爆走兄弟レッツ&ゴー!! 第二回世界GP 作:モンキー・キック
愉快に対決!?クールカリビアンズの巻
アストロレンジャーズ戦から二日後──
鷹羽兄弟の部屋にて。
「あんちゃん!あんちゃん!あんちゃ〜〜ん!!」
二郎丸が慌てて部屋に入ってくる。
リョウ「どうした二郎丸?そんなに慌てて」
二郎丸「つ、つ、次の対戦相手が決まったんだすよ!」
リョウ「本当か!それでどこなんだ?」
二郎丸「クールカリビアンズだす!」
リョウ「ピコたちか…」
二郎丸「オラ…オラ…」
リョウ「ん、何だ?」
二郎丸「第一回の時もだすが、どっちを応援すればいいか…む、むむ、難しいだすぅ」
「…そういう時はな二郎丸、両チームを応援してくれ」
リョウはそう言い二郎丸の頭を優しく撫でた。
二郎丸「両チーム…だすか?」
リョウ「ああ、そうすれば俺たちもピコたちもその応援を糧におもいっきり走れるからな」
二郎丸「あんちゃん、わかっただす!オラ一生懸命両チームとも応援するだすよー!フレ〜!!フレ〜!!ビクトリーズだす!!フレ〜!フレ〜!カリビアンズだす!!フレ〜だす〜〜〜!!」
そこに「あーー!うっせーうっせー!なんだよいったい!?」と豪が藤吉と、鷹羽兄弟の部屋に入ってきた。
二郎丸「おはようだす!ウンコ野郎!」
豪「こんにゃろ〜、一体いつまでそのあだ名を使う気なんだよ!!」
二郎丸「ふん!それはウンコを踏んだお前が悪いかーらだーすよー!」
豪「てんめ〜!」
「まあまあ豪くん、落ち着くでげすよ」と、二郎丸に飛び掛かろうとした豪を藤吉は何とか押さえる。
と、更にそこへ──
「ジロマルーー!!」
今度はクールカリビアンズのピコがやってきた。
二郎丸「あ〜!ピコだす!来てくれたんだすか!?」
「あたしたちもいるよー!」
リタの声と同時に他のメンバーも入り口の横からヒョコッと顔を出す。
「あ〜〜〜!あんちゃん…」と、二郎丸は少し目をウルウルさせる。
リョウ「良かったな、二郎丸」
ピコ「おーう!リョウも元気ぃ!?」
リョウ「ああ、次のレースは負けないぜ!」
ピコ「もちろんでーす!…ん?オウ!ウンコ!!」
豪「だぁかぁらぁ…俺はウンコじゃね〜〜!!」
と、そこへまた更にまた誰かが勢いよく部屋に入ってきた。
「だーーー!!朝っぱらからウンコウンコうるさい奴らだなぁ!!」
リョウ「豪樹」
部屋に入ってきたのは豪樹であった。
豪樹「おう!お前ら!おはようさん!」
豪「おお」
藤吉「おはようでげす」
豪樹「ところでよ、烈矢知らねーかな?起きてみたらいねーんだ」
豪「ああ、烈矢なら烈兄貴とJと三人でフリーコースにいったぞ」
豪樹「フリーコース?」
豪「なんだよ、開会式の日の終わりでファイターが言ってた説明聞いてなかったのか?」
藤吉「わてらGPレーサーの『大会用練習コース』は使う日付や時間が予め決められてるのは知っているでげしょ?」
豪樹「ああ」
藤吉「それ以外にも『ノーボーダーフリーコース』というのがあって、好きな時に誰でも自由に走らせられるコースを設けてるんでげす」
「なるほど」
豪樹は握った右手で左手のひらをポンッと叩く。
豪「ま、そういうことで今から俺と藤吉も兄貴たちのところへ行くんだけど、お前らもくるか?」
リョウ「ああ」
ピコ「僕らもいきたーい!」
豪「別にいいけど次のレースは俺たちとなんだぜ、いいのか?手の内見せるようなこと…」
ピコ「なーに!ただ楽し〜くウンコたちと走るだけだよ!」
豪「そうか、そうだよな!」
豪「豪樹も行くん…あれ?いねーや」
藤吉「どうやら先に行ったみたいでげすな」
豪「ったく、協調性のない奴だ」
藤吉「アハハ、まさか豪くんに言われるなんて豪樹くんも思ってないでげしょ」
