蒼の彼方のフォーリズム ~少年たちの物語~   作:舞翼

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ご都合主義満載です☆
技に間違いがあったらご容赦をm(__)m

結構文字数がいってしまった……。文字数が安定しないぜ。
てか、試合を描写するの難すぎだね(-_-;)


第7話 最強と妖精姫

俺と窓果が宿舎に帰り、各自の部屋に戻ると、その場には誰も居なかった。

時刻は、午後6:30だ。 皆、食事を摂る為食堂に向かったのだろう。

俺は荷物を置き、窓果と合流してから食堂へ向かった。

 

「俺らが最後かな」

 

「そうかも」

 

俺と窓果は、お盆を持ってから列に並ぶ。

 

「あら、久奈浜の青柳さんと、如月さんではないですか。 遅かったですわね」

 

今、高らかにそう言ったのは、佐藤院さんだ。

どうやら、『皆さまの栄養管理も、副部長の務めですわ!』、と言うことらしい。

俺と窓果は、食事をお盆の上に乗せ、皆が座ってる場所へ移動する。

 

「すまん、遅くなった」

 

と言い、俺は晶也の隣の席に腰を下ろす。

 

「遅かったな」

 

「まあ、色々あってな」

 

すると、前斜めの席に座るみさきから、

 

「翔やんと窓果は、逢引きしてたんだにゃ~」

 

「いや、違うから。 今日の練習を、客観的に見てどうだったか聞いてただけだから」

 

「たしかに、客観的に見た意見は参考になるしな」

 

晶也が同意してくれた。

後で聞いとかないと、嘘だって事がバレてしまう。

 

「ま、そういう事だよ。 みさき」

 

窓果が、紅茶を一口飲んでからそう言った。

 

「ちぇー、弄れるネタを掴んだとおもったんだけどな~」

 

みさきだったら、こういうネタで三日間位は弄りそうだ。

何それ怖い……。

 

「晶也。 明日の練習内容は考えたか?」

 

「うーん。 まだ正確には考えてないけど、実践形式を取り入れたいと考えてるぞ」

 

「なるほどな。 今日は基本の練習だけだったからな」

 

「後で、翔の案も聞かせてくれよ」

 

「了解した。 部屋に戻ってからな」

 

そう言い、俺は食事を摂ってから、部屋に戻った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

練習内容を考えた後風呂に入り、俺は夜風に当たりにいくことにした。

現時刻は、午後8:30時だ。 午後9:00になると、完全消灯時間になる。

部屋を出る時、女子風呂を覗きに行こうか?という会話が聞こえてきたが。

……きっと空耳のはずだ。 てか、俺が覗きなんかしたら、確実に首が飛ぶ。(確信)

 

「星が綺麗だな……」

 

俺が海岸で空を見上げると、暗闇を星空が照らしていた。

ぼ~、と星を見ていたら、横に人影が現れた。

 

「お、翔君。 こんな所でどうしたの?」

 

「星を見に来ただけだ。 窓果こそどうしたんだ?」

 

窓果は視線を逸らした。

 

「えっとね。 ガールズトークから逃げ出してきた」

 

俺は頷いた。

 

「なるほど。 窓果は、弄られるのには免疫が無さそうだからな」

 

「乙女窓果ちゃんは、弄るのは得意でも、弄られるのは免疫がないのだ!」

 

「いや、そんなこと力説されても、反応に困るだけなんだが。 てか、窓果が弄られるか……。 想像できんな」

 

窓果なら弄られても、上手く躱すことが出来ると思うんだが。

 

「……翔君のことになると、上手く躱すことが出来なくなるから」

 

「そういう冗談はいいから」

 

「ぶーぶー、ちょっとは乗ってくれてもいいのに」

 

「……乗ってくれって、何にだよ」

 

「わかんない」

 

わかんないのかい!と、俺は心の中で突っ込む。

俺が海を見ていたら、奥の階段で、晶也と市ノ瀬さんの姿が映った。

どうやら、何かを話し込んでいる。

 

「窓果、あそこ」

 

俺の視線の先を、窓果が見る。

 

「日向君と市ノ瀬ちゃんだ。 何やってるのかな? 話し込んでるみたいだけど」

 

「うーん、わからん。 ま、今日の練習のことじゃないか?」

 

予想だと、俺と晶也の過去のことだと思うんだが。

てか、俺って結構な人にバレてないか? 明日香に窓果、真藤さんに市ノ瀬さん。 今後もバレる気も……。

 

