これは長過ぎだ。いくら何でも長過ぎる。
と判断して2話に分けさせて貰います。御了承ください。しかし7話は完成してきるので明日の午前0時に投稿します。それでは本編をどうぞ。
融合次元に存在しているアカデミアは自分が飛ばされたこのスタンダードを含む4つの次元の統一を目論み、エクシーズ次元へ襲撃しているであろうと零児から聞かされた遊代。そんな事を聞かされても信じられないし信じたくない。だが目の前の零児が自分のプレイングを妨害する為のブラフとも思えない。ごちゃごちゃしている頭を整理し、このデュエルでこの話に対する自分答えを見いだす為にデュエルを続ける。デュエリストとして今はそれしかできない。しかしこのターンで零児は遊代のターンにも関わらずLPを8000も回復し、残りライフは16700。しかもエアーマンの効果で破壊しようとした魔法・罠カードを全て発動された事でエアーマンの効果も不発に終わってしまう。
「けど、まだブレイズマンの効果が残っている!ブレイズマンが特殊召喚に成功した場合、デッキから融合を手札に加える!」
零児の魔法・罠カードが全て存在しなくなった事でエアーマンの魔法・罠カードの破壊効果は不発となり、これならもう1つの『HERO』サーチ効果を使えばと思ってしまうが後悔しても仕方ない。それに零児のリバースカードが全て無くなったのには変わらないのだ。尚且つ遊代が特殊召喚したのはエアーマンだけではない、ブレイズマンのモンスター効果でデッキから融合を手札に加える。
「オレは更に魔法カード融合回収を発動!墓地から融合と融合素材とした1体目のシャドー・ミストを手札に加える。そして融合を発動!手札のシャドー・ミストとフィールドのエアーマンを素材に融合召喚する!」
それに遊代はライフが16700あろうとも諦めたりはしない。要は全て削りきればいいだけの事だ。このターヒーローズ・エピックでドローした3枚のカードの内の1枚、融合回収によりシャドー・ミストと融合を回収。そしてすぐさま回収したその2枚のカードを使い融合召喚を行う。
「姿無き影の英雄と、疾き風が1つとなり、1人の英雄が再び目覚める!嵐の如き激しき力で、全ての敵を吹き飛ばせ!融合召喚!再び現れろ!E•HERO Great TORNADO!」
まずは置換融合のもう1つの効果でエクストラデッキに戻っていた風属性の英雄、Great TORNDOを再び融合召喚。その力が直ちに零児のフィールドを襲う。
「Great TORNDOの効果により相手モンスターの攻撃力・守備力は半分となる!タウン・バースト!」
「くっ……」
タウン・バーストによる竜巻で5体の『DDD』の攻撃力・守備力はその竜巻の凄まじさで半分吹き飛ばされてしまう。異次元を制する王達もこの竜巻はひとたまりもない。
「そしてシャドー・ミストが墓地へ送られた事でデッキから2体目のE•HERO エアーマンを手札に加える。そして更に魔法カード、融合を発動し、フィールドのボルテックとブレイズマンを素材に融合召喚する!」
シャドー・ミストが墓地へ送られた場合に発動する効果を使い、このターン蘇生させたボルテックをブレイズマンの効果で手札に加えた融合で共に融合させる。
「激しき稲妻の英雄と、灼熱の炎が1つとなり、1人の英雄が今目覚める!激しく燃える正義の炎で、仇なす悪を焼き尽くせ!融合召喚!現れろ!E•HERO ノヴァ・マスター!」
ボルテックと炎属性のブレイズマンを素材に、ノヴァ・マスターを融合召喚する。しかしまだまだ遊代の手は緩まない。
「オレは貪欲な壺を発動!墓地のカミカゼ、ダイアン、The シャイニング、エスクリダオ、シャドー・ミストをデッキに戻し、カードを2枚ドローする!」
更に墓地のモンスター5体をデッキへ戻し、その後デッキからカードを2枚ドローする貪欲な壺を発動。これもヒーローズ・エピックでドローした内の1枚だ。墓地に眠る4体の融合モンスターを含む5体の『HERO』をデッキへ戻し、カードを2枚ドロー。
「まだまだ行くぜ!オレはミラクル・フュージョンを発動!墓地のエッジマンとボルテックを除外して融合召喚する。」
更にフュージョン・ギフトによりドローしていた最後の1枚、ミラクル・フュージョンを使い、墓地のエッジマンとボルテックを除外して融合召喚する。
「鋭き刃携える英雄と、激しき稲妻が1つとなり、1人の英雄が再び目覚める!眩き輝き解き放ち、全ての悪を滅殺せよ!融合召喚!再び現れろ !E•HERO The シャイニング」
貪欲な壺の効果でエクストラデッキに戻したThe シャイニングも2回目の融合召喚で呼び出す。ミラクル・フュージョンにより融合素材は除外されているので攻撃力は除外されている『E•HERO』の数×300アップし、2600の攻撃力は3200となる。
「なんという男だ……一気に融合モンスターを3体も特殊召喚するとは」
これで遊代のフィールドには『M•HERO』が1体、このターン融合召喚した『E•HERO』融合モンスターが3体と合わせて4体の融合モンスターがフィールドに存在している。これには零児も驚きを隠せない。
