真剣で蜻蛉切に恋しなさい!S   作:神喰いの王

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ちょっと、加筆修正しました(3/14)


四閃目

2-S教室

 

「というけで、義経、弁慶、与一、忠義だ。皆転入生とは仲良くするんだぞ」

 

「き、緊張する事は無いぞ、弁慶!与一!忠義!」

 

「義経こそリラックス」

 

「義経が拙者らの中で一番緊張しているで御座るよ・・・」

 

ガチガチに緊張している義経に弁慶がリラックスさせるように肩に手を置き、忠義がそんな義経を見て呆れていた。

 

「ヒュホホ。分かっておるが・・・英雄を名乗るからにはそれなりの力を示してもらわねばならぬ」

 

そう笑いながら挑発する着物姿の少女『不死川心』。

 

「我の名前を呼んだか?」

 

「おっ、そのボケはいつ来るのかと思いました」

 

「所で我が友、トーマよ。先ほどからポーズをとって何をしているのだ?」

 

英雄の言うとおり先ほどから冬馬は魅惑的なポーズをしながら義経を見つめている。

 

「ひたすら、義経さんに流し眼をしているのですが、中々反応してくれませんねぇ・・・」

 

「フハハ義経は真面目だから、余計に緊張してしまうぞ」

 

「さぁ、私が相手です。弁慶、本多、どちらか決闘しなさい」

 

そんな冬馬達のやり取りを余所に燃えるような赤い髪に眼帯をした軍人『マルギッテ・エーベルバッハ』が忠義と弁慶の二人を見て決闘を吹っ掛けてきた。

 

(・・・ったく、猟犬も勝負吹っ掛けるの好きだな。しかも、弁慶と忠義の二人とか)

 

そんなマルギッテを見て内心呆れているのはメイド服を着た九鬼のメイド長『忍足あずみ』。

 

「んー・・だるいなぁ。忠義、やってくれない?」

 

「別に構わぬで御座るが・・・今拙者、自分の武器を持っておらぬで御座るよ?」

 

「では、弁慶貴方が相手しなさい」

 

「えー・・だからだるい」

 

「先ほどからだるいと・・・不健全な表現は止めなさい」

 

「べ、弁慶!コミュニケーションは大事だぞ!」

 

「そんなこと言わないで、マシュマロ食べて頑張って」

 

義経の注意とアルビノの少女『榊原小雪』の励ましにより少しやる気が出た弁慶は、

 

「じゃあ、軽く錫杖で叩くから。それで吹き飛ばされなかったら私の負けでいいよ。闘うの面倒くさい」

 

「・・・ものぐさですね。宇佐美先生を見ているようだ」

 

マルギッテが心底呆れた視線で弁慶と自身の担任の姿を重ねた。

 

「オジサンと弁慶は余裕をもった人間同士。気が合うんだ」

 

「決めつけないでください。私、年上は好みじゃありません」

 

「コイツ、折角オジサンが親近感持ってあげたのに・・・」

 

弁慶の心底嫌そうな態度に宇佐美はすこし傷ついたようである。

 

「マルギッテ!ちょっとSの実力ってモンを見せてやれ」

 

「っつうか、会話のドッジボールがヒデェ」

 

そんなやり取りを見ている中ハゲでロリコンな少年『井上準』がツッコミを入れた。

 

「では、私の様な男はどうですか?弁慶さん・・・」

 

「うーん。悪くは無い。けど、忠義の方が好みだね~」

 

「ん?何で御座るか、弁慶?」

 

冬馬のアプローチを弁慶は軽く受け流し艶っぽい目で忠義を見たが忠義自身義経の緊張をほぐすのに集中しており、あまり効いていなかった。

 

「義経さんも、そう緊張しないで」

 

「は、はい」

 

弁慶は無理だと悟ったのか、冬馬は次のターゲットを義経に決めた用だ。対して義経は緊張しているのか若干震えている。

 

「おい何でテメェは!さっきから馴れ馴れしい奴だな」

 

そんな冬馬の態度が気に入らなかったのか、与一が義経との間に入って睨みを利かせる。

 

「貴方とも仲良くしたいと思います。色々な意味で・・・もちろん貴方ともですよ忠義くん」

 

「な?」

 

「?色々な意味とは何で御座るか?」

 

