The Genius Jockey   作:抹茶小豆餅

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 どうも、抹茶餅です!!

 とりあえずモチベーションの続くうちに書き上げてしまおうと、せっせと執筆中です!!
頑張っていきますのでよろしくお願いします。


 秋華賞見ました! 牝馬のらせるとやっぱり強いですね福永騎手は(笑)
その調子で牡馬もうまく乗ってほしいものですが……。
ちなみに抹茶餅の推してたエンジェルフェイスはお察しの着順に……(16着)
浜中くぅん……(涙)

 さあ次は菊花賞です。皆さんはサトノダイアモンドかな? 
ふふふ……抹茶餅は違いますよぉ~。何せ穴党ですからな!!



天才は、思い出の地を訪れる

 

 

 

 無理やり拉致された響は、ふて腐れながらも窓の外の移り変わる風景を肩肘をついて眺めていた。

 

 

(一体どこへ行こうってんだ? 府中ならもう通り過ぎてるし……)

 

 

 自宅のある霞ヶ浦から1時間車に揺られている響。最初はトレセンにでも連れていかれるのかと思ったのだが、トレセンのある方向からは逆に走っていたので、早々にその可能性は捨てていた。

 

 

「……先生、いったい俺をどこに連れていくつもりなんですか? かれこれ1時間は乗ってるんですけど……」

 

 

 何度目かわからない質問を飛ばす。実は先程から質問を飛ばしているのだが、藤原の方は一言、「着いたら分かる」とだけ言ってそれ以上は語らなかった。

 

 

 しかし、今回は違った。藤原はにやりと笑い、首でクイッと窓の外を指し示した。釣られるように響はまた視線を窓の外に動かし、ようやく気が付いた。

 

 

「お前にも馴染みがあるはずだぜ? 3年間ここに居たんだからよ」

 

 

 見慣れた道、そして遠くに見えるのは緑の看板にでかでかと書かれた文字。

 

 

「――競馬、学校……」

 

 

 

 

 

 ♪~♪

 

 

 

 競馬学校。千葉県白井市に建てられた日本中央競馬会の教育訓練機関で、中央競馬に所属する騎手のほとんどはここの出身だ。また、厩務員の育成も行われている。

 

 

 騎手を目指すものは、まず中学を卒業下、もしくは見込みの15歳から20歳とされている。だが、18歳を超える者の合格は、柔軟性の欠落などによりほぼあり得ないとされている。その選ばれた1学年約10名が3年間の訓練に励む。

 

 

 訓練を重ね、3年卒業時に試験を受け、模擬レースに挑み、騎手免許試験の合格を経て初めて騎手デビューを果たせる。卒業時には約10名が3名まで減るなど狭き門を潜らなくてはならない。

 

 

 響も約2年前、ここの騎手課程3年を経て卒業、デビューを果たした。

 

 

「……懐かしいな」

 

 

 競馬学校の景観を目に入れて、思わずつぶやいた。

 

 

「はは、そうだろ。お前が卒業してもう2年経とうとしてんだぜ?」

 

 

「そう、ですね。……ここの景色は昔のままですね」

 

 

(だけど、あの頃の俺はもういない……。あの頃の、馬に乗ることでワクワクしてた俺は、もう……)

 

 

 どれだけの成績を残そうと、響はまだ卒業して2年目を迎えた若手に過ぎない。中身も成熟しきっていない響には、馬の死はトラウマを植え付けるには十分すぎた。

 

 

「響、こっちだ」

 

 

 藤原に声を掛けられ、気が付けば藤原は本館の横を抜けていった先にいた。慌てて追いかけた響だが、藤原は歩幅を緩めることなく先へ先へと進んでいた。

 

 

 響も追いかけていって、着いた先は――

 

 

 

 

「ここって……コース、ですか」

 

 

 外周1400mの外走路と呼ばれるコースだった。今は実技練習の最中なのか、3頭の馬がコース上を走っていた。2頭の馬の間を1頭が入っていくという訓練をしているらしい。その1頭はうまく間に入り、そのままぶつかることもなく抜いていった。

 

 

「……へえ」

 

 

 その淀みのない、迷いのない捌きに響は思わずうなった。他の2頭を操る練習生のレベルが極端に低いというわけではないが、それでも抜き去っていった練習生は上手かった。特に感心を覚えたのはその騎乗姿勢だ。

 

 

(下半身も柔らかく使えている……。バランスも悪くない。だからこそ、馬の方も大人しく指示に従っている……)

 

 

