魔法少女リリカルなのは 月夜の死神 【凍結中】   作:雨蓮

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A good friend never offends (莫逆の友)

A good friend never offends (莫逆の友)

 

三人称side

 

 

 

 

 

なのはの砲撃が夜天の書を飲み込んだ時、赤黒い光がなのはとフェイトの所まで飛んできた。

その光の正体は、先ほど夜天の書に吸収された悠牙だった。

 

 

「ふぅ……なんとか逃げ切れたみたいだな……」

 

「「悠牙(君)!!」」

 

 

2人は悠牙のもとへ向かった。

 

 

「悪りィ悪りィ、また心配かけたな」

 

「心配かけっぱなしだよ、もう!」

 

「……グスッ……でも…無事で…良かった…」

 

 

2人は涙を流しながら言う。悠牙は2人の涙を拭う手伝いをした。

泣き止むとなのはがある事に気付く。

 

 

「あれ?右手の甲に着いてるの何?」

 

「ん?ああこれは………」

 

 

 

三人称side out

 

 

 

 

~回想~

 

 

なのはが砲撃を放つ少し前……

 

 

「我が主、黒木悠牙、これを」

 

 

夜天の書が手のひらから光を出した。一つははやてへ、もう一つはオレの相棒へ

 

 

【? これは……?】

 

 

リングの形をしていたルナが光を浴びると、途端に五角形の手のひらより小さな板になった。そしてそれはオレの右手の甲に装着され、その板には骸骨のマークが浮き出てきた。

 

 

「私の力だ。ほんの少しだがベルガ式の情報を組み込んだ物と融合させた」

 

「へぇーありがとな」

 

 

装着された板を眺めながら言った。するとはやてが夜天の書のチョンチョンとつついて言った。

 

 

「なぁなぁ、ウチのはなんや?」

 

「フフッ……後でのお楽しみです」

 

「えぇ~教えてーな!」

 

 

 

その数分後、ピンク色の砲撃が当たった時、オレ達は脱出を成功させた。

 

 

 

 

 

~回想終了~

 

 

 

 

 

 

「……ってな訳だ」

 

「ふぅーん……そうなんだ……」

 

 

首をガクガク縦に振りながらなのはが言った。するとフェイトが辺りをキョロキョロ見渡してから言う。

 

 

 

「ところで…はやては?」

 

「ああはやては……ほらあそこだ。少し白く光ってんだろ?」

 

 

オレが指差す方向をなのはとフェイトが見る。そこには主はやてとその守護騎士(かぞく)がいた。

 

 

「行くぞ」

 

「「うん」」

 

 

オレ達は白く光っている場所に向かった。

 

 

 

 

 

「夜天の光よ、この身に集え…『リィンフォース』セットアップ!」

 

 

 

はやてがそう言うとなのは達と同様にバリアジャケットが展開される。

 

バリアジャケットは白を基調とされた物で、髪は茶色から綺麗なクリーム色になり、背中にはバリアジャケットとは正反対の色である黒い羽が生えていた。

 

 

 

「はやて…」

 

 

「主、すみません…」

 

 

「私達…」

 

 

守護騎士の3人は言葉を詰まらせながら何か言おうとする。しかしはやては彼女達にこう語り掛ける。

 

 

「ええんよ、それは後や…今は…おかえり皆……」

 

 

「う……うわぁぁぁぁん」

 

 

赤い服の奴が耐えきれずに泣き出してはやてに飛び付く。はやてはそいつを優しく受け止めて両腕を回して抱き締める。

 

オレ達とシグナム達はその様子を微笑ましく見ていた。

するとはやてがこっちを見て言った。

 

 

「なのはちゃん、フェイトちゃん、悠牙君、ごめんな…うちの子たちが迷惑をかけてしもうて…」

 

 

「ううん…気にしてないよ」

 

「それに楽しかったし……」

 

「うんうん……ってオイ!今結構危ない発言だぞフェイト!!」

 

そう言うとはやて達はクスクスと笑い出した。

 

 

 

その時、どう考えてもKYとしか言えない奴が上から現れた。

 

 

「すまないな。水を差してしまうのだが……時空管理局執務官のクロノ・ハラオウンだ」

 

 

「帰れよクロノ」

 

「何故に!?」

 

「いいから続けて」

 

 

クロノをイジメていると西園寺が話を続けるように促した。

 

 

 

「……時間がないから簡潔に説明する。実はあの空間…闇の書の防衛プログラムが後少しで暴走を開始する。僕たちはそれを何らかの方法で止めないといけない」

 

 

「何?ホントかよ!?」

 

 

――暴走する?なんでだ……

 

 

「本当だ、それで今あるプランは二つ…一つは強力な氷結魔法で凍結、二つ目はアースラの持つ魔導砲『アルカンシェル』で消滅させる…この二つだ」

 

 

 

クロノが全員を見渡して言う。するとシャマルとシグナムが反論を上げる。

 

 

 

「あの…最初のは無理だと思います…」

 

 

「凍結させてもコアがある限り再生を繰り返す…」

 

 

 

「アルカンシェルも絶対ダメ!ここで撃つとはやての家もなくなっちゃう!」

 

 

 

――アルカンシェルってそんなにスゴいのか……

 

オレがルナに訪ねようとしたらなのはが代わりにユーノに聞いた。

 

 

 

「ユーノ君、アルカンシェルって?」

 

 

するとユーノは淡々とした口調で言った。

 

 

「えっと、発動地点を中心に百十数キロを消滅させる魔導砲かな」

 

 

「クロノ君!私もそれ反対!」

 

