それでは本編をどうぞ。
「M•HERO カミカゼでダイレクトアタック!」
マルコの病室にて行われているデュエル。北斗、刃と続いて遊代とデュエルした経験を持つ真澄が遊代のリベンジとしてデュエルを挑んでいる。
「おい、このダイレクトアタックが通ったら……」
「真澄のライフはもう……」
「っ……私の負けね」
真澄のフィールドにはリバースカードが存在しない。手札にも墓地にもこのダイレクトアタックを防ぐ手段はなく、結果カミカゼのディバイン・ウィンドによりLPは尽きてしまい、遊代に連敗を喫する結果となった。
「チクショー、もう一息だったっねてのに……!」
刃が嘆く様にこの遊代のターンが始まるまで遊代の劣勢だった。フィールドにカードはなく手札は1枚のみ。そしてライフは僅か300。一方真澄のフィールドにはエースであるジェムナイト・マスターダイヤと攻撃力2900を誇るジェムナイト・ジルコニアの大型融合モンスターが2体。遊代の『HERO』による攻撃でライフを削られたりしたものの輝石の回復によるライフ回復もありライフは5000と次のターンが来れば真澄の勝ちは間違いなく決まると思っていた。
「ああ。真澄が追い詰めていたのに僕達の時みたいにドロー1つで全部ひっくり返すなんて……」
しかし北斗の言う通り遊代はドロー1つでこの逆境をひっくり返してしまう。ドローフェイズにドローしたのはフィールドの融合モンスターと同じ数ドローするフュージョン・ギフト。それで手始めに2枚のカードをドローすると引き込んだ融合解除によりマスターダイヤを真澄のエクストラデッキへと戻す。そして手札に残っていたヒーローアライブによりライフを半分払いシャドー・ミストをデッキから呼び出すとその効果でデッキからマスク・チェンジを手札に。そしてフュージョン・ギフトでドローしていた残る1枚のカード、ミラクル・フュージョンを発動して墓地のブレイズマンとエアーマンを除外しGreat TORNADOを融合召喚。その効果でジルコニアの攻撃力を半分にするとGreat TORNADOでジルコニアを倒しシャドー・ミストによるダイレクトアタックを決め、トドメにマスク・チェンジでGreat TORNADOをカミカゼへと変身召喚。そしてカミカゼによるダイレクトアタックで合計5050のダメージとなり真澄のライフを削りきってしまったのだ。
「……はぁ。まったく、今回こそ勝ったと思ったのに、貴方一体どんな引きしてるのよ?」
デュエルが終わりカードをデッキへと戻している真澄は思わず遊代に愚痴る。このデュエルは間違いなく自分はミスする事なく優位にデュエルを進めていた。しかし結果は初めて遊代とデュエルした時と同じ様にミラクル・フュージョンによる融合とマスク・チェンジによる変身召喚で連敗してしまう始末。それまでは自分が押していたにも関わらずたった1枚のドローで全てひっくり返されてしまった。真澄が愚痴ってしまうのも仕方ないのかもしれない。
「くそっ!このまま引き下がれるかっ、今度は僕がリベンジさせてもらう!」
「……大丈夫なの?北斗」
「連敗記録更新しかねねーぞ」
「ふんっ、お前達に言われたくないっ!」
LDSジュニアユースの融合・シンクロ・エクシーズコースのエースが全敗のままおめおめと引き下がれない。ましてや昨日から連敗記録が続いている北斗には我慢ならない。連敗記録伸ばしかねないという忠告も普段なら凹む所だが、同じく遊代に負けている2人からされても特に北斗の心には堪えなかった。
「さあ行くぞ!今度こそお前に勝ってやる!」
「臨むところだっ!」
「デュエル!」
意気揚々とリベンジに臨む北斗だが後攻ワンターンキルを決められ、連敗記録を更新またしても部屋の隅にて膝を抱える羽目になるのを今の彼が知る由もない。
「オレはモンスターを裏守備表示でセット、そして速攻魔法エネミーコントローラーを発動!裏守備モンスターをリリースしてターンの終わりまで異星の最終戦士のコントロールを得る!」
「ナルホド。そうくるか……」
現在遊代はマルコと2度目のデュエルの真っ只中。モンスターをセットする以外の方法でモンスターを呼び出す事を封じるマルコの切り札異星の最終戦士により融合召喚を封じられ追い込まれていたがこのターンのドローフェイズにエネミーコントローラーをドローするとモンスターをセットし、そのモンスターをコストに異星の最終戦士を奪う。
「だけどワタシのフィールドにはまだ壁モンスターが居る。それでは壁モンスターを倒すのが関の山だよ」
マルコの言う通り彼のフィールドにはまだセットされている裏守備モンスターが居る。しかもセットしているのはリバースした際に互いの手札を全て捨て手札を5枚にするメタモルポット。現在手札が1枚のマルコだがどの道次のターンには手札を大幅に増やせる。そうすれば残りライフ2000の遊代は次のターンに直接攻撃によりライフが0となる可能性が高い。このターンメタモルポットの効果を発動し遊代の手札を5枚にするリスクを負う事になっても異星の最終戦士の効果で融合召喚は封じ、このターンはもうモンスターを召喚できない。この状況ではマルコの残りライフ3000をこのターンで削りきるのは不可能に近い。
「それはどうかな?永続トラップ、ヒーロー・ネームを発動!このカードは1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を『HERO』モンスターにできる!オレは異星の最終戦士を『HERO』モンスターとして扱う!」
「異星の最終戦士を『HERO』に……?」
「『HERO』にした所で融合召喚できないのに……」
伏せてあった2枚のリバースカードの内の1枚であるヒーロー・ネームを発動するとその効果で異星の最終戦士を『HERO』モンスターとして扱う。しかし扱った所で自身の効果で特殊召喚は行えず北斗の疑問通り融合素材にしようもない。マルコは遊代が予想外の何を狙っていると警戒しながらその出方を見る。
「オレは装備魔法ヒーロー・ユナイトを『HERO』となった異星の最終戦士に装備!ヒーロー・ユナイトは1ターンに1度、装備モンスター以外の『HERO』の攻撃力分装備モンスターの攻撃力をアップさせる事ができる」
