もしもデミサーヴァントになったのがマリー所長だったら 作:イチヤ
いや始まりましたね、水着イベ
オルガマリー・アニムスフィアSummerの実装はいつですか?
え?22日に新実装されるのってオルガマリー・アニムスフィアSummerですよね?そうなんですよね!?
「問おう、貴方が私の────
いや、
お主アタシのご主人か?ワン!
我こそはタマモナインが一角、野生を司る誇り高き獣である。ここまで言えば──もうアタシの正体には辿り着けるな?」
…俺が自らの手で初めて召喚した英霊は獣の耳に大きな鉤爪をつけたモフモフの手足と尻尾を携えた巫女服姿の女の子でなんというか、こう天真爛漫を形にしたようなサーヴァントだ
さて、彼女は具体的にはなんという名の英霊なのだろう。タマモナインとか言ってたっけ…たまも…うーんと…
「ぐ、ぐだ男さん!やりましたね!私は信じていましたよ!」
「やったじゃないぐだ男!召喚成功よ!
それで、貴方はなんの英霊なの?真名は?というかそもそもクラスは?」
お、おうおう
二人とも詰め寄るない詰め寄るない、そんなに褒めるでない褒めるでない
「む?うるさいぞ女共、黙っていろ。アタシはお前達に話しかけたわけではないのでな。そこのアタシの素性を割ろうと頭を捻っているご主人(仮)にキャットの主人たる資格があるか問いているのだ、まあ?資格など言うまでもなく持っているはずなのだがな、さあご主人(笑)アタシの真名を言い当ててみせてくれたもうことなかれ!」
「なっ、ちょっと貴女ね─「やかましい、と言ったのが聞こえなかったのか?」
「はうっ」
目にも留まらぬ速さで背後を取られ獣質の鉤爪を喉元に当てられたことに数瞬遅れて気がついたオルガマリーが息を飲む
「オルガマリー!…あなた──」
ジャンヌが旗槍を構えるがオルガマリーを人質に取られているためそれ以上のモーションを取ることは不可能だ
おいやめろ、その人は俺のパートナーなんだ
自分で言っていただろう、話があるのは俺の方にだと
「む?そうだそうだそうであった、してご主人(狩)アタシの名前を言ってみろ!」
ああ、真名ならアテがついてるよ
そもそも自分でタマモナインだとかなんだとか言ってたし、きっと当たってるだろう、うん
お前は日本に昔から伝わる英霊、伝説の妖狐!玉藻の前だ!俺が日本人で残念だったな!
「………………………………………」
ど、どうだ…?
「─────────────」
まさか…違うのか?
「『気密よ、唸って走ってふん縛れぇい!』」
なっ、なにこれっ…ぐっ。
目の前のサーヴァントが詠唱した途端、俺の周りの大気が魔力によって色付き数本の縄となり俺を拘束してきた
その大気の密度は濃く、身をよじればよじるほど身体に食い込んでくる
というか体はおろか口すら自由に動かない
「ぐだ男さん!大丈夫ですか?!」
「はあ……………………………………………なあ、ご主人(ゴミ)、ぜんっぜん違うのである!よりにもよってこのアタシとあの卑しいオリジナルを見紛うなどとは!失望を通り越して一周回って希望が見えてきそうなまであるぞ!キャットは悲しい…悲しさが溢れてきた。というか涙腺が…うっ、うああああああああああん」
オルガマリーの喉元に鉤爪を押し当てたまま、俺を不思議な技で制し、挙句の果てにこのサーヴァントは大声で泣き始めた
…言動からは頭が回るようには思えないがこのサーヴァント、相当強い
というか先ほどからタマモタマモという単語が聞こえてくるがにこの英霊は本当に玉藻の前ではないのか…?
「ぐだ男さん、ここは私に任せてください。私はこれでもルーラーです、真名看破のスキルがなくとも貴方のサーヴァントの素性くらい明らかにして見せます」
「ジャ、ジャンヌ…?は、早めにお願いね?頼んだわよ?」
怯えた所長を落ち着かせるためか優しい笑みを浮かべてから、聖女は獣に問いを始める
「貴方の名はなんというのですか?」
「うっ…ぐすっ…え?こ、ここまで引っ張っておいて簡単に教えるわけなかろう、誇り高きキャット故な」
「見たところ主だった武器は持っていないようですが、なにか隠しているのですか?」
「エモノなぞ使わぬよ、アタシの武器はアタシ自身であり、その事実が勝利への自信へと繋がるのだ、ぬはは!うまいことが言えたな!」
「ぐだ男さんを縛ったのはなんですか?何かの魔術でしょうが…」
「こらこら、そんじょそこらの魔術と一緒にするでない。オリジナルの能力の一端であるというのが腹立たしいところなのだがこれでも最高級の呪術である」
「…ふむ、オリジナル……ああ…そういうことでしたか」
「ほれ、そろそろ良いであろう?そこのマスター(借)も礼儀がなっておらんし、それに追随するサーヴァントもこのザマ。この女を殺してアタシは寝る、実のところ、眠くなってきたのである」
や、やめろ!所長を殺すのは───「いいですよ、殺しても」
は、え?…ジャンヌ?
「ほう?」
「ただし、私が貴方の素性を当てることが出来たならすぐにでも我が友を離し、ぐだ男さんをマスターと認めなさい」
…任せても大丈夫なのか?
