遊戯王ARC-V~緋色の英雄~   作:《陽炎》

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バースデー更新となりました。遊代と不審者とのデュエルが決着。その勝敗は如何に……

奇跡の双騎士も実に1年10ヶ月振りの最新話を更新しておりますので其方の方もご覧になってみてください


第10話 英雄を討つ反逆の翼

「オレは融合回収を発動して融合素材にしたブレイズマンと融合を墓地から手札に加える。そして墓地の置換融合はこのカードを除外する事で、オレの墓地の融合モンスター1体をエクストラデッキへ戻し、カードを1枚ドローする効果がある」

 

「融合モンスターをエクストラデッキへ戻すだと?」

 

人気のない場所にある1つの倉庫内で始まった遊代と襲撃犯のデュエル。現在5ターン目、遊代はE•HERO ガイアを融合召喚した後も更なる融合召喚を狙いその手を進めていく。

 

「オレは墓地のE•HERO アブソルートzeroをエクストラデッキへ戻して、カードを1枚ドローする!」

 

置換融合もう1つの効果でアブソルートzeroをエクストラデッキへ戻して1枚ドローし融合回収と合わせて手札を補充する。これで次の融合召喚は準備は整えた。

 

「そして墓地から回収した融合を発動して手札のブレイズマンとバブルマンを素材に融合!灼熱の炎の英雄と、湧き出る水泡が1つとなり、1人の英雄が今目覚める!全てを凍らす絶対零度で、この世の悪を打ち砕け!再び現れろ、E•HERO アブソルートzero!」

 

エクストラデッキへ戻したアブソルートzeroを早速ブレイズマンと水属性のバブルマンを素材に2度目の融合召喚。例え倒されてもヒーローは何度でも復活する。そう、デュエルが終わるまで。

 

「そしてセットしていたフュージョン・ギフトを発動。融合モンスターのガイアとzeroがいるから2枚ドロー!」

 

そしてメタモルポットの表示形式変更前にセットしておいたフュージョン・ギフトを発動して2枚ドローを行う。これで手札は6枚、襲撃犯と同じ枚数だ。

 

「そして墓地のネクロダークマンの効果!このカードが墓地に存在する場合に1度だけ、『E•HERO』をリリースなしで召喚できる!」

 

「何時の間にそんなカードを……っ、あの時か!」

 

「そうだ。メタモルポットの効果で捨てていたオレの残り1枚の手札だ!」

 

遊代がメタモルポットの効果で捨てていたのは墓地にいる時にこそその真骨頂を発揮するネクロダークマン。手札を捨てる事までも次の展開に備えていたのだ。

 

「オレはE•HERO エッジマンを召喚!これでモンスターは揃ったぜ!」

 

メタモルポットリバース効果によるドローで引き込んでいたエッジマンをリリースなしで召喚した事で遊代のフィールドには攻撃力2500超えの『E•HERO』3体が揃い踏み。これで攻撃の布陣は揃った。

 

「バトルだ!俺はE•HERO ガイアでRRーライズ・ファルコンを攻撃!コンチネンタル・ハンマー!」

 

攻撃力を奪ったガイアで攻撃力を奪われたライズ・ファルコンを攻撃!この攻撃が通れば2200のダメージ。そしてライズ・ファルコンが居なくなり守備力が元に戻ったフォース・ストリクスをエッジマンで攻撃すれば貫通効果で600の戦闘ダメージ、そしてzeroのダイレクトアタックで合計5300のダメージで遊代の勝ちだ。

 

「俺は墓地からトラップカード、RRーバリケードを発動!このカードを除外し、このターン『RR』は戦闘・効果では破壊されない!」

 

「墓地からトラップ……!けど、ダメージは受けて貰うぜ!」

 

襲撃犯は墓地からRRーバリケードを除外し、このターンも『RR』を破壊から守る。戦闘破壊こそできずともダメージは発生する。ガイアでの戦闘ダメージは2200のまま、エッジマンでの貫通ダメージは100になるし、zeroもライズ・ファルコンに攻撃する事になるがそれでも合計3250のダメージは与えられる。

 

「それはどうかな?俺は更に墓地からトラップカード、RRーレディネスを発動!」

 

「また墓地からトラップだとっ!?」

 

まさか連続で墓地から罠を発動してくるとは思っておらず流石に意表を付かれた。RRーバリケードは破壊耐性を付与する効果だがRRーレディネスはどうだ?確か『RR』モンスターは戦闘では破壊されない効果だった筈、それと同じ効果ならばわざわざ発動する訳もない。

 

「このカードを除外する事で、このターン俺が受ける全てのダメージは0となる!」

 

「なっ、そうきたか……!」

 

これで『RR』は戦闘・効果でも破壊されず襲撃犯が受けるダメージは全て0。続行されていたガイアの鉄槌はライズ・ファルコンの前に現れたバリケードが防ぎ、ダメージもバリアがかき消して発生しない。これではもうこのターン攻撃を続ける意味はない。

 

「まさか1ダメージも与えられねーなんてな、オレはカードを3枚セットしてターンエンド。そしてターン終了時にガイアとライズ・ファルコンの攻撃力は元に戻る」

 

もうこれ以上攻撃しても意味はないので遊代はガイアの攻撃後バトルフェイズを終えるとカードを3枚セットしてターンを終えた。

 

「戦場を生き抜いた俺がそんな攻撃でやられるか!俺のターン!」

 