冬馬の言葉に与一は呆然となり、忠義は今一意味が分かっておらず首を傾げた。

 

「気を付けろ。お前達は若の射程範囲だ」

 

「というか、トーマの射程はほぼ無限大なのだ」

 

付き合いの長い準と小雪がそんな二人に忠告した。

 

「そんなに色めき立たないでくださいますか?決闘するならさっさとしましょう」

 

業を煮やしたあずみがさっさとするように催促する」

 

「おや、ヤキモチですかあずみさん?『チャキ』・・・・しばらく大人しくします」

 

からかう様な冬馬の発言にあずみは無言で小太刀を構え、それを見た冬馬は大人しく引き下がる。

 

「それじゃあ、ぬるっといくよ・・・軍人さん」

 

「来なさい。トンファーでガードした私まさに堅牢。その防御力は古の城砦にまで匹敵・・・」

 

「そおい」

 

ドガァンッ!

 

「う、うわぁっ!?」

 

弁慶のやる気のない掛け声と共に振るわれた錫杖は防御したマルギッテを軽々と廊下まで吹き飛ばした。

その威力に一気に教室がざわめいた。

 

「つうか、普通にスゲェ強いなオイ!」

 

「ヒュホホホ、なるほど、大したパワーじゃな。武蔵坊弁慶の名前、伊達ではないわ」

 

「この腕の痺れ・・・今ので軽くか・・・フフフ、面白い」

 

戻って来たマルギッテは先ほどの威力を噛みしめながら強敵に出会えたことを嬉しかったのか笑みをこぼした。

 

「認めて頂いて貰えたようでなにより。これから、4649」

 

「では次は、義経が威を示す番だな!」

 

そう言いながら義経は先ほどの緊張もなく自信満々に前に出た。

 

「実は皆に認めてもらうために、自由研究をしてきたのだ。多摩川に来る野鳥の数の推移を一カ月単位で纏めてきたものだ!これを見ながら、義経と地球環境について考えていこう!」

 

と自信満々に言う義経だが、

 

シーン・・・・・・。

 

クラスの反応は寂しかった。

 

「・・・あれ?何だこの反応は、皆冷めているぞ」

 

義経は自信満々に言ったのでクラスの反応に戸惑っている。

 

「だから言っただろ義経。そんな事をしてもウケが悪いと」

 

「初めて聞いたぞ!」

 

「あれ?そうだっけ?」

 

「弁慶・・・」

 

惚ける弁慶に義経は関しそうに上目遣いで弁慶を見上げた。

 

「(あぁ、その顔がいい・・)「コラッ」あいたっ!?」

 

そんな義経の表情に和んでいた弁慶を忠義が小突いた。

 

「何をやっているで御座るか弁慶。・・・義経、大丈夫で御座るよ。その自由研究は後で拙者と弁慶、清楚殿が一緒に聴くで御座るよ」

 

背後で弁慶が私もっ!?と驚いているが忠義は無視して義経の頭を撫でた。

 

「本当か!忠義」

 

「うむ。約束に御座る」

 

「あー微笑ましい所悪いが、そろそろ次に行きたいんだが・・・」

 

気まずそうに話に入ってくる巨人に忠義もそうで御座るなと義経の頭から手を話し前を向く。

離れる際、義経が名残惜しそうにあ・・・と声を漏らしたが、忠義には聞えなかった。

 

「集会でも挨拶をしたで御座るが、改めて・・・拙者、本多忠義と申す者に御座る。以後、お見知りおきを・・・」

 

「一つ聞きたいんだけどさ?何で「拙者」、「御座る」なの?」

 

皆が先ほどから気になっていた事を準が代表してズバッと訊いてきた。

 

「むっ・・・何でと申されもうされましても・・・幼少の頃帝殿から真の武士は自分の事を拙者、語尾は御座るが普通なのだと言われたで御座るから」

 

「へぇ~そうなんだ~。マシュマロ食べる?」

 

「忝い」

 

小雪から貰ったマシュマロをモグモグと食べる。

そんな二人を余所に義経、弁慶、英雄、準がコソコソと話し始める。

 

「さっきの話、マジ?」

 

「うむ。父上も面白半分で言ったのであろうな・・・」

 

「子供の頃の忠義って人の言う事を素直に聞いてたからねぇ・・・」

 

