魔法少女リリカルなのは 炎の紋章を持つもの   作:コウチャカ・デン

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第45話 「英雄の誕生」

 星の光が迫る中、それは必死で打開策を考えていた。その思考はかつてないほどの回転を見せ、さながら自身も含め世界が止まっているように感じるほどであった。

 まず第一の候補が、あの光を防御しきる事であろうか。

 

(不可能だ。あの光には、憑代と我を切り離そうとする意志が込められている)

 

 より正確さを求めれば違った表現になるだろうが、概ねあっているため今回はそれで良しとしよう。

 防御をしようにも、直前に受けた神竜の魔法を迎え撃ち、障壁で防ぎ、相殺しきれなかった部分をダメージの即時回復と言う形で凌ぐのに、瞬間的に使用できる魔力をほとんど使いつくしてしまったのだ。もはやあの光を防ぐことは叶わない。そして、切り離されてしまえば、肉体からはじき出されてしまえばそれに生き残る道はない。器を失った魂は、光に焼かれ消滅するほかないのだ。

 では第二の候補として、あの光を回避するべきであろうか。

 

(可能だ。ありったけの魔力を使えば、憑代と切り離される前に攻撃範囲から逃れることはできる)

 

 だがそうすれば、今この手で貫いている神竜を解放してしまう。温存されていた神竜の真の切り札が使われて、憑代ごと消し飛ばされてしまうだろう。しかしこの選択には多くの利点もある。

 

(憑代を救えなかったという傷が、奴らには残るだろう。そして、我は闇の書の機能を持って転生ができる)

 

 それが闇の書のほとんどの機能を乗っ取っていたからこその選択であり、この場では最善の選択であるはずである。だがしかし、最善だからと言って誰もがその選択ができるとは限らないし、最善とは言え正しいとは限らないのだ。

 

(この選択は、魔王である我が神竜に敗れるという意味だ……それだけは、断じて許せん!)

 

 それは今までの様な封印とは異なり、完全に敗北するという事だ。折れると表現してもいい。魔が竜に屈するともいえよう。そうなってしまえばいかに魂が無事でも、精神が健在であろうと、まったく意味がないのだ。

 ならばどうすればいいのかを考え、考え、考え抜く。そして思考の果てに、魔王はついに答えを得る。

 

(そうだ、憑代を捨てればいい!)

 

 あの光は、八神はやてを魔王から救うという意思が込められているのだ。だから、その肉体を捨てればその効果を十全に発揮できなくなる。

 神竜の胸から憑代の腕を抜けば、奴は切り札を切れるようになるのだ。ならば抉ったまま捨て置けばよいのだ。

 ではその捨てた後はどうするのか。

 

(簡単だ、別の体を使えばいい!)

 

 幸いにも、代わりとなら器はすぐ近くにある。それは自身の内に、皮肉にも、はやてを助けるために用意されたものだった。管制人格が、最愛の主を助けるための器となるはずのものであった。

 

(まだだ……まだ終わらんぞ!!)

 

 魔王が決断を下したまさにその時、ついに星の光は竜と魔王の二人を飲み込んだのだった。

 

 

 なのはの放ったスターライトブレイカーは、結界を破壊しないよう上から下への攻撃であったためか、はた目からはさながら天罰にも似た光の柱に見えた。が、その中身ははやてを魔王から解放することに力を注いでいたため、見た目ほどの破壊力があるわけではなかった。

 その証拠に、星の光が薄れていく先にあったものは、砲撃にのみこまれた街は変わりなくそこにあり、直撃を受けた人物も傷を負った様子は見られなかった。

 

「マーク!」

「はやて!」

 

 だが光の中から出てきたものは、見守る者たちの予想を大きく裏切るものであった。魔王を宿していた八神はやてと、それに貫かれていたマークはいい。しかしそこにはさらに、漆黒の剣を持ち二人に襲い掛かる銀の長髪の女性の姿があった。