「更に俺は魔法カード、魔法石の採掘を発動!手札を2枚捨てて、墓地から魔法カード1枚を手札に加える」
遊代は貪欲な壺の効果でドローした魔法石の採掘をこのターンのドローフェイズにドローした召喚僧サモンプリーストと、ヒーローズ・エピックでドローした最後の1枚であるカードガンナーを捨てて発動。墓地から魔法カード1枚を回収する。
「オレは墓地からフュージョン・ギフトを手札に加えて、発動!」
「そのカードは……!」
フュージョン・ギフトはフィールドの融合モンスターと同じ枚数デッキからカードをドローする魔法カード。遊代のフィールドには光牙、Great TORNDO、The シャイニング、ノヴァ・マスター。零児のフィールドにはテムジン、ダルクと合計6体。
「よってオレはカードを6枚ドローする!」
その効果によりデッキからカードを遊代はカードを6枚ドロー。このターンヒーローズ・エピックで3枚、貪欲な壺で2枚、そしてこのフュージョン・ギフトで6枚と合計11枚ドローしている。1ターンにこれだけカードをドローするのは非常に稀、下手すれば1回のデュエルで使用する枚数のカードをこのターンだけでドローしている。
「随分とドローをするな」
「あんたがライフを回復するなら、オレはその分カードをドローさせて貰う。そうでもしねーとあんたのライフ削れねーからな」
零児がこのデュエルでドローしたカードの枚数は9枚。しかし遊代がこのデュエルでドローしたのはなんと22枚。デッキや墓地から加えたカードを除いてもこれだけカードを手札に引き込んでいるのだ。22枚数等1回のデュエルで使う事などまずない。
「よっしゃあっ!」
先程このカードでドローした時は魔法・罠カードのみだったが、今回はモンスター・魔法・罠カードが2枚ずつとバランス良く引いた。そしてまだまだヒーロー達を呼び出すつもりだ。
「オレは永続魔法、ヒーロー・ミッションを発動。更にもう1枚魔法カード、マスク・チャージを発動!墓地からネクロダークマンとモーメント・マスク・チェンジを手札に加える」
ドローした2枚の魔法カードを遊代は立て続けに発動する。ヒーロー・ミッションの効果は後にわかるとして、マスク・チャージは自分の墓地から『HERO』モンスターと『チェンジ』速攻魔法を1枚ずつ回収する。言うなれば融合回収の『チェンジ』速攻魔法対応版だ。融合素材としていない『HERO』モンスターでもよく、『チェンジ』速攻魔法全般という利便性から融合回収より強力かもしれない。
「そしてモーメント・マスク・チェンジを発動!手札のネクロダークマンを墓地へ送り、闇属性の『M•HERO』を変身召喚する!」
現在遊代のフィールドには既に4体の『HERO』モンスターが居る。この状況で更に融合モンスターを呼び出すという事は5体しか存在できないモンスターゾーンに5体の融合モンスターが揃うという事だ。しかもネクロダークマンが再び墓地へ送られた事でまたリリースなしで上級『HERO』を召喚する事もできる。
「黄泉を守る英雄よ、闇の羽衣その身に纏い、仮面の英雄へ姿を変えよ!変身召喚!揺るがぬ己の信念の下、全ての敵を今裁け!M•HERO ダーク・ロウ!」
手札からネクロダークマンを墓地へ送り変身召喚されたのは黒豹を人にしたかの様な容姿をしている闇の英雄ダーク・ロウ。闇の世界の法で敵を裁く英雄である。
「これは……!」
遊代のフィールドには3体の『E•HERO』融合モンスターと2体の『M•HERO』。5体全てが融合モンスターという零児のフィールドの5体の『DDD』とはまた違う圧倒的な風景に零児は思わず心を奪われそうになる。この光景はまるで悪を倒そうとするヒーロー番組のクライマックスのシーンにも見える。
「バトルだっ!まずはM•HERO 光牙でDDD烈火王テムジンを攻撃!更にテムジンを対象に光牙のモンスター効果発動!1ターンに1度、オレの墓地のE•HERO シャドー・ミストを除外し、ターン終了時までシャドー・ミストの攻撃力分テムジンの攻撃力はダウンする!」
「なにっ!?」
「更に『E•HERO』が除外された事でThe シャイニングの攻撃力は更に300アップする!」
光牙の効果は相手フィールドのモンスター1体につき攻撃力が500アップする効果の他にもう1つ、1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象に自分の墓地の『HERO』モンスター1体を除外し、ターン終了時まで除外したモンスターの攻撃力分そのモンスターの攻撃力を下げる効果を持つ。つまり光牙は戦闘では非情に強力なパワーを発揮するのだ。
「くっ……テムジンの攻撃力が0に!」
テムジンの本来の攻撃力は2000だがGreat TORNDOの効果で零児のフィールドのモンスター全ての攻撃力・守備力は半減している。そこに光牙のモンスター効果で除外したシャドー・ミストの攻撃力1000と同じ数値ダウンして、テムジンの攻撃力は0となってしまった。
「やれ光牙!レイザー・ファング!」
「ぐっ……!ぐおぉ」
「更にM•HERO ダーク・ロウのモンスター効果!
