ラブライブ!-共に響かせる者(仮   作:只今更新凍結中

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理事長

 

「変わらないな……」

 

響希は洋館を見上げ呟く。

空港からタクシーを拾い到着した我が家は昔と変わらず、いややはり少し変わってるか。

少しサビのついた鉄柵の門を開き、少し草の生えた玄関までの道を珠紀と共に進む。

 

「けど草がそこまで生えてないね」

「そりゃ私が時折刈に来てたからね」

 

珠紀の何気ない返事に響希はへ~っと感想を浮かべるも、すぐに疑問が頭に浮かぶ。

 

「時折?」

「だってここ、ドランと繋がってるし」

「え゛」

「あの過保護なキングがはるちゃんを本当にタダでここに済ませると思う?」

 

いえ、あの父さんなら確かにやりかねないです。

 

「さてと、響希はまず高校に行って説明を聞いてこなきゃでしょ?」

 

確かに今日、申請手続き兼説明を受けることになってるのだが、

 

「でもまだ昼前だし……」

「それに会ってくるんでしょ?あの子達に」

「……」

「約束したなら会いに行かなきゃ。それに今から掃除するからね」

「掃除するなら……」

「私がやっておくからさっさと行く!!」

 

響希は珠紀に押されるまま門から問答無用で追い出された。しかも丁寧に道具入りのカバン付きで。

 

「はぁ……行くか」

「おう、何かあったら呼べよ」

「あれ、キバット。どこいってたの?」

 

いつの間にかいたキバットに響希は少し驚いた。

さっきまでいなかったんだけど……

 

「ルークから聞いてると思うが扉を使って飛んできただけだ」

「あ、さいですか……てかそれ僕たちが使っちゃダメだったの?」

「不法入国になるだろ?」

「あっ」

 

響希はキバットと話しながら高校へと向かいは歩き始めた。

 

__________________________________

 

30分ほどして……

 

「きれいだな……」

 

響希は門から見える桜を見上げる。桜だけではない、ここから見えるだけでも校舎も綺麗だ。

ちなみにキバットはどこかに飛んでいってしまった。

ずっと6年間一緒にいただけに周りを見ておきたいのだろう。

 

「さてと、何が出るやら」

 

そうつぶやきながら響希は国立音ノ木坂学院の門を潜っていく。

 

 

土曜日の午前だからだろう。微かに聞こえる教師の、生徒の声を聞きながら響希はまっすぐ校舎内を進んでいく。

数回教師と会ったものの、話が言ってるのか名前を言うとある場所への道を教えられた。そしてその場所こと理事長室。

響希はそのドアに数回ノックする。

 

「はい、誰でしょうか?」

 

中から聞こえたのは聞き慣れた、いや6年前までよく聞いていた声。

 

「優月響希です」

「……どうぞ、入ってください」

 

響希は中に入るとそこには、

スーツに身を包み、灰色のような長髪とその頂辺にまるでトサカのようにまとめられた髪。クールにしているつもりなのだろうが、その全身からほんわかというべきなのかそんなオーラをはっする女性がいた。

 

「久しぶりね、響希君」

「お久しぶりです、南理事長」

「あら、堅苦しく言わなくてもいいわよ?」

「え、しかし……」

「ダメ……かしら……?」

「……分かりました。お久しぶりですね、ひなたさん」

「よろしい」

 

そう言って微笑む女性は南ひなた。ここ国立音ノ木坂学院の理事長であり、幼馴染の一人【ことり】の母親でもある。

しかしその見た目は姉妹といっても違和感がなく、と言うより6年前から変わっていないというか若くなってる気がしないでもない。

なおその「おねがい?」という感じは娘さんにちゃんと受け継がれてますよ。

 

「けど大きくなったわね」

「男子としては平均的だと思うけど」

「ふふふ、私からしたら響希君は子供なのよ?」

「おっしゃる通りで。……で、説明してもらってもいいですか?」

「もう、焦り性ね。……そうね」

 

幼馴染の母親という顔からその顔は理事長へと変わる。

響希もそれに合わせ少しだが姿勢を正した。

 

「私が貴方をここに呼んだ理由はわかってるわよね?」

「はい、生徒数が減少においての対策である共学化計画の試運転の生徒としてですよね」

「えぇ、恥ずかしながら年々生徒の数が減少を辿っており、今年の一年は一クラスだけという結果にまでなっています」

「はい、聞いています。しかし正直、共学化では対策にはならないと思いますよ?」

「……やはりそう思いますか?」

 