 先輩の中にも下半身の固い騎手がいる中、柔らかく乗りこなす練習生を見て、響は口角のあがるのを抑えられなかった。それに気づいた藤原は、視線を響に向ける。

 

 

「ん? 何かいいと思ったやつがいたのか?」

 

 

「あ、いえ。今年の新人も、レベルの高い人がいるなと思いまして」

 

 

「へぇ、あの先頭のやつか?」

 

 

「はい。……あっ」

 

 

 楽しそうに感想を言い合う中で、響はふと思い直した。自分に何がわかるというのか、もう乗ることができないというのに、と。

 

 

 それに気づいてか気づかずか、藤原は苦笑の表情を浮かべる。そして腕時計を一瞥し、響の肩を叩いた。

 

 

「……もう、11時半か。せっかく来たんだ、教官に挨拶でもしていくか」

 

 

「――……え゛」

 

 

 

 ♪~♪

 

 

 

 

「いやあ藤原先生、ようこそお越しくださいました!」

 

 

「いえいえ林教官、昨日は突然すみませんでした」

 

 

 本館ロビーにて笑顔で握手を交わす藤原と教官の林敦(はやしあつし)。そして藤原の後ろでできるだけ気配を立っている響の図が出来上がっていた。実はこの林という教官は、教練の厳しいことで生徒間で有名で、鬼が現世に現れたとさえ言われたほどだ。

 

 

 その林はひっそり後ろに佇む響に近づき、おもむろに耳をつねりあげた。

 

 

「あぁあああああだだだだだだだだだだっっっっ!!!???」

 

 

「こぉんの大馬鹿が!! お前はこの半年何をしとったんだ!!」

 

 

 先ほど、ニコニコと藤原と握手を交わしていた人と同じ人物とは思えぬ形相で怒鳴りつけた。それも耳元で。

 

 

 耳は抓りあげられて大激痛だわ、耳元で大声で怒鳴られ鼓膜に大ダメージだわ、落馬のほうがましじゃないかと思える仕打ちだった。よくこの教官がいて3年間脱走しなかったと改めて思った。

 

 

 だが。

 

 

「本当に……馬鹿野郎が……。半年間音沙汰なしで、心配させよって……」

 

 

 声が震えていた。痛みから解放された響は不意に林の顔を見た。

 

 

 目尻に涙が見えた。

 

 

「復帰するでもなく、入院が長引いたでもなく、急に消えおって……。俺やほかの教官がどれだけ心配したと思っとるんだ……」

 

 

「ッ!!」

 

 

 思わず背筋が伸びた。あの怒鳴ってばかりの教官が初めて見せた涙だった。その響にとってはあり得ない出来事が、自分が与えた影響の大きさを知った。それほどまでに、自分はこの人に心配をかけてしまっていた。

 

 

 その事実は、罪悪感として、響の胸に重くのしかかった。思わずもらい泣きしそうなのを堪え、頭を静かに下げた。

 

 

「……すみ、ませんでした、教官」

 

 

「もういい。お前が無事でよかった」

 

 

 林も目尻に涙を浮かべながらもしっかりと笑顔を作り、響の頭に手を置いた。もう、響は涙を我慢することができなかった。

 

 

 




 今回は秋華賞と菊花賞でも説明しましょう。


 秋華賞……京都競馬場で行われる芝2000mのレース(内回り)で、今年で21回目を数える数あるG1レースでも歴史の新しいレース。牝馬3冠の最終戦。
 元はエリザベス女王杯が牝馬3冠の最終戦というくくりだったが、1996年より古馬にも開放され、それにより新たなる3歳限定戦として新設された。このためか、3歳クラシック5大競走には含まれていない。
 ちなみに僕も知りませんでしたが、外国馬の出走も認められているそうです。マジかよ……。


 菊花賞……京都競馬場で行われる芝3000mのレース(外回り)で、今年で77回目を数える数あるレースでも歴史の古いレース。牡馬3冠の最終戦。
 3歳では未知の距離である3000mで坂越えが2度あること、このスピードとスタミナを兼ね備えた馬でなくては勝てないことから「もっとも強い馬が勝つ」と言われている。
 ちなみにこの競走も、2010年から外国馬の出走も認められているそうです。




 やべえ……外国馬が出走できること知らなかった(汗)
この2レース、もちろん普段も盛り上がりますが、やはり3冠リーチがかかった馬がいるときはドキドキします。
 ちなみに菊花賞は3歳3000mという距離から、穴馬の来やすいレースとなっています。夏を超した上がり馬が、果たしてどういう競馬を見せるのか楽しみです!!
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