このカードがモンスターゾーンに居る限り、相手のカードは墓地へは行かず除外される!ディメンション・パージ!」
「なんだと!?」
攻撃力0となったテムジンに、攻撃力5000の光牙の手甲より突き出た1本の光る牙が胴へと直撃し破壊され、5000の戦闘ダメージが零児に発生。そしてテムジンはダーク・ロウの効果、ディメンション・パージにより除外されてしまう。
「だが除外されたとしても、テムジンの効果は発動できる。私は墓地の地獄門の契約書を手札に」
5000の大ダメージを食らった零児だがテムジンが破壊された事でその効果が発動。墓地から『DD』モンスターを手札に加える効果を持つ地獄門の契約書を回収。
「永続魔法ヒーロー・ミッションの効果発動!1ターンに1度、『HERO』が相手に戦闘ダメージを与えた場合、その数値分オレのライフを回復する!」
「なにっ?」
「オレは光牙が与えた戦闘ダメージ、5000のライフを回復!」
永続魔法ヒーロー・ミッションには1ターンに1度ずつ発動できる複数の効果がある。その内の1つ、『HERO』が相手に与えた戦闘ダメージ分のLPを回復する効果を発動し、遊代は零児のお株を奪う5000のライフ回復を行い、残りLPは5900となる。
「まだまだ行くぜ!M・HERO ダーク・ロウでDDD怒濤王シーザーを攻撃!スラッシュ・ジャッジ!」
「くっ……除外されてはシーザーの効果は発動できん」
シーザーの攻撃力は半減し1200。攻撃力2400のダーク・ロウのの両腕の鉤爪状の籠手による切り裂く攻撃でシーザーは簡単に破壊され、自身を破壊した闇の法の番人の効果で除外される。墓地へ送られないのでデッキから『契約書』を加える効果も発動しない
「次だ!E•HERO GreatTORNDOでDDD神託王ダルクを攻撃!スーパーセル!」
「ぐっ……!」
「勿論ダルクも除外だっ!」
Great TORNDOのスーパーセルによりこれまで散々効果ダメージのデメリットを踏み倒して回復へと変えていたダルクも破壊され、異次元の彼方へ除外される
「今度はE•HERO ノヴァ・マスターでDDD制覇王カイゼルを攻撃!ボルケーノ・ナックル!」
ペンデュラム効果で攻撃力が3300となっていたカイゼルも、漏れずに攻撃力は半減してきる。ノヴァ・マスターの炎を纏った一殴りで破壊、そしてまたしてもディメンション・パージにより異次元の彼方へと除外される。異次元を滑る王達が負けた罰で異次元へ追放されるとは何とも皮肉な話である。
「更にノヴァ・マスターがモンスターを戦闘で破壊した事で1枚ドロー!よしっ!」
ノヴァ・マスターの効果は戦闘でモンスターを破壊すれば、例え倒したモンスターが除外されても発動する。その効果でドローしたカードはこのタイミングで最高ともいえるカードだ。
「速攻魔法、クイック・トリックを発動!このカードは墓地の速攻魔法1枚を除外し、除外した速攻魔法と同じ効果となる!」
「なんだと!?つまり、また新たな『M・HERO』が……」
遊代の墓地にある速攻魔法は全て『M•HERO』を変身召喚するカード。つまりまた新たな変身召喚が行われるという事に零児は気付く。
「その通り!オレはマスク・チェンジ・セカンドを除外して、ダーク・ロウをそのレベルより高い闇属性の『M•HERO』に変身召喚させる!」
墓地のマスク・チェンジ・セカンドを除外し、その効果をクイック・トリックへと移す。手札を1枚捨てるコストも効果をコピーすれば払う事はない。しかし変身召喚できるのは変わらないので呼び出せるのはダーク・ロウと同じ闇属性且つ、レベル6より高いレベルを持つ『M•HERO』である。
「闇夜に敵討つ英雄よ、鬼の御霊をその身に纏い、仮面の英雄へ姿を変えよ!変身召喚!鬼神の如き気迫を持って、平和を乱す悪を討て!、M•HERO 闇鬼!」
ダーク・ロウが新たな仮面の英雄へと生まれ変わる。それは鬼が人へと転生したかの様な仮面とアーマーを纏いしダーク・ロウと同じ闇の英雄、闇鬼。攻撃力は2800と素の攻撃力は『M•HERO』の中ではダイアンと並び1番高い。
「M•HERO闇鬼、DDD疾風王アレクサンダーを攻撃!魍魎滅殺!」
「ぐっ……」
闇鬼の悪を討つ攻撃、魍魎滅殺により攻撃力1250となっているアレクサンダーはあっけなく倒されて墓地へと送られる。ダーク・ロウが居ないので除外こそされないがそれでいい。それも遊代の狙いだからだ。
「闇鬼がバトルでモンスターを破壊して墓地へ送った場合、デッキから『チェンジ』速攻魔法1枚を手札に加える事ができる!オレはデッキからマスク・チェンジを手札に加える!」
