ふぇいと えきせんとりっく! めいど あんど ばとらー! 作:猫好き猫アレルギー
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
セイバー!? セイバーですって!?
イリヤスフィールの声で、現れたのは灰色長髪で肌の色は黒く、胸元と背中が大きく開いた鎧に身を包んだ長身の青年だった。
その背中には、大剣を背負っている。
――間違いない! セイバーのサーヴァントだわ!
くぅ、私が引き当てたかった!
こんな、こんな、こんな変態よりもセイバーが欲しかったぁぁぁぁぁぁ!!
「何、身悶えているご主人! 今は、敵と相対している時だぞ!」
ハッ! そうだったわ! 今は後悔している時じゃなかったわ!
向こうは1体、こっちは2体のサーヴァントがいる!
数的には有利!
私はチラッとバトラーを見る。
………………こいつ、戦力になるのかしら?
どう考えても執事が戦闘するイメージが湧かない。
「いやはや、困りましたね。それでは、士郎様。レッツファイト」
「待たんかい」
何、言い出すのよ! このサーヴァント!?
「如何なされましたか? 凛様?」
「如何も案山子もないわよ! アンタ、戦わないつもり!?」
「はて? 私は執事ですよ。執事は戦うモノではありませんよ?」
いや、そうかもしんないけど!
「だからって、マスターに戦わせてどうすんのよ!」
私の言葉にバトラーはやれやれと言った表情をする。何処と無く、ムカッとくるわね
「凛様。今時、戦わないサーヴァントなんぞ珍しくもありませんよ! これは、常識です!」
「どこの世界の常識よ!」
あり得ないわ、戦わないサーヴァントなんて……!?
「勿論、型月界での常識です!」
「だから、どこの世界よ! それは!!」
意味わからんわ! 大体、そんなサーヴァントいるか!?
「兎に角、アンタが諸悪の根源なんだから、責任取んなさいよね! 責任!」
「そんな……それでは、まるで私がイリヤ様を怒らせたようではありませんか!?」
「「「元凶はお前だぁぁぁぁ!!」」」
メイドガイとセイバーを除く、全員からの同時ツッコミが炸裂した。
「……何故です?」
うわぁ、自覚なし。いや、こいつのことだから、態とかも?
「セイバー! 他の連中はどうでもいいわ! 油断なく、躊躇いなく、あの変態執事を八つ裂きにしなさい!!」
「……了解した。マスター」
くっ! 不味いわね、この変態執事はどうでもいいけど、衛宮君はどう見たって、戦えないわ!
こうなったら、仕方がない!
「衛宮君! ここは引くわよ!」
「え! でも、遠坂……!」
「敵の狙いはあの変態執事なんだから、あいつを囮にして、逃げるわよ!」
「それは、人としていいのか!?」
「変態執事だからいいのよ!」
あいつだって一応、サーヴァントなんだから、何とかするでしょ!
そうこうしている内にセイバーが大剣を抜いて、構えている。
しかし、何故か攻撃をしてこない。何かの作戦かしら?
というより、何やら戸惑っているようね?
「ちょっと、どうしたのよセイバー! 何で攻撃しないの!」
「……いや、取り込んでいるようなので待った方が良いかな? と思ってな」
「待たなくていいから、攻撃なさい!」
「……すまない。マスター」
…………どうも、生真面目なサーヴァントみたいね。
――というか、気を使い過ぎ。
「では、いくぞ」
セイバーが大剣を振り翳す。刃の先には、バトラーが!
――しかし、当たる寸前でバトラーは…………
「危なぁぁぁぁぁいぃぃぃ! 士郎様ぁぁぁ!!」
「……え、ちょ、のわぁ!?」
バトラーは衛宮君の襟元を掴み、セイバーの前に放り込んだ! …………何、やってんのよぉぉぉ!?
「…………っ!?」
バトラーのとんでもない行動に驚くセイバーは、咄嗟に大剣を止める。はらりっと、前髪が何本か落ちるけど、とりあえず衛宮君は無事だった。……ナイスファインプレイ!