やはり理解した上での決断だったってことか。

響希はそう思案する。

女子高、男子校。それは特殊な例もあるが、異性の目があるときついとか、やりたいことができない、気を張ってしまう。そんな人達が受けることがそれなりに多い。

しかしそれを理解していながらということは……

 

「……それだけ危ないのですか?」

「……それだけの情報でそこまで理解できるのね?」

「いや、正直共学って話を聞いた時点でそれなりに」

「はぁ、本当に昔から察しといいというかなんというか……ほかの事では鈍いのに」

「なんか褒められたようでしれっと馬鹿にされたことは理解できました」

 

ひなたのため息をつく姿に響希はすかさずツッコミを入れる。

 

「……えぇ、近々次回の結果次第では……」

「……そうですか」

「大丈夫。貴方は気にしなくていいわ。私は貴方に、ことりとその友達に楽しく過ごして欲しいから貴方を選んだのですから」

「分かりました。では次に、僕のクラスなんですが……」

「何か?」

「えっと送られてきた書類で二年A組となってるんですが……

 

 

 

 

 

 

僕18歳ですよ?」

 

そう響希は学年で言うなら高校3年生であり(4月3日生まれ)、高校2年ではない。

 

「あぁ、それはあれよ。たった1年未満な時間では実験にならないでしょ?」

「……」(じっとひなたを見ている。メガネで顔は見えないが。

「……」(すっと目をそらす

「まぁ、そういうことにしておきます。では次に制服は?」

「前の学校のはあるかしら?」

「一応。でもパーカーですよ?」

「あらあら……まぁ一応許可しましょう」

 

そうやって書類に目を通しながら話を進めること1時間。

 

「では以上ですかね?」

「……質問なのだけど」

「なんですか?」

「そのメガネ、外す気ないの?伊達なんでしょ?」

「……はい」

 

確かにこれは伊達メガネだ。

響希はそう考えながら異様にでかい瓶底のようなメガネに触れる。

 

「……わかったわ」

「いいんですか?」

「昔から素顔を見せてくれなかったものね。なにか理由があるのでしょ?」

「いえ、強いて深い理由は」

「やっぱりダメにしようかしら」

「あまり素顔見られるのが得意じゃないんです勘弁してください」

 

ひなたの言葉に響希は即座に土下座の姿勢に入る。

え?恥?羞恥心?誇り?そんなもの等に捨てたわ。

 

「もう、わかったからやめなさい」

「了解です。では今日は失礼させていただきます」

「はい、じゃあ”ことりによろしくね”」

「……」

 

なんでバレてるし。

これから響希が行こうとしてる場所、やろうとしてることを知ってるかのようなひなたの笑顔に響希はため息をつく。

 

「あっ、そうそう”ひなた”さん」

「……なにかしら?」

「くれぐれも気をつけてつけてくださいね」

「え?」

 

何を言ってるのか分からず呆けた声を上げるひなたに響希は悪戯っ子のような笑みを浮かべ振り返る。

口元は見えるため、微笑んでいるのだろうと理解したひなたはその理由を確認することにした。

 

「どういうことかしら?」

「気にしなくていいといったけど多分無理だから」

「……でもそれは」

「きっと僕だけじゃない。知ればきっと誰かしら動くでしょう?

何より1人、絶対に動く奴がいる」

「……」

「大丈夫、別に義務感だとかじゃありませんよ。ただ、楽しく過ごしたいからやりたいことをやらせてもらうだけです」

「ふふふ、そう」

「えぇ、だからこそ”穂乃果達”を信じてやってください」

「まるでわかりきってる様に聞こえるわね」

「えぇ、わかりますよ」

 

ひなたは無邪気そうに微笑む響希に懐かしさを覚えた。それは昔から変わらない言葉の前置き。

 

「だって、僕は穂乃果の幼馴染ですから」

「ふふ、ことりと海未ちゃんも入れなきゃダメよ?」

「もちろん。それに僕だって穂乃果達の……”ひなたさん達”の笑顔を守ってみせますよ」

「 」

「まぁ出来る範囲で、ですけどね。では失礼しました」

 

そう言って響希が出て行ったのを確認するとひなたは息をつく。

そして困ったように頬杖をつき、

 

「ことり……気を付けないとライバルは穂乃果ちゃん達だけでは済まなくなりそうよ?」

 

そう言って未来、慌てふためいているであろう娘の姿を思い浮かべるのだった。

 




多分というか、次回穂乃果達との再会。

ちなみにメガネは陰からマモルの主人公の付けているようなものを思い浮かべていただければいいです(知ってる人いるかな?
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