「けど遊代クンのフィールドには他にモンスターはいないよ」
「確かに……発動しても意味ねえじゃねーか」
ヒーロー・ユナイトは自分フィールドに装備モンスター以外の『HERO』が以上存在してこそ攻撃力が上がる。この状況で装備しても刃の言う様に意味がない。しかし遊代の狙いはそこではない。
「オレは異星の最終戦士で裏守備モンスターを攻撃!」
「この瞬間、メタモルポットのリバース効果発動!互いに手札を全て捨ててカードを5枚ドローする!」
メタモルポットのリバース効果のより遊代は手札を2枚、マルコは1枚捨ててカードを5枚ドロー。そしてメタモルポットは異星の最終戦士により殴り倒され破壊される。
「そしてこの瞬間、ヒーロー・ユナイトのもう1つの効果発動!装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊すればフィールド・墓地のモンスター1体を手札へ戻せる!」
「なんだって!?まさか……」
「そのまさかさ!オレは異星の最終戦士を戻す!まあ手札じゃなくてエクストラデッキへ戻るけどな」
「まさか、こんな方法で異星の最終戦士を除去するなんて……」
攻撃力アップの効果ではなく戦闘による破壊をトリガーに異星の最終戦士をエクストラデッキへと戻してしまうとは予想外の異星の最終戦士への対処方法に真澄も呆気に取られてしまう。
『くっ、遊代クンの手札もメタモルポットの効果で5枚。次のワタシのターンになれば再び異星の最終戦士を融合召喚できるけどその前に遊代クンが融合召喚を決めてくる……!』
互いにフィールドにはモンスターこそ居ないがマルコも次のターンになれば異星の最終戦士を融合召喚できる手札は揃っている。しかしその前に遊代のメインフェイズ2がある、そうすれば遊代は融合召喚を行うに違いない。何せ手札が5枚もあるのだ、引きの強い遊代ならば融合モンスターを1体や2体融合召喚するなど造作もないだろう。
「オレはライフを1000払ってトラップカード、スピリット・フュージョンを発動!墓地のE•HERO エアーマンとボルテックを除外して、融合召喚する!」
「なんだって!?」
「速き風の英雄と、激しき稲妻が1つとなり、1人の英雄が今目覚める!眩き輝き解き放ち、全ての悪を滅殺せよ!融合召喚!現れろ !E•HERO The シャイニング!」
しかしマルコが想定していたのはメインフェイズ2の話、まだ遊代はバトルフェイズを終了してはいない。伏せていたもう1枚のリバースカード、スピリット・フュージョンにより墓地のエアーマンとボルテックを除外してThe シャイニングを融合召喚する。
『The シャイニングの攻撃力は除外されている『E•HERO』1体につき300アップする……」
「つまり攻撃力2600に600が加わって3200っ!」
「てことは……」
バトルフェイズ中に特殊召喚されたモンスターの攻撃力がマルコのLPを上回った。そしてマルコのフィールドにはもう壁モンスターも存在しない。つまりこの直接攻撃が通ればマルコのライフは尽きるという事だ。
「The シャイニングでダイレクトアタック!オプティカル・ストーム!」
The シャイニングの全身から放たれた光の波動がマルコを襲いライフを全て削りきる。この瞬間マルコの敗北が決まった。
「くっ……まさかあの状況から逆転されてしまうとはね……」
メタモルポットの効果でドローを許してそれで反撃される可能性は計算していたが、このターンに入っていた時点で遊代の勝利の方程式は揃っていたのだ。仮にThe シャイニングの攻撃を何とかしていたとしてもあの5枚の手札ならばそこから追撃を行うカードや次のターンに向けた盤石の体制を作るカードを持っていた可能性も高い。事実マルコの考え通り遊代の手札にはマスク・チェンジとフォーム・チェンジがある。The シャイニングの攻撃を防いでいても2度の『M•HERO』の迎撃が控えていた。
「ちくしょー、マルコ先生ならコイツに勝てると思ったのによぉ……」
「いやはや。ワタシも今度こそは勝つと決めてたんだけどね……」
此処まで3人のデュエルを観察し続け遊代のプレイングの癖や傾向を見極めたつもりだった。そして遊代の融合モンスターを呼び出そう物ならすぐさま除去し異星の最終戦士で封じる自分の得意とする戦法で追い詰めていた。しかし遊代の引きの強さと自身のデッキを生かし切るプレイングにより一瞬でひっくり返されてしまった。観戦していても感じたが実際にデュエルしてみると遊代のデュエリストセンスをより実感させる。
「それじゃあ、マルコ先生。私達はこれで」
「ああ。真澄クン、志島クン、刀堂クン、今日はありがとう」
見舞いに訪れてから時間が経ち外はもう夕焼けが闇に染まりかけている。そんな時間帯となった事もあってか真澄達は帰宅する事にした。
「ぐっ……緋紅遊代!次こそは、次こそはお前に勝ってみせるからな!」
「テメーには必ずリベンジしてやるからなっ!覚悟しとけ!」
「おうっ、オレは何時でも歓迎するぜ」
結局あの後北斗と刃は何度もリベンジを挑んだが見事に返り討ちに遭い、結局北斗は5連敗、刃は4連敗を記録してしまった。真澄もあの後1度デュエルしたが結局この日は2連敗。LDSのジュニアユースクラスのエースが合計11連敗と理事長の日美香が聞いたら小言と課題のコンボが確定するだろう。
「それじゃあ、失礼します」
真澄達3人が帰宅した事で病室は遊代とマルコの2人のみとなる。賑やかだった病室だが野郎2人となると一気に静けさを増す。
「どうだい、遊代クン。最後にもう一戦?」
「いいっすね。そんじゃあもう1度」
もうそろそろ夕食の頃合だが最後にもう1度デュエルをというマルコの申し出をすんなり受け入れるとマルコとの連戦へと臨む。
「今度こそ勝たせて貰うよ」
紳士的なマルコだがデュエリストとして、業界No.1のLDSのエリートコースである融合召喚コースの講師を務めるプライドがある。幾ら遊代が優れたデュエリストだとしても此処までLDSの面々が立て続けに連敗するのはプライドが許さない。
「「デュエル!」」
「はああー……まさかこの僕が5連敗するなんて……」
「昨日の負けも含めたら6連敗でしょ?」
グサッ!
