ラブライブ!-共に響かせる者(仮   作:只今更新凍結中

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いつも彼女は前を見ていた 少年は手を引っ張っていた

その後、ある程度情報を聞いた僕は(寝ぼけてた関係でよく話は聞いていなかったので)職員室に行った後、穂乃果を探していた。というより場所は後屋上だけなのだが……

 

「東條さん、何してるんですか?」

「ひゃっ!!!???」

 

屋上の入口にはこっそり屋上を除く東條さんがいたので声をかけると驚いて少し飛び上がっていた。

 

「なっなんや優月君かぁ、驚いたわ~」

「いや、そんなとこでそんな怪しいことしてたらそりゃ声かけるよ」

「あっ怪しくなんかないよ?」

「……」

「あはは~じゃあ生徒会に戻るね~」

 

視線に気付いたのか、東條さんは足早に逃亡していく。ていうより口調戻ってたな。

僕はそう考えながらドアを開けるとそこには予想通り穂乃果がいた。

 

「……響希君」

 

ドアの開く音に気がついたのだろう。こちらを見て僕の名を穂乃果は呼んできた。

僕は穂乃果と並ぶように立ち、下を見る。そこには部活だろうか、マラソンをする生徒が見えた。

 

「今回はいい考えだと思ったんだけどな~」

「まぁ、案としてはいいと思うけど。突然過ぎたんだよ」

「でっ諦めるの?」

「それは……うん?」

 

何かを答えようとした穂乃果はピアノと歌声に気づいたようだ。

 

「音楽室からだね」

「うん、誰だろう」

 

確かめに行くように穂乃果は屋上を出て行き、僕はそれを追いかけた。まぁ音楽室行く予定だったしいいか。

音楽室に近づくにつれ、その声ははっきりとしてきた。

 

「さあ、大好きだ!ばんざ~い!負けない勇気~!私たちは今を楽しもう~♪」

「綺麗な声……」

「そうだね……」

 

そこにいたのは赤い髪の少女。リボンからして一年だろう。

しかしその年を考えたとしてもピアノの腕前、その声はある一線を超えたものだった。それに歌詞を聞く限りオリジナル、もしくは自作だろう。

歌声とピアノが止まる。どうやら曲が終わったようだ。穂乃果が拍手とともに音楽室に入る。

 

「すごい!すごい!すご~い!感動しちゃったよ!」

「べ、別に……」

「歌上手だね!ピアノも上手だね!それに……アイドルみたいに可愛い!」

 

そのピアノを弾いていた女子は穂乃果のある種のマシンガントークの賛辞に赤面し、立ち上がり音楽室から出ていこうとする。

 

「えっと……」

「ん?」

「貴方は?」

 

僕と目があうと一瞬訝しげに見てきた。思えば確かに女子高に男子だもんね。

しかしなぜだろうか、この子にデジャブを感じる。そしてなんというかこの学院はレベルが高い女子ばかりのようだ。

 

「あぁ、試験生の優月響希だよ」

「優月……?」

 

少女は何か考えるように腕を組む。

 

「あ、あの!いきなりなんだけど……アイドルやってみたいと思わない!?」

「え?……ナニソレ、イミワカンナイ!!」

 

そう言って少女は出ていこうとする。しかしこれは呼び止めなければ少しもんだがあった。

 

「君、このこと先生に話してるの?」

「このこと?」

「ピアノの使用」

「……言ってないけ……ですけど……」

 

はい、アウトでした。

 

「ここは放課後の使用は申請を出さないとダメなんだ。じゃないと厳重注意があるよ」

 

僕は事前にピアノの使用の申請に行っていた。その時ほかに使用者はいないといっていた。

 

「……それは……」

「はぁ、ほら」

 

僕は懐から申請書を取り出し、女の子に渡した。

 

「これはなんですか?」

「申請書。使うときは君の名前書いて先生に出しなさい。今回は僕のついでってことにしとくから」

 

ついでだったので数枚貰っていたので1枚くらい問題はない。

 

「……ありがとう」

 

そう言うと足早に少女は出て行ってしまった。敬語が苦手なようだ。

 

「響希君、なんで申請書持ってたの?」

 

傍観してたというか、何やら耐えるようにしてた穂乃果がこちらを見てくる。何だその目は?