襲撃犯にとってデュエルは命を賭した戦い。次々と故郷を蹂躙され壊され負ければカードにされる。そんな数も力も劣る中で腕を磨き上げ今日まで生き抜いてきたその実力に自信があるからこそ負ける気がしない。いや、負ける訳にはいかない。特に融合召喚を使うアカデミアのデュエリストには絶対に。

 

「俺は永続魔法RRーネストの効果を使い、墓地から『RR』を手札に……」

 

「そうはいくかよ!速攻魔法ダブルオープン!マスク・チェンジ!非常食!」

 

「マスク・チェンジだと?」

 

襲撃犯が墓地からバニシング・レイニアスを回収しようとした瞬間に遊代はマスク・チェンジと非常食の2枚を連続して発動した。非常食の効果は襲撃犯も知っている。しかしマスク・チェンジというカードの効果は把握していない。

 

「まずは非常食でマスク・チェンジとリビングデッドの呼び声を墓地へ、そしてマスク・チェンジの効果でアブソルートzeroを墓地へ送り、墓地へ送ったzeroと同じ水属性の『M•HERO』1体を変身召喚する!」

 

「変身召喚!?」

 

変身召喚など聞いた事もない。初めて聞いた単語に襲撃犯はこのデュエルで初めて驚きの感情を見せる。

 

「絶対零度の英雄よ、数多の雨をその身に纏い、仮面の英雄へ姿を変えよ!変身召喚!天より落ちる雫にて、全ての敵を浄化せよ!M•HERO アシッド!」

 

絶対零度の凍気を操る氷の英雄を変身させて呼び出したのは、同じ水属性の酸の雨や水を操る仮面の英雄アシッド。

 

「見たか!モンスターを変身させる事で『M•HERO』融合モンスターを呼び出す、これが変身召喚だ!」

 

「モンスター1体で融合モンスターを呼び出す召喚だと……」

 

「そして非常食でマスク・チェンジとリビングデッドの呼び声を墓地へ送った事でオレはライフを2000回復する!」

 

本来融合モンスターは融合素材モンスターが2体必要な筈。それを1体のモンスターのみを墓地へ送る事で上級モンスターを呼び出す等自分が対峙してきた融合次元のデュエリストには1人も居なかった。

 

「そして分かってるよな、zeroがフィールドから離れた時、相手フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

「くっ!」

 

非常食でライフを回復した遊代だがそれはあくまでついで、本来の目的はこれから発動するzeroとアシッドのコンボである。

 

「全てよ凍り付け!アブソルート・フリーズ!」

 

アブソルートzeroが姿を消した事で襲撃犯のライズ・ファルコンとフォース・ストリクスは絶対零度の凍気により凍り付かせ、身動きが取れなくなっていく。モンスターが破壊され居なくなれば2体以上『RR』が存在する事が発動条件のRRーネストの効果は不発に終わる。

 

「更にM•HERO アシッドの効果発動!アシッドが特殊召喚に成功した時、相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊し、相手モンスターの攻撃力は300ダウンする!」

 

「なにっ!?」

 

「相手フィールドを浄化しろ! Acid rain!」

 

アシッドの持つ銃を上に向けて引き金を引くと5つの光線となり襲撃犯のRRーネストを含む3枚の魔法・罠カードを破壊、そして残る2つの光線は既に破壊が確定しているライズ・ファルコンとフォース・ストリクスに直撃し絶対零度によって凍り付き地面へと叩きつけられる寸前だった2体はその光線により粉々になった。

 

「どーだ!これでお前のフィールドは一掃したぜ!」

 

魔法・罠ゾーンのカードも全て破壊する事でモンスターを全滅させた後にまた『RR』を揃えられRRーネストの効果を使う事も封じた。『RR』のその展開力ならば2体以上揃える可能性は高い。

 

『ノヴァ・マスターを融合召喚してドローを狙うって手もあったけど、zeroを融合召喚して正解だったな』

 

ドロー効果を狙いノヴァ・マスターを呼び出し手札を増やす事より相手フィールドを一掃できるこのコンボを狙いzeroを再び融合召喚したのだ。そしてマスク・チェンジも即座に使わずにいたのも良かった。攻め急いでzeroを呼び出した直後にアシッドを呼び出していたらバリケードとレディネスに阻まれzeroの効果、アシッドの効果、マスク・チェンジと3枚のカードを無駄にする所だった。

 

「この程度か……」

 

「なんだと?」

 

「俺が、俺達がどれだけ貴様らに傷付けられ大切な物を奪われてきたと思っている?フィールドを一掃された位で俺が怯むとでも思ったら大間違いだ!」

 

「だ・か・ら!オレは……」

 

襲撃犯はフィールドを一掃されても焦る素振りを見せていない。それ位で慌てふためいていては生き残れなかった。しかし遊代はそんな所業をしでかした次元の人間ではないと訴えかけようとするも、襲撃犯は聞く耳を持たずデュエルを続けている。

 

「俺は既に墓地からトラップカード、RRーリターンを発動している!」

 

「なっ……また墓地からトラップだと!?」

 

襲撃犯はこのデュエル3度目となる墓地から罠カードの効果を発動してくる。

 

「俺のフィールドの『RR』が効果で破壊された場合に墓地のこのカードを除外し、デッキから『RR』カードを手札に加える!」

 

「何時の間にそんなカードを、今アシッドで破壊したカードはzeroの効果より後に破壊した……!あの時か!?」

 