そう、闇鬼には戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動できるこの効果がある。ダーク・ロウの効果は強力だが、居ては相手のカードは除外されてしまうので闇鬼のこの効果とは噛み合わない。ダーク・ロウを闇鬼に変身させた事でこの効果も発動できる。遊代は2枚目のマスク・チェンジを手札に加える。
「更に永続魔法ヒーロー・ミッションの効果発動!1ターンに1度、『HERO』が戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合、相手の墓地のカード1枚を除外する!オレはDDD疾風王アレクサンダーを除外!」
1ターンに1度ずつ発動できるヒーロー・ミッションの効果の1つを発動し、ダーク・ロウが存在しない事で唯一墓地へと送られたアレクサンダーも結局は次元の彼方へ飛ばされる。これで5体の異次元を統べる王『DDD』は全て異次元へと葬られた。
「あんたのフィールドにはもうモンスターは居ない、けどオレのフィールドにはまだシャイニングが居る!」
零児のフィールドにはモンスターはおろか、もう1枚もカードはない。その状況でまだ遊代のフィールドには攻撃を控えたThe シャイニング、そして手札には闇鬼の効果で手札に加えたばかりのマスク・チェンジがある。つまり2体の最上級『HERO』2回のダイレクトアタックが確定しているのだ。
「E•HERO The シャイニング、プレイヤーにダイレクトアタック!」
「くっ……」
このデュエル2回目のシャイニングのダイレクトアタック。光の波動の嵐、オプティカル・ストームが零児に直撃する。3体の『E•HERO』が除外されているので攻撃力は900アップしており、3500の攻撃力がそのまま零児のライフを奪い取る。
「更に速攻魔法、マスク・チェンジを発動!」
そこから更に闇鬼の効果で手札に加えたマスク・チェンジを発動。手を留める事をなく零児のライフを削ろうとする。
「Great TORNDOを墓地へ送り、変身召喚する!嵐呼び起こす英雄よ、神風の加護をその身に纏い、仮面の英雄へ姿を変えて三度現れろ!M•HERO カミカゼ!」
再びGreat TORNDOを墓地へ送り、2ターン前と同じ様にマスク・チェンジでカミカゼを変身召喚。このデュエル、3回目の登場だ。
「M•HERO カミカゼで、ダイレクトアタック!ディバイン・ウインド!」
「ぐっ……!」
このデュエル3度目の登場となるカミカゼだが、ダイレクトアタックは初となる。掌から放たれた神風が零児に直撃し、その攻撃力2700がそのままライフから引かれる。
「くっ……まさか此処までライフを削られるとはな……」
カミカゼの直接攻撃で後方へ吹き飛ばされた零児が立ち上がりながらそう呟いた。このターン光牙とテムジンの戦闘から始まり、5000、1200、1400、950、1550、3500、2700。7体の『HERO』の攻撃で合わせて16300の大ダメージを喰らったのだ。16700あったLPも残り400となってしまった。
「いやいや……こんだけライフ削れば勝ってるぜ、フツーは」
このターンだけで本来ならデュエリスト4人分以上のライフを削ったが零児のLPはまだ残っている。このデュエル、合わせて23000ものダメージを与えている。5人を倒し1人を残りライフ1000に追い詰める程の大ダメージを1人に与えているにも関わらず勝てていないのだ。それもこれも零児が20400もライフを回復しているからだ。
『……やはりそうか』
「オレはカードを2枚セットして、ターンエンド」
遊代は手札の罠カード2枚を伏せてターンを終える。このターンで一気に形勢は逆転。遊代のフィールドには5体の最上級『HERO』融合モンスター5体と2枚のリバースカード、手札はシャドー・ミストの効果で手札に加えたエアーマンとフュージョン・ギフトの効果でドローしたフォレストマンとブレイズマンの『E•HERO』3枚。ライフはヒーロー・ミッションで回復した事で5900と僅か1ターンで遊代の優勢へと変化した。
「私のターン!」
零児のターンとなりドローフェイズにカードをドロー。あれだけ追い詰めていた筈の零児だが、僅か1ターンで残りライフ400、フィールドには何も存在しない。しかし今ドローしたカードを含めれば手札は5枚。これなら巻き返しも可能と零児はふんでいる。
