爆走兄弟レッツ&ゴー!! 第二回世界GP 作:モンキー・キック
ハマーD「い、いかせるかー!」
バックブレーダーがインを突こうとしたが、烈はそこにできた隙を見逃さなかった
烈「『スカーレットフェニックスターン』!!」
この技でブリッツァーソニックが完全に抜いたと思われた、がしかし──
烈「なっ!?」
ハマーD「へへ」
バックブレーダーはブリッツァーソニックの後ろにピッタリ着いてきていた。
烈(無理せずわざと行かせたのか…)
ファイター「さぁ残り僅か!どっちが先に…ほぼ同時に最終走者にタッチだー!!」
ハマーD「任せたぜ、リーダー…!」
「ああ」と親指を立て、ブレットはバックブレーダーをスタートさせる。
烈「しっかりな、豪!」
「おうよ!任せとけ!!」と、豪もブレットと同時にスタート。
ファイター「さぁさぁ、待ちに待った第5セクションは超ハイパーテクニカルコースだ〜〜!!」
シャアアア…
豪「へへ、マグナムの走りも今日は最高だぜ!藤吉のおかげでバッテリーも余裕だ!絶対に勝ーつ!!」
ブレット「フッ、あまり大それた言葉を使いすぎるとあとで辛いぞ」
豪「はんっ!ぬかせ!ライトニングマグナムの力を思い知りやがれ!!ぐおおお!!」
ギャアアア…ダン!
ファイター「なんと!豪選手のライトニングマグナム、最初のコーナーでいきなりか!!?」
豪「マグナム…トルネーーード!!!!」
ゴオオオオ!!
ブレット「なるほど、そうくるか…オペレーター、あのシステムは使えるか?」
オペレーター「すまないブレット、あのシステムはまだ調整が完全ではない、だから今回のレースは諦めてパワーブースターのみで勝負してくれ!」
ブレット「………だめだ、パワーブースターだけでは奴に届かない、どうやらビクトリーズは意地でもこちらの手の内を…ん?」
ライトニングマグナムは徐々に下降していた。
豪「がんばれ…がんばれマグナム!」
ゴオオオオ…ダン、ダダン!!
マグナムは着地を決め、バックブレーダーとの差はコース全体の4分の一ほどに開いていた。
ブレット「(こうなったらやむを得ないか)頼む…70%…いや50%でいい、“アレ”を使わせてくれ!」
オペレーター「…30%だ、あとはパワーブースターで対応しろ」
ブレット「了解」
豪「まだだ、まだいけるなマグナム!?」
ライトニングマグナムはそれに応えるように加速する。
豪「よーし!その意気だぜマグナム!」
ギャアアア…ダン!
ファイター「な、な〜んとマグナム、再びトルネードにでた〜!」
豪(さぁこいブレット!お前らの進化したバックブレーダーの力を見せやがれ!ここまでやってんだ…何かしないわけにはいかねーだろ!!)
オペレーター「いいか、30%だぞ?」
ブレット「十分だ…バックブレーダー!!」
ファイター「ん、おっバックブレーダー、マシンの中心部が何やら光りだしたぞ!」
ブレット「バックブレーダー『スペース・オート・スター』作動!!!」
その言葉にバックブレーダーはいきなり止まってしまう。
そして周りからは見えないが、リア・フロントのサスを固定させた。
ブレット「シンクロ率30%…GO!!」
バックブレーダーは音も立てずに一気に加速。
どうやらシャフトやギア部分の無駄が皆無らしい。
しかしバックブレーダーの走りは凄まじかった。
まるでコーナーでさえもパワーブースターを使って走っているような、そんな感覚だった。
豪(…きやがった!!)
一方、その頃──
藤吉「烈くん!」
J、リョウ、藤吉は各セクションから烈の元へと集まった。
烈はモニターに映っているレースの模様をジッと見ている。
リョウ「いったいあの走りはなんなんだ」
烈「わからない…でも一つだけ言えるのは」
J「言えるのは?」
烈「ブレットの相手が豪で良かったってことさ」
「それはどういう意味だ?」と、ハマーDが聞いてきた。
烈「今回はどうしても君たちのバックブレーダーの進化した力を見たかったんだ」
ハマーD「なるほど」
烈「それを引き出させるには最後のあのコースでの確実な差が欲しかった…あそこまでの芸当ができるのは豪ぐらいだからね、おかげでバックブレーダーの新しい走りがこの目で見れた」
対し「あれはいいのかな」と、ハマーDはモニターに顔を向けた。
そこには──。
ファイター「凄いぞバックブレーダー!なんて追い上げだ〜!片やあ〜っとライトニングマグナム!一度目のトルネードより早く落下に向かっているぞ、大丈夫か〜!!」
オペレーター「ブレット、そろそろシステム解除だ」
ブレット「OK」
バックブレーダーの光は消え、固定されていたサスもしなやかな動きへと戻った。
そしてマグナム二度目のトルネードのおよその落下地点──
そこからゴールまでは急なアップダウンのストレートだけが残されていた。
ブレット「ここから更にクールにいこうぜ…バックブレーダー!パワーブースターON!」
遂に、バックブレーダーはトルネードでコーナーを稼いだマグナムを抜き返す。
ハマーD「フッこれで俺たちの勝ちだ…そしてマグナムはコースアウトさ」
烈「それはどうかな?」
ゴオオオオ…ガシャーーン!
ファイター「ライトニングマグナム、これはひどい着地だぁ!マシンのフロント部分は大丈夫か〜!?」
豪「ま、マグナム!!…なーんてな、こっからだぜ!」
ビィィン!…ゴオオオオ!!