アシッドの効果の破壊したリバースカードは2枚。しかしzeroのモンスター破壊効果はマスク・チェンジで墓地へ送られた時に発動している。それではモンスターが破壊された後に破壊され墓地へ送られているからその2枚のどちらかでは発動条件は満たせない。しかし発動できるカードが1枚だけ残っていた。

 

「そうだ!こいつは貴様のメタモルポットで手札から捨てられた俺の手札の1枚だ!」

 

そう言って襲撃犯は墓地から除外したRRーリターンを遊代へ見せ付ける。やはり遊代の予想は当たっていた、メタモルポットのリバース効果で襲撃犯の手札から捨てられたのはバニシング・レイニアス、ファジー・レイニアスの他に1枚のカードも墓地へ捨てている。その残る1枚の謎のカードこそが今除外したRRーリターンなのだ。

 

「俺はRRーリターンの効果で、デッキから2枚目のRRーネストを手札に加える!」

 

「くっ……!」

 

折角厄介な永続魔法を除去したというのにあっさりと2枚目のRRーネストを手札に加えてくる。

 

『こいつ、強ぇ……!』

 

このデュエルが始まってから攻撃も効果もことごとく防がれてしまい、未だに1ダメージも与えられていない。しかもとうとう自分の効果すら利用してカードを使ってきた。この男のデュエルタクティクスは、自分と同等……いや、それ以上と言える。昨日戦った零児の強さも凄い物だったが、襲撃犯はそれに引けを取らない強さだ。

 

「どうやら貴様はモンスター1体で融合モンスターを呼び出すのを得意気としている様だが、モンスター1体でエクシーズ召喚する等この俺もできる!」

 

「なんだと!?」

 

エクシーズモンスターはそのランクの召喚に必要な同レベルのモンスターを2体以上揃えてこそ呼び出せる召喚法の筈。エクシーズに対してそこまで造詣が深くない遊代だがそれがエクシーズ召喚の基本の筈。

 

「っ!まさか……」

 

そうだ……そうだった。自分が知っているのは飽くまでも『エクシーズ召喚の基本』のみ、融合召喚は『融合』で手札・フィールドのモンスターを素材に融合召喚するのが基本だが、融合召喚も融合モンスターを呼び出す方法も様々な手段がある。

 

「エクシーズ召喚にも他の召喚方法があるってのか!?」

 

そう。遊代の予想通りエクシーズ召喚にも本来の召喚方法以外でエクシーズモンスターを呼び出す方法が存在している。そしてその条件を満たす引き金は遊代が気付かない内に引いてしまっている。

 

「それを今拝ませてやる!速攻魔法、RUMーラプターズ・フォースを発動!」

 

「ら、RUM!?」

 

そう言って襲撃犯が手札から発動したのは速攻魔法、RUMーラプターズ・フォース。これこそエクシーズ召喚の可能性を広げるカードである。

 

「このカードは『RR』エクシーズが破壊されたターンに発動でき、俺の墓地の『RR』エクシーズ1体を復活させ、そのランクより1つ上の『RR』にランクアップさせる!」

 

「墓地のエクシーズモンスターを復活させて、そのモンスターのランクを上げるだと!?」

 

zeroの効果でモンスターを全滅させた事がこのカードの発動トリガーとなってしまった。しかし遊代はその事を悔いる事はなく、エクシーズモンスターを復活させた上にそのモンスターを更に上のランクのエクシーズモンスターにする。その説明を聞いただけで驚き、ワクワクしてしょうがない。

 

「俺は墓地のRRーフォース・ストリクスを蘇生し、オーバーレイ!獰猛なるハヤブサよ。激戦を切り抜けしその翼翻し、寄せ来る敵を打ち破れ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

 

ラプターズ・フォースの効果で墓地からフォース・ストリクスが復活し、フォース・ストリクス1体でオーバーレイ・ネットワークが構築されてゆく。そして燃え盛る激しい炎の中で1羽のハヤブサがその機械の身体を変化させながらその姿を現していく。

 

「現れろ!ランク5、RRーブレイズ・ファルコン!」

 

特定の条件を満たす事で、そのエクシーズモンスターよりランクが上のエクシーズモンスターを重ねてエクシーズ召喚扱いで特殊召喚する。これこそRUM(ランクアップマジック)によるエクシーズ召喚の可能性の1つである。

 

「スゲェ……エクシーズモンスターでエクシーズ召喚を行えるのか……面白ぇ!スゲェよ、エクシーズ召喚!」

 

ランクアップによるエクシーズ召喚を見ると自分はまだまだエクシーズ召喚には疎いのだと改めて身に染みる。しかしそれ以上にまだまだ自分が知らないデュエルが有るのだと遊代は楽しくて興奮してしまう。

 

「何を楽しんでいる!此処は貴様を狩る戦場だ!俺は墓地からトラップカード、RRーメタモルフォーゼを除外し、効果発動!」

 

「またかよっ……!」

 

このカードはアシッドの効果で破壊したリバースカードの1枚だ、またしても破壊したカードを利用された。此処までくると天晴れと賞賛してしまいたくなる。

 

「このカードは俺の墓地のRRーバニシング・レイニアスを対象に効果発動!墓地からバニシング・レイニアスを特殊召喚する!ただし、この効果で特殊召喚したこのカードがフィールドから離れた場合、除外される」

 

