2話目に入りました。
それと、タグに恋愛要素ありみたいなことを書きましたが、もう少し後になります。
※諸事情により題名を変更しました。
「じゃあ、はいこれ」
互いに自己紹介を終えると、霊夢は悠磨に先が所々に飛び出し、持ち手の所が割れたボロい箒を差し出した。
「・・・・え?」
悠磨が戸惑っていると、霊夢は少しイラッとした様な口調で言い放った。
「え?じゃないでしょ。人の家の敷地こんなに荒らしたくせに、詫びも無しに帰るわけ?」
霊夢の言うことは最もであった。悠磨が落ちた木は、衝撃により葉が所々に飛び散っていた。また、木の枝も沢山折れ、木の周辺はかなり荒れていた。そして、悠磨のせいで荒れたということは一目瞭然だった。
「勿論掃除はするけどさ・・・・もっとマシな箒は無いのか?」
「あるわよ。でも悠磨にはこれで十分でしょ」
「いや、そこに落ちたの俺のせいじゃないし」
悠磨がぶつぶつ言い出すと、霊夢は呆れた表情で、
「言い訳は後で聞くから・・・・はい、よろしくねー」
と、悠磨に箒を押し付け建物の中に入っていってしまった。悠磨は自分の手に押し付けられた箒をまじまじと眺めた。
「・・・・ボロいけど・・・・出来なくはないか」
少年清掃中・・・
「・・・・ふぅ、こんなもんかな」
悠磨は額にうっすらと浮かんだ汗を手の甲で拭い、呟いた。葉と枝をただ一ヶ所に纏めただけでも、荒れていた先程と比べれば随分綺麗になっていた。
霊夢に終わったことを伝えようと、箒を木に立て掛けた時だった。
「どうやら、終わったみたいね」
と、霊夢の声が聞こえた。
霊夢は縁側に腰掛け、悠々とお茶を啜っている。
「・・・・一応な」
と、悠磨は無愛想に答えた。
「まぁ、とりあえずここ座んなさいよ。箒そのまんまで良いから」
霊夢はそう言いながら、自らの右隣を軽く叩いた。
悠磨は言われた通り箒をその場に放置して、霊夢の隣に少し距離を開けて腰掛けた。
「・・・・はい、どうぞ」
霊夢は一瞬悠磨と自分との間に目を移したが、気にすること無く悠磨にお茶を差し出した。
「・・・・どうも」
悠磨は受け取ったお茶を飲まずに、少し眺めてから自分から少し離れた所に置いた。
悠磨の行動を見た霊夢はムスっとして、
「貴方、本当愛想が無いわね」
と、お茶を啜ってから言った。
悠磨は置いたお茶を丁寧に持ち上げ、
「お気持ちだけ頂いておきます」
と言って霊夢が持って来たであろう盆の上に置いた。
「丁寧にやっても無愛想なのは変わり無いけど・・・・まあいいわ」
霊夢はそう言って、空になった自らの湯飲みを盆の上に置き、ふわぁと欠伸をした。
「ちょっと置いてくるから、待ってて」
霊夢は悠磨にそう言うと、盆を持って立ち上がり奥の方へと歩いて行った。
一人になった悠磨は、ボーっとしながら辺りを見渡した。
少し古びた畳。茶色く丸い小さな卓袱台。乱雑に重なった座布団。この建物の中は全て純和風で統一されている。
暫く眺めていると、奥から数枚の紙を持った霊夢がやって来た。
「・・・・何、それ?」
悠磨は霊夢が持って来た紙を指差し、尋ねた。
「あぁ、これ?これは、スペルカードを書く為の紙よ」
霊夢は紙を中指と人差し指で摘まんで、ヒラヒラとさせて悠磨に見せた。
「・・・・特別な紙なのか?」
悠磨が恐る恐る聞いてみると、霊夢はあっけらかんとした表情で答えた。
「まさか。ただの紙よ」
「じゃ、じゃあ、何でその紙を俺に?」
悠磨はツッコミたい気持ちを抑え、平淡な声で聞いた。
「そんなの、貴方が幻想郷で暮らす為に決まってるじゃない」
「いや、俺普通の人間なんだけど」
悠磨がそう言うと、霊夢は呆れたような表情で言い放った。
「は?普通の人間じゃないわよ・・・・」
「はい?」
悠磨が聞き返すと、霊夢は溜め息をついて馬鹿にした様にわざとらしくゆっくりとした口調で言った。
「あのねぇ、妖怪が食糧用に連れてきておいて、霧の湖の前に放置するわけないでしょ・・・・」
そう言うと、霊夢はこう言葉を続けた。
「私は頼まれたの。能力を持った少年が来るから、庭の木の前で待っててくれってね」
霊夢は一通り話すと、紙とペンを悠磨へと差し出した。
「いや・・・・まずスペルカードってなんなのさ」
悠磨が戸惑いながら訊ねると、霊夢はどこから持って来たのか、煎餅をかじりながら言った。
「説明するのは一度だけだからね・・・・ちゃんと聞くのよ」
読んでいただき、ありがとうございました。
3話目も読んでいただけると幸いです。