 

「だ、誰!?」

「あれは……まさか管制人格!?」

 

 その存在がなんなのかを最初に看破したのはシグナムであったが、流石になぜあのような事になっているのか……まるでマークが管制人格からはやてを庇っているかのように見えるのかまでは理解できなかった。

 そんな混乱をものともせずに、真っ先に動きを見せたのはやはりフェイトであった。それもそのはず、フェイトからしてみれば管制人格は全くの未知の存在であり、マークやはやてに切りかかる敵でしかなかったのだから。

 

「マーク! はやて!」

「ちっ! 邪魔を!!」

「フェイトちゃ、っぷ!」

 

 フェイトが割って入ったことで発せられた言葉に、この場にいる面々はおおよその事態を把握する。はやてが自身の肉体を取り戻し、銀髪の女性の中に魔王が居るのだと。

 しかし自体が把握できたから、はやてが魔王から解放されたからといって安心するにはまだ早い。未だ魔王は健在と言えるし、マークは胸を貫かれ文字通り血反吐を吐きながら戦っているのだ。

 

「いい加減……しつっこい!」

「ここまで傷付いた貴様を前に、退くわけがなかろう!」

 

 さらに言えば翼にダメージが残り、はやてを抱えた状態のマークでは、いかにフェイトの援護があろうと魔王の攻撃をいなし続けるのは難しい。だが、ここにいるのはその三者のみではないのだ。

 

「加勢する!」

「いったんさがって治療でも受けてろ!」

 

 戦場に割って入るクロノと剣と鉄槌の騎士に魔王は露骨に嫌な顔をするが、すぐに驚愕を表す表情に変わる。

 

「部品如きが、なぜ我に逆らえる!?」

「知った事か!」

《私が切断を行った》

 

 その声にこたえたのは、闇の書の管制人格であった。元々闇の書の完全起動の遥か前に起動可能な守護騎士プログラムは、数多あるプログラムの中でもかなり独立性が高いものであった。それに加え、管制人格がはやてを救うためにいろいろ準備していたこともあり、機能の一部を切り離すことに成功していたのだ。

 そして、それを為すために管制人格は闇の書の本体、すなわち魔王と共にはやてから切り離された肉体にとどまることになってしまったのだ。

 

《魔王フォデスが侵入しその制御を乗っ取ったことで、防衛プログラムは失われた》

 

 魔王と言う特大の異物を排除しきれなかったというのは、すなわちそういう事だ。そのおかげで管制人格もいくつかの機能をはやてに残すことができたのだから、皮肉としか言いようがないが。

 それ以外にも利点はある。いくら魔王とはいえ、複雑化した闇の書のすべてのシステムを把握することは叶わず、また防衛プログラムが健在だった際は自動的に行われていた事象も、すべて魔王自身が行わなければならなくなったのだ。その誤差はたとえコンマ数秒かもしれずとも、決して無視できるものではない。

 もちろん良い事ばかりではない。

 

《今までの暴走では無秩序に扱われていた力が、魔王の意思の元に統一されたともいえる》

 

 今の魔王のスペックは、闇の書の暴走とは比べ物にならないと思っていいだろう。その最たるものが、今も魔王が握る漆黒の剣である。今までなら広範囲攻撃に使用されていた魔力のすべてが濃縮された一振りは、たとえ竜の鱗であろうと容易く切り裂くことが可能であろう。

 それらを踏まえて、管制人格は己が願いを言う。

 

《勝ってください。滅してください。わたしは、これ以上主を傷つけることをしたくない》

 

 その言葉と共に魔王の、否、管制人格のほほに赤い雫がこぼれる。肉体の制御はすべて魔王が握っているにもかかわらず流れ落ちたそれには、いったいどれほどの願いが込められていたのか。

 その想いを受け止めそれぞれの武器を構える戦士たちの影に、少女は静かに涙を流す。

 

