スピード規制は守る 作:カバ
――――X766年(18年前)
当時0歳
本名『サルスケ』として誕生
――――X767~768年(16~17年前)
当時1~2歳
自身が住む新たな世界の情報収集に励む
――――X769年(15年前)
当時3歳
自身の生き様を探す中、魔法に何かを感じる
――――X770年(14年前)
当時4歳
自身に合った魔法を模索
――――X771年(13年前)
当時5歳
魔法『
――――X772年(12年前)
当時6歳
念願の魔法を習得したが、自身の生き様を理解できずに悩む
――――X773年(11年前)
当時7歳
両親が他界し、これが切欠で生まれ故郷を飛び出す
旅先で訪れた魔導士ギルド、『
ギルド内で『ジェット』と通称で呼ばれるようになる
――――X774年(10年前)
当時8歳
ドロイの一言に自身の真理を得る
――――X775~777年(7~9年前)
当時9~11歳
――――X778年(6年前)
当時12歳
ドロイ(12歳)とレビィ(11歳)の三人で、チーム『シャドウ・ギア』を結成
未来人と遭遇
――――X779~781年(3~5年前)
当時13~15歳
チームで
修業は続けていたが、あまり成果を挙げられずに思い悩む
――――X782年(2年前)
当時16歳
チームとして受け持った
交戦の最中、
――――X783年(1年前)
当時17歳
S級昇格試験に選抜される
試験には無事合格し、S級魔導士へ昇格
その際に……
「――はぁ、この位でいいだろう……」
そう呟き、持っていたペンを机の上へと置く。
凝り固まった身体を解しながら、欠伸を一つ。
「ジェット、一体何を書いてんだ?」
「……あ? 何だ、グレイか」
机の上に身体を伏せていた青年『ジェット』は、青年『グレイ』に気の抜けた返事を返す。
「随分と間の抜けた返事だな。疲労でも溜まってんのか?」
「そういう訳じゃない。書き始めた日記……いや、記録?を書くのが思いの外大変だっただけだ」
ジェットは脱力しながら告げる。
グレイは彼の言葉に"へぇ"と興味深く返事をする。
「オマエにそういう一面があるんだな?」
グレイは茶化す様に言う。
「……オレだって似合わないのは分かってるさ。でも、偶には良いかと思ったんだよ」
「おいおい、そう僻むなよ。オレは素直に褒めてんだぞ?」
「……どうだか」
本気でバカにされているのでは分かっている為、ここで会話は終わる。
「ところで、ナツはまだ帰って来てないのか?」
ジェットが新しい話のネタと考えて告げた話題に、グレイは表情を顰める。
「はぁ、せっかくアイツの事を忘れてたのに……何で思い出させる様な事を言うんだ?」
「忘れてどうすんだよ?」
「アイツが居ない時位、記憶からアイツを忘れさせろよ」
「……オマエ達ってホント、昔から仲良いよな」
「……………………ハァ!? アイツとオレを見て何でそんな感想が出てくんだよ!!」
ジェットは寧ろ、彼らの仲が良い関係以外には到底見えなかった。
喧嘩するほど仲が良い。彼らの関係はそれを良く体現している。
ジェットは横で騒ぐグレイを無視して、ギルドの玄関を何気なく眺める。
すると、――――
「ただいまー!!!!」
元気と呼ぶには煩い音量で、自分が帰った事を告げる声が辺りに響く。
帰って来た
蹴られた男性は椅子や机を巻き込んで壁に激突する。
「あぁ、またナツの所為でギルドが壊れる……」
ジェットはそう溜息を漏らす。
「グレイ、オマエが嫌ってるナツが帰っt……」
「ナツが帰ってきたってぇ!!? テメェ……この間の
「…………やっぱりグレイって、何だかんだでナツの事気に入ってるよな?」
ナツが帰ってくると即座に喧嘩を売りに行くグレイを見て、ジェットはそう感想を述べる。
彼らの喧嘩に関わるのを避ける為、2階に移動して下の様子を見物する。
ナツがグレイを殴り飛ばし、吹っ飛んだグレイに何人かが巻き込まれる。
次にグレイがナツを蹴っ飛ばし、吹っ飛んだナツに何人かが巻き込まれる。
巻き込まれた人達はその場で殴り合いを始める。
「…………帰って一分も経たずにこの騒動を起こすとは、ある意味天才だな……ナツのヤツ」
"まあ、巻き込まれるのはご免だ"と早々に避難するジェットであった。
彼は上から眺めて、ある人物を視界に収める。
(――――漸く来たか、ルーシィさん。……同い年っぽいからこの場合はルーシィで良いか?)
昔に出合った懐かしい人物も視界に収めながら、下の騒動を悠々と楽しむ。
しかし下の騒動が激しさを増していき、遂に何人かが魔法を発動しようとしていた。
(……はぁ、これは止めないとオレが
ジェットが下の騒動を治めようと腰を浮かせたが、突如、部屋一帯に影が広がる。
「そこまでじゃ、止めんかバカタレ共が!!!!」
(……もうちょっと早く止めれば、お金の被害も少なくて済むのに。止めずに楽しんでいたオレも悪いが……)
"反省、反省"と心の中で復唱していると、マスターが評議員から送られてきた文書の束を掲げて説教を始めていた。
内容は色々とあり、ナツの破壊を始め、グレイの脱ぎ癖、エルフマンの暴行、カナの無銭飲酒、ロキの破廉恥な行い、etc……
「そして、ジェット。お主は任務内容に問題は無いが、帰還する際もちっと静かに帰ってくる事は出来んのか?」
マスターは呆れながらジェットに告げる。
彼は不貞腐る様に口を尖らせる。
「……オレだって、偶には全力で走りたいんだ」
「……はぁ、お主の場合は走り去った後の光景を観て住民が新手のモンスターか何かと騒ぐ誤報の類じゃからなぁ」
マスターはジェットに悪気が無いのを理解するが故に質が悪いと嘆く。
「貴様等ァ……ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞぉ……!」
マスターは身体を震わせて怒りを抑えるかの様な仕草をする。
ルーシィはその様子に恐怖を感じてガクガクと震える。
しかし、――――――
「――だが、評議員などクソくらえじゃ」
マスターは手に持つ文書を燃やし、投げ捨てる。
その光景をルーシィは絶句しながら眺める。
燃える文書をナツが器用に口でキャッチして食べるが、マスターは気にせずに話を続ける。
「――上から覗いてる目ン玉気にしてたら、魔導は進めん。評議員のバカ共を恐れるな」
無邪気な笑みを浮かべながら、
「自分の信じた道を進めェい!!!! それが、
『ウォオオォォォオオオオォオーーーーー!!!!!』
マスターの言葉に、ギルドメンバー全員が歓声を挙げる。
先程まで殴り合うをしていたのがウソの様に皆、笑顔になって隣同士で肩を組み合っている。
そんな光景を観ていたルーシィも自然と表情に笑みが浮かんでいた。
ジェットは彼女の姿に既視感を感じる。
それは多分、このギルドに来た者達が一度は感じるモノの筈だ。
温かい。身体を包み込む優しき
ジェットは想う。この
(――オレはホントに幸せ者だ。こんなに温かい
ジェットは家族が居なくなって一時期、荒れていた時期もあった。
だが偶然にもこの場所に辿り着き、何となく加入してみた。
その選択が、ジェットの人生を大きく変えた。
――――――彼は、
――――――故に彼は、自身の
――――――例え、どんな状況だとしても……
――――――その先に、彼の破滅が待ち受けていたとしても……