 

「アイドルするって言いだしたのは穂乃果だろ?」

「えっ」

「下見だよ。まぁ家でするって案もあったけどね」

 

音楽室に楽器類がどれだけあるか、その確認もあった。

 

「響希君は反対しないの?」

「反対して欲しいの?」

「そっそんなことないよ!!」

「ならいいじゃん。何年幼馴染してると思ってるのさ。穂乃果の暴走なんていまさらだよ」

「暴走!?ひどいよ~!!」

「事実だろ」

 

僕は頬を膨らませる穂乃果の額を2本指で小突いた。

 

 

___________________________________

 

 

「みんなのハート撃ち抜くぞ!バァーン!!」

 

的を遥か離れた場所に矢が刺さる。

 

「ラブアローシュート!!!!」

 

(ry

 

「あぁっ……!!いけません!余計な事を考えて…」

 

海未は昼の穂乃果の言葉に弓道部の練習が身に入らずにいた。矢を引くとアイドルをする自分を妄想してしまい、雑念により矢が外れるのだ。良くも悪くも妄想力豊かな少女であった。

 

「海未ちゃぁ~ん。ちょっと来てぇ~」

「……?」

 

そこにことりが小走りに駆け寄ってきた。

 

 

 

「穂乃果のせいです……。全然練習に身が入りません……」

「って事は、ちょっとアイドルに興味があるって事?」

「っ…いえ、それは……」

 

海未は一瞬どもるもうつむきながら答えた。

 

「やっぱりうまくいくとは思えません」

「でも、こういうのはいつも穂乃果ちゃんが言い出してよね?」

 

昔、穂乃果に誘われて2人は木に登った時があった。

 

「いつも私達が尻込みしちゃうところをいつも穂乃果ちゃんが引っ張ってくれて」

「でもそのせいでひどい目に何度もあってきたではないですか」

「そうだったね」

 

結果3人の乗った幹は折れ、なんとか掴まったものの転落しかけたのだ。

 

「穂乃果はいつも強引過ぎです」

「でも海未ちゃん。後悔なんしたことある?」

「えっ?」

 

しかしその時見た光景を、綺麗な夕日を海未たちは覚えていた。そう、あの景色を見せてくれたのも穂乃果だった。

 

「見て」

「……あっ」

 

ことりの言葉に校舎裏を覗き込むとそこには必死にダンスを踊る穂乃果の姿があった。

 

「ほっ!!……あっ!!」

 

ステップの途中で穂乃果は滑るようにして転倒してしまった。しかもどう見ても何度も転んだのだろう汚れている服、そして肘と膝にはかすかな擦り傷があった。

 

「いったぁぁい!……ホントに難しいやぁ……みんなよく出来るなぁ。よし、もう1回!!」

 

しかし穂乃果は諦めずまたダンスを始めた。

 

「ねぇ海未ちゃん。私、やってみようかな」

「ことり……」

「海未ちゃんはどうする?」

 

ことりの笑顔に海未は考える。いや、違う。もう答えは決まっているに等しかっただろう。

 

「あぁ!!」

「あっ……」

 

するとまた穂乃果は転倒したのだろう。うつ伏せにお尻をさすっていた。海未はそれを見るとかすかに微笑み、歩み寄って手を差し出した。

 

「穂乃果、大丈夫ですか?」

「海未ちゃん?」

「1人で練習しても意味はありませんよ?……やるなら3人一緒じゃないと!」

「海未ちゃん!」

「海未ちゃん、3人も違うと思うんだけど……」

 

ことりは少し頬をかきながら言うとそれに答える者がいた。

 

「確かに。僕だけノケモノとかひどくないかな?」

 

そこには飲み物を持った響希の姿があった。表情は見えずとも声だけ泣き真似をしていた。

 

「えっ!?いえ、そういう意味ではなくて!!」

「いやいいよ、わかってるから。それよりもだ……」

 

響希は慌てる海未の頭を撫で、穂乃果に近寄る。

 

「穂乃果……君は何してるのかな?」

「えっえっと……」

「危ないから踊ったりしないようにって言ったのね?何かい?君は僕の話を聞いてなかったのかい?」

「その……」

「そこにちゃんと座りなさい」

「……はい」

 

穂乃果は正座させられ響希による説教が開始された。ただ正座させられる前に響希がどこからともなく座布団を出したのは彼の優しさだろうか。

 

「ふふふ、懐かしいですね」

「……うん、昔みたい」

 

昔話にはまだ続きがある。結果的に彼女たちは夕日を眺めていた結果、転落した。それを助けたのはほかならない、響希だった。

まるで滑り込むように、受け止めるように3人の下敷きになった響希は眼鏡を割ったものの、怪我一つなくそのまま3人を(主に穂乃果)怒った。その時初めてだった。いつも穂乃果と一緒に引っ張ってくれていた少年。眼鏡で表情は見えなかったものの怒ることのなかった響希が怒ったのは。

 

「……頑張りましょう。思えば響希がいるのです、大丈夫でしょう」

 

悩むことはなかった。確かに6年という空白の時間ができた。

 

「うん、ひーくんと一緒なら、みんなと一緒なら大丈夫だよ」

 

それでも変わらず3人を支えてくれた少年は、昔と変わらず3人の少女達を見ていて、

 

「ほら、まだやることあるでしょ」

「響希君!!足痺れて立てないよ~!!」

「あ~その前に怪我見せて」

「わ~~~!!消毒がしみるよ!!」

「暴れないの!!」

 

その手を引っ張っていた。

 

 

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