「今日の練習を見た、窓果の感想を聞かせてくれないか。 もしあれだったら、明日までに練習内容の変更をするから」

 

「うーん。 合宿の練習としては良いと思ったよ。 普段の練習だったら、ちょっと厳しくなっちゃうかもだけど」

 

「なるほど。 じゃあ、さっき考えた練習内容でOKだ」

 

さっき考えた練習内容とは、後半に久奈浜と高藤で二人組を作り、同時に実践練習をさせる事である。

 

「こうしていると、翔君が空を飛んだ時のことを思い出すね」

 

俺は苦笑した。

 

「あれは、ほぼ窓果の誘導だったけどな」

 

窓果は、頬を膨らませた。

 

「ぶー、そんなこと言っちゃうんだ」

 

「悪い悪い。 本当に感謝してるよ。 ありがとな」

 

「しょ、翔君が素直だ……」

 

「偶には素直になってもいいだろ」

 

「うん、そうかも」

 

「だろ」

 

海を見た後、俺が戻るか。と言い、宿舎に戻った。

既に宿舎は、完全消灯時間になっていた。 俺は窓果と途中の通路で別れ、俺は男子部屋まで移動する。

襖をゆっくり開き、抜き足差し足で、自身が敷いた布団まで移動した。

布団を被ろうとしたその時――。

 

「すまない、如月君」

 

上体を起こすと、眼の前に真藤さんの姿が映った。

 

「真藤さん……。 どうかしたんですか?」

 

「……実は、君と勝負がしたくてね。 明日、僕と試合してくれないか? 君が選手から離れてることは重々承知してる」

 

真藤さんの眼は、真剣そのものであった。

だが、暫しの沈黙が流れる。

 

「やっぱり、僕のわがままだよね……」

 

飛べる翼があるなら、真剣になってるこの人に応えてあげるべきだ。

俺は一拍置き――。

 

「……今の俺は、現役の頃に比べれば、遥かに劣ってますよ」

 

真藤さんは、目を丸くした。

 

「君は今、空を飛んでるのかい?」

 

「最近になって飛びました。……暫くは、選手に戻りませんけど。 それでもいいですか?」

 

「そ、それじゃあ……」

 

真藤さんは、興奮気味だ。

 

「その試合受けます。 ですが、フライングスーツは無いので、そこはご了承して頂きたいと」

 

「ふふ、君は風の抵抗なんか、ものともしないじゃないか」

 

いや、真藤さん……。 目がギライついてますよ。 そんな状況で寝れるんですか?

 

「そういえば、如月君。 君のセコンドはいるのかい?」

 

真藤さんの質問は、尤もだった。

セコンドがいないと、試合では不利になってしまう。

 

「久奈浜のマネージャーが、俺のセコンドですよ」

 

「ああ、青柳君の妹さんか」

 

真藤さんは、青柳の名字で感ずいたらしい。

 

「一つだけ条件が。 皆が居なくなってから、試合と言う事でいいでしょうか? あまり人の目に触れたくないので」

 

「うん、構わないよ」

 

さて、そろそろ切り上げ時かな。

 

「そろそろ寝ましょうか。 疲れを残したら、選手失格ですよ」

 

「そうだね。 今ので、疲れは吹き飛んでしまったけれどね」

 

真藤さんは不敵に微笑んだ。 好敵手を見つけた時の笑みだった。

 

「それじゃあ、お休み、如月君。 明日が楽しみだよ」

 

そう言い、真藤さんは自身の布団に戻った。

俺も布団を被り、眠りに就いた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

からっと晴れた合宿二日目。

今日は、昨日考えた実践練習を取り入れたいと思ってる。

まずは陸上の練習からだ。

 

「皆には、50mダッシュを20本お願いしたい」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

お、おお。 反発を買うと思ったが、真っ直ぐな返事にちょっと驚きだ。

走ることは、体力や足腰を鍛えることが出来るが、その変わり、地味にキツイのだ。

 

「はい、GO!」

 

俺の掛け声によって、3年生から順にスタートしていく。

とまあ、このようにして陸上練習は終了した。

 

「10分のインターバルの後、フィールドフライ。 それから、実践練習も取り入れていくぞ」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

10分のインターバルを置いて、真藤さんを筆頭に空に飛翔していく。

数分間のフィールドフライを終え、各選手は、俺の指示に従って二人組を作っていく。 プチ試合のようにするのが狙いでもある。

 