「わたしのことは助けておいて、自分は消えようなんて、そんなん認められるわけ……!」

「現実問題として、倒すことすら困難だと自覚しろ。認めたくないからと言って目をそらせば、被害は増すばかりだぞ?」

 

 マークの言葉に歯噛みするはやてであったが、その実誰よりも現状を理解していたと言って過言ではない。一時とは言え魔王に肉体を乗っ取られ、その思考を垣間見たのだ。

 だからこそ、はやても決断しなければならなかった。

 

「抜くで?」

「ああ」

 

 はやはその感触に顔をゆがめつつも、マークの胸からその腕を引き抜く。さすがのマークもこれには激痛をこらえ歯を食いしばる。だがそれも一瞬。即座に歪んだ胸部の鎧を外し、剣を構える。

 

「ちょっ! 戦う気なん!?」

「当然だ。まだあいつらに魔王の相手は早い」

 

 とは言えマークとて重症だ。構える剣もいつものような重量武器ではなく、片手で操れる重さの神器である氷剣『アウドムラ』だ。戦力がおちるわけではないが、マークの手に馴染んでいるとは言い難い。

 

「……だめや。やっぱりそれは私がやらなアカンことや」

「なに……!?」

 

 はやてに押されたマークは、簡単にバランスを崩す。そしてその隙にはやては自身に残された闇の書、否、夜天の書の欠片の機能を使い飛翔する。細かい制御まではできないが、シャマルに魔法を習っていたため、簡単な事ならばできるのだ。当然はやてだけでは戦闘など夢のまた夢だが、ここには心強い味方がまだ残っていた。

 

「頼むで、先輩!」

《だから僕は先輩ではないと……まあいい、せっかく魔王に一矢報いるチャンスなんだ。全力でやらせてもらうよ》

 

 それは魔王の魂の片隅に残っていたかつての被害者のひとり。管制人格が自身の代わりに据えた、魔王からはやてを守ることに力を注いだ同志であり、魔道のプロフェッショナルだ。そして闇の書の中にあったことも合わせ、残り少なくなったはやての持つ書の機能を使う事に不足はない。

 

「風刃」

 

 その魔法は、魔王と戦うための神器の一つであり、マークの扱える最高位の風魔法。はやては書にこの魔法が残っていたことに感謝しながら、剣十字を模した杖を振るう。

 

「みんな、下がって! 『エクスカリバー』!」

 

 魔王と戦っていたフェイト達の間をすり抜け、碧い風が奔る。だがはやての練度が低すぎるためか、それとも先輩の補助が下手なのか、十全の効果が発揮されることは無く、魔王の障壁の前に簡単に四散する。

 

「……まずは感謝を……あなたが私のもとに来てくれたおかげで、わたしは新しい家族に出会えた」

《主はやて……》

 

 戦闘に突如割って入り語り始めたはやてに、管制人格が答える。

 

「もう一つ……わたしを魔王から守ってくれたことも、こうしてわたしがわたしのままでいられるのも、あなたのおかげや」

 

 一度は突き放され、出遅れたマークが戦場に戻る。それにより、魔王も軽率な事ができない硬直状態が出来上がる。

 

「そんな幸運を送ってくれたあなたを、もう呪いの魔道書だなんて呼ばせへん……」

 

 先程の砲撃で魔力を使い果たしたなのはや、アルフに乗ったアリサとすずかも、戦場の中心から僅かに離れてこの状況を見守る。

 

「夜天の主の名において、汝に新たな名を送る。強く支えるもの、幸運の追い風、祝福のエール、リィンフォース」

《ありがとう……ございます……》

 

 はっきり言って、もはや完全にはやてとのつながりを断たれた今の闇の書にとってこの言葉は大きな意味を持たないだろう。しかし、管制人格にとってこの言葉はどれほどの意味を持つだろうか。だから、この言葉はけじめであり、誓いだ。

