「じゃあ真夜とスクアーロも帰ってきたことだし、そろそろ話してもらおうかしら!」
「ししっ、さんせー」
お風呂から戻ってきた私とスクアーロがソファーに座ると、ベル達も椅子に座ったり近くの壁に凭れたりと聞く体勢をとった。
「あ、そうだ真夜。話す前に、その敬語やめていいわよ~?」
「え?」
「未来のあなたは私達に敬語使っていなかったから、今のあなたも敬語なんて使わなくていいわよ」
どうやら未来の私は、結構ヴァリアーを信用していたみたいだ。
「わかったわ」
敬語をやめて微笑むと、ベルが「しししっ、それでこそ姫」と楽しそうに笑う。何か姫扱いされてるんだけど。
和やかに談笑していると、ザンザスが飽きたのか静かに、だけど通る声で命令する。
「話せ」
ザンザスの短い言葉を聞いた私達は和んだ雰囲気を即座に消し、すぐさま元の鋭い雰囲気に戻ってから口を開く。
「今日、過去ではツナ達がいなくなってから一週間が経ったの。学校や街ではツナ達は集団失踪として騒がれていて、私はツナの母親達を慰めてから家に帰ってお風呂に入り、上がったところで突然十年後の未来に来てしまったというわけ」
説明し終えると、フランが私の服を指差しながら質問してきた。
「あのー、真夜さんの今着てる服ってどうしたんですかー? ヴァリアーが持ってる服じゃないですよねー。それに隊長達と普通に話してますけど、十年前って隊長達とまだ会ってないのにどうして名前知ってるんですかー?」
誰も突っ込んでこないところを的確に尋ねてきた。でかい被り物のカエルとフランが、じっとこっちを見つめてくる。
「フラン、スクアーロ達がどうして何も聞いてこないのかは、多分私のことをよく知っているからよ。骸から一度くらい聞いたことあるでしょう? 私は何でも知ってるの」
「じゃあこの未来で起こっていることもみーんな知ってるんですかー?」
「知ってるわよ。ツナ達が十年バズーカで未来に連れてこられたことも、未来は今、白蘭に支配されているんだってことも、フランがこれから何をするのかってことも全部。あと服は過去であらかじめ用意していたものをワープさせて持ってきたのよ」
フランに不敵に笑ってみせてから、私は人差し指でくるくると円をかき、用意していたキャリーケースを目の前にワープさせた。
急に現れたキャリーケースを見て、フランは「おー!」と無表情で拍手する。
他のメンバーが驚いていないということは、未来の私がワープを使っているのを見たことがあるのかもしれない。