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〜翌日 学校〜
「だから機能性だよ〜」
「何言ってんの!デザインでしょ!」
朝から……違った。オレが授業中寝てたから朝に感じるだけだ。
オレ、なのは、フェイト、バニングス、月村、西園寺はいつも通り屋上で昼食を食べていた。
昼休みから何を言い争っているかと言うと、フェイトのケータイを買いに行くという事でそのカタログを見ていた。それで買い物に付き合う事になったオレ達はフェイトのケータイをどれにするか(特に女性陣が)勝手に決めようとしていた。
「悠牙はどんなのがいいと思う?」
フェイトはオレの隣に座って聞いてきた。
「そうだなー…今世間じゃスマホとかって騒がれてるからそれでいいんじゃないか」
デザインやら機能性やら、あんまりそこに興味が無いため無難なスマホを選んで言ってみる。
「へぇ〜そうなんだ〜」
「ま、オレはスマホじゃなくて二つ折りのケータイだけどな」
そう言って赤と黒のケータイを出してフェイトに見せる。するとフェイトはそれを手に取ってまじまじと見ている。
オレはそんなフェイトの頭を軽く叩いて言った。
「ま、今日お店行って自分の気に入った物を買えばいいさ」
「……うん!」
そして結局フェイトのケータイを決められずに昼休みは終わった。買うのはお店でのお楽しみとなった。
〜某ケータイ店〜
放課後、いつものメンバーでフェイトのケータイを買いに行った。ケータイを買うために付き添いでリンディさんが来た。なんでもフェイトの母親らしい。言っちゃなんだが少し似てない。綺麗な目鼻立ちは同じだが少し似てない。でも今の話とは全く関係ないけどな。それにしても…――
「なんでお前らがいんだよ優斗!雅紀!」
「てへ♪ついて来ちゃった!」
「ゴメンね悠牙、止めたんだけど……」
優斗は完全にふざけモードに入ってる。雅紀は申し訳なさそうにしてるからいいけど…
「はぁ〜」と溜め息をつくと向こうの方からなのはが手を降っている。何か用か?
「メアド交換しよっ!悠牙君!」
――なるほどね…
「分かった。赤外線出来るか?」
「うん……ちょっと待ってね……よし!出来た。送っていいよ悠牙君」
「よ〜し、送るぞ〜」
そう言ってなのはにアドレスを送る。その後同じようになのはからアドレスをもらう。
その時誰かがオレの服の袖を引っ張ってきた。振り向くと少し恥ずかしそうに俯いているフェイトがいた。
「ゆ、悠牙……」
「どうした?」
「えっと…その……」
もじもじしながら俯いているフェイト。その手にケータイが握られている事に気づいたオレは、フェイトが何をしたかったのかやっと分かった。
「メアド交換したいのな」
「ふぇ!?……な、なんで…?」
「違ったか?」
「い、いいえ!!合ってます!!」
オレはフェイトのケータイを受け取ると慣れた手つきでオレとフェイトのアドレスを交換させた。そして登録の完了したケータイをフェイトに手渡す。
「ほい、完了。いつでもメールしていいからな」
「う、うん…あり…がと…」
お礼を言うときもやっぱり俯いているフェイト。
フェイトがなのは達と楽しそうに話している時後ろから肩を叩かれた。振り向くとフェイトの母親であるリンディさんが立っていた。
「なんでしょうか?」
なんでオレに用事があるのか分からなかったため尋ねる。
するとリンディさんはフェイト達といたさっきよりも真面目な顔でオレを見て言った。
「ちょっと…アナタの事について聞いてもいいかしら、黒木悠牙君」
質問の意図が呑み込めないため惚けてみた。
「というと?」
そう言うとポケットから携帯端末を取り出してある映像を見せられた。
「!? これは……」
そこに映っていたのは始解から卍解、更には月牙天衝や虚化を使っているオレの姿だった。
「……これで、分かるかしら?」
「……はい…ですがオレから何を聞くつもりですか?『危険因子は排除』とでも言うつもりですか?」
少し強めに出てみた。さて、どう出る…?