RRーメタモルフォーゼの墓地から除外し発動する効果は対象とした『RR』カードの種類により効果が変わる。モンスターならば特殊召喚し、魔法・罠カードならば自分フィールドにセットし、セットしたターンに発動を可能とする。どちらもそのカードがフィールドから離れた場合に除外されるのは共通だ。

 

「そして永続魔法RRーネストを発動!俺のフィールドにブレイズ・ファルコン、バニシング・レイニアスがいる事で効果を発動し、デッキから3体目のミミクリー・レイニアスを手札に加える!そしてバニシング・レイニアスが召喚・特殊召喚に成功した事で、手札ミミクリー・レイニアスを特殊召喚!更にバニシング・レイニアスが居る事で、ファジー・レイニアスも手札から特殊召喚する!」

 

「これでレベル4のモンスターが3体……!」

 

わざわざレベル4のモンスター3体を揃えたのだからその3体を素材にエクシーズ召喚を決めてくるだろう。狙いは2体目のRRーライズ・ファルコンのエクシーズ召喚だろうか。

 

「俺は魔法カード、リベンジ・エクシーズを発動!自分フィールドに同レベルが2体以上存在する場合、墓地のモンスターをエクシーズ召喚できる!」

 

「墓地からエクシーズ召喚だとっ!?」

 

墓地のエクシーズモンスターをランクアップさせたかと思ったら今度は墓地のモンスターをエクシーズ召喚する魔法カードを発動。エクシーズ召喚にも様々な方法でエクシーズモンスターを呼び出す手段があるのだと実感させられる。

 

「俺はレベル4のバニシング・レイニアス、ミミクリー・レイニアス、ファジー・レイニアスの3体でオーバーレイ!雌伏のハヤブサよ、逆境の中で研ぎ澄まされし爪を上げ、反逆の翼、翻せ!エクシーズ召喚!蘇れ!RRーライズ・ファルコン!」

 

墓地よりエクシーズ召喚されたのはRRーライズ・ファルコン。その力は先程この身で味わっている。しかしこのカードがあるのならラプターズ・フォースでライズ・ファルコンを蘇生させランクアップさせておけば、リベンジ・エクシーズでフォース・ストリクスを墓地からエクシーズ召喚できた。そうすれば守備力は自身の効果で3000となり、新たながら『RR』モンスターをデッキから手札に加えられた筈。

 

『それをしなかったって事は……』

 

再びライズ・ファルコンの効果で攻撃力を上げて、エッジマン以外の特殊召喚したモンスターを全滅させるつもりか?

 

「リベンジ・エクシーズの効果でエクシーズ召喚したライズ・ファルコンの攻撃力は自身のランクの合計×200アップする!」

 

「なにっ!?」

 

「よってライズ・ファルコンよって攻撃力は800アップ!更にライズ・ファルコンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、自身の攻撃力アシッドの攻撃力分アップさせる!」

 

「攻撃力3500……!」

 

成る程、ライズ・ファルコンをリベンジ・エクシーズでエクシーズ召喚した狙いはこれが狙いだったのかと納得する。特殊召喚されたモンスター全てに攻撃できるライズ・ファルコンならば攻撃力を上げるリベンジ・エクシーズと相性はいい。フォース・ストリクスをエクシーズ召喚するより理に適っている。

 

「そして墓地のミミクリー・レイニアスを除外し、効果を発動!デッキから装備魔法RRーダブル・クローを手札に加え、ライズ・ファルコンに装備!」

 

ミミクリー・レイニアスの効果で手札に加えた装備魔法によりライズ・ファルコンの2つの爪に対を成す鋭い鉤爪が装備される。

 

「そしてダブル・クローを発動した時、貴様のフィールドにラプターズ・トークン1体を攻撃表示で特殊召喚する!」  

 

「オレのフィールドにトークン?こいつは……」

 

ダブル・クローの効果で遊代のフィールドに攻撃力0の小さい鳥の姿をしたトークン1体が特殊召喚される。これは明らかにライズ・ファルコンの特殊召喚したモンスター全体への攻撃を目論んでいるのは間違いない。これでは合計1300、900、3500で5700の戦闘ダメージで残りライフ3600の遊代のライフを軽く削り取る。

 

「更にダブル・クローを装備しているモンスターの攻撃力は倍となる!よってライズ・ファルコンの攻撃力は3500の倍、7000となる!」

 

「攻撃力7000だと!?」

 

装備したダブル・クローの効果で更に攻撃力を上げたライズ・ファルコンの攻撃力は7000。こんな攻撃を全て通したら4800、4400、7000、合わせて15200のダメージだ。しかも実体化しているその攻撃を喰らえば一溜まりもない。

 

「くっ、トラップ発動!和睦の使者!このターンの間オレのモンスターはバトルでは破壊されず、戦闘で発生するオレへのダメージは0となる!」

 

遊代は伏せていた残り1枚のリバースカード、和睦の使者を発動しこのターンの戦闘破壊と戦闘ダメージを防ぐ。これでこのターンは何とか生き延びる事ができる。

 

「それで耐えたつもりか?俺は装備魔法、エクシーズ・ユニットをブレイズ・ファルコンに装備。このカードの効果でブレイズ・ファルコンは自身のランク×200攻撃力がアップする」

 

「このターンは攻撃しても意味はない……次のターンで受けるダメージを少なくするつもりか?」

 

ブレイズ・ファルコンの攻撃力は1000と弱い。装備魔法の効果で強化しても2000。攻撃表示で出しているから次のターンに攻撃された時のダメージを少しでも減らすつもりなのだろう。そう推測した。