「な、な、な、何をするんだバトラー!」
「そうよキース! シロウが真っ二つになるところだったじゃない!」
衛宮君は分かるけど、何で敵であるイリヤスフィールまで文句を言うのかしら? 貴女、衛宮君を殺しに来たんじゃないの?
二人に文句を言われ、バトラーはしれっとした顔で一言。
「……と、このように前に飛び出すとあぶのうございますよ」
「「「お前が一番危険だぁぁぁ!!」」」
メイドガイとセイバーを除く、全員からの同時ツッコミが再び炸裂した。
なんて事なの!? 目の前にいるセイバーより、こいつの方がよっぽど危険じゃない!?
「アンタ、人としてやっていい事と悪い事の区別もつかないわけ!?」
「ぬぅ、キース・ロイヤルを囮にしようとしたご主人も人のことは言えん気がするが……」
「うぐっ! う、うっさいわね! 私はいいのよ! 私は!」
……ううっ、嫌な目線を感じる。こーなったら…………!
「メイドガイ! セイバーはバトラーに任せて、マスターをどうにかするわよ!」
「クックックッ! 良かろうご主人! 我が力、存分に思い知らせてやろう!」
私の言葉にメイドガイは気合いを入れる。言ってて、何だけど何か怖い。
キュイイィィィ
何、何の音? これ?
「ホホウ。小娘のくせになかなかいい下着を着けている。材質はシルク」
「ひぃ!」
「ちょ、ちょっと! 何をしてんのよ!」
いきなりとんでもないこと言い出した!
メイドガイの発言にイリヤスフィールは青ざめているし……そりゃそうだ!
「うむ。年の割には未発達だな。左太股に変わった形の黒子を確認。更にスキャンを続行……」
スキャンって、何ぃぃぃ!!
「ちょっと、メイドガイ!? 未発達って、何見てるんのよ! 未発達って!」
「常に観察を怠らず、常に細やかな気配りを、メイドガイたるものそれが常識よ! ククク。このメイドガイの観察力は常に全力フルスキャン!!」
つ……常にって……!?
「冬だと思って、油断したご主人の乳房の虫刺されもかかさずチェック。それがメイドガイ・クオリティ!!」
「何で私まで観察してんのよ! この変態!!」
「身長133cm 体重34kg。スリーサイズは上から、B61.W47.H62……」
止まることがないメイドガイのスキャンにイリヤスフィールは…………
「い、いやぁぁぁぁぁ!! 変態! 変態! 助けて、お母様! メイド服着た変態に汚されるぅぅぅ!!」
ついに泣き出した。
うん、分かる! 私だって、同じことされたら泣く! 絶対、泣く!
「ぬぅ。しかし、下着の洗い方がなっておらんな。…………小娘! 今すぐ、洗い直してくれるわ! 脱ぐがいい!!」
いくらなんでもこれは完全にヤバい!
「ちょっとメイ「そこまでよ!コガラシさん!」……え?」
誰よ! 人の台詞に被せてきたのわ!
声の主を探すと、街灯の上に竹刀を持った剣道着の女の子が立っていた! 誰なの!?
「幼気な少女を毒牙にかけるなんて、例え天が許してもこの私が許さないわ!」
弓「……出てきた割には、存在感が薄いな」
剣「全くです! これなら、私が出ても問題なかったでしょう!」
剣(竜)「……すまない。影が薄くて、本当にすまない」
槍「つーか、あの竹刀を持ったねーちゃん誰だ?」
???「ふっふっふっ! 遂に私の出番ね! 道場だけだと思うなよーー!」
???「オスッ! ししょー! ……でも、ししょー、メイドガイと知り合いなんッスか?」
???「へ? 違うけど?」
???「あの人、メイドガイの事を知っているみたいッスよ?」
???「えええ!? そ、それじゃ……」
次回に続く!
誤字、脱字、感想は遠慮なくお願いいたします。