「最初はそう思ったわ。でもこの戦闘の時の仲間を護る姿や、今のフェイトさんへの態度。全てにおいて危険じゃないと判断したのよ」
意外だった……まさかかなりの好印象だった事に驚く。
結構細かいとこまで見てんだな……
リンディさんは続けた。
「アナタもそうだけど、あの由樹ちゃんもアナタと同じような能力よね」
「え?あぁ、まぁそうですけど……」
オレは続ける言葉が見つからない。
「どうしたの?」
「あの……オレと西園寺の事は後で必ず話します。なので、ここでは遠慮してもらってもいいですか?」
オレがこう言うのには理由がある。
ここにはフェイトやなのはの友達のバニングスや月村だけでなく優斗や雅紀もいる。
コイツ等は絶対に戦いに巻き込みたくない……
するとリンディさんはオレの想いを感じ取ったか取らなかったかは分からないが、希望通りの返答が返ってきた。
「もちろんよ!私達も関係ない人達を巻き込みたくないもの」
「……ありがとうございます…」
結局リンディさんの許可を得てフェイトの家でオレの事を話す事にした。
運良くバニングスや月村は習い事があって途中で別れた。優斗や雅紀はそのまま家に帰った。
余談だが優斗と雅紀もどうやらなのは達、女子とメアドを交換が出来たらしい。
「うぉぉぉ!!遂にオレの時代が来たぁぁぁ!!」
「うざいよ、優斗」
〜フェイト宅〜
「それじゃ話してもらおうかしらね」
テーブルに座って話を聞く体制に入っているリンディさん。その隣にはクロノとフェイト、エイミィとなのは。事情を説明するためにオレの隣に西園寺もいた。
「えと……まずはオレと西園寺の能力からですけど…………」
〜死神の能力説明中〜
「へぇ〜という事はその刀や霊力を使って戦闘をする。その時は戦いやすいように少し成長した姿で戦って、そして“始解”と“卍解”があって、更にその上の“虚化”があるって訳ね」
「……はい」
理解するのが早ェな…
あんな短時間で簡単な説明しかしていないのに完全に理解している。この人一体何者なんだ…?
「それでアナタ達のデバイスは?」
「あ、あぁ、これです」
オレと西園寺はルナとアンリをテーブルの上に置く。
【黒木悠牙のデバイス、ルナと申します】
【西園寺由樹のデバイス、アンリだ】
ルナはいつも通り丁寧な口調で、アンリもまたいつも通りでぶっきらぼうに自己紹介する。
「なるほど…正反対のデバイスね……ありがとう!よく分かったわ」
――は?正反対?どういう意味?
リンディさんが言った言葉に疑問を抱きつつ説明会は終わった。
その直後……
【悠牙、彼らの魔力反応です】
「!? どこだ!」
【……砂漠です】
「………は?…砂漠?」
〜砂漠〜
「まさかホントに砂漠に来る事になるとはね〜」
バリアジャケットの黒い着物を展開して伸びをしているのはオレではない、西園寺である。
「あんまはしゃぐなよ。アイツらの魔力反応が出たからここに来てるんだぞ」
……とは言ってもなのはやフェイト達は因縁の対決だからな………今回は譲らねえと…
そんな事を考えていると、お待ちかねのアイツらがいた。
「奴等を目視できた。フェイト、今回はお前がシグナムと戦え」
「……え?…いいの?」
「あァ、思う存分やって来い!!」
そう言うとフェイトは口元に笑みを浮かべた。
「ありがと……見ててね……」
そう言い残すとシグナムの所に向かった。
西園寺は自ら志願して犬耳の奴をやる事になった。なのははフェイトの家で待機。
【悠牙はどうするんですか?】
「ん?オレはね………」
そう言うと同時に砂漠から巨大なムカデやら昆虫類が一斉に出てきた。
オレは斬月を抜いて月牙を放つ。
ズドォォォォン!!!
