爆走兄弟レッツ&ゴー!! 第二回世界GP   作:モンキー・キック

14 / 20
 



最凶復活!?チームは順調!の巻

烈矢がシャドウブレイカーZ-3(ズィー・スリー)を再び手にした頃──

 

日本の土屋研究所ではあることが行われていた。

 

「よし…あと少し…あと少しで完成する………皆、もう一息だ!」

そう周りに呼び掛けたのは一文字兄弟の父親の一文字博士。

 

それに対し「はい!」と土屋博士の助手たちが応える。

 

そこへ──

「まぁまぁ一文字博士、昨日から寝ないで作業してるんやろ?」

関西弁を喋る小柄な少年が一文字博士にコーヒーを運んできた。

 

一文字「やぁ竜平くんか、いつもすまないね」

 

竜平「わいと大悟のストームクルーザーを直してくれたんや…こんなんお安いごようや!」

 

一文字「フフ、ありがとう」

 

──と、そこにもう一人、前髪が目を隠すほど長く、そして竜平と同じぐらい小柄な少年が研究所に入ってきた。

 

「お久しぶりです!竜平くん」

 

竜平「げげ!…お、お前は!?」

 

一文字「安心したまえ竜平くん、実は今は彼のマシンをこの土屋研究所を借りて直してるところなのさ」

 

竜平「へ、へぇ〜そうやったんや…でもどうやって直してんねん、そのマシンは確か“MGストーン”がなきゃ…」

 

「フフフ、確かにそうですね、でもその肝心のMGストーンは──」と前髪の長い少年は一文字博士を見上げる。

 

一文字「………ああ、私自らの手で破壊してしまった」

 

竜平「じゃあ無理やんな」

 

一文字「それをなんとかするのが今の私の役目だ…たとえMGストーンがなくても、ボルゾニックシステムが詰まれてなくても…このマシンは復活させる!ミニ四駆として!──」

 

『ビー!ビー!ビー!ビー!』

ここで土屋研究所内でアラームが鳴り響いた。

 

一文字「!?…どうした!一体なにが起きたんだ!!?」

 

助手「大変です、マシンの持つエネルギーに耐えきれず出力低下!それに加え第一、第二システム停止!」

 

一文字「くそ、ここまできて…」

 

竜平「な、なんかよう分からんけど大変な状態や!」

 

助手「こうなったら予備のシステムを復旧させ──」

 

一文字「駄目だ…すると今度は逆にマシンがそれに耐えられない…」

 

「“あいつ”なら大丈夫ですよ」

前髪の長い少年が一文字博士に言った。

 

一文字「え?」

 

「僕のマシンならそれに耐えることがきっとできます…だからお願いします、予備のシステムを使ってやってください…ここまで僕のワガママに付き合ってもらったんです!それならどうか…最後まで!」

そう言って少年は頭を下げた。

 

一文字博士はそれに深く頷く。

 

一文字「よし、予備のシステムを作動させてくれ!」

 

「はい!」と言い、助手はレバーを引く。

 

ギュイイイイン!!──と凄い音と共にマシンの製作は再び動きだした。

 

竜平「だ、大丈夫かいな」

 

しばらくするとプシュー──と煙が立ち込め、さらに時間が経つにつれ少しずつマシンのシルエットが見えてくる。

 

竜平「ど、どうなったんや!?一文字博士?」

 

一文字「………うむ、完成だ!」

 

前髪の長い少年は完成したマシンを手に取った。

 

「おかえり、ディオマース!」

 

竜平「良かったなぁネロ!」

 

ネロ「うん」

 

一文字「どうだい、早速走らせてみないか?」

 

ネロ「はい!それじゃあ竜平くん、対戦相手よろしくね」

 

竜平「へ…じょ、冗談やろ?」

 

ネロ「大丈夫ですよ、もうマシンを壊すような走りはしませんし、そもそもこのディオマースじゃ出来ませんよ」

 

竜平「そ、そうか…ほなレースしよか」

 

「はい、それじゃあ」とネロは胸ポケットにしまってあった“ある装置”をヘアバンドにつける。

 

竜平「いや…あの………ネロさん?ネロさん?」

 

ネロのサラサラだった髪は全て逆立って切れ長な目が露になる。

 

ネロ「──ふぅー………ハッハーー!!それじゃおっぱじめようぜ!!」

 

「ひぃ〜〜!普段のネロはええけど“そのネロ”だけはあか~ん!!」

そう言い、竜平は逃げようとする。

 

ネロ「あっこら、まちやがれ〜!」

 

一文字「アハハ…そうだ、Z-3(ズィー・スリー)はもうアメリカに届いただろうか」

 

 

 

舞台は再びアメリカに戻る──

 

ビクトリーズはその後も快進撃を続けていた。

 

 

三戦目の相手はARブーメランズ。

 

レース内容はポイント制のチームレースで、ブーメランズのマシン『ネイティブサン』に有利な晴天の下のコースでも、ビクトリーズはフォーメーションを駆使し一位から五位までを独占して勝利を収めた。