「右に同じく!!」

 

「というかそういうの簡単に言わない!!」

 

 

なのはの反論に続き、オレ、西園寺も反論する。西園寺の場合はツッコミ付きだが。

 

 

 

 

「僕達も使いたくはないが、放っておくとこれ以上の被害が出る……何か方法はないか?」

 

 

「すまない……私たちも暴走に立ち会った経験がないのだ」

 

「いや、普通暴走に立ち会う方がおかしいよ」

 

 

こんな状況でもツッコミをいれる西園寺。

 

 

今オレの中にはいくつか案が浮かんでいる。

オレはその内の一つを提案するために手を挙げる。

 

 

「……ちょっといいか」

 

「なんだ?」

 

「コアを破壊すれば、暴走は……夜天の書は止まるんだな、シグナム?」

 

「あ、ああそうだ」

 

「なら……オレがそれをぶった斬る」

 

 

『…………は?…………』

 

 

全員が唖然を食らっているが気にせず話す。

 

 

「なんとかコアのとこまで行ってそれを壊す。もちろん、本体に支障が出ないようにだが」

 

「だが……そんな無茶苦茶な作戦……」

 

「出来ない事は無い。もしダメだったら……いや、絶対成功させる!!」

 

 

そう言うとみんなの目つきが変わった。

そしてクロノが諦めた様に言い放った。

 

 

「分かった、好きにしろ。だが必ず成功させろよ」

 

「言われなくてもそのつもりだっての」

 

 

 

こうしてオレ達は暴走を止める為に動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

「なのはちゃん、フェイトちゃん、悠牙君、ちょっとええか?」

 

 

 

「なんだ?」

 

 

代表してオレが返事をする。

 

 

「みんなを回復させたいんや。シャマル…」

 

「出番よ『クラールヴィント』……」

 

 

 

自分の指輪にキスをするとオレ達の足下に緑色の魔法陣が出現する。

すると体中の傷と疲れがみるみるうちに引いていった。

 

 

 

「湖の騎士シャマルと風のリング『クラールヴィント』、回復と補助が本領です♪」

 

 

「ありがとうございます、シャマルさん!」

 

 

「おぉ……すげえ……」

 

 

 

霊圧も回復して死覇装も元通りになった。

これで本気を出せるな……

するとフェイトがオレの服装を見て驚いていた。

 

 

 

「あれ?悠牙の服、いつの間にか元通りだね。なんで?」

 

「あァ、それは、オレの卍解の死覇装――バリアジャケットの卍解状態は霊圧の増減を表してんだよ。死覇装の3分の1、つまり腕だけ残ってたら全体の霊圧の3分の1しか残ってねえんだ」

「へぇ~そうなんだ……」

 

 

 

 

そんな事を話しているとクロノが話し始めた。

 

 

「さて、そろそろ時間だ。闇の書の防衛プログラムは強固なバリアを何重にも纏っている。まずはそれを個人の力で破壊する」

 

「そしてオレが暴走してるアレのコアをぶっ壊す。なんとも簡単な作戦だな」

 

「そこまで行くのが大変なんだろうが」

 

 

 

 

「私たちはサポートに回るよ、あのバリケードを止めるよ」

 

 

「はい」

 

 

「うむ。周りは我らに任せ皆は防衛プログラムの破壊に専念してくれ」

 

 

「ではサポート班はアルフ達3人、他は闇の書の防衛プログラムの破壊だな」

 

 

「ハイハイハーイ!私もやる!」

 

西園寺が元気よく手を挙げて言う。

 

 

「確かに西園寺は遠距離タイプの技が多いから、うってつけかもな」

 

 

「そうか……なら頼んだよ西園寺さん」

 

「りょーかい!よろしくねユーノ君、アルフ、ザフィーラ!」

 

 

「一緒に頑張りましょう!!」

 

「へばるんじゃないよ由樹!」

 

「うむ……共闘できる事を嬉しく思うぞ、西園寺」

 

 

昨日の敵は今日の友…とはこの事なんだろうな~…以前までは命を賭けて戦っていたが、今となっては共闘をしている。これだけでも充分シグナム達は変わったんじゃないか?

 

 

 

 

 

 

「始まるな……」

 

 

 

オレは一足早く夜天の書の暴走体を見ていた。

ドス黒い空間、そして黒い火柱――魔力のようなものが上がる。

天鎖斬月を握る手が小刻みに震える。これは武者震い……もあるが、大半は恐れからくる震えだ。

 

 

 

【怖いですか?】

 

「…たりめえだ……こんなとこで死にたくねえよ……」

 

【なら辞めてみてはいかがでしょう?】

 

「バカ言うな、みんな怖いんだ…なのに、オレだけ逃げ出すなんて真似……出来るわけねえんだ………」

 

 

オレはしばらく黙り込む。そしてルナに聞いてみる。

 

 

 

 

「なぁルナ」

 

【なんですか?】

 

 

「オレと居れて良かったか?」

 

 

するとルナは少し無言になってから言った。

 

 

【まったく……私が人間だったら『肩をすくめる』という動作をしていたでしょう】

 

 

そう言ってから続けた。

 

 

【当たり前じゃないですか。私はアナタのデバイスであり相棒であり仲間であり戦友(とも)でもあります。そんな人と一緒に居たくないなどとは思いませんよ】

 

 

「そうか……ありがと……」

 

 

オレはそう呟いて感謝を述べる。

 

 

 

【ですが、無茶しすぎなのが玉に瑕ですけど】

 

「……今までの感動を返せコノヤロー」

 

 

……一言余計だっつーの

 

 

 

 

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