話にボロが出ても、ごり押ししちゃいます☆
てか、あおかなの最終回熱かったですね!!
高藤学園との合同合宿は、ゴールデンウィークの三日間行われることになった。
今現在俺は、家を出、近くの幹に背を預け、ボストンバックの綱を肩にかけ斜めに背負っていた。
時刻は午前8:00時だ。
ちなみにだが、一応競技用のグラシュは持ってきてる。
「ごめんごめん、待たせたかな」
「いや、今来たところだ」
俺は窓果に、デートなどで男性が使うお馴染の言葉を遣い片手を上げた。
そう。 今日は合宿が行われる当日である。
一度、久奈浜学院の校門前に集合となっているのだ。
「家が近いと、何かと便利だね」
「そうか?」
「そうだよ」
「まあ、部活とかでは便利そうだが」
俺と窓果は、話しながら学院に向かっていた。
ちなみにだが、朝の運動を兼ねて徒歩で向かっている。
「ところで翔やん」
「んー、どうした」
俺は、後頭部に両の手を回しながら聞く。
「合宿では飛ぶ?」
たしかに、高藤の設備の中練習すればレベルアップ出来るかもしれないが――。 選手としては飛びたくないんだよな。
「私、セコンドやりたいな」
ふむ。 窓果のセコンドか。
何かと俺のことがわかってるようだし、任せてみるのも面白いかもな。
「……練習が終わってからな」
「OKOK、人がいなくなってから始めようか」
「おう、了解した」
そうこうしていたら、久奈浜学園の校門前に到着した。
俺と窓果が一緒に来たことに、他の部員たちは少し驚いていたが。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
全員が集合した所で、FC部の顧問の各務葵先生を筆頭に、高藤学園へ向けて飛翔を開始した。
「学生な自由な自治……ですか?」
「いわえる生徒会を、高藤では自治生徒会というらしい。 殆んど学園が収めるというくらいの行政組織なんだそうだ。 その生徒数は、首都にある本校は生徒数だけで6000千人は超えるらしい。 今向かっている福留島は、本校と比べれば数が落ちるが、十分マンモス校といえる」
「……マンモス校」
「青柳妹は、地元なんだから校舎くらいは見たことがあるだろ」
「そうじゃなくて、マンモス校ってなんか死語ぽい響きだなっ……痛て!?」
各務先生は、上手く窓果の体をぶつかる。
それに応じて、窓果のバランスが崩れる。
「ちょ、先生。 いきなりぶつかってこないでください」
「なんだ青柳妹、それは死語を使った私が、古い骨董品だと言いたいのか。 ん?」
「けっ、決してそんなことは……」
俺は各務先生の隣まで移動する。
「そうですよ。 先生を古い時代のひt……痛で!?」
俺も各務先生の体当たりを受けて、バランスを崩す。
「ん? お前もか、妖精姫よ?」
「ちょ、それはやめてください!」
俺は声を上げる。
皆の前で、姫はきつい。
「というか、お前ら言うようになったな。 一緒に行動してるからか?」
「なるべく心を開こうと思っていたんですが、やっぱり閉じた方がいいかなって、絶賛葛藤中です」
「……はは、俺と窓果はセット扱いなんですね」
俺は乾いた笑みを零すしかない。
ちなみにだが、コーチと選手の間に距離ができないように、全員を名前呼びにしてる。
と、その時、後方を飛んでいた明日香がひょこっり現れる。
「おっとと」
「どうしたんだ、明日香? 飛び方が上手く出来なくなったとか?」
「いえいえ、先程、各務先生が翔さんのことを妖精姫って言ってたので、どういう意味かと」
あー、聞かれてたか。 俺が元選手だってことは、あまり公にしたくないしな。 でも、嘘を吐くのも気が引けるし。
「翔さん?」
「……今は、あまり公にしたくないから黙っててくれよ」
「はい!」
明日香の眼差しは、真剣そのものだ。
てか、この子素直すぎないか?