豪「お〜藤吉、そりゃ一体どーいう──」
「ウギャ〜〜〜〜〜〜!!!!」
大きな悲鳴が豪たちの耳に飛び込んだ。
豪「なんだぁ!?」
二郎丸「豪樹の声だす」
藤吉「外からでげすな」
「よし、行ってみようぜ!」と豪たちは部屋を出た。
豪「お〜い!何があったんだ〜!?」
豪が外にいる豪樹のもとに駆けつけたが、なぜか豪樹は石のように固まっていた。
豪「お、お〜い、どうしたんだ〜豪樹〜」
豪樹「あ…ああ…俺の…俺のゴーグルに…ああ…」
豪「え、ゴーグル?ゴーグルがどうかし………あちゃ〜!」
二郎丸「いったいどうしたんだすか…あ〜〜!ピコ!豪樹を見るだす!」
ピコ「なにジロマル?…うおおおおぉ!」
豪樹のゴーグルには白い液体がべったり。
藤吉「あれは………鳥のフンでげすなぁ」
豪は自分と同じく“ゴーグルをかける者”として居たたまれなくなったのか、豪樹のゴーグルをティッシュで拭いてあげた。
「ありがとよ」と涙目で固まったままの豪樹。
二郎丸「た…誕生だす」
藤吉「なにがでげす?」
二郎丸「ウンコ野郎“二世”だすよ!」
ピコ「ウンコヤロウニセイ?」
二郎丸「ウンコ
ピコ「お〜〜!ウンコとウンコ2!!」
藤吉「酷いでげしょ」
豪「元気だせよ豪樹…な!?」
豪樹「あ、ああ…とりあえず一応、水で洗ってくるわ」
豪「おう…大丈夫か、あいつ」
豪樹が肩を落としながらゴーグルを洗いに行こうとする…と、そこへ──
ピコが豪樹の前で笑顔で仁王立ちをする。
豪樹「なんだよ、そこどいてくれよ」
ピコ「おめでとうでーす!」
豪樹「何がだよ」
ピコ「ウンコ2!!」
豪樹「なんだそりゃ〜!?」
豪「…二郎丸、またお前だな」
二郎丸「ギクッ──な、なんのことだすか〜」
ピコ「ウンコ!ウンコ2!2人とも怒らない怒らない」
ギロッ─
豪・豪樹「二郎丸〜〜!!」
リョウ「そこまでだ!…いつまでもこんな事してたら日が暮れてしまうぞ」
豪「はぁそれもそうだな、豪樹、早く洗ってこいよ」
豪樹「わかったよ」
こうしてすったもんだの末、何とかフリーコースに着くと烈と烈矢がレースをしており、Jがタイムを計っていた。
その周りでも他の国のチームや一般のレーサーもミニ四駆を走らせている。
烈矢「そこだ!」
烈「そう簡単には抜かせないさ」
シャアアア…
豪「おーやってるやってる…おーい!烈兄貴!」
その声に気づいた二人はマシンを止めた。
烈「豪!それに皆も!」
J「クールカリビアンズもいますね」
烈「うん、ホントだ」
烈、烈矢、Jの三人は豪たちのもとへ向かった。
烈「みんなもきたんだね、やっぱりレース?」
「ったりめーよぉ!」と豪樹はブレイジングマックスを突き出す。
「君たちも?」
カリビアンズの面々にも烈は聞いた。
ピコ「もちろんです!あと二人のレースを見てましたが、とってもいい“リズム”でした!」
烈矢「リズム?」
豪「ピコはな、マシンの調子を走行音だけで知る事ができるんだ」
烈矢「へぇ〜(やはりGPレーサーは凄い)」
豪樹「でも前大会ではビリケツだったよな」
リョウ「豪樹、少しは言い方ってもんを」
ピコ「気にしないでくださーい!今大会は優勝を狙いますよ!ネッみんな?」
「もちろーん!イエーイ!」と、カリビアンズのメンバーはその場で踊りだす。
二郎丸「イエーイだす!さぁおまえも踊るだすよ!」
豪樹「な、なんでだよ!」
ピコ「そう言わずにウンコ2!」
「だから俺はウンコ2なんかじゃ…て、うわ〜!」と、豪樹は無理矢理その場で踊らされる。
豪「ぎゃはは、見ろよあの豪樹の顔」
二郎丸「何を笑ってるんだすか?お前も踊るだすウンコ野郎!」
「コラ〜!やめろー!」とやはり豪も踊らされる。
10分後──
豪「ハァ、ハァ」
