爆走兄弟レッツ&ゴー!! 第二回世界GP   作:モンキー・キック

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決戦!サバンナソルジャーズ戦の巻

サバンナソルジャーズ戦、当日──

 

控え室でビクトリーズはユニフォームに着替えていた。

 

「──ひぇ〜!やめてくれ〜〜!」

その叫び声は藤吉のユニフォームを着た烈矢からであった。

 

藤吉「烈矢くん!逃げるなでげす〜!」

 

烈矢「か、勘弁してくれー!」

 

なぜか烈矢と藤吉は控え室でところ狭しと追いかけっこをしている。

 

豪「何やってんだ、あの二人」

 

「さぁな…それよりどうだ!似合うか?」と豪のユニフォームを着た豪樹はメンバーに聞いた。

 

J「うん!似合ってますよ、豪樹くん」

 

豪樹「へへ、あっ!でもなぁ………」

 

リョウ「どうかしたのか?」

 

豪樹「この胸の『LIGHTNING(ライトニング) MAGNUM(マグナム)』がちょっと邪魔だなぁ」

 

豪「なんだとー!!」

 

豪樹「い、いや…一応さ…俺のマシンはマックスだからさ」

 

豪「まぁ言われてみればそうだな…よし、誰かガムテープ持ってないか?」

 

土屋「ああ、それならバッグの中に入ってるよ」

 

土屋博士は持ってきたバッグの中をガソゴソと探す。

 

土屋「おっ、あった!はい豪くん」

 

「サンキュー博士」

そう言い豪は土屋博士から貰ったガムテープをビビビ!─…と伸ばした。

そして適当なところで切り、豪樹が着てる自分のユニフォームの『LIGHTNING(ライトニング) MAGNUM(マグナム)』の文字の上にベタベタ貼りだした。

 

豪樹「な、何すんだぁ?」

 

豪「まぁ見てなって…よし、あとはマジックで」

キュッキュッキュキュッ──

 

ガムテープのところには平仮名で『ぶれいじんぐまくっす』と汚い字で書かれた。

 

豪樹「げげっ!?なんだよこの下手くそな字は!しかも『まくっす』って何だよ!『まくっす』って!」

 

豪「う、うっせーやい!気を利かせてやったんだ!感謝しやがれ!」

 

烈「完全にお節介だな、ハハ」

 

「──にしても、さっきから“あの二人”は何をドタバタしてるだすか?」

二郎丸は烈矢と藤吉を指差して言った。

 

烈「確かにね…ねぇ藤吉くん!烈矢くん!一体どうしたんだい?」

 

「どうしたもこうしたもないでげす!」と藤吉は立ち止まる。

 

リョウ「何か問題でもあったのか?」

 

「大アリでげす!」

そう言って藤吉が突き出したのはいつも自分が着けてる蝶ネクタイ。

 

J「蝶ネクタイがどうかしたんですか?」

 

「烈矢くんはあの時言ってくれたでげす──」と藤吉は自分の蝶ネクタイを手に持ち続けて言う。

「…わての代わりに恥じない走りをすると」

 

対し烈矢は立ち止まり困り顔。

「た、確かに言ったけど…」

 

藤吉「ならどうして拒むんでげすか?この蝶ネクタイを!」

 

烈矢「いや、だって──」

 

豪樹「ギャハハ!いーじゃねーか烈矢、それを着けて走れよ…ククッ」

 

キッ──と烈矢は豪樹を睨み付ける。

 

烈「アハハ…でも烈矢くん、藤吉くんの分も走るという意味も込めてそれを着けて走るのはダメかな?」

 

烈矢「でもそうすると藤吉のが無くなるんじゃ──」

 

「心配ご無用でげす!スペアならちゃんと持ってるでげすよ!」と得意気な顔でもう一つ蝶ネクタイを取り出す藤吉。

 

ガクッ──

烈矢「分かったよ…それを着けて走ればいいんだろぉ、走れば」

 

こうして烈矢は藤吉から蝶ネクタイを受け取り、首に通した。

 

豪樹「ギャハハ!似合うじゃねーか烈矢!」

 

烈矢「は…恥ずかしい」

 

土屋「よし、そろそろ第二レースも終わる頃だろう…みんな準備はいいかい?」

 

ビクトリーズ「はい!」

 

豪樹「おうよ!」

 

烈矢「は、はい!」

 

土屋「うむ!それじゃあ行こう」

 

土屋博士とビクトリーズは控え室を出て会場まで続く廊下を歩いていく。

 

豪樹は自分の胸の真ん中で強く拳を握りしめていた。

 

豪「どうした?緊張でもしてんか」

 

豪樹「いや…確かにドキドキしてるけど、このドキドキは待ちきれない方のだぜ」

 

豪「そうか、まぁハリキリすぎてコースアウトとかすんじゃねーぞ」

 

豪樹「心配ねーさ!大船に乗った気で見てな」

 

藤吉「烈矢くんも頑張るでげすよ!」

 

烈矢「うん」

 

会場入口──

 

ファイターの第三レースの紹介がマイクを通して会場に大きく響く。

「さぁ本日、最後のレースはなんと!なんと!!なんとぉ!!!これまで全レース全勝しているチーム同士の対決だ〜〜!!」

 

ワアアアア!!──と会場のボルテージもこの日一番に上がる。

 

ファイター「それでは選手に登場してもらおう!まずは今大会では強力な助っ人、そしてコーチ自身もレースに参加するという練りに練ったチーム編成を駆使して戦う!アフリカ代表『サバンナソルジャーズ』!!」

 

ビクトリーズの反対側にある入口からカイを先頭にサバンナソルジャーズは入場してきた。

 