「あー、数年前までは俺は、FCの選手だったんだ。 で、今のがFC時代の、俺の二つ名ってわけだ」
明日香は、『可愛いですね』と言いたいように、目をキラキラさせるだけだ。
色々と恥ずかしい……。
「選手には復帰されないんですか?」
「うーん、暫くはしたくないかな。 あんま勘も戻ってないしな」
バランサーをカットしての技は、まだ危険そうだし。
バランサーはグラシュの感度を押さえて、飛びやすくための装置だ。 簡単に言えば安全装置である。
オフにすれば、より繊細なメンブレンコントロールに反応するが、安定性は一気に無くなり、飛ぶことが難しくなるのだ。
制御が出来るようになれば、最強の武器になるが。
「……そうなんですか。 ちょっと残念です」
「空に帰ることはしたんだ。 今はそれでいいと思ってるしな。 まあ、半分以上は窓果のおかげなんだが」
「翔さんは、窓果ちゃんが大好きなんですね」
「ちょ、何でそうなる!?」
俺の頬は、真っ赤に紅潮する。 誰だ、誰が吹き込んだんだ。
明日香は素直な子だから、この言葉を真に受けちゃうぞ。
「え、違うんですか?」
俺が迷いに迷った答えは、
「……友達として好きだな」
「そうなんですか」
明日香は、首を傾げるだけだ。
「……この事は誰にも言わないでくれ。――うん、まじで」
と、俺は懇願する。
明日香は、守ってくれそうなので安心なんだが。
「わかりました。――私、翔さんと飛んでみたいです」
「ま、機会があればな」
「は、はい! その時はよろしくお願いします! あ、そういえば、各務先生が晶也さんのことを弟子って言ってたんですが?」
各務葵の弟子である晶也は、FC界で飛翔姫とも呼ばれており、妖精姫に対するものでもあったのだ。
俺もどちらかと言えば、飛翔姫の方がよかったぜ。
だがこの事は、本人は知られたくないだろう。
「俺にはわからんな。 晶也本人には聞いてみたのか?」
「はい、空耳だと」
「んじゃ、晶也の言う通りでいいんじゃないか」
「そうですね」
明日香はニコッと笑うだけだ。……素直すぎて涙が出るぜ。 明日香よ。
その時、晶也が全員に停止の指示を出した。
眼下には、学園とは思えない敷地が広がっている。 そう、ここが高藤学園だ。
「到着だ」
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
「ここが高藤学園か……広いな」
「……たしかに」
これが、俺と晶也の第一声だった。
学園とは見えない大きさ、設備だ。 お嬢様学校みたいだ。
皆も、何故この学園にせず、久奈浜学院にしたか話あっていたが。
理由は簡単なものばかりだ。
明日香は『移動教室が大変だから。』 晶也は『近かったから。』 部長は『FC部が弱小だったから。』
窓果が凄いことを言ってたが。 部長が、高藤のスポーツ推薦を土下座までしてお願いしたのに落ちたとか……。 空耳だったらいいんだけど。
みさきは『めんどくさい。』
真白は『お金持ちのお嬢様がいく学校だから。』、だそうだ。
窓果は、『人の多い所に行ったら、自身の個性が埋まってしまうということらしい。』
俺も引っ越した先が、久奈浜学院が『近かった』からだ。
「おまちしておりましたわ」
いつの間にか沢山の生徒が並んでいて、その中心に立っていたのは、明日香とFCで対戦していた人だった。
「ごきげんよう、久奈浜学院FC部の皆さま!」
「あ、君は」
「あれ、翔やんの知り合い?」
俺の声に窓果が反応する。
「明日香とFCを対戦してた人だな」
この人は、佐藤院麗子と言うらしい。
佐藤院さんは、この高藤学院FC部の副部長でもあるらしい。
そして部長の名前は、真藤一成。
何でも、当代最強のスカイウォーカーらしい。 FC選手全員の目標だとか。 マネージャーも7~8人いるらしい、久奈浜学院とは大違いだ。