「ええ、もちろんです
さあ!私の答えを聞きなさい!」
聖女は高らかに胸を張り獣に相対する、その後ろ姿に俺は心を掴まれたような何かを感じる
得体の知れない呪術に縛られているはずの身も、心も、この聖女に優しく抱かれているような心地になった
「ふむ、いいだろう。多少上から目線なのが気になるが、キャットは心が寛大である。では無意味で無力で無為な質問からアタシの素性とやらを当ててみるが良い」
「まず、貴方のクラスは──────
────────────────
「う〜ん、ご主人ご主人ごーしゅーじーんー!ご主人は疲れておらぬか?おぶってやろうか?それともキャットをおぶりたいか?良かろう、ご主人ならこの身を預けられようというもの。そう、預けるといえばご主人の命運だがな、このキャットに任せておけばいつでも美味しいご飯が出てくるぞ!ん?何の話であったかな。ふむ、そんなことはどうでもよいがご主人は良い匂いがするな!もっと擦り寄っても良いか?」
「す、擦り寄る?!ダメよあなた何を考「うるさい黙っていろ盾女、私はご主人に話しているのだ、な?ご主人!」
琥珀色の目を爛々と輝かせながら、玉藻の前改めその名をタマモキャットなどというふざけた名前のサーヴァントはこれでもかと主人に擦り寄っている、ちょっといい匂いがする…じゃなくて!
「…ぐだ男さん、鼻の下が伸びていますよ」
今度は聖女に軽蔑の視線を向けられてしまった
えっも、これはその、いや…
「言い訳無用です」
ぐはっ…
申し訳ございません、だってしょうがないじゃん!
いや、仲良くなれたのは良かったけど
うん、良かったんだけどさあ…
────────
『まず、貴方のクラスはバーサーカーでしょう』
『ふむ、してその根拠は?』
『主だった武器を用いないという点から三騎士ではないと、そして言動の不一致や挙動から狂気の一端を感じました。ランクこそ低いですが少なくともあなたには狂化がかかっています』
『ほう、ほうほうほう!よくぞ当てた乳女!我はキャット、誇り高き獣、故にバーサーカーである!ほれ、後はアタシの名と素生を言ってみせてくれ乳女』
『ち、乳女?!私はジャンヌ・ダルクです!』
『乳女、あぁ乳女、乳女
一句できたぞ!これは歴史的な句になるぞ!』
『は、話を聞きなさいバーサーカー!!
貴方の出典ですが、私はぐだ男さんの言った玉藻の前という英霊に近しいもの、つまりはその分霊であると推察します!』
『…ふむ、ふむふむ?』
『どうですバーサーカー、私の推察が正しければ今すぐ私の友を離し────
『ピンポンピンポン大正解である!アタシは九尾の妖狐、にっくきオリジナル玉藻の前が分霊!その名をタマモキャットとする誇り高き獣である!やるな乳女、というわけでこの盾女に用はない。そ、れ、に、やり手の乳女の主であるご主人(仮)は更に最強なのであろう、これは仕えるほかないな!』
『そ、そう言っていただけるのでしたら良かったです、ではこれからよろしくお願いしますね。バーサーカー、いえ、キャットさん』
『っ、ぷはっ。助かったわジャンヌ…ありがと。それとバーサーカー、あなた私に詫びの一つや二つあってもいいんじゃないかしら?』
『はあ?ふざけたことを抜かすでないぞ盾女、乳もなければ力もない盾女には侘びも寂びもないのである。アタシはご主人(ガチ)の為に生き、死ぬのであるからな』
『なっ、なにを言うのこの獣!絶対仲良くなんかしてやらないんだから!』
────────
とまあそんなひと悶着からおよそ30分、対応変わりすぎだろこのキャット!
まあ仲間になってくれたし相当強そうだし、一件落着、かな?
さて、今日はもう遅いから休むとして明日からどうしようか
あ、所長
ドクターに通信つないでもらってもいいですか?
「ん、ええそうね。今繋げるわ」
ピピッという電子音のすぐあとに聞き慣れた少し頼りない声が発せられる
「ぐだ男くん、無事最初のサーヴァントを召喚できたみたいだね
それで明日からなんだけど、正直僕よりもそこにいるジャンヌと相談するのが良いと思うよ」
ふむ、それもそうか
じゃあジャンヌ、どうしようか
「私は事の中心の起こっているオルレアンの周辺、ラ・シャリテあたりで情報収集をすべきかと」
「ふむ、乳女よ。意外と聡いな!キャットであれば単身乗り込んで総攻撃くらいしか思いつかなかったぞ、ぬは、ぬはははは、は、はは…んん…ぐう…スヤスヤ」
このキャット、寝るのもはやっ
うん、でもそうだねそうしよう
まずは情報収集、その後のことはその時考えよう
「そうね、そうするのが一番いいと私も思うわ。それとあなただってサーヴァントの召喚で相当魔力を消費してるはずだから今はしっかり休むべきよ、見張りは私達がやっておくから少しでもいいから眠っておきなさい」
ん、ああ…そうですね
そう言われると疲れが溜まっているような気がしないでもない、かな?
じゃあおやすみなさい、所長
「ええ、おやすみなさい」
その一声がまるでスイッチだったかのようにまぶたが重くなりそして、いくらも時間が立たないうちに気が遠くなり夢も光もない眠りの世界へと転がるように落ちていった
これからは投稿の頻度マシマシでちゃんとやっていきますので、どうか拙文ではありますがこれからも読んでいただけるとありがたいです
あとほんとにオルガマリー・アニムスフィアSummer実装待ってます