ファイター「続いてこちらも今回はメンバーを代えてのレースだ!日本代表『TRFビクトリーズ』!!」

 

烈「それじゃあ行ってきます!」

 

土屋「ああ、みんながんばりたまえ!」

 

この日限りの新生ビクトリーズも烈を先頭に入場しようとした、その時──

 

「あのよう…豪」と豪樹は頬をポリポリとかく。

 

豪「ん?どうした豪樹…さっさといけよ」

 

「あ、いやさぁ………本当にありがとよ」

そう言い豪樹は握った拳を豪の前に突き出す。

 

豪も「へっ、バーカ!んなことは勝ってから言えっての」と豪樹が突き出した拳に自分の右手を軽くコツン──と当てた。

 

烈「フフ…さぁいくよ!みんな!!」

 

その声と共にビクトリーは意気揚々に入場した。

 

コースのスタート地点の前に両チーム、出場する5人は向き合って並んだ。

 

カイ「よろしくお願いします、ビクトリーズのみなさん…今日は勝たせてもらいますよ」

 

烈「僕たちも負けないよ、良いレースをしようね」

 

カイと烈は握手しようとしたがジュリアナが前に出てきて鼻息荒く「よろしく!!」とカイの代わり烈と握手した。

 

烈「え、アハハ…よろしくね」

 

カリーム「フッ出てきたな…烈矢、豪樹」

 

豪樹「ああ!ぜってーぶっちぎりに勝ってやるぜ!!」

 

ファイター「さぁ次はコースの紹介だぁ!レース方式はリレーだが、走るコースは結構複雑だから会場のみんなも選手のみんなも、よ〜〜く説明を聞いてくれよ!」

 

ファイターの後ろの巨大スクリーンにコースの全体図が映ったが──

 

「コースのほとんどが見えてないだすよ!?」

 

その二郎丸の言葉どおりコースの約八割は上から真っ黒に塗られ、大きくクエスチョンマークが書かれていた。

 

ファイター「フッフッフ…この画面じゃ見えないところはレーサーの君たちが走って確かめるのさっ!」

 

カイ「なるほど…よく見るとスタート地点から少しして、コースが五つに分かれてから黒く覆ってありますね」

 

烈「…そして最後に一つに戻ると同時にコースが表れてる」

 

ファイター「そのとーーうり!この見えない部分のコースは──

 

・ストレート主体

 「スピードコース」

 

・急なコーナーの連続

 「テクニカルコース」

 

・かなり際どい凸凹道

 「オフロードコース」

 

・心臓破りなアップダウン

 「パワーコース」

 

・横からエアーに気を付けろ

 「スカイコース」

 

──の五つに分かれ、そしてまた一つに戻る!一応言っておくがどのコースも距離は変わらないから安心してくれ!」

 

豪「改めて聞いても結構運任せなレースだよなぁ」

藤吉「でげすね」

 

ファイター「そして会場のみんなにはレース状況は画面で分かるが、レーサーにはもちろん見せられない仕組みだ!あしからず!」

 

リョウ「やはりコース判断は相手のマシンとその速さを含めて考える必要もあるな」

 

烈「みんな、バトンタッチする時は次の走者や他のメンバーにできるだけ詳しい情報を教えるように」

 

ビクトリーズ「おう!」

 

ファイター「さぁ次はお待ちかね!両チーム、リレーの順番の紹介だ!」

 

ファイター「まずは第一走者──ビクトリーズはリョウ選手、サバンナソルジャーズはカイ選手だ!」

 

リョウ「フッ、まさかお前も第一走者とはな…カイ」

 

カイ「何かの因果なんでしょう…でも最初のトップはもらいます」

 

ファイター「次に第二走者──ビクトリーズはJ選手、そしてサバンナソルジャーズはヴィッキー選手となるぞ!」

 

ヴィッキー「負けないからね」

 

J「よろしくお願いします!」

 

ファイター「続いて第三走者──ビクトリーズはルーキー戦でも活躍していた一文字烈矢選手だ!対してサバンナソルジャーズはミシェル選手!」

 

烈矢「こんな舞台に出してもらったんだ…勝たせてもらう」

 

ミシェル「私だって…あと蝶ネクタイ可愛いね」

 

烈矢「う、うるさい!」

 

ファイター「さぁ注目の第四走者──ビクトリーズは烈選手、サバンナソルジャーズはジュリアナ選手のリーダー対決だ!」

 

ジュリアナ「どちらが優れたリーダーか…勝負だ!」

 

烈「ええ?アハハ…よ、よろしくジュリアナ」

 

ファイター「さらにさらにぃ!こちらも大注目の最終走者──ビクトリーズは先ほどの烈矢選手と共にルーキー戦で活躍した一文字豪樹選手!そしてなんと対するサバンナソルジャーズも同じくルーキー戦で度肝をぬく轟走を見せたカリーム選手だ〜〜!!」

 

バシッ!──と自分の胸の前で左手のひらに右の拳を当て、豪樹はカリームを見て笑う。

「ヨッシャー!まさか俺の相手にカリームが出てくるとはな!!」

 

カリーム「運が良かったか?…フッ、まぁ不運に変わらなければいいがな」

 

豪樹「言ってくれるぜ!勝つのは絶対に俺たちビクトリーズだ!!」

 

烈(「俺たちビクトリーズ」か…フフ)

 

ファイター「それじゃあ第一走者のレーサーはスタート位置についてくれ!」

 

スタート位置についたリョウとカイはそれぞれ自分のマシンのスイッチを入れる。

 

カチ──ヴィィイ…

 

リョウとカイはマシンを構える。

 

ファイター「それでは本日、最後のレース…スタートだ!!」

 

ランプが赤から青に変わると同時に、ライジングトリガーとビークスパイダーは発進した。

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