「がっは!」
エクシーズを習い、このセイクリッドデッキを使う様になってから負けなしの40連勝を記録していた北斗にとって昨日から6連敗、ましてや1人のデュエリストに5連敗など耐え難い現実でありその事を指摘されるのは辛くて仕方ない。
「にしても……この中の誰もアイツに勝てねーとはな、情けなくなってくるぜ」
これまでの遊代との戦績は真澄は3戦3敗、刃が4戦4敗、北斗が5戦5枚。あと一歩の所まで追い詰めたデュエルも半分以上を占めるが結局トータルで12戦0勝12敗、エリート意識の高いLDSの生徒である3人にとってここまでの惨敗はとても納得のいく物ではない。こんな結果理事長や他の生徒に知られればエースの名折れだ。
「だったら今より強くなるのよ。このままやられっぱなしなんて癪に合わないわ」
真澄も遊代の実力は認めている。融合召喚の使い手としては自分や尊敬してやまないマルコより上だろう。それ以外でもデュエリストとしての実力は自分より上なのは嫌と言う程身に染みた。それは北斗と刃も同じ、実力が自分より上なのは認めてもこのまま負けっぱなしなのは癪に合わない。ならば遊代よりも強くなるしかない。
「マルコ先生を襲った犯人を倒すためにもね……!」
マルコを襲った襲撃犯はマルコを倒し遊代とも引き分けた、その情報は今日2人との会話で入手した。2人からはこれ以上首を突っ込まない方がいいと念を押されたが、それで『はい、わかりました』と引き下がる程聞き分けは良くない。真澄は恩師を襲われ、北斗はエクシーズを使い人を襲うという同じエクシーズ使いとしてのプライドの為、刃もそんな2人を放っておけない。明日からは襲撃犯探しを再開する、自分達に全勝した遊代ですら引き分けに持ち込むのが精一杯だった襲撃犯を倒す為には更に腕を磨いて強くならねばならない。3人は決意新たに帰路を歩くのだった。
「遊代クン、真澄クン達はこのまま引き下がってくれると思うかな?」
デュエルの最中、真澄達が襲撃事件にこれ以上首を突っ込まずに大人しく引き下がってくれるかどうかを同世代の遊代に尋ねてみる。
「引き下がって欲しいとはオレも思いますけど……多分無理でしょ。オレがあの立場なら絶対に首突っ込まずにはいられないし」
もし遊代がクロノスを始めとする世話になった人々に危害を加えた事件に首を突っ込むなと釘を刺されたとしても『はい、そうですか』と引き下がる事はないだろう。寧ろ自ら率先して首を突っ込む事だろう。
「けど、今回ばかりは……首を突っ込ませる訳にはいかねーか」
真澄の気持ちは充分理解できる。仮に自分がその立場ならば間違いなくそうした。しかし今回はただの襲撃事件ではない、余所の世界を巻き込んだ争いに首を突っ込ませるのはマズいのは流石に遊代もわかる。
「遊代クン、もし退院したら真澄クン達を止めてはくれないか?ワタシはもう暫くこの状態だからね……」
「……わかりました。オレに出来る範囲なら何とかしてみます」
恩師を襲撃した犯人に一矢報いたい真澄に協力したい気持ちととても一般人には説明しようがない次元規模の争いに巻き込みたくない気持ちの板挟みに遭いながらも遊代は真澄達を巻き込みたくない気持ちを優先させる事にした。
「ありがとう。では異星の最終戦士でダイレクトアタック!」
「ガード・ブロックを発動!戦闘ダメージを0にして1枚ドロー」
ダイレクトアタックによるダメージを遊代はトラップカードにより防ぎ手札を補給する。その後、このデュエルを終えた遊代は自身の病室へと戻る。まだ歩いたりすると体があちこち痛む、取り敢えず今は体を万全な状態に回復させる事が最優先だろう。早く治って欲しいと祈りつつ痛みをこらえながら病室へと歩いていった。
「此処にも居ねえな……」
あれから2日経ち治療を終えて回復した遊代は病院を退院している。もう歩いても体に痛みが走る事はなく駆け足気味に歩いても平気だ。回復した現在は襲撃犯を探してはいるが自分が入院している間も襲撃犯達は動いておらず手掛かりは無いに等しい。自分と退治した襲撃犯は負傷したのは間違いないだろう、まだ回復していないのなら動きが無くとも不思議ではない。問題はもう1人、その仲間も何の行動を見せていない。負傷している仲間を匿っているならば其処まで自由に行動できない筈。カードの力で姿を隠しているのか影も形もない。
「ちょっくら休憩ー」
退院してから舞網市内を探し回っていてもう夕方になりかけている。もう学校ならば授業が終わり学生達は帰宅なり部活に打ち込んでいる時間帯だ、少し休もうと近くにあったコンビニ、コナミマートへと立ち寄る。
『これと……あっ、これもだな』
ミックスジュースのラベルがしてあるペットボトルを手に取った遊代はスイーツが並べられている棚に目をやると入院している時に購入して気に入ったロイヤルプリンである。人気商品なので売り切れて買えない事も多い。1日2回の納品が終わればその日は販売終了とコンビニスイーツとしてはかなりレベルの高い商品である。
『残り1個か、ギリギリセーフだ』
もうこの時間帯ならば2回目の納品は終わりこの残り1個が売れれば本日の販売は終了だ。入院していた時でもこのプリンは人気で入院していた間も残り1個や2個というタイミングで買う事ができた。今回もギリギリ間に合ったと思いながらロイヤルプリンへと手を伸ばした。
「ん?」
「あ?」
しかし遊代がロイヤルプリンを手に取ると同じタイミングで誰かがロイヤルプリンを手に取った。遊代と同じタイミングで疑問に思う声を上げたもう1人の声の持ち主の居る隣を見てみると学校の制服を着た自分とほぼ同世代の学生が『何だコイツ』と言わんばかりの顔つきで此方を見ていた。
「何だテメェは?このプリンは俺様が買うんだ。ワリィが今回は引きな」
「そう言われて『はい、わかりました』と言えるか?そんな頼み方されて」
初対面の学生にこんな偉そうに頼まれなければならないのか?こんな頼み方をされて大人しく引き下がる程親切な人間ではない。これが女の人ならば運命の出会いにもなるが、こんな男子生徒では運命の出会いだとしても喜べない。
「あぁ?この俺を誰だと思ってんだ?次期市長の息子、沢渡シンゴ様だぞ!」
「……だから何だよ?」
『んっ?沢渡……?』
市長の息子と自慢されてもこの世界の人間ではない遊代からすればそんな自慢は何の意味もない。しかもこの世界に来て早々に大企業の社長にして天才デュエリストの赤馬零児と出会っているので次期市長の息子という自慢等大したことなく感じる。そんな中遊代は沢渡という苗字にどこか頭を過ぎる。
「お前沢渡さんに何て口聞いてんだ」
「次期市長の息子だぞ!」
「そうだぜ、謝るなら今の内だぞ」
『次期市長の息子……?』
沢渡シンゴの周りに居る同じ制服を着た3人の学生が沢渡を盛り立てる。その振る舞いから彼の取り巻きだというのは遊代はすぐに把握できた。
「いや、次期市長って市長ですらねーじゃん」
「なっ!?テメー、パパを馬鹿にしてんのか!?」
しかし沢渡やその周りの取り巻きによる次期市長の息子という自慢もそもそも沢渡の父親は今は市長ですらない、だから目の前の少年は沢渡シンゴという少年としか遊代は見ていない。仮に市長の息子だとしても遊代はそんな理由で引き下がる理由もない。