 

「そんな甘い戦術をすると思ったか?ブレイズ・ファルコンの効果発動!1ターンに1度?オーバーレイ・ユニットを1つ取り除く事で、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター全てを破壊し1体に付き500のダメージを相手に与える!」

 

「なっ!?」

 

「そしてエクシーズ・ユニットにはこのカードを装備しているモンスターがエクシーズ素材を取り除く効果を使用する時、代わりにこのカードをエクシーズ素材として取り除く事ができる!」

 

しかし襲撃犯の狙いはそこではない。それはブレイズ・ファルコンの効果で遊代のフィールドの特殊召喚されたモンスターの一掃、そして装備魔法はその効果を使う際に取り除くエクシーズ素材の代用であるのだ。効果による破壊もダメージも和睦の使者では防げない。

 

「貴様のフィールドの特殊召喚されたモンスターはE•HERO ガイア、M•HERO アシッド、そしてラプターズ・トークンの3体!よって貴様が受けるダメージは1500だ!」

 

エクシーズ・ユニットがオーバーレイ・ユニットの代わりに取り除かれブレイズ・ファルコンの効果発動。両翼から小型の兵器が飛び出して、その兵器から放たれた赤いレーザーがガイア、アシッド、ラプターズ・トークンを集中放火し、破壊される。

 

「ぐっ!……エッジマン!」

 

そしてモンスターが破壊された時に生じた爆風とダメージを受けて吹っ飛びつつも遊代はエッジマンを実体化させてその爆風からマルコを守らせる!遊代は吹っ飛ばされ床と靴が摩擦を起こしながらも何とか踏ん張り堪える。

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

そして遊代のフィールドのモンスター3体を一掃しダメージまで与えた襲撃犯はカードを2枚伏せてターンを終える。そして遊代のターンへと移るが手札はモンスターのみ、リバースカードもなく、フィールドにはエッジマンしかいない。これではブレイズ・ファルコンを攻撃する以外に道はない。次のドロー次第で遊代の勝敗が左右される。

 

「オレのターン!っ、よしっ!」

 

ドローフェイズにドローしたカードを見て遊代は思わず微笑む。本当にここ一番での引きの強さは神懸かっていると言える。何故ならドローしたカードは希望を繋ぐカードなのだから。

 

「オレは魔法カード、ヒーローズ・エピックを発動!このカードはオレのフィールドに『HERO』、そして墓地にレベル5以上の『HERO』融合モンスターが2体以上存在する場合カードを3枚ドローする!オレのフィールドにはエッジマン、そして墓地にはガイアとzero、そしてアシッドの3体!よって3枚ドロー!」

 

ドローしたのは条件こそ厳しいが3枚ものカードをどできるヒーローズ・エピック。モンスターのみの手札であったこの状況ではありがたいドローである。

 

「そしてオレは更に魔法カード、貪欲な壺を発動!墓地のガイア、zero、アシッド、The シャイニング、バブルマンをデッキへ戻し、カードを2枚ドローする!」

 

そしてヒーローズ・エピックで引き込んだ貪欲な壺の効果を発動し、融合モンスター4体を含む5体をデッキへ戻し更に2ドロー。これで手札は6枚となった。

 

「オレはE•HERO ブレイズマンを召喚。ブレイズマンの召喚成功により、その効果でデッキから融合を手札に。そして手札に加えた融合を発動してフィールドのブレイズマンと手札のカードガンナーを融合!灼熱の炎の英雄と、装填の機械が1つとなり、1人の英雄が今目覚める!大地を揺るがす偉大な力で、如何なる敵をも薙ぎ倒せ!融合召喚!再び現れろ!E•HERO ガイア!」

 

ヒーローズ・エピックでドローしたブレイズマンと、ドローする前から手札にあった土属性のカードガンナーを融合素材に貪欲な壺でエクストラデッキへ戻した大地を揺るがす融合モンスターE•HERO ガイアをすぐさま融合召喚する。

 

「ガイアの特殊召喚成功時、ライズ・ファルコンを対象に効果発動!ターンの終わりまでその攻撃力を半分にして、それをガイアが吸収する!フォース・ドレイン!」

 

ガイアの効果でライズ・ファルコンの攻撃力を半分奪えば3500アップし、5700。それでブレイズ・ファルコンを攻撃すれば4700のダメージが発生し、襲撃犯のライフを削りきれる。

 

「そうは行くか!カウンター罠、天罰!手札を1枚捨て、ガイアの効果の発動を無効にして破壊する!」

 

「くっ……ガイアっ!」

 

しかし襲撃犯はモンスター効果の発動を無効にして破壊するカウンター罠、天罰を発動!上空から勢い良く落とされた裁きの雷がガイアへと直撃し、ガイアはそのまま倒れて破壊されてしまう。

 

「まだだ!オレはミラクル・フュージョンを発動して、墓地のボルテックとブレイズマンを除外して融合召喚する!激しき稲妻の英雄と、灼熱の炎が1つとなり、1人の英雄が今目覚める!激しく燃える正義の炎で、仇なす悪を焼き尽くせ!融合召喚!現れろ!E•HERO ノヴァ・マスター!」

 

今度は貪欲な壺でドローしていたミラクル・フュージョンを発動してボルテックとブレイズマンを除外し、ノヴァ・マスターを融合召喚する。

 

