蒼の彼方のフォーリズム ~少年たちの物語~   作:舞翼

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Vita+アニメを見て、衝動的に書いてしまいますた。
はい、完璧に見切り発車ですね。だが、後悔はしてない。


第1話 始まりの物語

日本の南、南洋の更に南に位置する、四つからなる島、四島市。

そしてこの島には、変わった光景がいつものように映るのだ。

反重力子の発見により発明された、空を飛ぶシューズ、アンチ・グラビトン・シューズ。 通称グラシュは、羽根、エンジンを使わず、身体能力のみで飛ぶことが出来るこの靴で、競技までにされている。

そして、全国的に最もグラシュの使用が多いとされるのが、ここ四島市なのだ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

ジリジリジリという目覚まし時計の鉦によって、俺、如月翔(きさらぎ しょう)は目を覚ました。

今の時刻は午前5:30分だ。 俺はむくりと上体を起こしてから、大きく伸びをし布団を剥いでベットから起き上がった。

それから洗面所へ行き、支度をしてから家を出、いつもの道をランニングしてから、ストレッチをする。 これは俺が小さい時から続けてきた事なので、FCを辞めたいまでも続けている。 いや、これが生活の一部に組み込まれてるの方が適切かもしれない。

ちなみに、今の俺はラフな格好だ。

 

「はあ……。 FCから離れても、これだけはやっとかないと落ち着かないんだよな」

 

俺は無意識に呟いていた。

朝の練習を終えてから家に帰り、学校へ行く支度を整える。

飯を作り、それを食べてから家を出た。

ちなみに、現在の時刻は、午前8:10分だ

 

「やべ! テレビに夢中になりすぎた。――あれ、晶也?」

 

日向晶也(ひなた まさや)

俺が四島列島に引っ越してきた時、色々と教えてくれた友人だ。

晶也と見慣れない女子生徒は、浜辺で何かを探していた。

 

「おーい! 何やってんだ! 学校に遅刻しちまうぞ!」

 

「翔か! この子が自宅の鍵を落としちゃったみたいでさ!」

 

ふむ。 晶也が女の子と一緒に探していたのは鍵か。

 

「手伝うか!?」

 

「ああ、頼む!」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

俺は浜辺まで移動し、鍵を見つける作業を手伝うことにした。

数分間鍵を探していたら、女の子の傍で光り輝く物が目に入った。

 

「なあ、晶也。 あれじゃないか?」

 

「どれ?」

 

晶也は、俺が指さした方向に目をやる。

 

「ああ、あれだ。……多分だけど」

 

「おい、そこは断言しろよ」

 

俺は溜息を吐いてから歩き出し、晶也は背中を追う。

鍵を取った俺は、必死に鍵を探してる女の子の前に屈みこんだ。

晶也もそれに倣う。

 

「これか? 探し物は?」

 

「そ、それです! それ、私のお家の鍵です!」

 

俺がそう言うと、女の子はもの凄い勢いで顔を近づけてきた。

 

「お、おう。 それはわかったが、近いぞ」

 

「へ?……あ、ごめんなさい!」

 

女の子は慌てて引き下がる。

俺と晶也は膝を叩いてから立ち上がり、俺が女子を見ながら呟く。

 

「君はうちの学校の転校生? 見たところ同じ制服だからさ」

 

「は、はい、今日から久奈浜学院に通う、倉科明日香です!」

 

立ち上がった女の子が、ぺこりと頭を下げる。

 

「急がないと、学校始まっちゃうよ。 そ、それに、生徒指導の各務先生が校門で待ち構えてるよ。 きっと」

 

「だな。 急がないと、黒歴史が暴露されちまう」

 

何故か知らないが、各務先生は、各生徒の黒歴史を知っている。

俺も一度は暴露される所だった。

俺と晶也と倉科さんは停留所まで移動し、晶也はグラシュを起動させ、展開部分から翼を出現させる。

 

「オレは、倉科さんと一緒に飛ぶよ。 この子、飛び方知らないみたいだし」

 

「そうか。 じゃあ、俺は走るわ」

 

「え? 飛んでいかないのか?」

 

「……俺は、空を飛ぶの好きじゃないんだ」

 

俺はあの日から、グラシュは起動させないと決めているので、この数年間起動させたことは一度もない。 学校を遅刻しそうになった時もだ。

 

「そういうことだから、先に行ってくれ。 その子は、遅刻とかまずいだろ」

 

「あ、ああ。 わかった」

 

俺は手を振り、この場からもの凄い勢いで走りだした。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「あと五秒、四、三、二、一……!――はい、そこまで! 今日も遅刻者なし。 よく頑張った!」