「私は地獄門の契約書を発動。その効果でデッキからDDD死偉王ヘル・アーマゲドンを手札に加える」
手始めに零児は地獄門の契約書を発動するとデッキからレベル8、攻撃力3000の『DDD』モンスター、ヘル・アーマゲドンを手札に加える。
「そしてDDエクスチェンジを発動!手札の『DD』モンスター、ヘル・アーマゲドンを墓地へ送り、カードを2枚ドローする!」
零児はこのドローフェイズにドローした魔法カード、DDエクスチェンジを地獄門の契約書で手札に加えたヘル・アーマゲドンをコストに発動。デッキから2枚ドローする。しかしこのカードの効果はそれだけではない。
「DDエクスチェンジは『DDD』モンスターを墓地へ送り発動した場合、デッキから『DD』または『契約書』カード1枚を墓地に送る事ができる。私はトラップカード、DDリビルトを墓地へ」
「デッキからトラップカードを墓地へ……?」
DDエクスチェンジは『DDD』モンスターをコストに発動した場合に使用できる追加効果がある。その効果でわざわざトラップカードを墓地へ送った事に何か狙いがあると遊代は推測する。
「私はたった今墓地へと送ったDDリビルトを除外して効果を発動!このカード以外の除外されている『DD』カードを3枚までデッキに戻す。私は神託王ダルク、疾風王アレクサンダー、怒濤王シーザーの3枚を戻す」
「成る程、除外された『DDD』の再利用が目的ってわけか」
選択した3体の『DDD』はエクストラデッキから呼び出すモンスター、よってデッキではなくエクストラデッキへ戻る。そしてDDリビルトの効果を知った遊代は零児の意図も同時に理解する。これで素材さえ揃えればまた戻した異次元の王達を呼び出せるのだ。
「私は墓地の魔神王の契約書を除外し、永続魔法、代行者の契約書を発動!このカードは墓地の『契約書』1枚を除外する事で発動でき、このカードの効果は除外した『契約書』カードと同じ効果となる」
「なにっ?ってことは……」
零児はDDエクスチェンジでドローした1枚、代行者の契約書を発動。その効果により、このカードは除外した魔神王の契約書と同じ効果を得る。魔神王の契約書は1ターンに1度だけ悪魔族モンスターを融合召喚する場合、融合魔法なしで融合召喚できる永続魔法。そして零児の手札にDDDの人事権でデッキから加えた2体の『DD』がある。つまり融合召喚できるのは確定している。
「そして魔神王の契約書の効果で『DD』モンスターを融合召喚する場合、墓地のモンスターを除外して融合召喚できる!」
「なんだとっ!?」
「私は魔神王の契約書の効果を得た代行者の契約書の効果を発動し、墓地のDDバフォメットとDDリリスを除外して、融合!異形の神よ、闇夜に誘う妖婦と混じりて、真の王と生まれ変わらん!」
そう、魔神の契約書にはミラクル・フュージョンの様に墓地のモンスターを除外し融合召喚も行える。その効果を得た代行者の契約書の効果により墓地のバフォメットとリリスが除外され『DD』融合モンスターが融合召喚される。呼び出されるのは、間違いなくこのターンエクストラデッキへと戻したあのモンスターだろう。
「融合召喚!幾度となく現れよ!DDD神託王ダルク!」
「くそっ、除外したってのにまた戻って来やがった……」
このデュエルで2度目の融合召喚、他の方法も含めれば5回目のダルクの降臨だ。1度目はカイゼルとリリスを素材に融合召喚するもカミカゼが戦闘で破壊、しかしリビングデッドの呼び声で2度目の登場。次のターンでテムジンの融合素材となるも、自身を素材に融合召喚されたテムジンの効果で復活し3度目の登場。4度目はエッジマンが倒すもシーザーの効果で復活、しかもシーザーのデメリットを帳消し。そして5回目となる今回はGreat TORNDOが倒しダーク・ロウの効果で除外したにも関わらずあっさり2度目の融合召喚で現れた。ダルクの効果で散々デメリットを踏み倒されライフを回復されまくった遊代はこの登場に軽くうんざりしている。
「そして私は魔法カード、DDDの最高特権を発動!このカードは私のフィールドに『DDD』が存在する場合、墓地の『契約書』1枚を除外する事で相手の墓地のカード1枚を私の手札に加える!」
「なにっ!?」
ダルクがフィールドに居る事で零児はDDエクスチェンジでドローしていた残る1枚、自分フィールドに『DDD』存在する場合に自分の墓地の『契約書』カードを除外し相手の墓地カードを1枚を対象にそのカードを我が物とするDDDの最高特権を発動。1ターンに1枚しか発動できないとはいえ、正に異次元を統べる王達にのみ下せる最高特権である。