「そして俺は装備魔法、ヒーロー・ユナイトをノヴァ・マスターに装備し効果発動!このターン、ノヴァ・マスターの攻撃力を他の『HERO』モンスターの攻撃力分アップさせる!」

 

「なにっ?」

 

「ヒーロー・ユナイトの効果でノヴァ・マスターの攻撃力にエッジマンの攻撃力分2600を加える!この効果により、ノヴァ・マスターの攻撃力は5200だ!」

 

ヒーローズ・エピックの効果で引いていた最後のカードである装備魔法、ヒーロー・ユナイトがノヴァ・マスターに装備され、ヒーロー同士の結束の証である腕輪がその右腕に着けられる。その効果によりノヴァ・マスターの攻撃力を5200となり、ブレイズ・ファルコンを攻撃すればその差4200のダメージが襲撃犯に発生する。

 

「バトルだ!行け!E•HERO ノヴァ・マスター!RRーブレイズ・ファルコンを攻撃!ボルケーノ・ナックル!」

 

攻撃力が倍の5200となっているノヴァ・マスターの拳はその影響からか普段の倍の炎が纏われている。襲撃犯のライフは無傷の4000だが4200のダメージが通れば一撃で0となる。

 

「俺は墓地のRRーレディネスを除外して効果発動!このターン俺が受ける全てのダメージを0となる!」

 

「なにっ!?2枚目のレディネスだと!?」

 

ブレイズ・ファルコンこそノヴァ・マスターの炎の拳で吹き飛ばされ焼き尽くし戦闘で破壊できたが、肝心のダメージは何時の間にか墓地に存在していた2枚目のRRーレディネスの効果により0となってしまった。

 

「ふんっ、貴様がアシッドの効果で俺の魔法・罠を破壊したのを忘れたか?」

 

「くそっ……あの時の1枚か……!」

 

アシッドの効果で破壊した魔法・罠カードは永続魔法RRーネストと2枚のリバースカード。内1枚はその後、墓地から除外し効果を発動したRRーメタモルフォーゼ。そしてその残り1枚の謎のリバースカードこそがたった今除外された2枚目のRRーレディネスだったのだと理解できた。ダメージを与え損ね勝利も掴み損ねた、しかしまだ手は残っている。

 

「ノヴァ・マスターの効果発動!バトルでモンスターを破壊した時1枚ドロー!更に装備魔法ヒーロー・ユナイトのもう1つの効果!装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、フィールド・墓地のモンスター1体を持ち主の手札へ戻せる!」

 

「フィールド・墓地のモンスターだと?」

 

「そうだ!この効果はお前のモンスターにも使える!オレはライズ・ファルコンを対象にヒーロー・ユナイトの効果発動!ライズ・ファルコンはエクシーズモンスターだから手札に戻らない、つまり戻るのはエクストラデッキだ!」

 

ノヴァ・マスターの効果によるドローを行うと、ヒーロー・ユナイトのもう1つの効果が発動。ノヴァ・マスターはその右腕に着けた腕輪から放たれる結束の力をライズ・ファルコンへと向ける。これでライズ・ファルコンはエクストラデッキへと戻る。そうすれば仮に次のターン再びライズ・ファルコンをエクシーズ召喚できたとしても攻撃力を上げる効果を使った後にヒーロー・ユナイトの効果を使えばノヴァ・マスターの攻撃力はライズ・ファルコンを上回る。

 

「成る程、少しはやるようだな……だが、それも俺には通じん!俺はライズ・ファルコンに装備しているRRーダブル・クローの効果発動!装備モンスターがフィールドから離れる場合、代わりにこのカードを手札に戻す!」

 

「なっ、なんだと!?」

 

「ダブル・クローが装備されていない事でライズ・ファルコンの攻撃力は3500にダウンするが、それでもエッジマンの攻撃力を上回っている」

 

「くっ……」

 

「さあ、次の手を見せてみろ!」

 

襲撃犯の言うとおりライズ・ファルコンの攻撃力は半減しても3500。エッジマンでは倒せない。そしてこのターンもう迎撃を行える手札は残っていない。

 

「オレはカードを2枚伏せて、ターンエンド」

 

できるのは貪欲な壺でドローしていた残り1枚のカードと、ノヴァ・マスターの効果でドローしたカードをセットする事くらいだった。

 

「ふん!どうやら此処までのようだな、俺のターン!」

 

「俺はRRーライズ・ファルコンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、特殊召喚されたノヴァ・マスターの攻撃力2600を自らの攻撃力に加える!」

 

「攻撃力6100……」

 

手始めにと言った様子で襲撃犯はライズ・ファルコンの効果を使用。攻撃力を更に上げにかかる。

 

「オレはヒーロー・ユナイトの効果を使って、ノヴァ・マスターの攻撃力をエッジマンの攻撃力分アップさせる」

 

「無駄だ、俺は更に装備魔法RRーダブル・クローをライズ・ファルコンに装備し貴様のフィールドにラプターズ・トークン1体を特殊召喚!そしてライズ・ファルコンの攻撃力は倍となる!」

 

「くっ、攻撃力……12200!」

 

そして前のターン手札に戻ったダブル・クローを装備し、遊代のフィールドに攻撃力0のラプターズ・トークンを呼び出し、ライズ・ファルコンの攻撃力は倍となり10000を超え、更に1度だけフィールドから離れるのをダブル・クローが守る。

 

「……ここまでやるか、普通」

 

「なんだと?」

 

