待っていた方はお待たせしました、そうでない方はどうもどうも。
大学生活をエンジョイしたりバイトが人手不足で忙しかったりと創作が後手後手になってしまいました。
恐らく期間が空きすぎてどんな話だったのか忘れている方がほとんどだと思うので、また最初から見直してみたら有難いです。
前の話とそれまでの話見てみると描写:発言の比が酷いんですよね。どっちも同じくらいなんですよ、だからどんな風に話しているとかが作者の中で自己完結してしまっている節があるわけで
まあ要するに「うわ、これひどすぎ……?」と思ったから全体的に書き直したいなと思っただけですはい。では本編どうぞ。
私こと夕張は考える。データの中で海で、「何か」が作った私と言う情報体は思考を巡らせる。
彼の要求に応えるには何をしないといけないのか。私が持っている知識は運営が設定した分と、提督が与えてくれる情報しかない。
「この手持ちでどこまで届くのかしら」
艦娘の性格を組み込ませたAI、プログラムを作ることがどのくらい難しいのか分からない。パターンを設定してカメラとマイク認識を出来るようにしたら「しゃべる艦娘AI」は作れると思う。
でもそれは彼の求めるものじゃない。
『俺の鎮守府にいる艦娘を全てAIに落とし込んでパソコンに留めたいんだ』
「俺の鎮守府にいる艦娘」は「しゃべる艦娘AI」とは別物だ。
前者は今までのイベントを一緒にクリアしたり雑談したりした思い出を持った艦娘で
後者は『本家が返すであろう返答』しかしない作られる以前がない艦娘だ。
「今のところ考えないといけないのは、どうやって艦娘の記憶を持ったデータをAIに落とし込むかなのよね。こうして『考える』ことができるのと、感覚があるっていうこと、これは限りなく人間に近い、なのかな」
でも、今はまだデータでしかない以上は現実の人間との差異は想像の域を出ない。
意識がある、記憶がある、感情がある、感覚がある、はっきりとした違いは身体があっちにあるかこっちにあるかくらいかしら。
夕張に自分の考えを伝えてヘタレは思考する。自分が出来ることは何なのか?
繰り返し考えて、その結果として行動した。
通知を受けて相談し、忠告を受けた上で問いかけた。求めて助言を聞いて見つけた。得た答えは自分にとって最上級のものだった。
だから夕張を選んだ。
でもそれを実現させることを考えた時、いくら夕張が有能だったとしても無茶な壁があることはヘタレにも分かっていた。
つまるところ「人格」をデータに変換することが可能なのかどうかだ。人格や性格、それというのは人間の最も情報量の多い部分だ。肉体をデータに変換することは確かに神業もいいところだが、人格や心をデータに変換することだって十分に神がかった偉業だ。クトゥルフのミゴよろしく脳みそを特殊な容器に入れてパソコンに繋げて変換する、なんていう絵空事ですら人間の脳みそが必要になる。
そもそもの話、運営がどうやってこのゲームの設定を作りこんでいるのかが分かれば解決したも同然だ。サービス終了の通知が出る前にこれまで色んな人が質問を投げかけてきた。しかし、それに関する答えが返ってきたことは一度もない。それ以外のバグや簡易な質問には答えてくれてもそれについては答えてくれなかった。
自分よりもよっぽど有能な人たちが必死になって調べたのに、ヘタレ程度が分かるとは思えない。実際調べてみても分からないことばかりだった。
無理に理論を挙げてみるならば、艦娘は運営が完全に管理しているAIで元になるデータが全てあちら側である、というのが有り得るかもしれない。もしもそうだったら運営の管理下からデータを抜き取るとかをしないと『答え』は机上の空論に終わる。
仮に運営へのハッキングをして抜き取ろうとしたとしよう、これまで頑なに秘密としてきた情報が抜き取られるときの対策をしていないとは考えにくい。データが抜き取られるとき、もしくはハッキングを感知した段階で全艦娘のデータ削除なんてトラップがあったら目も当てられない。
そもそもの話、バイト戦士の大学生に出来ることなんてたかが知れている。
「……腹くくりますか。最終手段、というか最悪夕張に特殊能力があることを期待するしかないかな」
これ以上の思考は不安を募らせるだけだ。艦娘のAI化、膨大な量のデータを効率よく保存する方法、そっち方面の情報を集めて夕張が動きやすくするのが関の山だ。
出産のときに旦那は何もできないことに対する無力感がすさまじいと聞くが、こんな感じなのかもしれない。
『「弱ったなあ……」』
どこぞのメロンも頭を抱えているらしい。変にシンクロしているものだ。