「私は墓地の戦乙女の契約書を除外し、君の墓地のフュージョン・ギフトを手札に加える!」
「くっ……ほらよ」
「確かに……私はフュージョン・ギフトを発動!」
指定されたフュージョン・ギフトを遊代が墓地から回収すると、そのまま零児へと投げ渡す。見事なナイスパスされたそれを零児は受け取り、発動する。
「融合モンスターは私のフィールドにはダルクのみだが、君のフィールドには5体!よって私は6枚カードをドローする!」
零児と遊代のフィールドの融合モンスターと同じ数、つまり6枚のカードを零児はデッキから引く。遊代にとっては全く予想だにしていない方法で自分の融合モンスターとカードを零児に利用されてしまった。これで零児の手札は9枚となる。
「そして私は墓地のDDDの最高特権を除外する事で、1度だけ手札からトラップを発動できる!」
「なにっ!?」
そしてドローした6枚のカードを確認した零児はそのドローのトリガーとなった墓地のDDDの最高特権のもう1つの効果、自分フィールドにエクストラデッキから特殊召喚された『DDD』が存在する場合にこのカードを墓地から除外する事で、このターン1度だけ手札からトラップカードを発動できる効果を発動する。
「これにより手札から罠カード、DDリクルートを発動!相手フィールドのモンスターが私のモンスターより多い場合、その差の枚数まで墓地から『DD』モンスターか『契約書』を手札に加える!私は墓地から冥王の契約書、再雇用の契約書の2枚を手札に加える」
零児は早速ドローしたDDリクルートをDDDの最高特権の効果で手札から発動すると、その効果で墓地から2枚の契約書を回収する。
『2枚?墓地にはまだヘル・アーマゲドンがいる筈……』
零児と自分のモンスターの差は4体。つまりは4枚まで墓地の『DD』モンスターと『契約書』は手札に加えられる、とは言っても度重なる効果の使用で墓地の『DD』モンスターは1体、『契約書』は2枚。それでも3枚は手札に加えられる筈。しかし、零児が回収したのは2枚の契約書のみ。何故かヘル・アーマゲドンは手札に加えなかった。
「っ!そうか……!」
しかし遊代はすぐに零児の意図に気付く。そう、零児のフィールドにはダルクが居り、回収した『契約書』の1枚は冥王の契約書。つまりこの2枚を使ったコンボが狙いなのだ。
「永続魔法、冥王の契約書を発動!その効果により1ターンに1度、墓地から『DD』モンスターを特殊召喚する。蘇れ、DDD死偉王ヘル・アーマゲドン!そしてこの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力分のダメージを受ける、しかしDDD神託王ダルクのモンスター効果、ライフ・イレイションにより私に発生する効果ダメージはライフを回復する効果となる!」
「やっぱりな……!」
零児は冥王の契約書の効果を発動する為に敢えてヘル・アーマゲドンを回収せず、冥王の契約書のデメリットをダルクの効果により前のターン大幅に減らされた自身のLPを回復する為。これでヘル・アーマゲドンの攻撃力分3000のライフを回復した。これで残りライフは3400となる。
「更に手札から再雇用の契約書を発動。その効果により除外されているDDD制覇王カイゼルを手札に加える」
再雇用の契約書は墓地か除外されている『DD』モンスターか『契約書』カードを手札に加え再び使用できる効果。異次元であろうとも働かされる、異次元の名を賜る悪魔達に休息はないのだ。
「これで手札は揃ったか……」
DDエクスチェンジによるドローと墓地肥やし、そこからDDリビルトで3体の異次元の王を戻しダルクを融合。更にダルクが存在することでDDDの最高特権を起点にフュージョン・ギフトによる6枚ドロー、そこからDDリクルートによる回収で手札に加えた再雇用の契約書でカイゼルを回収。これで手札は10枚、零児の準備は整った。
「前のターン、私はペンデュラム召喚を披露したが、あれはペンデュラム召喚の初歩でしかない!」
「なにっ?」
「今こそペンデュラム召喚の真骨頂を君に披露しよう!」
零児の言う通り前のターン行ったペンデュラム召喚はその真骨頂を発揮したとは言い難い。しかし今ならそれを発揮できる。
「おもしれぇ……ペンデュラム召喚の真骨頂か。見せて貰うぜ!」
「では行くぞ!私はスケール1のDD魔導賢者ガリレイと、スケール10のDD魔導賢者ケプラーでペンデュラムスケールをセッティング!」