まあ、出来るマネージャーは一人に限るが、量より質だ。
部屋に案内するという話だったが、早く打ち解けた方がいいという各務先生の案で、練習することが先になった。
とまあ、部長と俺と晶也以外の全員が自己紹介をした。
そして、俺と晶也の自己紹介になった。
「えー、FC部コーチの如月翔です。 本日はよろしくお願いします」
「同じくFC部コーチの日向晶也です。 合同合宿では、高藤の皆さまの胸を借りたい所存です」
俺と晶也の言葉に、佐藤院さんの目が丸くなる。
「まあ、コーチがお二人ですの!? 選手も兼任してらっしゃるのかしら。 真藤部長と同じですわね」
「いえ、オレはコーチ専任で……」
と、晶也が言い。
「俺は、正確にはわからん」
俺は、答えを濁すだけだ。
と、その時。
「翔と晶也は凄いぞ。 名ばかりの私と違って、部内のことを全て仕切ってる」
「「ちょ!?」」
各務先生よ。 俺がコーチに就任したのは数日前ですよ。
部内の事なんて、これっぽっちもです。
「二人は責任感も強いしな。 今から帰ってしまう私とは大違いだよ」
「「何言ってるんですか!?」」
「安心しろ、引率としてちゃんと送迎はする。 帰りも迎えにくるから」
へ?……じゃああれですか。 全ての練習メニュー等は、俺と晶也が仕切るってことですか!?
各務先生は、俺の内心を読み取ったかのように、笑みを浮かべるだけだ。
はあ~、こうなったらやるしかないな……。
「それに私がいたら、向こうの女子が練習どころじゃなくなる」
まあ確かに。 各務先生に向けてる、高藤のFC部員からの黄色い声は凄い。
FCでの伝説は健在だということだ。
「「そうっすね……」」
「まあまあ、翔に晶也よ。 向こうも生徒のみだ。 先方からもそういう条件で頼むと言われてるしな」
「見た目なら、先生も生徒でいけると思いますけど……」
と、晶也が言い。
「ええ、先生はこう見えて若いんですから……」
俺が言う。
「……お前ら、ヒールで踏みにじられたいか?」
「「ご、ごめんなさい!!」」
俺と晶也は、慌てて頭を下げる。
各務先生は、佐藤院さんを見て、
「自質部活のことは、この二人に任せてる。 何かあったら、この二人を頼るがいい」
「まあ、それはそれは……心強いですわ」
各務先生よ。 ハードルを上げすぎです。
「じゃ、私は帰るからな」
「先生、帰るなら。 部長のケアをしていってから帰ってください」
晶也がそう言ったので、俺は部長を見た。
部長は、俺と晶也を代表として紹介されたので、拗ねてしまったのだ。
「選手のケアも、コーチの仕事だ。 翔、やってみろ」
「……はい、わかりました」
晶也は合掌するだけだ。……晶也よ。 覚えてろ。
俺は息を吐いてから、部長に向き直り、
「こちらが久奈浜学院部長、青柳紫苑さんです。 筋肉に関しては右に出る者はいません」
部長はがばっと立ち上がった。
「おう! 今翔から紹介された、三年の青柳紫苑だ! 筋肉関係のことなら何でも聞くがいい! 合宿ではよろしく頼む!」
……何て言うか、部長誘導にかかりやすいな~。
「それでは皆様、更衣室にご案内致します」
佐藤院さんが言い、部員はその後ろをついて行く。
必然的に、俺と晶也が取り残されてしまう。 向けられる視線が凄い……。
てか、何で窓果までついて行っちゃったの!?
とまあ、このようにして合同合宿が始まったのだった――。
メンブレン衝突してるよね!と言いたい人もいると思いますが、そこはご都合主義ということで。
まあ、各務先生の高等技術とお考えくださいです<m(__)m>
次回は合宿の練習でしょうか。
翔くんと窓果ちゃん。いい感じですね(笑)
てか、バランサーカットしたらチートになっちゃうよね(笑)
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