「明日香、ローヨーヨに入って」

 

『はっ、はい。 わかりま……あわわわ』

 

バタついてる明日香は、当然のように、高藤の子に離されてしまった。

明日香さんや、もっと肩の力抜こうぜ。 体がガチガチになってるよ。

 

「明日香。 肩の力を抜いて、姿勢を安定させるんだ」

 

『は、はい。 晶也さん』

 

明日香は力を抜き、姿勢制御に集中して飛翔する。

ふむ。 合宿一日目よりは良くなって来てるな。 明日香は、実践で強くなるタイプかもな。

 

「いいぞ、明日香。その感覚を忘れるなよ」

 

『は、はい。 わかりました。 次も頑張ります!』

 

真白も、明日香と同じ感じだった。

みさきは流石と言うべきか、高藤の子を圧倒していた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

練習が終わり皆が帰った後、俺は試合をする為、浜辺でグラシュに履き換えていた。

窓果には、練習が終わっても残ってくれと伝えてある。

 

「あ、いたいた」

 

「おう、窓果。 残ってくれてサンキューな」

 

「うん、今日も練習するんでしょ?」

 

「いや、まあ、そうなんだが……。 今から試合なんだ」

 

「試合? 誰と?」

 

その時、フライングスーツを着た真藤さんが姿を現した。

その後ろには、真藤さんのセコンドをする佐藤院さんもいる。

ちなみに、窓果は、俺が出来る技を全て把握してる。

 

「し、試合って、真藤さんと!?」

 

窓果がこうなるのも無理はない。

真藤一成は、当代最強のスカイウォーカーなのだから。

 

「昨日帰った後、こうなったんだわ。――セコンド頼んだぞ」

 

「え、ええー、セコンドの勉強はしてるけど、実践経験は昨日くらいだよ」

 

「まあ、何とかなるさ。 窓果のセコンドなら」

 

「ど、どこからそんな自信がくるの!?」

 

俺の軽い口調に、窓果が突っ込む。

此方を向いた真藤さんが、歩み寄った。

 

「やあ、如月君。 今日はよろしくね」

 

真藤さんはニコっと笑う。 相変わらず爽やかな笑顔だぜ。

 

「ええ、今日は胸を貸して頂きますよ」

 

「いや、それは僕のセリフだよ」

 

「部長。 如月翔は何者なのですか?」

 

佐藤院さんがそう聞いてくる。

それはそうだろう。 真藤さんが無名のコーチに試合を申し込んだのだから。

真藤さんが、話していいかい?と言ってきたので、大丈夫と答える。

 

「佐藤くん。 飛翔姫に対する、妖精姫って知ってるかい?」

 

「ええ、それはもちろん。 伝説のスカイウォーカーですわね。 それと、佐藤院です」

 

「佐藤くんが言う、スカイウォーカーが試合をしてくれるんだよ」

 

「そうだったんですか。 部長、佐藤院ですわ。……はい?」

 

佐藤院さんの目が点になる。

 

「如月翔くんの正体は、妖精姫なんだよ」

 

「ほ、本当ですの!?」

 

俺は頭を掻く。

 

「伝説のスカイウォーカーは過去の話です。 今の俺は、久奈浜学院のコーチですよ」

 

真藤さんは苦笑した。

 

「そうだったね。 今の如月君は、久奈浜学院のコーチだったね」

 

「そうですよ。――じゃあ、始めますか?」

 

「そうだね。 面白い試合にしよう」

 

俺と真藤さんは一呼吸置いてから、

 

「「――Fly!!」」

 

と言い、飛翔を開始した。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

俺はフィールドフライを数分してから、スタートラインについた。

 

「すいません、待たせちゃって」

 

「構わないよ。 じゃあ、始めようか」

 

インカムから、窓果の声が届く。

 

『セット!』

 

俺は精神を集中させ、スタートの構えを取る。

 

『――GO!』

 

俺は、掛け声と同時に飛び出した。

だが、真藤さんも、俺と同じタイミングで加速を開始していた。

真藤さんは、スピーダー寄りのオールランダーだ。

同じスタイルだが、ブランクがある俺の方が分が悪い。

 

『翔君、あれを仕掛けようか』

 

「了解だ」

 