「スケール1と10?……って事は、まさか!?」
零児はペンデュラム召喚の真骨頂を見せようとDDDの人事権で手札に加えていた2体の魔導賢者をペンデュラムスケールにセッティング。それにより再び両端に光の柱が現れ、その間にペンデュラムが天から吊されている。セッティングされたガリレイのスケールは1、ケプラーのスケールは10、そしてペンデュラム召喚はスケール間のレベルを持つモンスターを同時に特殊召喚する召喚法。
「そうだ!これでレベル2から9のモンスターが同時に召喚可能となる!」
「マジかよ……!?」
前のターンはセッティングしたのがスケール6のプラウト・シュバリエとスケール8のプラウト・オーガだった故にレベル7のモンスターしかペンデュラム召喚できなかった。しかし今回は違う。レベル2から9のモンスターを同時に呼び出せる。
「我が魂を揺らす大いなる力よ、その身に宿りて、闇を引き裂く新たな光となれ!ペンデュラム召喚!出現せよ、私のモンスター達よ!」
ペンデュラムが揺れ、このデュエル2度目のペンデュラム召喚が行われる。そして今回呼び出されるのは前回の様に1体ではない。その証拠に3つの光が天から降ってくる。
「全てを制圧する王、DDD制覇王カイゼル!」
まずは前のターンプラウト・オーガとプラウト・シュバリエによりペンデュラム召喚されその力を振るったカイゼルが再びペンデュラム召喚される。
「そして全ての王をも統べる2体の超越神、DDD死偉王ヘル・アーマゲドン!」
残る2体はレベル8、攻撃力3000のヘル・アーマゲドン。冥王の契約書により特殊召喚されている1体を含めれば3体の超越神がフィールドに揃った。
「レベル7と8の上級モンスターを同時に召喚だと……!?」
「これこそペンデュラム召喚の真骨頂!スケール間のレベルのモンスターならばレベルが異なろうとも同時に呼び出せる!」
「……はははっ。確かに、こんな召喚法見たことねえ!」
この目に見たペンデュラム召喚の真骨頂に驚き、興奮し、ワクワクしてしまう。5体の『DDD』を異次元送りにした次のターンでダルク、カイゼル、ヘル・アーマゲドン3体と5体の『DDD』モンスターを揃えられるとは、完全に予測していなかった。
「では、前のターンに受けた大ダメージを利子を付けて返させて貰おう!DDD制覇王カイゼルのモンスター効果!ペンデュラム召喚成功時、ターン終了まで相手フィールドの表側表示のカード効果を全て無効とする!」
カイゼルがペンデュラム召喚に成功した事で効果が発動。この効果が通れば5体の『HERO』とヒーロー・ミッションはターン終了までその効果が無効となってしまう。
「そうはいくか!トラップ発動、エフェクト・プロテクト!ターンの終わりまでオレのフィールドのカードは相手の効果を受けない!」
しかし遊代は伏せていた罠、エフェクト・プロテクトを発動。この効果はターン終了時まで自分フィールドのカードは相手の効果を受けなくする、正に効果に対するプロテクトである。
「ならば私は速攻魔法、DDホーミングを発動!このカードの効果で私はDD魔法賢者ケプラーと、君のM•HERO カミカゼを手札に戻す!」
「なにっ?」
しかし零児は手札からDDホーミングを発動する。このカードは自分フィールド・Pゾーンの『DD』カードと相手フィールドのカードを1枚ずつ対象に、そのカードを手札に戻す速攻魔法。
「くそっ!エフェクト・プロテクトの発動に対して発動されたら防げねえ……!」
エフェクト・プロテクトにチェーンされた事で先にDDホーミングの効果が処理される。これでは1番最後に処理される制覇王カイゼルの効果からは守れててもエフェクト・プロテクトより先に処理されるこの効果からは守れない。したがってカミカゼは融合モンスターなので遊代のエクストラデッキへ、ケプラーは零児の手札へと戻る。
「そしてカミカゼがフィールドから姿を消した事で私の5体のモンスターは全て攻撃できる!」
カイゼルからは守り抜いたが速攻魔法によりカミカゼが姿を消した。これでカミカゼの相手はモンスター1体でしか攻撃できない効果も消える。
「更にDDD制覇王カイゼルのもう1つの効果!ペンデュラム召喚に成功したターン、『契約書』を2枚まで破壊する事で、破壊した枚数このターンのカイゼルの攻撃回数を追加する!私は冥王の契約書と代行者の契約書を破壊!」
そしてカイゼルのもう1つの効果を発動し、2枚の『契約書』を破壊した事でこのターン3回攻撃できる。