「お前沢渡さん舐めてんじゃねーぞ!」
「沢渡さんはなぁ次期市長の息子ってだけじゃねえ」
「LDS総合コースのエースなんだぜ!」
「沢渡……次期市長の息子……LDS、あーっ!」
取り巻き3人の沢渡への援護射撃のLDS総合コースエースという盛り立てを聞いて先程から頭の中で渦巻いていた引っかかりが取れた。
「やっぱお前かぁ!襲撃されたLDSの生徒ってのは?」
「なっ、なんでそんなこと知ってんだよ!?」
遊代はマルコや真澄達から最初に襲われた生徒の名前として沢渡の名前を聞いていた。次期市長の息子、LDSの生徒という説明が結びついて目の前の沢渡が襲撃された生徒だと断言できた。しかし当の沢渡からすれば何故そんな事を目の前の男が知っているという疑問しか浮かばない。
「そりゃあ聞いたからだよ。お前と同じ様に襲われたマルコ先生からな」
「マルコ先生から……?待てよ、赤い髪と目に赤い服……もしかして、お前が緋紅遊代か!?」
「おっ、お前オレの事知ってたのか?」
昨日退院した沢渡もLDSに行った際に真澄達から赤馬零児から直々に頼まれて襲撃犯を探している融合使いの凄腕デュエリストの話は聞いていた。赤い髪の目に服という出で立ちからもしかしてとは思っていたがまさか本当に緋紅遊代だとは思っていなかった。
「お前の話は光津や赤馬零児から聞いてるぜ。LDSでもねえ癖に生意気にも襲撃犯を探しているデュエリストが居るってな」
「生意気って、おいっ」
出会ってから話をしていて真澄達が沢渡について話していた事を思い出した。甘やかされたボンボン、ナルシスト、お調子者、面倒くさい等々……実際に関わってみて正にその通りだと感じた。
「まあアイツ等や赤馬零児が実力を認めてるんならそれなりの腕を持ってるんだろうが、この俺を差し置いて仇を討とうとしてるのが気に入らねえ。よってこの俺様がお前の実力を図ってやるぜ!ついでにこのデュエルに勝った方がこのプリンを手に入れる!」
沢渡は強引にロイヤルプリンを遊代の目の前へかがげ、遊代の実力を自分で確かめるとデュエルを挑んでくる。
「ほお、面白ぇ。いいぜ、そのデュエル受けてやるよ」
「よし。おいっ、これで会計済ませてこい!ついでにテメェの分も払ってやるよ」
取り巻きに財布から万札を出してプリンと一緒に手渡すと遊代のジュース代も払ってやると太っ腹な所を見せる沢渡。ボンボンなので懐は暖かいのだ。
「マジか?ならこれとあれも……後それも」
「調子に乗んじゃねぇ!そのジュースだけだ!」
奢ると言われあれもこれも追加で買おうとする遊代に目くじらを立てながらミックスジュースを奪い取るとそれを取り巻きの1人が持つ買い物カゴに入れる。よく見ればその中には勝者の商品であるプリンや遊代のジュースの他にマンガ雑誌やらお菓子やらジュースにコーヒー等が入っている。流れからして沢渡と取り巻き達の物だろう。取り巻き達が会計を済ませてお釣りを沢渡に手渡すと一行はデュエルする場所を求めてコナミマートを後にした。
「どう?見つかった?」
「駄目だ。こっちにも居なかった」
「こっちもだ。手掛かりすら見つからねえ」
真澄、刃、北斗はそれぞれ手分けして襲撃犯を探してるが3人掛かりで探しているにも関わらず以前として手掛かり1つすら掴めていない。
「くっ、一体何処に……あれは」
「どうした?真澄」
「何か見つけたのか?」
何かを見つけ出したかの様な素振りを見せる真澄を見て、もしや襲撃犯らしき某でも発見したのではと思う北斗と刃だがそれは違った。
「あれは……緋紅遊代?」
「って、一緒に居んの沢渡達じゃねえか!」
真澄の視線の先を追ってみると北斗と刃の目に映ったのは自分達を何度も打ち負かした緋紅遊代と、余り関わりたくない沢渡シンゴとその取り巻き達が共に行動している光景だった。
「なんで沢渡達なんかと一緒にいるんだ?」
「私に聞かないで」
「ちよっくら聞いてみるか?アイツも襲撃犯を探してるんだから、何か情報手に入れてるかもしれねーぞ」
遊代が零児の頼みを受けて襲撃犯を追っているのは知っている。今日まで入院していたがもしかしたら何か情報を掴んでいるかもしれない。沢渡と接触するのも難だが何故沢渡と一緒に居るのかも何となくだが気にかかる。3人は遊代達の下に近寄って行った。
「さて、ここら辺でいいか」
コンビニを後にした遊代と沢渡達はデュエルできる場所を求めて近くの広場にまで来ていた。遊具なども無くベンチしかない殺風景な広場だが此処ならデュエルするのも問題ない。
「そんじゃあ早速……って、あれ?真澄ちゃん、北斗、刃。何で此処に?」
移動を終えデュエルディスクを左腕に装着していざデュエルという所真澄達が駆け寄ってくるのが遊代の目に留まった。
「そっちこそ、何で沢渡達と居るのよ?」
「前にも話しただろ。沢渡と絡むと面倒くさいって」
「ワリィ事は言わねー、アイツと連むのだけは止めとけ」
「おいテメーら、いきなり現れて何言ってんだ!」
遊代の側に駆け寄るなり各々沢渡について絡むと面倒くさい、連むのだけは止めとけといきなり現れるなりボロクソ言ってくる事沢渡はにプンスカ怒りながら文句を垂れている。
「いやー、コンビニでプリン買おうとしたらそれは俺様の物だと絡まれてさー。そしたら向こうさんが襲撃された生徒で、んでもって自分を差し置いてオレが襲撃犯追ってるのが気に食わないって理由でデュエル挑まれたんだよ」
「……何その理由」
「本当に面倒くさい奴だな……」
「襲撃犯とデュエルして怪我するわ沢渡に絡まれるわ……お前運がねーな」
沢渡のワガママな理由で絡まれてデュエルする事になった事を丁寧に聞かされ、沢渡の面倒くささに呆れながらも遊代もツイてない奴だと同情すらしてしまう。
「テメーら、割って入ってきて邪魔してんじゃねーよ……!」
「そーだそーだ!」
「これから沢渡さんはデュエルでその真っ赤野郎をボコボコにするんだよ」
「それともお前達もそいつが負けるとこを見にきたのか?」
沢渡に釣られ呼応する様に取り巻き3人も遊代と真澄達を煽ってくる。しかし当の遊代も真澄達も特に気にする素振りを見せない。
「何言ってんのよ!取り巻きの癖に」
「大体沢渡なんかが勝てる訳ないだろ」
「ボコボコにされるのは沢渡の方だぜ、残念だったなモブ共」
「「「モブじゃねえ!」」」
沢渡の方がボコボコにされると返され、取り巻きどころかモブと切り捨てられた事に憤慨する取り巻き3人。説明すると髪型は普通だが緑色の髪の毛をしているのが山部、薄い茶髪をツーブロックにして襟足を伸ばして纏めているのが大伴、黒髪を単発にしているのが柿本、ちゃんと名前はあるのである。例えモブでも。
「まあまあ、折角真澄ちゃん達も来たんだ。デュエル見てってくれよ」
「そうそう。この俺様が華麗に勝つ所、同じLDSジュニアユースのエースとして見せてやるぜ!」
「「デュエル!」」
そんな真澄達と沢渡とそよ取り巻き達のやり取りもあったが遊代と沢渡のデュエルが始まった。
「ああ言ってるけど、どうする真澄?」
「……折角だから見ていきましょ、聞きたい事もあるし」
「だな。まあアイツが勝つだろうけどな」