「……この
オレは虫共に単身向かっていった。
三人称side
ザフィーラvs由樹
「また会ったね犬耳さん」
「犬耳ではない。ザフィーラだ」
2人はそれぞれ相手を見据えながら一歩も動かない。
その時アンリが由樹に念話で語り掛ける。
【断風で来る事は読まれているぞ。雀蜂を使うにもまだ解放されていない……どうするつもりだ由樹】
(分かってる。だから今回は“瞬閧”を使うよ)
【なっ!?“白打”で奴とやり合うのか!?むちゃくちゃだ!相手は戦闘慣れしているだけでなく、何より男だ!女のお前に勝ち目は………】
アンリがそこまで言うと由樹は少し笑い、そして続ける。
(何も白打だけとは言ってないよ。鉄拳断風で瞬光を使うだけ。だからなるべく装甲軽くしてね)
【………了解した】
そこで念話は切られた。
「……ありがと……アンリ……」
そう言うと由樹は刀を抜いて口上を口にする。
「卍解!!吹っ飛ばせ『鉄拳断風』!!!」
霊圧が由樹を包み込み、中から現れたのは以前ザフィーラと戦った姿だった。
「あの時の姿か……だが二度も同じ手は通じない!!」
ザフィーラは由樹にものすごいスピードで突進していく。
【霊圧解放完了。SOULcode set】
「りょーかい!!『瞬光』!!!」
由樹の体の周りに霊圧が纏われビリビリと雷を纏ったかのような姿になった。そのせいで死覇装の袂から袖が破れ落ちた。
「なんだ!その姿は!!」
「へへっ♪行っくよォ!!」
三人称side out
「月牙天衝ォ!!」
虫の大群が一気に消し飛ぶ。
「……ったく多すぎ……」
そう愚痴ってるとルナが声を上げた。
【悠牙!!フェイトさんが!!】
「あァ?フェイトがどうした………っ!!?」
オレはフェイトの方に目を向ける。そこにはシグナムとフェイト、そして妙な仮面をつけた奴がいた。体格からして男。そいつがフェイトの体を貫いていた。
そこから何も考えられなかった。ただただフェイトを助ける事に夢中になって急いて向かう。
「てんめぇぇ!!」
ザッ!
「どけぇっ!!」
斬月を握り締めて瞬歩でフェイトの助けに向かう。
「クソッ!!間に合え!!」
【悠牙!霊圧の解放がまだで、卍解は今使えません!!】
「分かってる!!あっちが仮面野郎ならこっちもだ!!」
オレは左手を顔の前に持って行く。
――始解状態での虚化は初めてだからどうなるか分かんねえ……けど…!
オレは引っ掻く様に手を下に下ろす。
「ウラァァァァ!!!」
少しだけスピードが上がる。だが後ろから虫共が追いかけてくる。
「うぜえ!!」
オレは青白い月牙で虫共をかっ消す。
そして仮面の野郎の所まで行くとそのまま斬月を振り下ろした。
ガギン!!
――チィッ!壁か!
見えない壁の様なもので斬月を止められた。
「何者だ貴様」
「その言葉……そっくりそのまま返してやるよ!!!」
オレは斬月に霊圧を籠める。
「月牙……天衝ォ!!!」
黒い月牙を放つと仮面の野郎の壁が砕け散り、奴の腕を飲み込んだ。
「!!………小娘は邪魔か……」
そう言うと仮面の野郎はフェイトを捨てる。落ちていくフェイトを抱くとシグナムに投げた。
「っ!?なぜ…?」
「今はてめえに頼るしかねえんだ!!だから頼む!その代わり、フェイトに手ェ出したら許さねえからな!!」
「……分かった。約束する」
それを聞いてオレは仮面の野郎を追いかける。
だがその時体中に激痛が走る。
――っ!!始解状態で黒い月牙はキツいな……撃ててもせいぜい残り2発だ……
虚の仮面にひびが入る音を聞きながらオレは仮面の野郎に向かう。
「待ちやがれ!!」
そう言うと仮面の野郎はこっちを向いた。それと同時に斬月を振り下ろす。
ガギン!!
「チィッ!またかよ!!」
一旦距離を空けて息を整える。
既にオレの仮面は右半分は無くなっている。
そしてオレはあるものが目に入る。
光の球体――おそらく魔力の核リンカーコアだ。その証拠に球体の魔力の濃度が濃い。
「そうか……てめえが……てめえが……なのはを……フェイトを……」
ザッ…
「やりやがったのかぁぁぁぁ!!!」
オレは月牙を纏わせ斬りかかる。壁に徐々に『パキッ…パキッ…』とひびが入る音を聞くと纏わせていた全ての月牙を斬撃に乗せる。
「――月牙ァ……」
なのはとフェイトの痛み……食らいやがれ!!!
「天衝ォォ!!!!」
「ぐわぁあぁぁぁ!!」
黒い斬撃は仮面の野郎を包み込みやがて見えなくなった。
だが周りに死体は残っておらず、残留魔力のみが残っていた。
パキン……
オレの虚の仮面は割れ、粉々に消え去った。
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ………」
【大丈夫ですか悠牙?】
息がきれてるオレを心配してくれる相棒(ルナ)
「……んな訳……ねえ……だろ……」
オレは砂漠に降り立ち座り込んだ。
「……早く……ハァ……エイミィに……連絡…を……」
【それは既に済ませています。ですのでご安心を】
「そう…か……良かっ…た……」
オレはそう言って力無く横たわる。
【……自分の心配をしてくださいよ……主(マスター)……】