自分にしかない選択肢   作:ツリ目

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ようやくへたれがマトモに考え始めます。
あれが怖いこれがヤバいと逃げていてもいずれ来る終わりには逃げられませんからね。


おーぷんはいつでも通常運転

 最初に目についた書き込みがアレだったので期待した自分が馬鹿だったかと思ったけど、さすがはおーぷんと謎の安堵をした。

 

89:名無しさん@おーぷん:20XX/03/10(?)05:39:23 ID:dnk

 結局引っ張り出せる条件はレベルだけってことでFA?

 

92:名無しさん@おーぷん:20XX/03/10(?)05:39:48 ID:HDD

 >>89

 イエス

 どの艦種でも問題なさそう

 

105:名無しさん@おーぷん:20XX/03/10(?)05:40:21 ID:WAO

 必要なのはレベルだけみたいだな

 美人選んでリア充になるのが楽になるわw

 気を付けないとヤンデレに刺されないか心配だなww

 お前らも気を付けろよ

 考えて選ばないとヤバいからな

 す

 

106:名無しさん@おーぷん:20XX/03/10(?)05:40:29 ID:Ank

 >>105

 そうか

 しね

 

109:名無しさん@おーぷん:20XX/03/10(?)05:41:50 ID:XYZ

 無理やり引っ張り出したやついる?なんかデータになって消えるみたいな感じになって本当に消えたら怖いからやってないんだけど

 

118:名無しさん@おーぷん:20XX/03/10(?)05:43:38 ID:NHK

 >>109

 検証組とニコ生がやったっぽい

 一気に引っ張って腰辺りから消え始めたらしい、ゆっくりやっても胸部くらいまで引っ張ると完全に消える

 秘書官が消えるとレベルソートで次に高い奴が代わりに出てくるっぽい

 

120:名無しさん@おーぷん:20XX/03/10(?)05:43:50 ID:osi

 >>109

 無理やりやっても胸くらいまでならすぐ押し戻せば大丈夫みたい

 あと艦娘に画面側へ寄ってもらってこっちが手を突っ込んだら揉めるぞ

 

さすがはおーぷん、いつもはポケモンとか遊戯王とか政治とかバイクとか下ネタとかの話しかしてないのに艦これで新情報が出ると真面目だ。誰もが疑問に思うことを聞けばすぐに返答が来る。

「……んー」

過去スレや前後の書き込みを見たけど、どうしてこんなことができるのかは分からないみたいだ。

正直原因が分かってもへたれとしてはどうしようもない。専門は経済だし機械に特別強いわけでもないから全然分からない。

 

 

 どうしたものかとまた悩みながらバイトへ行く準備をする。バイト先に提督はいないので相談は出来ない。

「選ぶとしたら……俺が選ぶとしたら……」

一人だけ思い浮かんだ艦娘がいる。相談にも候補にもなる艦娘が、気の置けない友人みたいな艦娘がいた。

パソコンを開いてその艦娘のみ第一艦隊に配置し、母港画面に移動する。

「話があるんだけど、いいかな」

『何かしら、新しい装備でも開発するの?』

川内を除けば1番レベルの高い軽巡、夕張が返事をする。

へたれは一人を選ぶことが出来、現実世界に来ることが出来ると言う話をした。

それを聞いた夕張はやはり驚いたようだ。

『…………』

反応もできないくらいに驚いたみたいだ。

「えっと、大丈夫?」

『……だ』

「だ?」

『大丈夫なわけないでしょー!?』

音量低めにしていたはずなのに鼓膜がビリビリするくらいの大声で怒鳴られた。ヘッドフォンじゃなかったら隣から壁ドンがきていた。

『な、何なのよそれ、いきなり言われても意味分かんないわよ!』

どうやら艦娘と提督がお互いの世界に干渉できることは疑っていないみたいだ。たぶん他の艦娘から聞いたんだろう。

頭を抱えたまま「ああ……」だの「うぅ……」だのと変なうめき声をあげている。まるで緊張している時のへたれだ。

「えっとな、それでさ、選ぶか選ばないかを迷ってるんだ。お前の意見を聞かせてほしい」

自分で決めないといけないのは分かってる、でもやっぱり決められない。その時が来てしまったら、こうやって話している夕張や、嫁の川内や、相談に乗ってくれた明石とはお別れしなくちゃいけない。三次元で凹んでいる時の癒しになってくれた駆逐艦も、イベントの時のメイン火力で頑張ってくれた戦艦や空母ともさよならだ。

『だからそれを私に相談されても困るってば……。でもね、もし選ぶんだったら』

 

『あなたには私を選んでほしい』

 

真摯な目で彼女は言った。真面目な顔でへたれに言った。

へたれは、すぐに言葉を返せなかった。マヌケ面で画面の向こうで頬を赤らめている彼女を見つめることしかできなかった。

『あなたがどう考えてるか分からないけどね、あなたを想ってる娘はたくさんいるわ。私だってそう、外に行きたい気持ちがないとは言わないけどちゃんとあなたを慕ってるわ』

「……夕張」

『ま、ちゃんと考えなさいね』

言うと同時に画面が暗くなった。スリープモードになったみたいだ。

スリープモードになってもへたれはしばらく動かなかった。動けなかった、頭の中で夕張の言葉が何度も繰り返されてまともに思考できなかった。

「『私を選んでほしい』……か……」

へたれのつぶやきは彼自身にしか届かなかった。

「……やっぱり選ばないって選択肢は選べないなあ」




あと何話か何十話かしたら終わりますのでよろしく。
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