最強のライズ使い? いいえ、ただの人間です。 作:トナカイさん
0.目覚めたら、モンブラン大好きな不死身キャラだった件。
『輪廻転生』
諸説は多々あるが一般的には
あの世は一つの世界ではなく、人によって景色や姿が異なる『コミューン』と呼ばれる空間からなっている。
何故突然こんなことを言ってるのか?
それは俺、
始まりは唐突だった。
ある日目覚め、見知らぬ部屋の片隅にある洗面台の鏡を見ると俺の顔は強面の893になっていた。
強面だけならまだ良かったかもしれない。
額にある傷。その傷が目に付いた俺は冷や汗を掻く。
まさか……そんな。
全身に広がる絶望感。
ぬぐいきれない不安な気持ちを押し殺し、俺は着ていたシャツを脱ぐ。
服の下にあったのは、全身に広がる刀傷、銃槍……間違いない。それらは雹堂景虎がPSYRENの世界で負っていた傷そのまんまだった。
まんま、雹堂景虎だった。
いや、景虎さんだった。
鏡に写る人相は『さん、付けろよ、デコ助野郎!』とか言い出しそうなくらいの強面だった。
(……なんで? どうして?)
頭が痛い。
急に頭痛に苛まられる。
ズキズキとした痛み。
その痛みは強くなり、やがておさまる。
(ああ、そうか……)
その瞬間、俺は理解した。
俺は『関東最強のライズ使い』雹堂景虎の遺伝子を持つ人工天才として、この世界。
『緋弾のアリア』の(モブ)キャラとして、転生したということを。
そして、俺はさらなる情報をも思い出す。
それは自分が転生の際に、『神』と名乗るものによって与えられた特典。第四の
そう。俺は『最強』のサイキッカーの一人として転生したという事実を。
サイキッカーとは、俗にいう超能力者のことだ。
「
全てのPSIは「裂破のバースト」「心波のトランス」「強化のライズ」の3種類の力で構成される。
PSIは本来、全ての人間の脳に備わっているが、進化の過程で封印し、普通の人間の脳細胞の約9割は休眠状態にある為、何らかのきっかけで全脳細胞が覚醒しない限りPSIを使うことはできないはずだが……俺は転生の特典とか、景虎さんの遺伝子によって作られたからとか。そんな理由で使えるみたいだ。
ちなみに、原作のサイレンでは自然にPSIの力に目覚める者や、外的要因で目覚める人など人によってマチマチだ。PSIの使い手は現代科学の常識を超えた事象を引き起こせるメリットがある反面、PSIを制御せずに多用すると脳への負担がかかり、鼻腔からの出血や頭痛を起こすデメリットもあり、最悪の場合、過負荷により脳が潰れ、死亡する。
ようするに使い所を間違えると死ぬ力。
それがPSIだ。
そして、俺はそんな危険なPSIの力を持ってこれまた危険な世界に生まれたようだ。
『緋弾のアリア』
そこは人外が蠢くパワーインフレが激しい世界。
強力な能力があるとはいえ、精神的には前世の一般的な日本人の俺にはキツイ。
顔は強面でも心はチキンなんだよ!
ど う し て こ う な っ た⁉︎
「……よし、とりあえず」
落ち着こう。
まずは落ち着くことが大事だよ、そう真夏の戦いでサ◯エばあちゃんも言ってたじゃないか。
「モンブラン食べて、可愛い猫か犬を探してもふもふするか」