「何……してんだ…?」
「蒐集だ。闇の書に魔力を与えるためのな」
「そんな事を聞いてんじゃねえんだよ!!お前、自分が何をしたか分かってんのか!?」
だが奴の対応は変わらない。
「蒐集だ。闇の書に魔力を与えるためのな」
仮面の野郎は何の感情も持たずにただ淡々と話す。それを見てオレの苛立ちは徐々に上がっていく。
「てめえ……フザケんじゃねえぞ!!」
オレが斬りかかろうとすると、それより先に仮面の奴に斬りかかった奴がいた。
「――霜天に坐せ『氷輪丸』!!」
西園寺が刀を解放した。氷の竜は仮面の男を喰らおうとしたがまた壁によって防がれた。
「アンタは……絶対に許さない!!」
その時仮面の奴に斬りかかる影がもう一つあった。
「ハアァァァ!!」
「!!」
ガギン!
仮面の男がシグナムの刀を止める。そしてシャマルの時と同様に胸に手をかざした。
「さらばだ」
「ぐわぁぁぁ……」
シグナムも光と化した。
それと同時に後ろから犬耳が仮面の男に殴りかかろうとする。
ドン!
だがやはりそれも壁に阻まれる。
「……そうか。貴様は守護獣だったな。今すぐ仲間の下に連れて行ってやる」
そして犬耳も光となり闇の書に取り込まれた。
すると西園寺が仮面の男に向かって突っ込む。
「卍解!! 大紅蓮氷輪丸!!!」
氷の翼で男に向かって行く。そして刀を前に突き出した。
「――
氷の塊が男目掛けて当たる。だが……
「この程度か」
男はその氷を弾き返すどころか、効力もそのままに西園寺に返した。
「えっ……」
――ヤバい!!
西園寺は怯んで完全に身動きが取れない。オレは魔力な縄を無理矢理引きちぎり、急いで西園寺の所まで向かう。
「西園寺!!!」
オレは西園寺を押しのけて飛び込んだ。瞬間冷気がオレを包み込む。死覇装、手足、髪……体全体が凍りつくのを感じながらオレの意識は遠退いていく……
三人称side
「黒木君!!」
「「悠牙(君)!!」」
悠牙は氷の中に閉じ込められた。
「くっ!ハァァァ!!」
氷輪丸で斬りつけるが全てかわされる。
「どうした小娘。それでは敵は取れんぞ」
「っ!!うるさい!!」
由樹は氷輪丸を引っ込めて刀を変える。
「吼えろ『蛇尾丸』!!!」
日本刀が連結刃になり仮面の男目掛けて飛んでいく。しかし簡単に止められてしまい、刃を掴んでそれを引っ張る。
「うわぁっ!!」
投げ飛ばされた由樹は病院の屋上に叩きつけられた。
「グハッ!!………こんのぉー!!」
由樹は地面を蹴ると再び男に向かって行った。
「卍解!!
由樹は狒狒の毛皮を羽織り、手に持っていた連結刃の刀は骨のような物で出来た蛇腹と、先端に頭が着き、巨大な蛇となったになった。
「食らえ……
蛇の連結部分が由樹の掴んでいる方向から準々に赤く光っていき、最終的には蛇の頭の口から赤い砲撃が飛んでいった。
「!?」
ズドォォォォン!!!!
狒骨大砲は男に直撃した。しかしそれほどダメージは受けていない。
「クッ!ダメか!」
すると男が目の前から消えた。
「!? どこへ……!」
瞬間、男は隣に現れて由樹を蹴り飛ばす。
「がはっ!!」
飛ばされた先は先ほどの攻撃で由樹を庇い変わりに氷付けになっている悠牙の所だった。
「(黒木君……助けてよ……お願いだから………!!)」
そう願った時、氷付けにされた悠牙の刀の斬月から赤黒い霊圧が漏れ出ていた。
三人称side out
――寒い……
腕どころか指一つ、動かせねえ……
オレは………
死ぬのか……?