「代行者の契約書のもう1つの効果、このカードが墓地へ送られた場合、除外されている『契約書』1枚を手札に加える事ができる!私は戦乙女の契約書を手札に」
そして破壊され墓地へ送られた代行者の契約書の効果で、DDDの最高特権により除外されていた戦乙女の契約書を回収。このターン5体の最上級モンスターを呼び出したにも関わらず手札はまだ7枚もある。
「そしてスケール8のDDプラウト・オーガをセッティングし、ペンデュラム効果を発動!ライフを500払い、制覇王カイゼルの攻撃力を500アップさせる!」
そしてフュージョン・ギフトで引き込んでいたプラウト・オーガをケプラーが居なくなったペンデュラムスケールにセッティングし、そのペンデュラム効果でカイゼルの攻撃力を500上げる。
「バトル!私はDDD制覇王カイゼルでE•HERO ノヴァ・マスターを攻撃!」
攻撃力3300となったカイゼルでノヴァ・マスターを攻撃、攻撃力2600のノヴァ・マスターはこのままでは破壊される。
「光牙のモンスター効果発動!墓地のGreat TORNDOを除外し、その攻撃力分カイゼルの攻撃力を下げる!」
だがそうはいかない。光牙の効果は相手ターンでも発動できる、墓地のGreat TORNDOを除外し、その攻撃力2800がカイゼルから引かれ、その攻撃力は500となる。
「返り討ちにしろノヴァ・マスター!ボルケーノ・ナックル!」
「くっ……!」
攻撃力が変化しても攻撃は止まらない。カイゼルの振るう武器はノヴァ・マスターの炎の拳で跳ね返され、そのままカイゼルを殴り倒し破壊、零児に2100の戦闘ダメージが発生し残りライフは800となる。
「そしてノヴァ・マスターがバトルで相手モンスターを破壊した時、1枚ドロー!更にヒーロー・ミッションの効果で与えたダメージ分2100のライフを回復、そしてバトルで相手モンスターを破壊し墓地へ送ったこと事で墓地のカイゼルを除外!」
ノヴァ・マスターが戦闘でカイゼルを破壊した事で自身の効果と永続魔法ヒーロー・ミッションの2つの効果を発動。遊代は1枚ドローしライフを2100回復し残りLPは8000、そして零児はカイゼルを再び除外される。
「……ふっ」
しかし2回攻撃できるカイゼルを倒された挙げ句再び除外され、2100の大ダメージを喰らったにも関わらず零児は至って冷静たった。
「光牙のモンスター効果が私のターンに発動できる事は読んでいた」
「なにっ?」
「だからこそ私はこのモンスターを揃えたのだからなっ!DDD死偉王ヘル・アーマゲドンのモンスター効果発動!」
そう、光牙の効果によりカイゼルが返り討ちに遭うのは零児の想定の範囲内。それがこの3体の王の力を発揮させるのだから。
「1ターンに1度、私のモンスターが破壊された場合、そのモンスターを対象として発動できる。ターン終了までヘル・アーマゲドンの攻撃力はそのモンスターの元々の攻撃力分アップする!私は破壊されヒーロー・ミッションの効果で除外された制覇王カイゼルを対象にヘル・アーマゲドン3体の効果を発動し、3体の攻撃力はカイゼルの攻撃力分2800アップする!」
「なにっ!?」
ヘル・アーマゲドンの効果は自分のモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。これで3体の死偉王はターン終了時まで制覇王の元々の攻撃力分アップしその数値は
「攻撃力5800が、3体……だとっ!?」
攻撃力3000と元々高い数値を誇るヘル・アーマゲドンがその効果により更なる攻撃力を得た事で攻撃力5000越えの超越神が3体君臨する遊代にとって想定外にも程がある事態となる。
「では改めて行くぞっ!」
攻撃力5000越えの3体の猛攻、それに加えてまだダルクも残っている。零児の攻撃は今、これから始めるのだ。
という訳で遊代が怒涛のHERO7体召喚をやってのけDDDを全滅させましたが、それでもあのライフを削りきる事はできず、逆に次のターン、またもや5体のDDDを揃えられた挙げ句ヘル・アーマゲドンの攻撃力が5800となる、しかも3体。恐ろしい。
何より恐ろしいのがこれだけ文字数使って2ターン終わってないのが……カードが回るとそれだけ文字数増えてとんでもない事に、よくクロノス先生とのデュエルが1話で終わったもんだと今不思議に思っています。まあ理由はソリティアしてないからですけどね。
前書きにも書きましたが明日更新の7話で零児とのデュエルは一応終わります。果たして結末はどんな形に?それではまた明日。