レミリア・スカーレットのパドラックス
紅魔館の地下にある大部屋に入る扉前に照はいる。レミリアがこの扉の前まで来ると照を静止させた。理由は照には知らないが、今までの紅魔館の内装とは一転して鉄らしき、重厚な壁と扉がどことなく重圧をかける。さらに、堅そうな鉄の扉には動物の爪で傷を付けた引っかき傷と何かを殺したのだろうかその傷の周りに血が付着し鉄の壁などを酸化させていた。
中には酸化してない新しくつけられた傷と血もあった。
「照は何も知らないわ。この扉の向こうになにがあるのか、なぜ、この地下牢紛いの部屋を作ったか、それを今から照に説明をするわ。でも、ここが一人の人で居続けるかどうかの最終選択点よ。どうする?」
「引きません」
即答だった。
「じゃぁ、話すわ。妹のフランドール・スカーレットの話、初めに言って置くと、彼女は私以上に吸血鬼と言う存在に近いわ、その身に宿っている力も体もね」
上の存在とはまた別の言い回しと意味をちらつかせるレミリアであるが、忠告をしなければならない程の人物なのだろう。
「その体故に人の血を吸うのではなく喰らう。一時期はどこの妖怪よりも人を食べたわ。それも八雲紫が直に止めに来るぐらいね。だから、紫に殺される前に私は――ここに閉じ込めたのよ。この紅魔館から出られない様にしたの」
レミリアは俯き扉にもたれかかった。思い出したくはない過去。
「貴方が開こうとしている扉は魍魎の匣じゃないわよ。パンドラの匣よ。あの子は閉じ込めた私を怨んでいる。私のお気に入りに貴方なら怒りや憎しみをぶつけるかも知れないわ」
「レミリア様は私をどうなされたいのですか? 死ぬかもしれない所に置きたいのですか? それとも死んでほしくない所に置きたいのですか?」
高が一週間ではあるが照はレミリアの心を理解しているつもりである。この先は行かせたくない心と紅魔館に適合させたい気持ちの葛藤があるのだ。
照は死ぬつもりはないが紅魔館には居たい。対してレミリアは居てもらいたいが死んでは欲しくない。
同じ気持ちでいる両者であるが立場までは一緒ではなかった。
「死んでほしくないわ。でも、ここで篩いにかけなければ貴方はもっと色々なことにつまずいてしまう。諦めてしまうわ。信頼してるわ照」
照はレミリアの目先へと近づく。
「だから、照。言うわ、私の後ろを進んで生きなさい。行くのではなく生きるの。わかったわね?」
「それがレミリア様の命令なら、私はどこまでも生きます」
心に思ったことだ。嘘偽りはない。頭が幾ら反発しようと照の意志は固いものだった。
「……死なないでね。照」
一人の従者は開かれた扉の暗闇の向こうへと足を運び、レミリアは入って行くのを確認すると自分も暗闇の奥に入って行った。
今回は短いです、そして、2章に行きます。
Q,早く書けよ。あと、横書きにしろよ
A,死んでしまうので早くはなりません。横書きは目を瞑って!