豪「これが切り札!マグナムダイナマイト!!」
ブレット「何だと!?」
ファイター「ななな、な〜んとぉ!マグナム、三度目の大ジャンプだーー!!しかもトルネードとは違い、放物線を描くように高いジャンプだーー!!」
ブレット(マグナムダイナマイト…前大会で一度だけボーナスレースで見せた技か)
ゴオオォォォオオ!!
ブレット「(しかしあの時はレツ・セイバを中心としたビクトリーズのセッティングで成せた技…まさか今回はゴー・セイバ一人で?…)…フッ負けられないぜ!いけっ!バックブレーダー!!」
豪が「そのままいけー!!マグナム〜〜!!」
ギャアアア…
ゴオオオオ…
ファイター「さぁ残り僅かだが、上からはライトニングマグナム!下からはバックブレーダー!一体どちらが先にゴールするのか〜〜!!?」
シャアアア…
ファイター「ゴーーール!!勝利したのはTRFビクトリーズだーーー!!」
豪「やった〜〜!やったぜーー!!」
ブレット「フゥー………相変わらず面白いレースをするチームだな」
豪「へへ、前大会の最初のレースでの借り、返させてもらったぜ」
しばらく豪が喜びを噛み締めていると──
「豪!」
烈を始め、ビクトリーズのメンバーが豪のもとへと駆け付けてきた。
藤吉「やったでげすな、豪くん!」
豪「ああ!みんなのおかげだぜ!特に藤吉!お前の作戦のおかげでマグナムがここまでカッ飛べたぜ!!」
藤吉「えへへ、豪くんにそう言われると照れるでげすなー」
J「さい先のいいスタートが切れましたね」
リョウ「ああ、次のレースもこの調子でいこう」
烈「うん」
ブレット「ビクトリーズ」
烈「ブレット」
ブレット「あえて素直に言うよ…今回は負けたぜ」
豪「へっ、お前らも中々速かったぜ!まぁマグナムには敵わ──」
烈「それより途中のあの走り!凄かったね!」
豪「話を遮るんじゃねーよ…」
ブレット「今大会から搭載しようとしたシステムでな…もちろん不完全だがまさか最初のレースから使わされるとは………次のお前たちとのレースじゃ完璧に仕上がったブレーダーの走りがわかるさ」
豪「楽しみにしてるぜ」
「ああ」
そう言ってブレットはアストロレンジャーズのメンバーの元へ戻っていった。
その後ろ姿を豪はボーっと見ている。
烈「ん、どうした?豪」
豪「…30%」
藤吉「マグナムがコースアウトを“しない”確率でげすか?」
豪「そうそう!つまりは70%でマグナムはコーナーでどっか〜ん!!…ってコラー!!」
藤吉「ひえ〜冗談でげすよ!」
豪「ったくぅ!30%ってのはブレットが言ってたんだよ、あの走りをする時にな…だからさっき不完全って言ってたけど、それで100%の走りを想像すると──って話だよ」
J「………マグナムダイナマイトでも勝てなかったかもしれませんね」
烈「勝ってもまったくうかうかしてられないね」
一方、その頃──
観客席にて。
シュミット「どう思います?」
ミハエル「うん、中々いいレースだったね、だけどアストロレンジャーズは力をまだ隠してる…ビクトリーズも」
シュミット「ビクトリーズも?」
ミハエル「藤吉くんのスピンバイパーかな、あのマシン、まだ何かあるね」
シュミット「それではやはり…」
ミハエル「フフフ、僕の耳が言ってるよ、やっぱり今大会もビクトリーズだってね…でも連覇はさせないけど」
シュミット「っと、そろそろレースの時間です」
ミハエル「あっそうか、僕らのレースも今日なんだっけ…相手は?」
シュミット「オーディンズです」
ミハエル「わかった」
ミハエルとシュミットは観客席をあとにした。
ビクトリーズの選手控え室──
土屋「いやぁみんなお疲れ、素晴らしいレース展開だったよ」
烈「ありがとうございます」
リョウ「それにしても驚いたぜ、まさかソニックがトルネードにでるとはな」
烈「ハハッ結構意表をついて面白かっただろ?」
藤吉「そうでげすなー…でももっと驚いたのはマグナムのトルネード二回からのダイナマイトでげすよ!本当よくやるでげす」
豪「へっへーん、スゲーだろ?」
藤吉「大胆というか無謀というか…いかにも豪くんらしい、おバカな走りでげしたな」
豪「と〜う〜き〜ち〜!てめ〜〜!!」
豪は藤吉に飛び掛かった。
烈「まあまあ」
ガチャ…バタン!──
豪樹「よーう!ビクトリーズ!」
J「豪樹くん、烈矢くん」
豪樹「凄かったなお前ら!おっ豪!お前の走りにもスゲー興奮したぜ!…っておい、聞いてんのかよ」
豪と藤吉はギャーギャーとドタバタ繰り広げてるところへ、豪樹は近づいていく…が!
ポカン!
豪樹「いってーー!!」
豪のパンチが偶然、豪樹の顔面に当たった。
豪「あっ豪樹、いたのか」
豪樹「いたのかじゃねーだろ!」
豪「ワリーワリー」
豪樹「ぐおおおお!」
豪「わーー!こらっやめろ〜〜!!」
豪と藤吉に豪樹も加わり、またギャーギャードタバタ繰り広げた。
烈矢「やれやれ」
烈「アハハ、ハハ…とりあえず次のレースも頑張ろう」