スピード規制は守る 作:カバ
「――
(――
背後に突如として現れた敵の存在に対峙しながら警戒する。
マカロフは先程までジョゼの思念体と会話を繰り広げていた。そんな会話の最中、ジョゼは誘拐した
いまマカロフの目の前に姿を晒し喚いている男は、ジョゼの思念体が消えた後に現れた。
彼の名はアリア。その正体は別名『大空のアリア』と呼ばれる、エレメント4の頂点に立つ男。
「――お主が噂のエレメント4と呼ばれる者か……ジョゼは何処だ?」
「……私はマスター・ジョゼの命により、貴方を倒す任務を言い渡された。ですが私の失態によりそれは不可能となってしまいました。悲しい事です……」
アリアはマスターの質問に答えず、自身の失敗を嘆く。
しかし、その様な事はマスターにとっては如何でもいい。
得たい情報は、
慈悲として最後の警告を発する。
「――聞こえんかったのか? ジョゼは――何処だ?」
「私では貴方に勝てない。故に、この場は一度引かせて頂きます」
――ドゴォ!
巨大化した腕がアリアの立っていた場所を抉る。
「ジョゼの居場所を吐けっ!!」
「――悲しいですか?
腕に押しつぶされたと思われたアリアは、何事も無かったかの様に別の位置へ立つ。
そんな一触即発する雰囲気の中、
「――マスター!!」
彼等の下にエルザが現れる。
彼女はすぐ傍に居たアリアを注意深く警戒しながら、マスターへ駆け寄る。
そして自身が得た情報を手早く伝える。
「ミラから連絡が入り、ルーシィが
「ッ!? ――そうかッ!!
エルザが齎した情報を瞬時に理解し、現状を把握する。
彼女達の会話を聞いていたアリアがまた涙を流す。
「悲しいッ!! 神は
エルザはそんなアリアを鋭く見据える。
「マスター……彼奴はエレメント4の一人ですか?」
「ああ、じゃが気を抜くなよエルザ。奴は気配を悟らせない事に長けておる。ワシも危うく背後を突かれる所だった。ジェットの乱入が無かったら、無事では済まなかったかも知れん」
マスターは敵の厄介さに表情を歪ませる。
それを見たエルザが一歩前へ進む。
「――マスター、あの男の相手は私が勤めます。ですので、ジョゼの下に向かったジェットに力を貸して頂けませんか?」
「――エルザ、任せても良いか?」
マスターの言葉にエルザが笑う。
「――この程度の相手、手早く済ませます。残党の討伐も私が皆の指揮を取り、対処致しますので安心して下さい」
彼女の言葉を聞いたマスターは先を急ぐ為に駆けだす。
その後姿にエルザは告げる。
「後、勝手ながらナツ達を
「――オマエ達の
「――ご武運を、マスター」
マスターはその場を後にする。
その間、アリアは先程とは打って変わり黙りこくるのみだった。
エルザはそんな彼に問いを投げる。
「マスターを通して良いのか? オマエ達にとってマスターの存在は邪魔な筈では?」
彼女の言葉に黙していたアリアは素直に答える。
「私の力量程度では
「……成る程、確かに他の者とは違うようだな。オマエを倒すのには少々時間が掛かりそうだ」
エルザは自身が打倒する者の
エルザvs大空のアリア。
その頃、先鋒として本部に向かうナツ、グレイ、エルフマンの三名は、
「ジェットーーーッ!!! オレも戦わせろォーーーッ!!!」
「オイ!! オレ達はジョゼと戦う為に向かってる訳じゃねぇんだぞ!! 聞いてんのか!?」
「漢、エルフマン!! 友の為に助太刀に来たぞーーーッ!!!」
ナツは後ろから煩く言うグレイに対して挑発する。
「何だよグレイ。オマエ、まさかビビってんのか? 情けないヤツだなぁー」
「ふざけんなッ!? ビビってるとかそんな次元の話をオレはしてんじゃねぇんだよ!! オレ達の目的は先行したジェットと捕らえられたルーシィの救出及びじーさんの邪魔にならない様に
グレイの言葉にナツは何気なく返す。
「元凶のジョゼをオレ達で倒しちまえば、じっちゃんを待たなくても良いだろ?」
「……………………はぁ」
ナツの発言にグレイは呆れて物が言えなかった。
彼は
「――アレが
「オレが一番乗りだァ!!」
「いや、ジェットが乗り込んでるから一番じゃねぇだろ?」
ナツの発言にエルフマンがツッコミを入れる中、
――ズガガガガッ!!!
本部の最上部付近の壁が物凄い音と共に崩壊する。
「「「ッッッ!!??」」」
三人は遠く離れていても感じる、邪悪な魔力に背筋が凍える。
ナツは崩落した壁の奥に見知った影を見つける。
「――ジェットッッッ!?」
「ッ!? ジェットだとッ!! いま奥の方で薄っすらと見えたのがそうなのか、ナツ!」
「オレは見えなかったぞッ!! 一体、どんな状況だったんだ!!」
ナツの言葉にグレイとエルフマンが騒ぎ立てる。
彼等にナツは信じられない様子で語る。
「信じられねぇ……あのジェットが傷を負ってた」
「「ッ!?」」
二人はナツの言葉に緊迫した雰囲気を出す。
「……ヤベーな、アイツが傷ついた所なんてここ数年で見た事あったか?」
「オレが記憶している中では無いな」
「それだけ、状況が悪いって事か……」
「――クソがッ!! いま行くから待ってろよッ!! ジェット!!」
三人はこれまで以上の速さを以て、本部へと急ぐ。
そして漸く本部内部へと侵入する事に成功した三人だったが、
「――
「――私はジュビア……『大海のジュビア』。マスターの命により、ここから先には行かせない」
「――マスターの手を煩わせるのは感心しませんな? 『大地のソル』もお相手をしましょう」
三人の
だが、そんなの彼等には関係無い。
「――オイ、ちょっと道を教えろ。勿論ただじゃねえ……熱い拳、百発分で買い取ってくれや」
「――女を甚振る趣味はねぇんだ。傷物になりたくなかったら、大人しく道を開けな」
「――漢なら……傷つく友の代わりに身体を張るのは当然だァ!!」
ナツvs大火の兎兎丸、グレイvs大海のジュビア、エルフマンvs大地のソル。
上級者同士の戦いが始まろうとしていた。
――そして、
「――ガハッ…………!」
ジェットがジョゼの魔法で倒れる。
「ジェットーーーッ!!」
ルーシィが縛られた状態で声を上げる。
「――予想以上に手応えがありませんねぇ……ハハハハハッ!! 無様だなァ!! オイッ!!」
地に伏せるジェットをジョゼが侮辱の笑みで嗤い続ける。
――マスター・マカロフが到着するまで、あと僅か……