 

俺は校門を潜り、息を荒げていた。

 

「ま、間に合った。 つ、疲れた」

 

各務先生は、校門の扉を閉めながら聞いてきた。

 

「お前は、いつも歩いて登校してるな。 グラシュは使わないのか?」

 

「え、ええ。 俺のグラシュは、休憩時間ですから」

 

年単位の休憩だが。

 

「……そうか」

 

「ええ、そうです」

 

俺は頭を下げ、教室へ急いだ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

俺は教室に入り、自身の席に着席した。

 

「……SHRまでには間に合ったな」

 

「お、翔君」

 

今俺に話しかけてきたのは、隣に座る青柳窓果だ。

女子の中では、話しやすい部類に入っている。(俺基準で)

 

「お疲れだね、なんかあったの?」

 

「見慣れない女子生徒の手伝いをちょっとな」

 

「日向君が、女子と手を繋いでたことと関係あったり?」

 

なぬ!? 晶也の奴、あの美少女(俺基準)と手を繋いできたのか!?

羨ましい、羨ましいぞ。 晶也よ!」

 

「あ、あの~、翔君。 心の声がもれてるよ」

 

俺は窓果の声を聞き、ハッとした。

俺は恐る恐る、

 

「も、もしかして、今の言葉クラス全員が聞いてたり……?」

 

「……結構大きい声だったからね」

 

「……お、終わった。 グッバイ俺の高校生活」

 

「そ、そんなことないと思うけどな~」

 

窓果は顔を逸らし、口笛を吹くふりをした。

いや、窓果さん。 その行動が、『……たぶん大丈夫だよ。 たぶんね』って言ってるように聞こえるんですが。

 

「まあいいか。 窓果みたいに話せる奴がいれば」

 

窓果はニヤニヤ笑いながら、爆弾?を落とした。

 

「お、私に愛の告白かな?」

 

「どこからそういう発想に至ったんだ。 この野郎」

 

俺はそう言い、窓果の頭をぐりぐりする。

 

「痛い、痛いよ。 翔やん」

 

「力を入れてないだようが、『翔やん』てなんや! 翔だ、翔」

 

「わ、わかってるって。 ちょっとした、遊び心で」

 

「ったく」

 

これが、俺が登校してからのいつもの流れである。

そして、いつものように視線を集める。

 

「――で、窓果さんや。 いつも感じるこの温かい視線は何ぞや?」

 

「さ~、何だろうね」

 

「てか、俺は年齢=彼女いない歴だ。 なので、恋愛なんてわからん」

 

俺は、フンスと胸を張った。

 

「そ、そこまで堂々としなくても……。 てか、翔君。 オープンすぎだよ」

 

「俺は、隠し事はしないと決めてるんだ。……はい、すいません。 冗談です。――そ、そうだ、晶也。 あの子は間に合ったのか?」

 

この時、クラス全員の声が一致したのだった。

『逃げたな』と。

 

「お、おう。 間に合ったぞ。 今は職員室に行ってるんじゃないか」

 

「そ、そうだよな。 俺より先に学校に着いたんだもんな」

 

そうこうしていたら、ガラガラガラと扉が開く音が耳に入ってきた。

出席簿と教材を持ちながら、我らが担任、各務葵先生が教壇に上がった。

 

「はいはい、全員席に着きな。 SHR始めるよ。――学年が新しくなって二週間だ。 委員会や部活など、新しいことを始める者は、きちんと申告するように。 また、新入生や困っている人には、率先して手を差し伸べる人間であることを期待する」

 

それから連絡事項諸々の説明があり、

 

「では、これでSHRを終わる。と、晶也――」

 

晶也は、各務先生の名指しを受けていた。

まあ、あれだ。 晶也、ガンバ!

俺は一限目の授業の教科書を取ろうと、机の中の教材を確認したのだが。

 

「あ、やべ。 朝急いでたから入れ忘れがあったんだ」

 

俺は、隣の席の人物に助けを求めた。

 

「ま、窓果さん。 数学の教科書見せてっちょ」

 

「ん~、どうしよっかな」

 

「……よし、今度の買い物の荷物持ちでどうだ」

 

「ふむぅ」

 

窓果は考え込むだけだ。

 

「じ、じゃあ、パフェとアイスの奢りもプラスだ!」

 

「にしし、交渉成立だね」

 

「お、おう。 で、いつ行くんだ」

 

「そうだね――」

 

窓果の声を遮ったのは、数学の教師の木下先生だ。

そう。 このやり取りは授業中に行われていたのだ

 