「俺のライフは残り2100。それを削りきるならライズ・ファルコンの効果を使うか、ダブル・クローを装備するかのどっちかでいいだろ。それをここまで攻撃力を上げる意味はあるのかよ?」

 

自分を倒すならどちらか1つだけ使用すればそれで勝てる筈。しかし襲撃犯は徹底的に攻撃力を上げ、遂には10000越えの大台だ。ライズ・ファルコンを守るのならばダブル・クローを装備するだけでも1度は守れる。

 

「ここまでやるか……だと?ふざけた事を抜かすな!俺達の故郷をゲーム感覚で壊し、蹂躙し、俺達の平和を、夢を、友を、家族を次々に奪い去った貴様達が綺麗事を抜かすな!」

 

「……ああ。全くだぜ、アカデミアのやってる事は聞いてるだけで腹が立つ」

 

1人の人間をここまで怒りと憎しみ駆り立てる様にする等、一体融合次元のアカデミアはどれだけ非道な真似をしたのだろうか。考えただけで遊代も不愉快極まりないのだ、それを実際に味わい生き延びた襲撃犯の気持ちはこんな物ではないのだろう。

 

「腹が立つだと……!?同じアカデミアが何をほざく!」

 

「同じじゃねえ!オレは確かにアカデミアだ、けどなーこれだけは言っておくぞ!オレは融合次元の人間でも、ましてや他の世界を襲うアカデミアなんかでもないんだよ!」

 

「ふざけるな!」

 

「ふざけてなんかねえよ!オレはこの4つの次元とは別の世界から来た人間だ!アカデミアはアカデミアでも、そんな最低最悪な世界のアカデミアの人間なんかと一緒にするんじゃねえ!」

 

そう。遊代が在籍し過ごして来たデュエルアカデミアは皆が同じ環境で学び共に学生生活を謳歌し、日々デュエリストとして、人間として成長する様な時間を過ごす場所だ。此処までは話が通じそうに無い上に説明した所で余計な誤解を招きかねないので遊代は堪えていたが、そんなゲーム感覚で余所の世界を襲撃して楽しむ連中なんかと一緒にされるのはもう我慢の限界だ。

 

「別の世界から来たアカデミアだと?そんなデタラメが通じると思うか!何処のアカデミアだろうが俺にとって殲滅すべき敵だ!」

 

予想通りを見事に体現している。襲撃犯は遊代の話など聞く耳を持っていない。融合召喚を使うこの世界とは違う世界から来た、そしてアカデミアだと認めた。その時点で襲撃犯にとって遊代は殲滅すべき対象と断定してしているのだから。

 

「バトルだ!RRーライズ・ファルコン!全ての敵を殲滅せよ!ブレイブクロー・レボリューション」

 

ライズ・ファルコンは翼を広げ羽ばたかせると炎を纏い遊代のモンスターへと突っ込んでいく。 その最初の攻撃はダブル・クローで特殊召喚されたラプターズ・トークン。

 

「そうは行くか!ライズ・ファルコンを対象にトラップカード魔法の筒(マジック・シリンダー)を発動!ラプターズ・トークンへの攻撃を無効にして、その攻撃力分の効果ダメージを相手に与える!」

 

遊代はラプターズ・トークンへの攻撃時に貪欲な壺の効果でドローした残り1枚のカード、魔法の筒を発動し攻撃を無効。そしてライズ・ファルコンの攻撃力分、つまり12200のダメージを襲撃犯へと跳ね返す!

 

「それで勝ったと思うな!トラップカード、バーン・フォースを発動しライズ・ファルコンに装備!バーン・フォースの効果により効果ダメージを無効にし、その数値分、このカードを装備しているモンスター1体の攻撃力をアップさせる!」

 

「なにっ!?」

 

「よってライズ・ファルコンの攻撃力は更に12200アップし、24400となる!」

 

「くっ……」

 

魔法の筒でラプターズ・トークンへの攻撃を無効にした為、もうラプターズ・トークンが攻撃される事は無い。しかしライズ・ファルコンは特殊召喚された相手モンスター全てに1度ずつ攻撃できる。遊代のフィールドにはまだ融合召喚されたノヴァ・マスターがいる。攻撃力5200という本来なら非常に高い攻撃力だが、ライズ・ファルコンの現在の攻撃力は24400。どう足掻いても勝てる訳が無い。

 

「これでトドメだ!行け、ライズ・ファルコン!」

 

攻撃力が24400となりハヤブサとは思えない大きな炎の怪鳥となったライズ・ファルコンがノヴァ・マスターをその強化された鍵爪で引き裂かんと突っ込んでくる。襲撃犯の融合召喚への怒りと憎しみを表したかの様に。

 

「それはどうかな?」

 

「なにっ!?」

 

しかしノヴァ・マスターへの攻撃に遊代は焦っていない。まるで今まで遊代の打つ手を次々にあしらってきた襲撃犯の様に冷静だ。

 

「リバースカードオープン!速攻魔法、決闘融合ーバトル・フュージョン!このカードはオレの融合モンスターが相手モンスターとバトルする際、そのバトルの間のみバトルする相手モンスターの攻撃力分オレの融合モンスターの攻撃力はアップする!」

 

「なんだと!?」

 

「つまりノヴァ・マスターの攻撃力はライズ・ファルコンの攻撃力24400アップし、その攻撃力は」

 

「29600、だと!?」

 