遊代が見ていってくれと言うのもあり3人はこのデュエルを観戦する事にした。最も刃が言う様に遊代が勝だろうと真澄も北斗もそう思っている。
「先行は貰った!俺は魔法カード、メビウスの策略を
発動!お前はデッキから魔法・罠カードを2枚までセットできる。さあ、カードをセットしていいんだぜ」
「デッキからカードをセットさせる……?」
わざわざ相手に魔法や罠をセットさせるとはどういうつもりだろうか?このターンでは使えずとも次のターンには発動できると言うのにと思いながらも遊代はデッキから魔法と罠を1枚ずつ選んでセットした。
「そして俺はデッキから凍氷帝メビウスと氷帝の賜与、2枚の『氷帝』カードを手札に加える。」
「『氷帝』……成る程な」
メビウスの策略の効果でモンスターと魔法カードを1枚ずつ加える。そして遊代も沢渡が発動したカード等から早くもそのデッキの特徴を把握し始める。
「そして更に魔法カード、カード・アドバンスを発動、デッキの上から5枚見て好きな順番でデッキの上に戻す。更に魔法カード
「またか」
デッキの上のカードを操作するカード・アドバンスを発動し、本来3枚目のカードを1番上に、本来5枚目のカードを2番目の位置に代えてデッキへと戻した事ででデッキの上のカードの順番は入れ替えている。つまりこの2枚のドローである程度狙ったカードを引き込む事はできる。しかしそれよりもデッキから好きに魔法・罠カードをセットできる遊代の方が有利な筈。これにより遊代は好きな魔法・罠カードを合計4枚セットした。
「そして墓地からメビウスの策略を除外して効果発動!お前はデッキから2枚まで魔法・罠カードをセットする。そして俺のフィールドには氷帝トークン2体が作り出される!更に永続魔法、メビウスの
遊代はメビウスの策略により2枚までセットできる。だが既に魔法・罠ゾーンは4枚のカードがセットされており、2枚のカードをセットしたくとも1枚しかセットできない。遊代が1枚の魔法カードをセットすると沢渡のフィールドには2体の氷帝トークンが守備表示で特殊召喚された。そして氷帝の賜与でドローしたメビウスの輪廻も発動する。
「これで遊代のフィールドには魔法・罠カードが5枚セットされたか」
「沢渡の奴、相手にこんだけカードをセットさせたってー事は」
「当然、何か狙ってるんでしょうね」
いけ好かないと思っている沢渡だが、デュエリストとしての実力は総合コースのエースを張っているだけあってか真澄達も認めてはいる。最もそれを本人に対して口にすると調子に乗って余計面倒くさくなるので言いはしないが。
「これで準備は整った!さあ行くぜ!沢渡劇場、氷帝の裁きの幕開けだ!」
「「「よっ!待ってましたー!」」」
遊代のフィールドには5枚のリバースカード。そして手札にはメビウスの策略で加えた凍氷帝メビウスと、カード・アドバンスでデッキを操作し、氷帝の賜与で引き込んだメビウスの輪廻も発動している。そしてこの手札5枚。既に沢渡の準備は完了し、それを聞いた取り巻き3人が盛り立てる。
「まずは手始めに氷帝トークン1体をリリースして氷帝メビウスをアドバンス召喚!氷帝メビウスの効果発動!アドバンス召喚に成功した時、相手の魔法・罠カードを2枚まで破壊する!フリーズ・バースト!」
「くっ」
「当然、2枚のカードを発動してやるぜ!」
2枚まで破壊できるのなら2枚破壊してやると沢渡はさも当然に2枚のリバースカードを選択し、2枚のリバースカードが破壊される。
「そしてこの瞬間!永続魔法メビウスの輪廻の効果発動!『氷帝』モンスターの戦闘・効果で相手のカードを破壊すれば破壊したカード1枚につきその『氷帝』モンスターのレベル×100のダメージをお前に与える!」
「氷帝メビウスで破壊したカードは2枚!」
「そして氷帝メビウスのレベルは6!」
「つまり発生するダメージはー?」
「1200、でしょ」
取り巻き達がわざとらしくリアクションを取るが真澄はあっさりとした態度で答えた。とは言ってもメビウスの輪廻により1200と先行1ターン目にしては大きなダメージを遊代は喰らっている。
「まだ終わっちゃいねーぞ。カード・アドバンスを発動したターン、俺はもう1度アドバンス召喚できる!そして凍氷帝メビウスはアドバンス召喚されたモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる!」
カード・アドバンスの効果でもう1度アドバンス召喚を行える沢渡はアドバンス召喚されたモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できるモンスター、メビウスの策略で加えた凍氷帝メビウスをアドバンス召喚する。
「凍氷帝メビウスがアドバンス召喚に成功した時、相手の魔法・罠カードを3枚まで破壊できる!インペリアル・チャージ!」
「相手のフィールドの魔法・罠カードは3枚」
「凍氷帝メビウスの効果で破壊できるカードも3枚!」
「つまりー?」
「オレの魔法・罠カードを全部破壊してメビウスの輪廻の効果でダメージを与えるんだろ」
取り巻き達が沢渡の凍氷帝メビウスの説明を受けて遊代にわざとらしく説明してくるが、そんな事をされずとも自分のリバースカードを全て破壊しメビウスの輪廻とのコンボによりダメージを与えるのはわかりきっている。
「御名答!凍氷帝メビウスの効果でお前のリバースカード3枚を破壊!そして『氷帝』モンスターが相手カードを破壊した事でメビウスの輪廻の効果発動!凍氷帝メビウスのレベル×100のダメージを破壊したカード3枚分、つまり2400のダメージをお前に与える!」
「くっ……」
遊代の残る3枚のリバースカードが凍氷帝メビウスが放つ凍気により凍らされ破壊。そしてメビウスの輪廻の効果で遊代のライフに2400のダメージを喰らわせる。
「おいおい、何やってんだよ遊代!」
「沢渡なんかに負けたら僕達の面子まで丸つぶれだぞ!」
「負けたら承知しないわよ!」
まだ遊代のターンが回ってきてもいないにも関わらず残りLPは400しかない。下手すれば先行ワンターンキルすら有り得かねない劣勢に追い込まれている。自分達を彼処まで負かしておいて沢渡にワンターンキルなどされよう物ならば負けた自分達の面子すら潰れる上に沢渡達に何を言われたもんかわかった物ではないと刃と北斗は焦る。勿論真澄も同感なので負けるなんて許さないと激を送った。
「心配しなさんなって、ちゃんと手は打ってるぜ!永続罠ヒーロー・ネームは墓地に送られた場合、デッキ・墓地から『HERO』1体を手札に加える事ができる!オレはデッキからE•HERO エアーマンを手札に」
「メビウスの破壊を利用しやがったか……」
そう、ヒーロー・ネームにはモンスターを『HERO』にする効果以外にも墓地へ送られればデッキ・墓地から『HERO』を加えられる効果を持つ。自分の効果で遊代がデッキから選んでセットしたとは言えど、メビウスの効果をトリガーにそのカードを使われた事に沢渡は思わず顔をしかめる。
「更に永続魔法ヒーロー・ミッションは墓地へ送られれば手札から『HERO』を特殊召喚できる!オレはエアーマンを特殊召喚!そしてエアーマンの特殊召喚成功により、デッキからE•HERO オーシャンを手札に加える」
