爆走兄弟レッツ&ゴー!! 第二回世界GP 作:モンキー・キック
ビクトリーズ集結!いざアメリカへの巻
羽田空港のロビーにて。
土屋「それじゃあ皆、手続きを済ましてくるからここでしばらく待っていてくれ」
「はい!」
そう元気よく返事をしたのはビクトリーズと二郎丸。
そして“オマケ”の二人。
豪「う〜〜〜」
藤吉「な、何で唸ってるんでげすか豪くん?」
烈「もしかしてまた飛行機にビビってるのか?」
豪「違うぜ烈兄貴(いやそれもあるけど)…俺がこうして唸ってんのは、一つ気に食わない事があるからだ」
J「気に食わない事?」
豪「ああ、それは…それは…」
ビシィ!!──っと、豪は“オマケ”の二人を指さす。
豪「な〜んでこいつらも一緒にアメリカに連いてくんだよ〜〜!!」
その“オマケ”の二人とは一文字兄弟であった。
一文字兄弟は空港内の売店で買ったアイスを椅子に座り食べていた。
「ん、なんだ星馬豪、お前も食べたいのか?」
チョコレートアイスを食べていたせいか、口の周りをチョコまみれにして豪樹は笑顔で聞いた。
豪「そうそう丁度冷たいもんが食いたくなってそんな所にお前ら兄弟がアイスを持って…ってコラー!!」
二郎丸「ノリツッコミだす!」
豪樹「ワリーな星馬豪、俺ら自分の分しか買ってないんだ」
豪「ち〜が〜う〜!なーんでお前らがここにいるんだ!?って聞いてんだ!」
豪樹「へ?そんな事?だってさっき土屋博士がここで待ってろって…」
豪「だーー!話が噛み合わない奴だな!お前の話は初心者が作ったマシンのギア部分か~!!」
二郎丸「今度は例えツッコミだす」
烈「なるほど…『噛み合わない』からね、ハハ」
豪「いちいち解説するんじゃね〜!!」
二郎丸「えーっとこれは…」
藤吉「逆ギレでげす」
リョウ「いや、一応正当性はあるだろ」
烈「アハハ、リョウくんまで」
豪「ぐぐ…てめーら」
J「仕方ないですよ豪くん、土屋博士が決めた事なんですし」
豪樹「そーそー、俺たちはお前らが下手な走りをして出れなくなったら困るから、仕方な〜く補欠として連いてきてやったんだ」
烈矢「ハァ~何を言ってんだか…お前が土屋博士に『俺たちも連れていきやがれ〜!!』と迫って、無理やり“見学”って形で同行させてもらったんだろ」
豪「まぁどーせそんなこったろうと思ったけどよ、お前ら学校の方はどーすんだ?」
豪樹「へ?」
藤吉「『へ?』じゃないでげすよ」
烈「うん、僕らは結構長く日本を離れる事になるからね」
豪樹「じゃ、じゃあお前らはどーすんだよ!?」
烈「僕らは向こうへ行ってもちゃんと教材やプリントが日本から送られて、それで勉強してるよ」
豪樹「テストもするのか?」
烈「もちろん!土屋博士が先生の代わりに行ってくれるんだ」
豪樹「へぇ〜他の奴らもか?」
二郎丸「オラ、学校なんて行ってないだすよ」
豪樹「えー!!?」
J「豪樹くん…そこはあまり深く触れない方がいいかと…」
豪樹「あ、ああ、わかった…ま、まぁ親方が上手いこと言ってくれんだろ」
烈矢「相変わらずいい加減な奴だ」
そんな話をしていると、小学一年生ぐらいの男の子数人がビクトリーズらの元に走ってきた。
「うわー!本物だー!」
「スゲースゲー!」
「カッコいい!」
豪「ん?」
藤吉「どうやらわてらのファンみたいでげすな」
「握手してください!」
キャップを後ろ向きに被った男の子が目をキラキラと輝かせ、烈に両手を伸ばしてきた。
「あ、僕かい?いいよ、はい」
烈は笑顔で男の子と握手をしてあげた。
「うわぁ!ありがとー!あのぉ実は僕…このマシン使ってるんです!」
男の子は烈に自分のマシンを見せた。
烈「あっバスターソニックだね」
リョウ「バスターソニックも市販化してたのか」
豪「ビートマグナムと一緒にな!…といってもさすがにボディだけで、シャーシにサスペンションなんかは付いてねーんだけどな」
烈「ありがとう!凄い嬉しいよ!」
「エヘヘ…それで、あの………本物のバスターソニックが見たいです!」
烈「そっかぁ…でも見せれないというか“もう”持ってないんだ、ごめんね」
J「烈さん…って事は」
リョウ「そういう事か」
藤吉「ひょえ?一体どういう事でげす?ま、まさか烈くん…ソニックを無くしたんでげすか!?」
豪「鈍いなぁ藤吉は」
藤吉「な、何がでげす!?まったく分からないでげすよ!ちゃんと説明してくれでげす〜!」
「ん」と豪は烈の方をアゴでさした。
「バスターソニックはもうないんだけど、代わりにこのマシンを見せてあげるよ」
そう言って烈はバックの中からミニ四駆を取り出す。
「これは?」と男の子たちが興味津々に聞いたと同時に、豪以外の6人も男の子たちの後ろから前のめりに覗く。
烈「『ブリッツァーソニック』さ!」
「ブリッツァーソニック!?うわぁカッコいい!!」
