ラスダンまで行って倒しきれませんでしたわ
バケツはともかく資材が尽きました。
「お前に助けてほしいんだ、手伝ってほしい。というか俺に手伝わせてほしいことがあるんだ」
ヘタレの言葉は具体性に欠けていて、言われた彼女は困惑していた。だから彼女は問いかけた。
『もう少しちゃんとした説明をしてもらっていいかしら』
彼女—『夕張』は確認するように問いかけた。
「うん。最初に言っておくけど、これは俺にとっての理想に一番近い・・・なんていうんだろ、方法みたいなもんなんだ」
そう前置きをしてヘタレは考えながら言葉を紡ぐ。
「どっから話そうかな……。結論から言うとさ、艦娘の性格と記憶をパソコンに住むAIにしようと考えてるんだ。
「もし選べるのが一人じゃなかったとしても、現実問題として生活していけるかというと俺の台所事情じゃ一人が限界だ。
「でも他のみんなとの縁が完全に切れてしまうのは嫌だし、みんなとはずっと一緒にいたい。
「で、俺が考えた落としどころが『データとして留まるAI』なんだ。
「正確に言うとデータとしての艦娘をそのままパソコンに移したいんだ。
「そのためにプログラムとかを作ろうって思ったんだ。
「だったらその方面に強い誰かがいたほうが良いだろうと判断して。」
『……私にそのプログラムを作れってことですか?』
夕張の言葉にヘタレは頷く。明石も候補に入れていたが、レベルとは別に明石は開発よりも改造するタイプだから合わないだろうという判断があった。個人的なイメージではあるが、公式でもそういう区分はあったようなので夕張に設定が反映されてもおかしくないと思ったのだ。
『あなたは私を選ぶってこと?』
夕張の言葉にヘタレは首を縦に振る。
即座に頷いたヘタレの様子を見て何故だか夕張は悲しそうな顔をした。ヘタレに背中を向けてギリギリ聞こえるくらいの声量で言った。
『それはプログラムを作るため、だけ?』
不安そうな声色で、頼りなさげな雰囲気さえ漂わせている。
(あ、そういうことか)
夕張が悲しそうな理由をヘタレは察した。
「違う違う。確かにお前には作ってほしいって気持ちはあるけど、それだけじゃないんだ」
慎重に言葉を選ぶ。自分がその役割のためだけでしか必要とされていないのではないかと不安がっている彼女のために
間違えないように
傷つけないように
正しくあるために頭を使う。
「そういうのを抜きにして俺はお前がいいんだ。夕張と一緒が良いんだ」
ヘタレなりの真面目さで真剣に告げた。表情の見えない相手に想いが間違って伝わったりしないように自分の気持ちを、感情を伝える。
『……川内っていう唯一のお嫁さんがいるのにそんなこといっていいのかしら?』
意図的に感情を殺しているのか、淡々とした口調で質問する。それが責められているのか叱られているのか分からないが、やや弁解気味に言った。
「えっと……内緒にしてほしいんだけどさ」
単婚のヘタレは声を潜めて、それこそ内緒話をするようなトーンでこっそりと告げる。
「初期にグラが気に入って勢いでケッコンして思い入れがあるけど、そういうのでは川内は特別高くないんだわ」
『あっ、この提督酷いこと言ってる』
後ろめたそうに告げるヘタレが悪戯を見つかった子供みたいだからか、夕張は振り返って笑いかける。
「内緒だかんな?別に何か不利益なことがあるってわけじゃないけど内緒だかんな?」
『はいはい、青葉さんにも伝えないようにしておくわよ』
冗談めかして返事をする夕張に先ほどの悲しげな雰囲気は霧散していた。
呆れているのだろうか、腰に手を付けてため息交じりに言った。
『仕方ないわね、私にしか出来ないっていうなら手伝ってあげるわよ』
「ああ、お前にしか頼めないんだから仕方ない」
ヘタレは画面に手を押し付け、押し込む。夕張は手を伸ばし触れる。
指を絡め、決して離れることがないように強く握り合う。
「よろしく頼む、夕張」
『よろしく頼まれたわ、提督』
「さて、どこまでいけるのかな……」
夕張に相談してからもヘタレは自身が考えたものが現在あるのかを調べた。一応は自動で返答してくれるAIはあるらしいというのは分かった。パターンの設定をすることでSiriのように答えてくれるようだ。それは現在の艦これにおける艦娘とのコミュニケーションではある。
どこかの国が作った似たようなAIは「ヒトラーは正しかった」と言うようになったり、日本の場合は腐女子になったという話もあるのは興味深かった。
「でも……」
結局のところ、今のままではヘタレにとって一番大事な問題は解決できないままだった。
皆さんイベントはどうでしたか?勲章にこだわるのは結構ですが、英断のタイミングを間違えないようにしましょうね。
さて、艦娘で出番を増やしてほしい艦娘が居ましたらコメント等していただけますと可能な限り対応させていただきますので
コメントの方をお願い申し上げます。