真藤さんがセカンドブイにタッチし、得点は0-1。

真藤さんは、セカンドブイをタッチした反発力を利用し、更に加速する。

俺はセカンドブイ付近で体を捻り、足一点に溜め込んだ力を思い切り蹴る。 爆発的に加速し、真藤さんを追い抜きサードブイにタッチし、その反動を利用し加速する。

これで得点は、1-1。

 

『作戦成功だね。――翔君、気をつけてね。 真藤さん、絶対に何か仕掛けてくるよ』

 

「ああ、わかってる。 ショートカットしないで、俺に並ぼうとしてるからな」

 

俺は気配察知が優れている為、数メートル後方が自然と把握できるのだ。

そして、徐々に距離が詰まっていく。

真藤さんは俺に並んだ瞬間、急減速をかけ、海面付近まで降下する。 両腕を開き、空に向かって急加速する。 同時に、水飛沫が舞う。

 

「コブラかよ!」

 

『翔君、上!』

 

「――っち、間に合わない」

 

俺の体は海目掛けて弾かれ、ドボォォンン!と海面に激突した。

これは、コブラからのスイシーダだ。 この連携は簡単に出来る物ではない。 プロレベルの技だ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「翔君!」

 

窓果は、今の攻防を見て声を上げていた。 窓果は、翔のセコンドを務めるにあたって、様々な技の勉強をしてるのだ。 今の連携技は、プロの技だ。

 

「部長! 早くフォースブイに!」

 

佐藤院の声が、窓果の耳に届く。

指示に応じて、真藤はフォースブイに向かって加速を開始する。

 

「翔君!」

 

窓果は、翔の名を呼ぶ。

すると、数秒後――。

 

『大丈夫だ』

 

「よかった。――翔君。 真藤さんはフォースブイに向かってる。 翔君、ショートk……うんん、翔君なら間に合うよね」

 

『ああ、ドックファイトに持ち込む』

 

そう言って、翔はメンブレンをショートカットさせ、ドンッ!と海を蹴り、上空に向かって超加速を開始した。

翔が昔、猛特訓して手にした技。――ソニックブーストだ。

そして、真藤に向かってエアキックターンを繰り出した。 加速してる真藤の足に、翔の右手が振れ、メンブレンの反発が生じる。 この反発で、真藤と翔が弾かれた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

俺と真藤さんは、メンブレンの反発により弾かれたが、素早く体勢を立て直した。

 

「……この数分間で、プロ級の技が三つは出たね」

 

「……そうですね。 俺も予想外ですよ」

 

話してる間も隙を見つけようとするが、それは何処にもなかった。

と言うことは、自身で作るしかない。

 

「さあ、続きをしようか」

 

「そうです、ねッ」

 

俺と真藤さんは背中を取る為に、メンブレンが弾け合いながら攻撃を仕掛けていく。

青と紫のコントレイルが絡み合い、美しい軌跡が描かれる。

俺はプレッシャーをかけ攻撃を仕掛けるが、真藤さんは冷静にそれを捌いていく。

対する俺も、プレッシャーを掛けられても、冷静に対処する。

だが、一瞬の隙を、真藤さんは見逃さなかった。 真藤さんは、がら空きになった俺の背中をタッチしようとするが――。

 

『翔君、今!』

 

「おう!」

 

俺はタッチされる瞬間にバク宙し、それを躱した。

そして、がら空きになった真藤さんの背中をタッチする。

これで、2-1だ。

 

「ぐッ!」

 

だが、俺は違和感を感じた。

真藤さんは、フォースブイの方向に体を向けていたのだ。

 

「(――まさか!)」

 

そう。 真藤さんは、背中をタッチされた反動を利用し加速したのだ。

 

『翔君、これは間に合わない。 ファーストラインまでショートカット』

 

「ああ、わかった。――流石最強のスカイウォーカーだわ。 あそこまで計算に入れてるなんてな」

 

『この試合。 もう、プロレベルだよ』

 

窓果は、インカム越しに苦笑していた。

 

「かもな」

 

俺も苦笑しながら応じる。 俺はショートカットし、ファーストラインで真藤さんを待ち構える。

そして真藤さんは、フォースブイにタッチした反発力で加速する。

これで得点は、2-2だ。

真藤さんは、シザーズの中にフェイントをかけながら揺さぶりをかけてくる。

だが、俺はそれに惑わされることはない。

 

「(――どこから来る)」

 

俺は我慢して、前を見続ける。

そして――。

 

「『――正面!』」

 