【……牙………】
誰だ……オレを読んでるのは……
【……して……さい……牙……!】
……ルナ…?
誰だっけ……
ルナ……なのは……はやて……フェイト……西園寺……優斗……雅紀……バニングス……月村……
助ける……誰を……?
そうだ……シグナム達だ……
護る……誰を……?
そうだ……なのはとフェイトをだ……
じゃあ、なんでオレはここにいる……?
…何やってんだオレはァァ!!!
【しっかりしてください悠牙!!】
《分かってるよ!!行くぞルナ!!》
【はい!】
「卍、解!!!!」
ドォォォォン!!!!!
「天鎖斬月」
「「悠牙(君)!!」」
「黒木君!!」
なのは達がオレの名前を読んでこっちに来る。
――オレはやっと氷の檻から抜け出せたんだ。
辺りを見渡すと戦闘の跡が所々についている。空には如何にも怪しそうな三角形が浮いていた。
なのは、フェイト、西園寺に至っては砂埃で汚れている。
「悪りィみんな。待たせたな」
「待たせすぎだよ悠牙君!」
「おかえり、悠牙」
「待ってたよ、黒木君」
「なんと……あの攻撃を受けて無事でいられるとは……フッ……まぁいい。既に復活は遂げられた」
その時背後で叫び声が聞こえた。
「いやぁぁぁぁ!!!」
「この声……まさか!!」
「「はやて(ちゃん)」」
「オイオイ……あれがホントに……はやてか……?」
そこにいたのははやてとはどこか違う銀髪の女性が立っていた。
「我は闇の書…我が力は…主の願いをそのままに…」
自らを『闇の書』と名乗る銀髪の女性は涙をこぼしながら右手を空へ向けた。
すると、どこかの漫画の様に黒い魔力が集まり、その大きさはだんだん巨大化していく。
「闇に染まれ……ディアボリック・エミッション…」
銀髪の女性が呟くと、黒い魔力の塊は更に巨大化してこちらにものすごいスピードで向かってくる。
「ヤバい!!」
「レイジングハート!」
【Round Shield】
「ぶっつけ……やるぞルナ!!」
【了解】
オレは天鎖斬月の鍔に霊圧を流し込む。徐々に霊圧を上げていくと卍の形をした赤黒い霊圧の盾が出来た。
「
バチチチチチ!!!!
なのはの盾とオレの月牙霹靂とディアボリック……まぁいいや。それがぶつかり合って火花を散らす。
結果、オレ達の方が守りが強かったため、攻撃を打ち消す事に成功した。
「退くぞ!体制を立て直す!!」
『はい!!』
オレはフェイトを抱いて、西園寺はなのはを抱いて瞬歩を行い、その場を離れて建物の間に移動して隠れた。
「……奴さんが……霊圧感知能力とか……無ければ……いいが……」
オレは今、肩で息をしている状態だ。
さっきの月牙霹靂、霊力を使えば使うほど強固な盾になるが、使いすぎると完全に疲労困憊に陥るのが難点だな
「大丈夫、悠牙?」
「あ、あァ…なんとか……」
その時念話が繋がれた。
《なのは、フェイト、悠牙さん、由樹さん!!》
《ユーノ君!!》
《大丈夫かいフェイト!!》
《アルフ!!》
ユーノとアルフがなのは達を心配して念話を繋いできたらしい。
――ラッキー!丁度いいぜ!!
《ユーノ!今どこにいる!》
《えっ?皆さんのすぐ近くにいますけど……》
《ならすぐ合流してくれ。霊圧の回復と傷の手当てをしてもらいたい!!》
《は、はい!分かりました!》
ユーノとの会話終えるとなのは達を見て言った。
「ユーノ、アルフと合流後、魔力、霊力の回復をしてからアイツを足止めするぞ!!」
「「「うん!!」」」