豪樹「ヒィ、ヒィ」
二郎丸「まったくお前らだらしないだすなぁ」
烈「まさかコースまできて踊らされるなんてね…アハハ」
藤吉「とんでもないあだ名を付けられた上に…でげすからねぇ、あの二人も大変でげす」
烈矢「あだ名?」
二郎丸「そうだす!一文字豪樹は今日からウンコ野郎二世だす!」
ピコ「ウンコ2!」
烈矢「プッ…ククッ…」
豪樹「れーつーやー!笑ったなー!」
「プハッ、もうダメだ」と烈矢は顔を手で覆った。
烈「それよりレースしようよ!レース!」
豪「まったくだぜ、このままだと今回の話はウンコ言って終わっちまうぜ」
J「と、とりあえず、まずは三人でレースしましょうか」
ピコ「じゃあカリビアンズは代表で僕がでるよ」
豪樹「俺も走るぜ!」
リョウ「残り一人は俺がでよう」
烈「豪、お前はいいのか?」
豪「ま、じっくり観戦といこうかな」
烈「そっか…それじゃあJくん、スタートをお願い」
J「分かりました、それじゃあ皆さん準備はいいですか」
ピコ「もちろんです!」
豪樹「おうよ!」
リョウ「ああ」
三人はそれぞれ、マシンのスイッチをいれながらに言った。
J「はい、それじゃあいきます!レディ…ゴー!!」
ピコ「いっけー!ジャミンRG!」
シャアアア…
豪樹「へっなんだいありゃあ、とんだドシロートマシンだぜ!」
リョウ「甘くみるなよ豪樹!仮にそう見えてもGPに出場したマシン、それにオフロードでは俺のマシンともほぼ互角だ」
「ハイハイ分かった分かった…ったく、んな事言ったってここは普通のコースだろ」と豪樹は少し鼻に掛けるように言った。
豪「どう思う?烈兄貴」
烈「うーん、特に前回と変わった所は見当たらないかな」
二郎丸「コラ!ウンコ野郎!さっきはあんな事言っててじっくり偵察じみた事するなだす!」
豪「俺は単純にピコたちがどうマシンを成長させたか…それを楽しんで見ているだけさ」
二郎丸「そ、そうだすか~!?」
タムタム「ウンコの言うとおり、ジャミンは進化したよ!フフ」
豪「ホントか!?」
パティ「まぁ今は見せられないけどね、フフ」
リタ「今度のビクトリーズとのレースで見せられるかな、フフ」
藤吉「な、なんて不敵な笑みでげすか!これは相当凄い事がマシンに起こるでげすね!」
烈「ハハ、そんなオーバーな」
烈矢(俺も豪樹の言うとおりあれはシロートのマシンだと見る…思い出したくはないが、過去に空港で襲った時も一際劣っているように見えた)
烈「ん、どーしたの?烈矢くん」
烈矢「え、いや、なんでも…」
J「ゴールです!!」
豪「げげ、途中から話してて全く見てなかったぜ!結果は?」
二郎丸「あんちゃんが一位だす!そしてウンコ野郎二世が二位…ピコは大きく差をつけられ三位だすぅ」
ピコ「イエーイ!いいリズムだったよジャミンRG!よーしみんな、ミュージックスタート!」
カリビアンズ「イエーイ」
豪樹「へっ、なーにが『イエーイ』だよ!最下位のくせしてヘラヘラしやがって!やっぱりただのシロートレーサーだぜ」
リョウ「…あいつらが何も考え無しにああしてると思うか?」
豪樹「えっ?」
リョウ「確かにクールカリビアンズは最初は何もしらずにやってきたチームだ…だが俺たちと出会い、世界のレーサーたちと競い、本当のミニ四レーサーになっていったんだ…あいつらの踊ったり笑ったりする事は決してレースを捨てているんじゃなく、ひたすらにマシンと向き合い、自分らしいレースができた事を表しているんだ」
豪樹「…なるほど、まぁ理解はするけどよ」
ピコ「それじゃあビクトリーズ!次のレースで会おう!」
烈「うん、楽しみにしてるよ」
ピコと烈は握手をし、カリビアンズはその場をあとにした。
二郎丸「じゃあなだす〜!!」