俺と窓果の声が重なった。 俺は加速し、真藤さんのメンブレンに触れ、その衝撃で真藤さんは減速した。

俺は、真藤さんの回りを大きな三角形を描くようにして鋭く飛翔を開始する。

これ技は――デルタフォースだ。

真藤さんは身動きが取れなくなったが、じっくりと回りを観察していた。

 

「(――ここだ!)」

 

一瞬の隙をつき、真藤さんの背中を目掛けてタッチしようとした。

だが、俺の攻撃は、体を捻り躱されてしまった。

そして、真藤さんが上になり、俺の背中を取る形になったが――。

 

『翔君!』

 

「ああ!」

 

今の攻撃はフェイクであり、本当の狙いはこれだ。

これもソニックブースト同様、努力して掴み取った技だ。 上を取られた相手の背後に回り込む技。――ブラスターロールだ。

 

「な、何だと!?」

 

「これで終わりだ!」

 

がら空きになった背中をタッチしようとしたが、その時、甲高いホイッスルが耳に届いた。

試合終了の合図だ。

俺の手は、真藤さんの背中をタッチする寸前で停止していた。 試合結果は、2-2の同点で幕を下ろした。

俺は手を下ろし、息を吐いた。

 

「終わりましたね、真藤さん」

 

真藤さんも此方を振り向き、

 

「ありがとう、如月君。 この試合で、僕の課題がたくさん見つかったよ」

 

「そうですか。 お役に立てて良かったです」

 

そう言い、俺と真藤さんは固い握手を交わした。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

浜辺に着陸すると、窓果が早足で歩み寄って来た。

 

「翔君、お疲れ様」

 

「まじで疲れた。 俺の合宿は、終了してもいいんじゃね」

 

窓果は苦笑した。

それから、お姉さん口調で、

 

「はい、そんなこと言わない。 最後まで頑張ろうね」

 

「お、おう。 そうだな」

 

真藤さんと、佐藤院さんが此方に歩み寄って来た。

 

「お疲れ様。 如月君、僕のわがままを聞いてくれてありがとう」

 

「いえいえ、俺も今の試合で勘が戻ってきましたし」

 

佐藤院さんが口を開く。

 

「青柳窓果。 あなた、セコンドの初心者ですの?」

 

「そうですよ? セコンドは、二回目ですよ」

 

佐藤院さんは、驚愕していた。

 

「な、なぜ、あんなに的確な指示ができますの?」

 

「そうですねー。 一つはセコンドの勉強で、もう一つは、試合中、翔君が何をやりたいかが大体解るんです」

 

真藤さんが、へー、と声を上げた。

 

「選手とセコンドの信頼関係だね。 青柳さんと如月君のペアが試合に出たら、ダークホースになるね。 君たちは、どんな関係なの?」

 

俺は、思案顔をした。

 

「うーん、学校の同級生」

 

「仲の良い友達だよ。 翔やん」

 

「たしかに、仲は良い方かもな」

 

「そうだよ。 家もお隣さんだしね☆」

 

「お隣さんではないから、家を二軒挟んでるから。 てか、最後の星はやめなさい」

 

「いやいや、私の個性なんだし」

 

「まあ、そうだけどさ」

 

佐藤院さんが、おずおずと口を挟む。

 

「ふ、ふたりは、ホントに仲が良いんですのね」

 

「仲が良いことは良いことだよ、佐藤くん」

 

「そうですわね。――あと部長、佐藤院ですわ」

 

真藤さんは、一拍置いた。

 

「試合の話に戻るが、この試合は僕の負けだよ」

 

「え、試合結果は2-2の同点じゃないですか?」

 

「そうなんだけどね。 試合全体で見ると、僕の負けだよ」

 

あと数秒残ってたら、真藤さんの背中にタッチして勝ってたけど。

同点には変わりはない。

 

「いえ、同点ですよ」

 

「そうかい。 如月君は謙虚だね。――さて、皆も待ってると思うし、宿舎に帰ろうか」

 

俺と窓果、真藤さん佐藤院さんは支度をし、宿舎に戻った。

こうして、合宿二日目が終了したのだった――。




えー、この試合でプロ級の技が結構でましたね(^_^;)
もう、高校生レベルじゃなくね、的な感じです。エアキックターンも、なかなか高難度の技なんですよね……。足一点に力を溜め込んだエアキックターンて、やばぁいよね(笑)
あおかなのzwei、待ち遠しいですね。

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