちゃん達、そろそろ現実に戻ってきてよ」
「「逃避ぐらいしたくなるわ! こんなもん!」」
私達が叫んだ途端、鳥が木の枝から飛び立った!
「ああ! あれはダルマワシ! アフリカ大陸のサバンナに生息している筈なのに!」
「「何で、日本にいるのよ!!」」
「しかも、この辺りの木。みんなアマゾンとかに生えているヤツみたいだよ!」
「「サバンナなのか、アマゾンなのかどっちかにしろ!」」
「姉ちゃん達、息ピッタリだね」
「「喧しい!!」」
「…………なえか様、遠坂様。落ち着いてください」
私達はフブキさんが運転する車に乗って、地図に描かれてた通りに進むと何故か日本とは思えない所に到着した。
なんでよ!?
一体、どんなルートを通ればこんな魔境にたどり着くのよ!
理解不能な状況に私と遠坂さんは頭を抱えた…………。
「…………お困りのようですね。なえかさん」
「え?」
ジャングルの奥から巫女姿の女性が現れる。
彼女は確か……
「カナちゃん!」
「カナちゃんは止めてください」
そこに現れたのは、カナちゃんこと竜玉神社の魔性の巫女さんだった!
「どうして、貴女がここに!?」
「…………誰? この人?」
驚愕している私に遠坂さんが、首を傾げながら聞いてくる。
「この人は、竜玉神社の巫女さんで……コガラシさんの友人なの」
「メイドガイ……の? つまり…………………………変態の類友!?」
「誰が変態ですか!? この罰当たり娘!」
「あ、え、その、すみません」
申し訳なさそう頭を下げる遠坂さん。
「いえ、こちらこそ……つい、大声を出してしまいました」
気持ちは分かるけど…………しかし、
「あの、カナちゃ……いえ、巫女さん。どうして貴女がこんなところに?」
すると、巫女さんは丁寧にお辞儀をして…………
「私がここにいるのは受付係だからです」
「……受付係?」
「はい。この風雲キース城の受付を担当することになったので…………」
「え!? な、なんで!?」
「一応、共同開発者としての義理でございます」
「「共同……開発……者!?」」
遠坂さんは招待状を取り出す。
そこには…………共同開発 JINJAと言う文字が……。
JINJA……ジンジャ……つまり、神社のことか――!
「あ、貴女。あの変態執事とは……どういう関係よ!?」
遠坂さんが聞くと、巫女さんは頬を少し赤く染め。
「少し昔にちょっとした縁が出来ましたので……フフ」
縁って…………あの変な縁のことなのかしら?
でも、よく考えたらこの人はコガラシさんの知り合いな上に年齢不詳だしね。
確か……大正時代にコガラシさんと知り合ったんだから、えーっといくつぐらいだったかな?
「なえかさん。余計なことは思い出さないように」
うわぁ、睨んできた。まあ、女性に年齢の事でツッコミを入れるのは失礼よね。たとえ、人外でも……
「……ところでガイは?」
「え? あ、そういえば……コガラシさん何処へ行ったのかしら?」
可笑しいわね。車に乗り込む前には、いた筈なのに?
「……まあ、ガイの事ですから何処かでこっそりと見守っているかもしれませんね」
あり得る。
「……私のサーヴァントなのに何勝手な行動してんのよ」
ガックシと肩を落とす遠坂さん。気持ちは痛いほど分かるわ。
「それでは、皆様。風雲キース城の受付は此方でございます」
ダウンしている遠坂さんをスルーし、案内する巫女さん。なんと言うマイペース……っ!
巫女さんが案内した所には、何の変哲もない会議室で使うような机がポツンと置いてあった。手抜きにも、程がある。
「参加者はこちらの用紙にサインをお願いします」
机に置いてあった用紙を読む。そこに書かれてあったのは…………
『何があっても、絶対に訴えません誓約書。マジで誓います。例え、死んでも文句言いません』
「さぁ、どうぞ」
「「書けるか――!!」」
訴える前提のアトラクションなんか、誰が参加するか!! つーか、死ぬの!? どんなアトラクションよ!
「おや? 書かれないのですか? 困りましたね」
困るな! どう考えたって、可笑しいでしょ!
「では、仕方がありません。書かれない場合は此方が用意したコスチュームを着て頂く事になります」
「「コスチューム?」」
「はい。此方が遠坂さん用。此方がなえかさん用でございます」
そう言って、巫女さんが出してきたのは……………………
遠坂 凛用。
猫をモチーフにした魔法少女風の赤い服。
残念(笑)と書いてあるゼッケン付き体操服(ブルマ)。
富士原 なえか用。
うさぎをモチーフにした和服。
あかいいなずまと書いてある水着。
「そして、此方はドジッ娘メイドフブキ用です」
悪の女幹部みたいな超露出が高い黒い服。
「「誰が着るかぁぁぁ!!」」
「何故、私までーー!? と言うより、誰がドジッ娘メイドですか!」
「フブキたん! 是非、お願いします!」
「うわぁ! 悪フブキさんだぁ! イケる!」
土下座するオリオンとぐっと親指を立てる弟。
「着ませんからね! 絶対に着ませんからね!」
全力で首を横に降るフブキさん。
「そうですか……残念です。着ていただければ、特別ファインでサービスがあるのですが……」
「サービス?」
「竜玉神社特製便利アイテムでございます」
便利アイテム……一体、なにかしら?
巫女さんは懐から瓶を取り出す。
「こちらが便利アイテム超高性能の万能胃薬でございます。どんな危険な料理を食べてもノーダメージで済みます」
危険な料理って…………
「はっ! つまり、それさえあれば姉ちゃんの手料理食べても大丈夫ってことだね!」
「どーいう意味よ! それは!」
「え、だって……姉ちゃんの料理で犠牲になった人がいるじゃないか!」
「犠牲とか、言うなァァァァ!!」
全く思い出したくないもないことを思い出したじゃない!
「すみません巫女さん! このアイテムをこの“ドキッポロなフブキさんコレクション写真”で譲って欲しいなぁ! 今後の身の安全の為に!」
「幸助様!? 何ですか!? その写真!!」
「ちょっと、今後の身の安全ってどーいう事よ!!」
幸助の取り引きに巫女さんは思案し、何かを書き出した。
「お告げが有りました。《そのコレクション写真十枚セットなら良し!》 とのことです」
「オッケー!」
「――と言うより、一体どんな写真なんですか――!!」
――受付を済ませて、私達は先に進んだ。フブキさんの犠牲は五分ぐらいは忘れない。
「五分で忘れないでください!」
「まあまあ、フブキさん。いいじゃない。あんな変な服着なくて済んだんだし……」
「遠坂様…………ですが、“ドキッポロな写真”が気になります。一体、何を撮られたんでしょうか? と言うより誰が撮った物なのでしょうか?」
フブキさんの疑問に幸助がさらっと答える。
「ああ。それなら、コガラシさんがいざというとき用に撮ってたんだよ」
「やっばり、あのお馬鹿でしたか――!!」
フブキさんは金属バッドを取り出し、叫び声を上げる。
「さて、私はこれで失礼させて頂きましょう。あとは、貴方に任せます」
「ちっ。厄介事を押し付けやがって……」
「おや? 仮にも親友が起こした騒動でしょう?」
「あの変態執事は、親友じゃねぇぇぇ!!」
変態執事「セイバー殿! お暇でしたら、こちらをどうぞ!」
剣「……何ですか? これは?」
変態執事「勿論、セイバー殿専用体操服でございます!」
“体操服ブルマ、腹ペコ(爆笑)”
剣「エクスカリバァァァァァァ!!!」
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