「げっ、またかよ!?」
「何であいつ沢渡さんの効果を逆手に取れるんだよ!?」
取り巻きの内の2名、山部と大伴が何故メビウスの破壊をこうも利用してくるのか疑問に思う。沢渡のターンにも関わらずエアーマンを手札に加えて特殊召喚、更にオーシャンを加える等まるで自分のターンの様に動いている。
「そりゃあオレに魔法や罠をセットさせた上に『氷帝』や『メビウス』の名前が付くカードを使ってんだ。氷帝メビウスの効果とかでセットしたオレのリバースカードを破壊してくるのはすぐにわかったぜ」
「なんて奴だ……沢渡さんが準備を整えてた内にデッキの内容もその狙いもすぐにわかっちまうなんて……」
「へっ、やるじゃねーか。一応赤馬零児が認めただけはあるって事か」
取り巻きの柿本がモンスターを呼び出す前に墓地へ送られても効果を発動できるカードを伏せて沢渡の戦術を逆に利用してきた事に驚く中、当の沢渡は流石に赤馬零児が認めたデュエリストとあって実力があると賞賛するなど余裕を見せていた。
「けど残念だったな、その用心深さがお前の運の尽きだ!手札から魔法カード、帝王の裁きを発動!このカードは俺のフィールドにアドバンス召喚されたモンスターがいれば相手フィールドのカード1枚を破壊して、相手に1000ポイントのダメージを与える!」
「なにっ!?」
「この俺様がお前が何の警戒もせずにカードをセットするなんて考えてると思ったか?よりにもよってフィールドにカードを出してくれて礼を言うぜ!」
沢渡のその余裕とは遊代のフィールドにエアーマンが現れた事で帝王の裁きが発動できる様になった事から来ていた。遊代の残りライフは400、1000のダメージを食らえば当然0となり先行ワンターンキルが成立する。
「これこそ沢渡劇場、氷帝の裁きのクライマックス!残念だがお前は自分のターンすら回らねえ内に負けだ!」
「「「沢渡さん、マジ強過ぎっすよー!」」」
「オー、イエス!」
裏を掻いたと思ったか遊代の更に裏を掻いた沢渡のプレイングにより、本来ならば有り得なかった先行ワンターンキルが成立した事に取り巻き達のテンションはMAXとなり沢渡を称え、盛り上げ、沢渡もそれに答えてポーズを取る。
「おい遊代何とかしろよ!」
「何とかって、今は沢渡のターンだしフィールドにはエアーマンしか居ないんだぞ!もう打つ手が……」
このままでは本当に遊代がワンキルされかねないと刃が何とかしろと叫ぶが北斗の言う通り今は沢渡のターンでフィールドにはエアーマンのみでリバースカードもないのだ。
「……心配いらないわ」
「「えっ?」」
「あの目は負ける人間の目じゃない。勝利を手にする人間の目よ!」
しかしそんな遊代の負けだと思うこの中で真澄は遊代の事を心配していない。先程からもそうだが遊代のその紅い瞳は決して敗北を悟ったそれではない。寧ろ逆に勝利を見据えた強い力の宿った瞳だ。
「これで終わりだ!俺様の美技に酔いな!」
「わりーけどお前に酔ったら悪酔いしそうなんでな、その美技は阻止させて貰うぜ!墓地のエレメント・カウンターの効果発動!」
「くっ、墓地からトラップだと!?」
墓地からトラップを発動すると聞いて沢渡の顔が歪む。実は襲撃犯とのデュエルでも襲撃犯のリバースカードを全て破壊して、ダイレクトアタックを決めようとした際に墓地からトラップを発動され阻まれた挙げ句、次のターンで倒されてしまったのだ。その記憶が否が応にも蘇ってしまう。
「『E・HERO』が攻撃、効果の対象となった場合、墓地のこのカードを除外する事でそれを無効にしてそのカードを破壊する!」
「ちっ!またセットしてたカードを利用しやがったか……だが次はどうかな?俺はメビウスの輪廻のもう1つの効果発動!1ターンに1度、俺のフィールドに『氷帝』モンスターが居るなら、墓地からそのモンスター以下のレベルを持つモンスター1体を特殊召喚できる!蘇れ、氷帝メビウス!」
しかし沢渡は帝王の裁きが駄目ならばと、メビウスの輪廻のもう1つの効果を発動し墓地から凍氷帝メビウスのアドバンス召喚の為にリリースされた氷帝メビウスを復活させる。
「そしてこの効果で特殊召喚したモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える!氷帝メビウスの攻撃力は2400、つまり1200のダメージで今度こそジ・エンドだ!」
「流石は沢渡さん!」
「奥の手をまだ残してたなんて!」
「本当強過ぎっすよー!」
帝王の裁きが駄目ならばメビウスの輪廻による特殊召喚と、その効果ダメージでトドメをさす2段構えの戦略に山部、大伴、柿本は沢渡を称えに称える。これには今度こそ沢渡が勝ったと3人は確信した。
「それはどうかな?オレは墓地の速攻魔法、クイック・トリックを除外して効果発動!」
「くそっ!また俺様が破壊したカードを……!」
「相手ターンに墓地のこのカードを除外する事でこのターン、1度だけ手札から速攻魔法を発動できる!」
「俺のターンに速攻魔法を手札から発動するだと!?」
しかし遊代は氷帝メビウスが復活する前に墓地のクイック・トリックを除外して手札から速攻魔法を発動する権利を得る。本来速攻魔法とは手札から発動できるのは自分のターンのみ。それを相手のターンに手札から発動するなどという予想外の戦術、しかもまたまた自分が破壊したカードを利用されると合って沢渡は驚くしかない。
「オレは手札を1枚捨てて速攻魔法、マスク・チェンジ・セカンドを発動!エアーマンをよりレベルが高い『M•HERO』に変身召喚させる!」
「変身召喚だと!?」
「「「なんじゃそりゃ!?」」」
「まあ、それはそうよね」
「「うんうん」」
変身召喚という聞いた事もない召喚方法を聞かされ沢渡も取り巻き達も何だよそれ?という訳が分からないといった具合であるのを見て真澄も知らなくて当然と呟き、北斗と刃もそれに頷いた。自分達も変身召喚を初めて目の当たりにした時には驚いた物である。
「疾き風の英雄よ、猛き烈風をその身に纏いて仮面の英雄へ姿を変えよ!変身召喚!強烈なる風の力にて敵を蹴散らせ!M•HERO ブラスト!」
マスク・チェンジ・セカンドの効果によりエアーマンはよりレベルの高い烈風の名を持つレベル6の仮面の英雄ブラストへと変身してフィールドに参上した。
「なっ、モンスター1体で融合モンスターを呼び出しやがった!?」
「『HERO』を『チェンジ』と名の付いた速攻魔法で変身させる融合召喚とは異なる召喚方法で融合モンスターを呼び出す召喚方法」
「例え1体でも仮面の英雄『M•HERO』へと変身して逆転するポテンシャル」
「これが融合使い緋紅遊代のもう1つの切り札『M•HERO』よ!」
「「「マジかよー!」」」
「いや、そこオレのセリフ……まあ、いっか」
1体のモンスターで融合モンスターを呼び出した驚く沢渡に北斗、刃、真澄がその特徴を説明していく事にセリフを取られたとツッコム遊代だが別に支障もないと気にしない事にした。
「M•HERO ブラストが特殊召喚に成功した事で効果発動!凍氷帝メビウスの攻撃力を半分にする!インパクト・ゲイン!」
「ああっ!凍氷帝メビウスの攻撃力が1400に下がった!」
「慌てんな!まだメビウスの輪廻の効果が残ってるだろ」