「……お前ら、今は授業中だぞ」

 

「「あ、すいません」」

 

とまあ、このようにして、俺の今日の授業が始まったのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

時は経過し、今は放課後。

まあ、後は家に帰るだけだ。

その時、俺の左斜め前から、

 

「ほ、放課後だああァァ! お腹減ったああァァ!」

 

その人物は、机からがばっと起き上がった。

鳶沢みさき。 容姿端麗であり天才肌。

何このダブルコンボ……。 ほぼ敵なしだよね。

 

「やっとやっと今日が始まるんだー。 何しようか何食べようか? 無限の可能性が私を襲うよ」

 

言うまでもなく、みさきは低血圧だ。

なので、朝と放課後のテンションのまるで違う。 こいつ別人じゃね。的な感じだ。

 

「いや、無限の可能性が私を襲うって、意味がわからん」

 

「ぶー、翔のい~け~ず~」

 

「待て! 何でそうなる!」

 

すると、教室から出て行った各務先生が顔をひっこり出し、

 

「そうだった。 翔も晶也と一緒に来い」

 

「げっ、まじか」

 

「嫌なのか、嫌なら、翔の黒歴史を――」

 

「わ、わかりました。 行けばいいんでしょ、行けば。――そんじゃ、二人ともまた明日」

 

手を振り、この場を後にした。

その後、廊下で晶也と合流した。

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「「失礼します」」

 

挨拶をし、入口を見て左奥に座る先生から、『こっちこっち』と手招きをされた。

俺と晶也は、溜息を吐いてからそこへ向かって歩き出す。

 

「で、何すか? 俺帰りたいっす」

 

「まあまあ、そう言うなって、翔」

 

「先生、本題に入ってください」

 

「昔に比べて晶也も可愛げがなくなったな。 まあいい、お前たちに話とはこのことだ」

 

机の上にあらかじめ置いてあった一枚の紙を、俺と晶也の前に突き出した。

そして、見覚えがある顔も目に入る。

 

「お前らは面識があるはずだ。 倉科明日香。 今日手続きしたばかりの転校生だ」

 

「げ、まさか」

 

俺がそう言うと、各務先生がコーヒーが入ったマグカップを手に取り、口に流した。

 

「そのまさかさ。 転校してきた倉科に、グラシュでの飛び方の指導を頼みたい。 二人でな」

 

「はあ、公認指導員の資格なんか取らなければよかったぜ」

 

「だな」

 

俺と晶也は、がっくりと肩を落とした。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

それから数十分後。

俺と晶也は、グランドで指導員を待っている倉科さんの元へ向かった。

 

「ええっ! 指導員って、朝のお二人だったんですか!?」

 

「まあな。 俺の名前は如月翔だ。 よろしくな」

 

「オレの名前は、日向晶也だ。 よろしく」

 

「く、倉科明日香です。 頑張って覚えますので、よ、よろしくお願いします!」

 

倉科さんは、ぺこりと頭を下げる。

俺は後方を振り返る。

 

「で、何でお前らはいるんだ」

 

「ほらほら、私の友人が転校生ちゃんに悪さをしないように来たのさ」

 

「そうですよ。 男の子は狼なんですから」

 

俺と晶也は溜息を吐いた。

まあ、邪魔をしなければ問題ない。

 

「あの、日向さん、如月さん。 この方たちは」

 

「はじめまして~、2年C組の鳶沢みさきでーす。 常にお腹を空かせたキュートな女子高生で、うどんとお菓子をくれたら、どこまでも着いていきます~」

 

いや、どこでも着いていったら駄目だろ。

 

「はいはーい。 有坂真白ですー。 1年A組です。 みさき先輩の配下というか、しもべというか、そんな感じで楽しくやってます」

 

「えっと、その、あの……」

 

「お前ら、倉科さんが困ってるだろ」

 

そう言って、晶也が仲裁に入る。

こうして、指導が始まった。 最初にグラシュの歴史を説明した。

てか、晶也がほぼ指導してるので、俺の出番なくね。的な感じです。

 

「じゃあ、飛んでみようか」

 

倉科さんは、グラシュの展開部分から翼を広げた。

 

「い、いきます。い、いっせーので……Fly!」

 

空中での倉科さんは、とても楽しそうだった。

まあ、色々大変そうだったが。 バランスを崩して落ちそうになったりとか。

取り敢えず、こうして指導1日目が終了したのだった。




やべ、ヒロインどうしよ(-_-;)
コーチ二人はご都合主義やね(笑)
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