 

「……あなたを、滅します」

《はい……お願いします》

 

 その決意を聞き届け、まだ戦える戦士たちが改めて構えを取る。だが、それらの決意と同等の感情を出すものもやはりいたのだ。

 

「不快な……」

 

 せめて心安らかにと願う者たちのなにもかもを嫌悪の対象とするのはやはり魔王だ。そしてもう一人、よい感情を持たないものが居た。

 

「結局、こうなるんだな……」

 

 かつて救えなかった者たちを想い、また救えなかった自身に嫌悪さえ抱くのはマークだ。誰よりも早く切り捨てなければならないと説いた彼こそが、誰よりも救いを求めていたというのも皮肉なものだろう。

 だが、事実として管制人格を、リインフォースを救う手段はもはや存在しないのだ。一個の生命として存在していない彼女は、もはや魔王から切り離すことはできないほど同化してしまっていた。だからせめてとマークは願い、力を解放する。

 

『せめて、その精神が残るうちに終わらせよう。もし次があるのなら……否、無粋な仮定は止めておこう』

「マーク!?」

 

 フェイトを筆頭とする驚愕は、巨体へと変化したマークに対するものであり、その発する強大な力を感じた故だ。

 碧い鱗に覆われたその身、天空に座すその姿は、単体での最強の具現化に相違ない。

 

「これが……竜……」

『そうだ。これが、かつて世界を二分した竜の力だ!』

「喰らって、たまるものかッ!」

 

 咆哮と同時に高まる力は光となり魔王を滅せんと迫るが、魔王の全力の回避行動により、半身を消し飛ばすのにとどまる。

 

『逃れられると……!』

『待ったぁ! 今のが続くと結界が持たないよ! 今結界が途切れたら街がとんでもないことになっちゃう!』

 

 更に追撃を行おうとしたマークをエイミィが止める。確かに結界を破壊してしまえば、被害は免れないだろう。だがこの躊躇は、まぎれもない隙となってしまう。

 魔王はこのわずかな時間に最後の切り札を切る。それはかつてないほど巨大な召喚であり、最強の死体。その物体は、竜化したマークの倍以上ある巨躯であった。

 

「いずれ再生させる予定であったが……仕方あるまい」

「う、そ……なんて大きさ……」

 

 それは、ある世界において恐怖と絶望を振りまき倒れた魔王の肉体。それを魔王はゾンビとして呼び出し、操っているのだ。その圧倒的な存在感は、とてもじゃないが死体とは思えなかった。

 

『見かけ倒しの腐肉だ! 恐れる必要などない!』

 

 マークが檄を飛ばし腐肉と化した巨躯と対峙するが、自由にブレスを使えないのが痛い。結界を傷つけないよう慎重な戦いを強いられることになる。

 これにさらに人間サイズの魔王の援護までつけば、マークとて危うい。

 

「させない!」

「シグナムは魔王を! わたしとヴィータ達はあのデカいのをやったる!」

 

 フェイトが魔王とマークの間に割って入り、はやてが腐肉に広域魔法を放つ。残った者たちもそれぞれが適した相手に向かっていくが、ここに例外がいた。

 

「わたしは……見てる事しかできないの?」

「なのは……」

 

 それは切り札を既に使用し、魔力もほぼ使い切ってしまったものの嘆きであった。そして、嘆いたままで終わらない者こそが、真に英雄と呼ぶべきものである。

 

「……集めてみせる……さっきので足りないのなら、もっと……もっと!」

 

 もともとスターライトブレイカーの最も大きな利点は、自身の魔力だけでなく周囲に散らばった魔力を使用する点である。ならばより強く、より広くから集めることができれば、決定打に足る一撃をはぐくむこともできるはずなのだ。

 

「だからお願い……力を貸して!」

 

 その祈りは相方であるレイジングハートに、そしてその奥にある秘宝『ファイアーエムブレム』に。

 