「恐らくその所為だと義経は思うぞ。」

 

「まぁそんな訳だから皆も気にしないで貰いたい」

 

結論を出した英雄が周りに言うとクラスメイトも苦笑しながら了承した。

 

「そんじゃ、これにてHRは終わり。・・・・大丈夫かなぁこのクラスで・・・」

 

いい知れぬ不安感が巨人を襲った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、2-S

 

HRの後、何事もなく授業を終え忠義達は帰路につこうとしたのだが・・・

 

「あっ!」

 

義経がドアの方でたっていた集団に見覚えがあったのか嬉しそうに駆け寄った。

 

「弁慶ーー、与一ーー、忠義ーー、お前達もきてくれーー」

 

「はーい」

 

「了解で御座るよ」

 

弁慶と忠義が義経の方へと歩み寄った。だが、

 

「機関からの刺客かもしれねぇ。俺は会わないぞ、絶対に」

 

「訳の分からない事を。ブツクサ言ってないでこい!」

 

「いててて姉御痛てぇよ。おい、引っ張るな、引っ張るなぁ!!」

 

厨二の全開の発言をした与一だが弁慶に耳を引っ張られて無理やり連れてこられた。

 

「クリスティアーネ・フリードリヒだ!」

 

「源義経。改めて、よろしくお願いする」

 

義経とクリスは早速握手を交わしていた。どうやらこの二人は気が合うようだ。

 

「直江大和。よろしく、弁慶さん、忠義さん」

 

「どうも。大和の妻、椎名京です」

 

大和が弁慶に挨拶をしている所にショートヘアーの少女『椎名京』が積極的に挨拶してきた。

 

「なんと!?直江殿はもうご結婚されていたで御座るか・・・」

 

「違うよ!?」

 

「?・・・では、婚約者?」

 

「それも違う!!」

 

何やら勘違いをしている忠義に大和は強く否定する。

 

「・・・俺は気を許さないぞ。悪魔のナイフが何処で狙っているかわからないからな」

 

皆が和やかになっている中、唯一人の厨二病を除いて・・・。

 

「川神一子よ。武道やっていると思うから話が合うと思うの」

 

そんな厨二に果敢に話しかけていったのは長いポニーテールに活発そうな少女『川神一子』。

 

「・・・一つ言っておくぜお前達」

 

与一はCOOLにそしてくねっとポーズをとり、

 

「あまり俺に関わらない方がいい。不幸になるからな」

 

と厨二全開発言をブチかました。

 

「なーんかこういうタイプ昔見た事あんだよな」

 

「うぐっ!なんだか、心が痛い。古傷が開いたか・・・」

 

ガクトの発言に大和は胸を押さえた。

 

「懐かしくもあるよねぇ。この中二病的な感じは」

 

「那須与一に質問だ!人生とは何だ?」

 

バンダナを巻いた少年『風間翔一』の質問に与一はポーズをつけ、

 

「フン、死ぬまで暇つぶしだろうよ」

 

「や、やめろぉっ・・・そんな事を言って後で恥しいのは自分なんだぞ!!!」

 

与一の言葉にやけに実感がこもった大和の忠告。

直江大和、元厨二病患者。

 

「俺に干渉するな。面倒事に巻き込まれたくなければな」

 

「あふんっもう止めて!!」

 

プイッとそっぽを向く与一に大和は恥しさのあまりのたうち回った。

 

「こら、与一。ダメだろう?」

 

「あぁーん」

 

そんな与一の態度に義経が注意するが、与一は鬱陶しそうに睨む。

そして、義経が昔の与一はとても良い奴だったのだと説明するが、与一は鬱陶しそうにするだけ。そんな態度をこの二人が黙っている筈がなかった。

 

「与一。公衆の面前で義経に恥をかかせたらどうなるか教えておいた筈だが」

 

「そういえば、集会の時のサボろうとしていた時の罰もまだ下していなかったで御座るな」

 

「冗談じゃねぇやってられるか!」

 

与一は逃げだした!

 

「拙者から逃げられると思っているで御座るか?」

 

しかし回り込まれた!