 

 

さらに四戦目。

相手はオーディンズ。

 

レース内容は通常のリレーレースで、オーディンズのマシン『ホワイトナイト』のトランスギアシステムにも臆することなく、トップからトップに繋げ最終走者であるJが余裕のある走りで勝利を収めた。

 

 

そして五戦目となるその日、相手チームは小四駆走行団光蠍(しょうよんくそうこうだん・ごんき)──

 

ファイター「さぁ本日最後のレースも大熱戦!様々な橋を渡るリレーレースだが、バッテリーは一台につき一セット!つまり次の走者のことを気にせず自分のペースで走れるレースだー!!…そう!つまりこれは限りなく個人戦に近いレースでもあるぞ〜!!」

 

シャアアア…

 

ファイター「さぁそんなレースもそろそろ最終走者へバトンタッチ!第四走者であるビクトリーズは烈選手、光蠍(ごんき)はトン選手、ほぼ並んでいる二人…次の走者の姿を………捉えた!その目に今捉えたぞ!!」

 

残り50メートルのストレート。

 

烈「リョウくん!」

トン「ホワァン!」

 

最終走者スタート位置にて。

 

ホワァン「おー!きたアル!トーーン!がんばれー!」

 

リョウ「烈、もう少しだ!」

 

ホワァン「リョウ…負けないアルからね!」

 

リョウ「ああ、中国ではライジングトリガーの製作で世話になったが…レースは負けないぜ」

 

ホワァン「そうこなくっちゃアル!」

 

 

ファイター「さぁ第四走者の二人、ほぼ同時に………最終走者にバトンタッチ!!」

 

烈「頼んだリョウくん!」

トン「任せたよホワァン!」

 

リョウ・ホワァン「おう!!」

 

シャアアア…

 

スタートして数秒で差は開く。

ライジングトリガーはシャイニングスコーピオンをその場に置き去りにするほどの凄まじい走り。

 

「今日のライジングトリガーはいつになくスゲーぜ」

第二走者であった豪がモニターを見て言った。

 

ファイター「ライジングトリガー、シャイニングスコーピオンをぐんぐん離していくぞ〜!このままビクトリーズの勝利で終わるのかぁ!?」

 

ホワァン「そうはいかないアルヨ!ここから…ここからシャイニングスコーピオンの真の走りをご覧あれアルーー!!」

 

ファイター「ん?…おや、あれ?…シャイニングスコーピオンの色が変わってるような………いや確実に変わっている!青色から紫に変わっている〜〜!!」

 

リョウ「きたか!」

 

そして徐々に二台の差は縮まっていく。

 

 

光蠍(ごんき)陣営にて──

 

大三元(だいさんげん)「ホワァン、いけ!」

 

 

リョウ「色が変わるマシン…やはりシャイニングスコーピオンは侮れないな…だがまだいけるはずだ!ライジングトリガー!!」

 

ライジングトリガーはさらにスピードにのり、再びスコーピオンを離すとまではいかないがその差が縮むことはなくなった。

 

ホワァン「ぐぐ…さ、さすがアルヨ、でもまだまだ!まだまだまだまだまだまだアルーーー!!」

 

シャイニングスコーピオンの色は徐々に赤へ。

それと同時に加速も上がる。

 

リョウ「ライジングトリガー!!」

 

残り80メートル、二台の差は約五台身。

ここでシャイニングスコーピオンの色はついに真紅に変わる。

 

ホワァン「いっけーーー!!」

 

ファイター「速い速い!これは速いぞシャイニングスコーピオン!ライジングトリガーに届くか〜〜!?」

 

シャアア…

 

ホワァン「届けー!!」

 

リョウ「負けるな!!」

 

ライジングトリガーにフロント部分は追いついたスコーピオンであったが惜しくもそのままゴールを向かえ、ビクトリーズが勝利した。

 

ホワァン「くぅ〜〜さすがはリョウとライジングトリガーアルヨ、僕の負けアル」

 

リョウ「俺も危なかったぜ………シャイニングスコーピオン…凄いマシンだ、また良いレースをしよう」

 

ホワァン「うん!」

 

リョウとホワァンは握手を交わす。

 

これでこの日のレースは終了した。

ビクトリーズは大会が始まってここまで負けなしの全戦全勝。

 

 

会場から客が帰っていく中、まだ席に座ったままで何やら話している二人の男。

 

ルキノ「ビクトリーズはこれで負けなしの五連勝だな」

 

カルロ「ああ」

 

ルキノ「いいのか…俺たちは一回負けちまってる」

 

カルロ「…」

 

ルキノ「どうだい?ここらでまた“俺たちのやり方”を──」

 

カルロ「黙れルキノ………てめえをメンバーから外すぞ」

 

ルキノ「おー怖い怖い…分かったよ、あんたの指示に従うよ」

 

カルロ・セレーニとルキノ・パルナーバ。

ロッソストラーダの二人も立ち上がり、会場をあとにした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定