「お前達分かってるじゃねーか。M•HEROだかマスクメロンだか知らねーが、メビウスの輪廻の効果で復活した氷帝メビウスの攻撃力2400の半分、1200の効果ダメージでテメエの負けだ!」
そう、まだメビウスの輪廻の効果処理の最中でありブラストの特殊召喚と効果の処理が完了した事で氷帝メビウスが復活しその攻撃力の半分である1200のダメージが遊代に発生する。しかし遊代は一手早くその対策も済ませて居る。
「墓地のダメージ・リフレクターを除外して効果発動!オレに発生したダメージを相手に跳ね返す!」
「なっ!?何時の間にそんなカードを……」
「忘れたか?マスク・チェンジ・セカンドのコストでオレが手札を1枚捨てた事を!」
「っ!そうか!俺のターンにブラストを変身召喚させた本当の目的はマスク・チェンジ・セカンドのコストでそのモンスターを墓地へ送ってメビウスの輪廻の効果ダメージを跳ね返す為に……!」
ここで漸く沢渡は遊代の真の目的に気付く。遊代の狙いは変身召喚ではなくマスク・チェンジ・セカンドの発動コストとしてダメージ・リフレクターを墓地へ送り、そのモンスター効果でダメージを自分へ跳ね返す為にブラストを変身召喚したのだと。しかもブラストも凍氷帝メビウスの攻撃力を半減させて次の遊代のターンでの反撃にまで備えている。
「ダメージ・リフレクターの効果でメビウスの輪廻のダメージ1200はお前に喰らって貰うぜ!」
「くそっ!俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ!」
ダメージを跳ね返され残りライフ2800となった沢渡はリバースカードを1枚セットするとターンを終えた。
「まさか自分のターンが来る前に融合モンスターを呼び出しちまうとはな。褒めてやるぜ」
「お前こそ、こっちも危うく先行ワンターンキル喰らいかけて少しヒヤッとしたぜ」
「だが、それも此処までだ。お前の残りライフは400、後一手決まれば俺様の勝ちだからな!」
互いに相手の実力を認めるも沢渡は己が勝つつもりでいる。遊代のライフは僅か400と何か起きれば消し飛んでしまう。
「それはオレだって同じだぜ。オレのターン、ドロー!」
しかし勝つつもりでいるのは遊代とて同じ。そしてドローしたカードを含めた5枚の手札には勝利を可能とするカードが揃っている。
「オレは永続魔法、融合遺伝を発動してブラストを対象に効果発動!この効果は1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象に発動でき、そのモンスターを素材に融合召喚したモンスターはそのモンスターの効果を得る!」
「融合モンスターに素材のモンスターの効果を得させるカードだと?」
融合遺伝、その名前の通りこのカードの効果を受けたモンスターを融合素材として融合召喚されたモンスターにそのモンスターの効果を遺伝させる。融合召喚を前提とした永続魔法カード。これで遊代の準備も整った。
「オレは魔法カード融合を発動してフィールドのM•HERO ブラストと手札のE•HERO オーシャンを融合!烈風巻き起こす英雄と、広大なる海が1つとなり、1人の英雄が今目覚める!全てを凍らす絶対零度で、この世の悪を打ち砕け!融合召喚!現れろ、E•HERO アブソルートzero!」
「今度は本来の融合召喚かよ……!」
zeroの素材は属性融合『E•HERO』の中で唯一指定が『HERO』モンスターとなっており、『M•HERO』であるブラストを問題なく融合素材にできる。そして融合遺伝の効果によりzeroはブラストの効果を受け継いでいるのだ。
「そしてこの瞬間、融合遺伝によってブラストの効果を受け継いだzeroの効果が発動!凍氷帝メビウスの攻撃力を更に半分にする!」
「くっ、攻撃力が700だと!?」
zeroがブラストの効果を受け継いだ事で生じる吹雪により凍氷帝メビウスの攻撃力は更に半減して700と本来の4分の1の数値にまで下がった。例の襲撃犯とのデュエルでもその切り札であるドラゴンにより凍氷帝メビウスの攻撃力を4分の1にされた記憶が蘇ってくる。
「だがなぁ、例え攻撃してもzeroの攻撃力は2500。その差は1800じゃ俺様のライフはまだ1000残るぜ!」
「そうっすよ沢渡さん!」
「此処を耐えれば」
「勝利っすよー!」
沢渡が言う様にこのままzeroが凍氷帝メビウスを攻撃しても戦闘ダメージは1800、残りライフ2800の沢渡のライフは1000残る。だが、それも遊代は織り込み済みなのだ。
「アブソルートzeroの攻撃力はこのカード以外のフィールドの水属性モンスター1体につき500ポイントアップする!」
「沢渡のフィールドには水属性モンスターの凍氷帝メビウス、氷帝メビウス、氷帝トークンが存在してる……!」
「つまりアブソルートzeroの攻撃力は1500アップして4000!」
「よって沢渡に発生する戦闘ダメージは1800じゃなくて3300よ!」
「な、なにぃー!?」
絶対零度の名を持つzeroにはフィールドから離れた際に発動する効果以外にも自身以外の水属性のモンスターの数だけ己の力を上げる効果を持つ。これで沢渡のライフを削りきる準備は全て整った。
「バトルだ!アブソルートzeroで凍氷帝メビウスを攻撃!Freezing at moment!」
「「「沢渡さーん!」」」
全てを凍らせるzeroの刹那の攻撃で敗北すると取り巻き達が悲観の叫びを上げる中、当の沢渡は口角をニィっと上げながら笑みを浮かべて遊代を見ていた。
「トラップ発動!聖なるバリアーミラーフォース!これでテメエのアブソルートzeroは破壊だ」
何故ならば伏せていたリバースカードは相手の攻撃宣言時に相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊するトラップカード、ミラーフォースを伏せていたのだから攻撃は通らないと踏んでいたのだ。
「だが、zeroはフィールドから離れれば相手フィールドのモンスターを一掃するぞ!」
「ああそうかい。だが、何の問題もねえな。俺の墓地の帝王の裁きはアドバンス召喚されたモンスターが破壊される場合、代わりにこいつを除外できるんでね」
zeroの効果を知る北斗からエースを含む3体のモンスターを全滅されると説明されても沢渡が慌てる素振りすら見せないのは帝王の裁きの墓地効果の他にも理由がある。
『俺のデッキの1番のカードは2枚目の帝王の裁き、こいつで融合遺伝かセットされたカードを破壊すりゃあ1000のダメージ。それを防いでも手札の2体目の氷帝メビウスをアドバンス召喚すればその効果で破壊してメビウスの輪廻の効果ダメージ、それを防いでもメビウスの輪廻の第2の効果でもう1体の氷帝メビウスを蘇生して効果ダメージ、そして2体のメビウスの攻撃……俺様の勝ちは決まってる!』
カード・アドバンスによるデッキトップ操作により3ターンはドローするカードを把握している。そして次のターンになれば帝王の裁きを起点とした猛攻を繰り出せるのだ、如何に遊代とは言えども残り手札2枚でこの猛攻を凌ぎきるのは不可能だろう。