「集え、数多なる星々の輝きよ……!」

 

 その祈りに答えるかのように、レイジングハートがゆっくりと力強く輝き始める。だがその輝きは、なのはの眼下で戦う者たちにも届いてしまう。

 

「くっ! まだ撃てるというのか!?」

「邪魔は……させない!」

 

 砲撃のチャージに気付いた魔王がそれを止めようとするのを、フェイトが食い止める。ここに至り、フェイトは速力・膂力共に管理世界トップクラスを実現していた。

 だがそれも長続きはしない。フェイトの本来の実力が、マークの創った腕について行かないのだ。それ以前に、フェイトの怪我は無かったことになったわけではない。今まで気力でカバーしていたが、それももはや限界である。

 

「いくらなんでも、初陣でこれはないやろ……!」

『ぜいたくを言うな……敵は確かに強いが、味方もこれ以上ないほど強力なのだぞ!』

 

 マークとはやてもなのはの変化に気付いて、腐肉が上空へ攻撃しないように気を付けていた。愚痴を言いつつもはやての攻撃は強力で、マークの詰めは確実に腐肉を切り裂いていた。

 だがそれも長続きはしない。はやては魔王に乗っ取られていた時のダメージがあるし、何より今使っている魔法は、夜天の書の切れ端を集めて無理やり使っているようなものだ。マークにしたって、竜化して胸の傷がふさがるわけではない。精神力で補える時点はとうに過ぎ死力を尽くしている状態、いつ限界を迎えてもおかしくないのだ。

 

『だからと言って……』

「諦める気なんて……」

「欠片だってないんだから!」

 

 シグナムの連結刃が奔り、ヴィータの巨大なハンマーが腐肉を打つ。クロノが各員の攻撃をつなぎ、ユーノとザフィーラが敵の攻撃を妨害する。

 そんな中なのはの集束は進み、ついには臨界を迎えるがまだ、止まらない。限界を迎えた肉体がきしむような感覚を覚えるが、なのははさらなる集束を続ける。

 

「限界? そんな物知らない……! 絶対……負けられないんだから!」

 

 それは本能的な直感であっただろうか……なのはは誰に言われるまでもなく、今撃てば魔王を倒すことはできても、滅するには足りないと理解していた。求める一撃は、転生機能をも凌駕する究極の一撃。

 そして次の瞬間、ついになのはの意志に秘宝が応えた。

 

「まさか、これは……!」

『覚醒……炎の紋章が応えたのか!?』

 

 魔王と神竜の驚愕をよそに、もはや限界に至ったかと思われた集束が、さらに加速しながら圧縮率を高めていく。

 

「させるものかっ!」

 

 魔王が文字通り死力を尽くしフェイトを振り切りなのはに迫るが、覚醒を足したなのはに向かうには遅すぎた。

 

「スターライト―――」

 

 静かに言葉を紡ぐその姿は……

 

「―――ブレイカー!」

 

 まさしくマークが望んだ英雄の姿そのものであった。

 

 

「終わった……の、かな?」

「……たぶん……ううん、きっと」

 

 戦いを終えた戦士たちが、無事だったビルの屋上で腰を落とす。唯一重症だったマークのみがアースラの医療スタッフに囲まれているが、竜化したときの生命力の差のせいか、もうほとんど傷はふさがっているとのことだ。

 

『闇の書の転生はこちらでは確認できなかったよ。ただ、本当に消滅したのか、それとも逃げられたのかまではさすがにわからないね』

「そうですか……」

 

 魔王なんて規格外な存在を宿していた以上、断定はできないとのことだが、それでもやるべきことはやったのだと、はやては寂しそうに笑う。

 戦いの後は着々と修復され、元の街並みを取り戻しつつある。その作業が終わり、結界が解かれるまで、彼らは何をするでもなく、その場に佇み続けていた。

 

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