 

「うぐぉっ!?忠義!は、離せ!!」

 

「ほれ、弁慶。パスで御座るよー」

 

「サンキュ忠義。捕まえたぞ与一。私はお前を捕まえた」

 

忠義から回って来た与一を弁慶は片手でキャッチしそのまま持ち上げた。

 

「ぐおおおっ、あ、姉御、待て、離せ!」

 

「冬馬。そこの窓、開けてくれないかな?」

 

しかし弁慶は与一の事など無視し、冬馬に窓を開けてくれるように頼む。冬馬も名前で呼んでくれて嬉しかったのか喜んで窓を開けた。

 

「与一、ちょっと頭冷やそうか」

 

「う、うわあぁぁぁぁあぁぁーーーーーー!!!!」

 

与一は片手で窓の外まで豪快に投げ飛ばされ、しばらくして、ザッパーンという着水音が聞こえた。

 

「片手でプールまで投げたんですか?凄いですね」

 

「腕力だけならお姉様並よ。まさにパワー系ね・・・」

 

「それよりも忠義は何時の間に回り込んだんだ?」

 

「わわわ、与一大丈夫かな、ちょっと済まない!」

 

弁慶のパワーと忠義のスピードに周りが感心しているなか、義経が慌てて鞄からタオルを取り出し駆け出していった。

 

「義経は本当に甘いな・・・まぁ、そこが魅力なんだが」

 

「そこが義経らしいと言えば義経らしいでは御座らんか」

 

「まったくだ」

 

ほのぼのとしている忠義達とは違い、他の周りはポカーンとしいている。

そんな中、

 

「よーしつーねちゃーん、たったかおー♪」

 

なにやら遊びに誘う様な軽いノリで百代が勝負を申し込んできた。

 

「あ、お姉様!」

 

「おー妹に弟に愉快な仲間達も一緒か」

 

何やら姉妹で和んでいるようだ。

 

「・・・来たかやっぱり」

 

「私にお任せください弁慶様。この場を納めます」

 

いつの間にかクラウディオが弁慶の後に現れ恭しく礼をした。

 

「クラウ爺・・・何時の間に後ろに来てたんだい?」

 

「え?ついさっきで御座ろう?」

 

「全然気付かなかったよ・・・」

 

不思議そうに訊いてくる忠義に弁慶は本気で気付かなかったらしくため息を吐いた。

そしてクラウディオの説明が始まった。その内容は、義経たちは現代に甦った英雄ということもあり、外部の挑戦者が大量に集まってくる。全員と勝負するわけにもいかないため、その挑戦者を限定するために、百代にはその判定をしてもらい、彼女の目にかなった選ばれた者のみが彼らと戦える。そして、その後落ち着いてから決闘を行うということで、彼女との決闘を行うまでの代替案に、大量の挑戦者との戦いを提示したのだった。

もちろん、この提案に百代はもちろん即OKをだした。

そして、次に目を向けたのは弁慶と忠義。

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「??」

 

百代は、おもむろに弁慶の方へ近づき、弁慶もその様子をじっとみつめていた。静かに対峙する2人を見て、京が感想を述べる。

 

「先輩と弁慶、二人はちょっと似ている感じだね」

 

「というか間近で見ると、ほんとかわいーねーちゃんだ」

 

「ん、先輩も」

 

「んあ、この返し。なかなかやるな武蔵坊弁慶」

 

2人は胸を互いに触りあい、なぜかサイズを競い合っていた。軍配は僅かな差で百代が勝ち、ドヤ顔の彼女に、眼を話さず見ていた岳人と卓也は、「くだらない」と言いながらも前かがみになっており、彼らに大和がツッコミを入れる。そして負けた弁慶は、

 

「忠義、負けちゃった」

 

「・・・・どうコメントをしろというので御座るか?」

 

「悔しいから揉んで大きくして?」

 

「何故にっ!?」

 

しな垂れかかりなが呟く弁慶に忠義は顔を赤く染めながら慌ててはなれる。

その様子を岳人を始めとした男子が嫉妬全開で睨んでいた。人によっては呪詛を吐きながらや、今にも襲いかからんとする者までいた。

 

「そ、それでは拙者等はそろそろ帰らせてもらうで御座る。弁慶行くで御座るよ」

 

「は~い。それじゃあ、またね」

 

身の危険を感じた忠義は義経と与一の鞄を持ち、慌てて教室を出ていき、弁慶はゆったりとした動作で忠義の後をついて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

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