J「ボディの大半が青いライトニングマグナムに対し、ブリッツァーソニックは大半が赤なんですね」
烈「うん、別に真似したってわけじゃないけど分かりやすくするために…かな」
リョウ「烈らしいマシンだな」
烈「ありがとうリョウくん」
藤吉「なるほど!新ソニックというわけだったんでげすか、これは早く一緒にレースをしたいもんでげすな〜」
すると─
「ブリッツァーソニックは速いぜ〜」と、藤吉の後ろから肩を組みながら豪は言ってきた。
藤吉「豪くんはもうレースをしたんでげすか?」
豪「まーな」
リョウ「それで?」
豪「速いのなんのって…流石『コーナリングの貴公子』って感じだったぜ」
藤吉「なーんか豪くんにしてはエライ素直で弱気な物言いでげすな」
烈「まぁ場所が佐上模型店の裏庭コースだったし、それに…」
J「それに、なんですか?」
「マグナムのセッティングがなってなかった」
烈は低いトーンで豪を睨みながらに言った。
豪「え、あ、アハハハ!いや~俺からレースしようって言ってたんだけどな、実は肝心の俺がそれをすっかり忘れててさ、アハハハ!」
藤吉「アハハハ!──じゃないでげしょ豪くん、それじゃレースにならないでげすよ!」
豪「う、うるせ〜!ちゃんとアメリカでは完璧なセッティングのマグナムで烈兄貴のソニックなんか一気に抜いてやるよ!」
二郎丸「いつものウンコ野郎だす」
烈「(カチーン!)こら豪!さっきと言ってる事が全く違うじゃないか!」
豪「へっへーん、烈兄貴が嬉しそうにソニックを自慢してたからな!弟として肩を持たせてやったんだよ!」
烈「お前って奴は!海外修行でちゃんと成長したと思ってたのに…」
二郎丸「いつもの兄弟に戻っただすな」
豪「大体“あんなコース”でレースしようってのが間違ってんだよ!」
「悪かったな“あんなコース”で」
その声は突然聞こえてきた。
烈「えっ?」
全員がその声がした方に体を向ける。
豪「お、おっちゃん!」
そこには佐上親子が勢揃いしていた。
タモツ「…オッホン!」
「いや、さっきのはついノリで…つーか最初に言ってきたのは烈兄貴なわけで」と、豪はチラッと烈を見る。
烈「な、豪!…おじさん、ごめんなさい」
タモツ「ハッハッハッ!まぁいいって事よ、それより──」
「はーい」
そう言って、タモツの奥さんが“ある袋”をビクトリーズに渡した。
藤吉「これは?」
J「ビクトリーズのユニフォームですね」
ジュン「基本的には前と同じだけど新たに作り直しておいたわ」
烈「そっか、マシンの名前が変わってる人もいるから」
豪「ありがとう!ジュンの母ちゃん!」
「いえいえ」とタモツの奥さんは笑顔で言った。
藤吉「豪くん、ジュンちゃんにもちゃんと礼を言うでげすよ…ジュンちゃん、ありがとうでげす!」
ジュン「フフ、どういたしまして………TRFビクトリーズ!頑張りなさいよ!」
豪「おう!ったりめーだぜ!」
そこに一匹の犬がいきなり豪に飛びついてきた。
豪「うわあ〜!?」
ジュン「ダメじゃない!空港に入って来ちゃ」
豪「イテテ…へへ、サリーも応援よろしくな」
サリー「ワン!」
そこへ土屋博士が手続きから戻ってきた。
「悪い悪い、少し混んでいてね…遅くなってしまったよ」
全員「博士!」
土屋「フフフ…皆、周りを見てごらん」
その言葉に全員は空港内を見回してみる。
豪「こ、こりゃあ…」
いつの間にか空港内はビクトリーズを応援するファンのギャラリーで埋まっていたのだ。
「烈!豪!頑張りなさいよ!」
「父さんも母さんも応援してるからな!」
烈「父さん!」
豪「母ちゃんも!」
「藤吉ぃ!しっかりやれよ!」
「烈様ぁ〜」
藤吉「ぱ、パパぁ!?チイコもでげすか!?」
烈「藤吉くん!彦佐さんやマキさん、おとめさんまで来てるよ」
「ぼっちゃま〜!!」
藤吉「ほ、本当でげす!」
「リョウ!二郎丸!」
そう声をかけたのはカウボーイハットを被った男性。
二郎丸「お、おやじだす!」
鷹羽父「自分と仲間を信じて走れ!」
リョウ「…ああ!」
「こら!豪樹!」
豪樹「ギクッ!まさかその声は…親方ぁ!?」
親方「ビクトリーズさんの足引っ張んじゃねーぞ!」
豪樹「うるせ〜!」
「おい豪樹!あそこ」と烈矢が思わず指をさす。
豪樹「ん?…えっ!父ちゃん!?」
一文字博士「土屋博士、息子たちをよろしく頼みます」
土屋「一文字博士…分かりました」
その他にもあちらこちらからビクトリーズへの応援の声が溢れていた。
「がんばれ!ビクトリーズ!」
「次も優勝してくれよ!」
「また最高な走りを世界に見せてやれー!」
豪「み、皆ぁ…うおおおお!!やってやるぜー!!次も必ずビクトリーズが優勝してやるからなー!!!!!」
こうしてビクトリーズと二郎丸、土屋博士、そして一文字兄弟はアメリカへと飛び立った。
TRFビクトリーズの第二回世界GPへの挑戦が、もうすぐ始まる!