えー、毎度の通り更新遅くなりました
本当にテストの怖さを改めて知りました
そろそろ夏休みに入るので、多少(重要)更新速度が速くなるかと思います
では、本編どうぞ!
「ふんふんふーんふふふんふーん」
「…………………はぁ」
存在を主張するようにギラギラと輝く太陽に照らされた道を歩きながら、悠磨は溜息を吐いた。悠磨の横では上機嫌に鼻歌を歌う橙色の髪の少女が手に持った若草色の巾着を振り回しながら歩いている。
遡ること1時間前、幻想郷に住む上で必要最低限の物は揃えたらどうだ、という霊夢の提案により普通の人間達が住む、人間の里という所まで買い物に行く………ここまでの流れは良かったのだ。
昨日の失敗を思い出した悠磨は、霊夢に道を案内してほしいと言ったものの「面倒臭い」というなんとも雑な理由で断られてしまったのだ。それでも悠磨が頼み込むと、代役を用意すると霊夢が言い、そして代役として来たのが橙色の髪を1つに結い、黒い蝶の刺繍が入った浴衣に似た紅のワンピースを纏った少女、澪音寺カグラだった。
「おい!貴様!歩くのが速いではないか、我に合わせぬか!」
そしてこのカグラという少女は性格に癖があり、先程から悠磨は何かあるにつれグチグチと文句をぶつけられていた。
今すぐにでも別行動したい。それが悠磨の本音だったが、方向音痴な悠磨にとって案内役は必要不可欠。しかもそこが未知の場所なら尚更だ。
悠磨は背に腹は変えられないと自分に言い聞かせ、ゆっくりと歩くスピードを落とした。
「それにしても、我を使いに出すとは博麗の奴も随分と偉くなった様だのぉ」
いつの間にか悠磨に追いついていたカグラは、独り言にしては大きな声で不満を呟く。悠磨に対して反応を求めているようだ。
「霊夢とは知り合いで?」
悠磨が問うと、待ってましたとばかりにフッと口角を上げてカグラは言った。
「彼奴とは飲み仲間じゃ。それに…………我は彼奴の祖母の代から知っておるがな」
「へー………って祖母の代から!?」
余計な反応はしないようにと心掛けていた悠磨だったが、これには驚きを隠せなかった。
カグラの身長は大きく見積もっても150cm半ば。
見た目の年齢で言えば、悠磨と同じ十代前半といったところだ。
「何なのだ?その反応は」
悠磨の反応が気に食わなかったのか頬を膨らませた。
やはり行動一つ一つが子供に似ているなと悠磨は思った。
「別になんでも。それより、あれ人間の里って所じゃないですか?」
悠磨は若干無理矢理だったが話題を切り替えた。悠磨の指さす先には木造の家が並んで建っており、山道とは違った雰囲気を醸し出していた。
「おお!そうじゃ、あれが人間の里であるぞ」
先程までの不機嫌はどこへやら。
カグラは里が見えると子供の様にはしゃぎだした。そして巾着を振り回しながら坂を駆けていく。
「やっぱり子供じゃねぇかよ」
悠磨は小さな声で呟いて、カグラの後を追った。
「はい、お釣りの45円ね」
「有難うございます」
洋服屋の店員からお釣りを受け取ると、悠磨は軽く会釈をして店を出た。
洋服、鞄、靴等の必需品から花札、トランプ、本と時間を潰すためのもの。
悠磨はポケットから取り出したメモを仕舞い、買ったものが入った紙袋をしっかりと持った。霊夢が言うにはちょくちょく買いに行けばいいという事なので割と少なく抑え込んだつもりの悠磨だったが、両手に持った紙袋の中はパンパンだった。
因みに払ったお金は霊夢の物では無い。
何故かポケットに入っていた悠磨の折り畳み式の財布から取り出した物だ。
悠磨は財布をポケットに入れた覚えは無かったが、そもそも来た時の事を覚えていなかったので気にしない事にした。
「おー、やっと終わったか」
カグラは洋服屋の隣にある和菓子屋の椅子に腰掛けてみたらし団子を頬張っていた。
「其方も何か食べたらどうだ?」
そう言ってカグラは団子を持っていない方の手で菓子の売っている所を指す。
現在の時刻は約10時。
悠磨はそこまで腹が減っていたわけでは無かったが、霊夢へのお土産と一緒にというカグラの一言で買う事を決めた。
木に書かれているメニュー表の様な物には、豆大福やみたらし団子、羊羹など多くの和菓子の名前が書かれていた。
悠磨はすぐに黒糖饅頭に決めたが、問題は霊夢への土産だった。
残念な事に、悠磨は霊夢の好みを知らない。
わかる事といえばとにかく緑茶が好きという事だけだった。勿論、和菓子なのだからお茶には合うだろうが、霊夢が餡子が嫌いだったら、甘いものが苦手だったらと考えると悠磨はなかなか決断出来なかった。
悩んでいる悠磨の目に、1つの菓子名が映った。
これなら大丈夫だろ。
そう思った悠磨は、店員の所へ行った。店員は2人いて、取り敢えず左側の店員の方へ向く。
「えっと………抹茶大福と」
「「黒糖饅頭ください」」
「え?」
「ん?」
悠磨と誰かの注文の声が重なった。
悠磨はまさかと思い右側を向く。
そこには白と青の髪に胸元に赤いリボンの付いた青い服を身に纏った女性が立っていた。
「ごめんなさいねぇ、黒糖饅頭は人気で残り1つしか無いのよ」
「え………」
相当ショックだったのかその女性はがっくりと項垂れた。
この小説での幻想郷のお金の扱いは現実世界と同じにしてあります
幻想郷の歴史を踏まえると少しズレているように感じるかもしれませんが、1番わかりやすく、ストーリーに繋げやすいのでこの形になっています
やっとオリキャラ出せました(カグラさんはもうちょっと後の登場だったんですがね)
さて、饅頭を巡る戦いの始まり(?)ですが、次回も読んでいただけると幸いです
では!