「なあ沢渡、お前が前のターンに破壊したオレのカードが何か覚えてるか?」
「ああ?当然だろっ。ヒーロー・ネーム、ヒーロー・ミッション、エレメント・カウンター、クイック・トリック。んで、それに1枚を加えた5枚だ」
「正解っ。どれもお前のカードの効果でセットさせられて、例え破壊されても使う事ができる事を想定したカードだ」
沢渡の目論見通り5枚のリバースカードは全て破壊されたがどれも自分がデッキから選んでセットできる事から破壊される事を読んだ遊代が墓地へ送られれば発動できる効果だったり、墓地から除外して発動できる物を選んでセットしたカードばかりだ。
「そして、オレの墓地にはまだ1枚お前に破壊されたカードが残っている!」
「ま、まさか……!?」
此処まで説明されて5枚中4枚のカードを使っておきながら残る1枚のカードが何もできやしないカードだとは沢渡も考えつかない。破壊された際や墓地へ送られた際にその効果を使っていないとなれば……答えは1つだ。
「そのまさかだっ!オレは墓地からトラップカード、エフェクト・プロテクトを除外して効果発動!このカードを除外する事でこのターン、オレのフィールドのカードは相手のモンスター効果または魔法・罠の効果を受けなくなる!」
「な、なにぃー!?」
「「「嘘だろー!?」」」
残る1枚のカードは墓地から除外する事で相手モンスター効果か、魔法・罠カードから守るトラップカード、エフェクト・プロテクト。これで沢渡は自身でセットさせた5枚のリバースカードを全て利用される事となった。全て破壊したにも関わらず寧ろ破壊される事でその全てを利用されるのはいくら何でも想定外である。沢渡も取り巻き達も驚くしかできない。
「勿論このターンフィールドを守るのは相手の魔法・罠から!これでzeroはミラーフォースを突き破りそのまま凍氷帝へと攻撃する!」
「決まったな……」
「ああ」
「たから言ったでしょ。心配いらないって」
エフェクト・プロテクトにより保護されたzeroはそのままミラーフォースを己の凍気で凍らせて突き破り、凍氷帝メビウスの前へと君臨する。真澄達が口にしている様にもう勝負は決した。
「絶対零度の英雄よ!氷の帝王すら凍てつかせろ!Freezing at moment!」
「うっ……」
刹那の時で凍氷帝メビウスは絶対零度の名を持つアブソルートzeroの凍気により瞬く間に凍り付きその拳により粉々に砕かれてフィールドに散った。
「うっそーーん!」
己の先行ワンキルによる勝利すら垣間見えたデュエルでまさか次のターン後攻ワンキルを喰らう、しかも自分が破壊した魔法・罠カードを全て利用されるという信じがたい結末に沢渡は信じられないと言わんばかりの嘆きを上げた。
「沢渡さーん!」
「やべぇよアイツ、強過ぎだ!」
「あの黒ずくめのナイトくんより強えーよ!」
その場に膝から崩れ落ちた沢渡の下に駆け寄り彼の心配をする山部、大伴、柿本。コミカルな性格等もあってかこの取り巻き達には慕われているのでそれなりに人望がある所が理解できる。
「はあ……ギリギリだった」
緊張が溶けた様に息を吐く遊代は残る自分の手札を見る。残る手札はフォレストマンと和睦の使者の2枚、沢渡の読み通りこのターンさえ凌いでいれば次のターンで沢渡の勝利は確定していた。しかしそれを確定させる前に相手の戦術を利用し尽くした事で紙一重でこのデュエルに勝つ事ができた。
「俺様相手にワンキルとはやるじゃねえか……」
「お前こそ、1枚でもセットするカード違ってたら本当に危なかったぜ」
あの5枚のカードをセットしたからこそ沢渡の攻めを凌ぎきりこのデュエルに勝てた。1枚でも違うカードを伏せていたら負けたのは自分だっただろう。
「まあ、この実力なら襲撃犯を探すのを頼まれるのも納得だ。お前が襲撃犯を探す役目を任されたのを認めてやるぜ」
「何様よ、負けたのに」
「「全くだ」」
そもそも沢渡に認めて貰う必要など微塵もないのに何故沢渡が遊代を試すような事をしているのか、上から目線の態度に真澄は呆れ果て北斗と刃も同調する。
「んじゃあ約束通り、このプリンはオレが貰うからな」
「けっ。今回は貸しにしといてやる、だが次デュエルする時はペンデュラム召喚を得て更に進化した俺様のデュエルでテメエを倒してやるぜ」
「ペンデュラム?」
ペンデュラム召喚と聞いて遊代と真澄達が食いつく。その召喚方法は自分達が知る限り榊遊矢と赤馬零児しか使えない召喚方法の筈。
「噂じゃレオ・コーポレーションがペンデュラムカードを開発しているらしい。それを使うデュエリストをLDS内でも選出するって話しだ。なら俺はそれを手に入れて榊遊矢も、そしてお前を倒してやる!」
「流石沢渡さん!」
「進化はまだまだ止まらないぜ!」
「よっ!ネオ沢渡!」
ペンデュラムという新たな召喚方法を会得して更にデュエルに磨きを掛け己を倒したさか榊遊矢と緋紅遊代にリベンジを誓う沢渡の向上心を聞き取り巻き達は沢渡を称える。
「俺様がリベンジを果たすそれまで首洗って待っときな!お前ら、行くぞ」
「「「はいっ!」」」
そう宣言した沢渡は取り巻き達を連れてその場を立ち去って行く。あの宣言は嘘ではない。本当にペンデュラム召喚を手にするつもりなのだろう。
「沢渡がペンデュラム召喚ねえ……」
「にしても災難だったな、沢渡なんぞに絡まれて」
「ははっ、まあな。でも、アイツ中々面白えじゃねえか。デュエルもつえーしさ」
確かに絡まれた時は鬱陶しくも感じたが実際にデュエルして感じた。こいつは強い。そして面白いと。
「にしても、ペンデュラムか……」
「どうしたの?」
「……よしっ」
ペンデュラムと聞いてから何か思う所がある遊代に真澄が訪ねる。そると一頻り何かを考えた様子の遊代が真澄達に問いかけた。
「なあ、真澄ちゃん達は榊遊矢が何処に居るか知ってるか?」
「榊遊矢?この時間帯なら遊勝塾にでもいるんじゃない」
「その場所とかわかったりするか?」
「わかるけど……」
「どうしたんだ?急に榊遊矢の居場所なんか聞いてきて」
何故いきなり榊遊矢の事を聞いてくるのか不思議に思う真澄達に遊代は好奇心満載の笑みと声色で答えた。
「ちゃんと会ってみたくなってな。ペンデュラムの始祖とやらに」
序盤は真澄やマルコとの再デュエルでしたがそれらを書いていると文字数が嵩むし話が進まないので省略させていただきました。
そして沢渡さんの初デュエル。まだ妖仙獣を手にしていないので氷帝メビウスを軸としたデッキでのデュエルとなりました。まあ、結果ワンキルされてしまいましたが……あの人はいい所まで相手を追い詰めてもあと一歩で負けるのを再現しました。後ユートとのデュエルのオマージュを含めて破壊したカードを利用されるシーンや攻撃を4分の1にされるシーンも加えました。Great TORNADOやブラストがあるから結構簡単にできるんですよね。てか、後攻ワンキルで20000文字を越えるとは……書いていると気付いたら文字数がこんな事に毎回なっています。
そして遂に次回は遊代が遊矢と本格的に接触する事になります。そして遊矢とのデュエルはこの小説初のアクションデュエルという事に……余計デュエル描写が難しくなりそうです。はい。
それではまた次回お会いしましょう!