遊代が伏せていたもう1枚のリバースカード、それはノヴァ・マスターの効果でドローしていた決闘融合ーバトル・フュージョン。バトルの間だけ融合モンスターの攻撃力を戦闘を行うモンスターの攻撃力分アップさせる逆転のカード。これで攻撃力はノヴァ・マスターの攻撃力はライズ・ファルコンの攻撃力分アップし5200上回った。再び形成逆転となり遊代の勝利が近付く。

 

「返り討ちにしろ!ノヴァ・マスター!ボルケーノ・ナックル!」

 

「まだだ!速攻魔法、RRーパワー・リバーサルを発動!相手モンスターの攻撃力がアップした場合、ターン終了までその攻撃力を0にし、俺のモンスターの攻撃力はこの効果で変化した数値分アップする!」

 

「なっ……なに!?」

 

しかし襲撃犯は手札から速攻魔法RRーパワー・リバーサルを発動しノヴァ・マスターの攻撃力を0にし、その分ライズ・ファルコンの攻撃力を更に上げる。正に力は再び逆転し、ライズ・ファルコンの攻撃力は

 

「攻撃力……54000!?」

 

有り得ないの一言に尽きる。どれだけの偶然が起こり、どれだけカードを使えばこんな馬鹿げた攻撃力になるというのか。ライズ・ファルコンが纏う炎が更に激しく大きくなり、最早その姿は不死鳥、鳳凰、ガルーダといった神話の鳥に見えた。

 

「これで止めだ!やれ、ライズ・ファルコン!憎き敵を今、引き裂け!ブレイブクロー・レボリューション!」

 

遊代にはもうリバースカードは無い。墓地にもこの攻撃を防ぐ手立ては無い。手札はモンスター1体のみ。本来ならもう負けは確定したも同然。

 

「くっ……これが最後だ!」

 

しかし遊代の紅い瞳は負けを覚悟した目ではなかった。それは負けとは違う何か別の覚悟を決めた目をしている。

 

「オレは手札からダメージ・リフレクターのモンスター効果を発動!」

 

「なにっ!?」

 

遊代の手札にはモンスターが1体のみ。しかしそのモンスターは手札から効果を発動できる、そしてその効果こそ遊代を敗北から救い出す救済となる。

 

「モンスター同士でバトルを行うダメージ計算時に、このカードを手札から墓地へ送る事でオレのモンスターは戦闘では破壊されず、戦闘ダメージを半分にする!」

 

「だがそれでも貴様の敗北は免れん!」

 

「いいや!ダメージ・リフレクターの効果により、半分となった戦闘ダメージは相手も受ける!」

 

「なんだと!?」

 

手札から効果を発動したダメージ・リフレクターの効果は戦闘での破壊を守りつつダメージを半分にし、その戦闘ダメージを相手にも与える効果。モンスターの効果だが与えるのは戦闘ダメージ、よって効果ダメージを無効にするバーン・フォースで無効にする事はできない。そう、最早この状況では勝つ事はできないのは遊代も理解できている。だがそれでも、引き分けになら持ち込める。

 

「つまり!オレへの戦闘ダメージ54000は半分の27000となり、お前も27000の戦闘ダメージを受ける!」

 

「ぐっ……」

 

効果によりノヴァ・マスターの前に現れプリズム状の盾を出したダメージ・リフレクターはライス・ファルコンの全てを引き裂く双爪の攻撃を受け止めてそのダメージと衝撃波の半分を襲撃犯へと跳ね返す。

 

「ぐわっ……!エッジマン!ノヴァ・マスター!頼む!」

 

半分にしたとは言えどもそのダメージは27000。しかも実体化した本物のダメージだ。衝撃波は比べ物にならない。既に実体化させた戦闘を行っていないエッジマンでマルコを覆う様に守らせると、同じく実体化している自身の前に居るノヴァ・マスターは腕を交差させてそのダメージと衝撃から後方の遊代を守り抜こうとする!

 

「うわあああぁぁぁぁぁぁ!」

「ぐああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

しかしこの狭い空間で発した衝撃は四方八方から襲いかかり、実体化したモンスターでも防ぎきれず遊代、襲撃犯共にそのダメージと衝撃で吹き飛ばされ壁に叩きつけられると、跳ね返した攻撃の爪が床、壁、天井を引き裂き、ダメージの衝撃とライズ・ファルコンの炎で爆発が起こり扉が吹っ飛ぶ。そんな倉庫の中で両者LPは静かに尽きた。




遊代と不審者とのデュエルは引き分けに終わりました。零児とは中断、不審者とは引き分け、あの2人はこの時点で原作ARC-V勢の中でもトップの実力者ですからそんな簡単には勝てません。てか、不審者さん遊代の打つ手をことごとく対処しすぎた感が……まあ、最近勝ってないですけど、最後には引き分けに持ち込みましたから遊代だって強いんです。現状遊代に勝てるのは零児と不審者さんの他には同じ主人公核の遊矢くらいしか……今はまだ遊代のターンですけど、遊矢も原作主人公なので活躍する話は来ます。

そして今回は引き分けという点からGX一期での十代とガイザーの卒業デュエルの決着を参考にしました。その結果ライズ・ファルコンの攻撃力が54000などととんでもない数値に、半分の27000のダメージとは言え実体化したダメージと衝撃は凄い物でしょう。

果たして遊代は?そして襲撃犯は?後、気絶している内にとんでもない事に巻き込まれていたマルコ先生は如何に?
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