《久しぶりだな。真夜》
《チェッカーフェイス。どうしたの?》
突然黙った私を無表情で見つめながらも、気配の主が現れるかもしれないとフランは目線を彷徨わせる。
《実は、この戦いを君が終わらせてしまったら厄介なことになるから、少し大人しくしていてもらう》
《別に私はこの戦いにそこまで関与するつもりは……》
ない、と続けようとしたのにチェッカーフェイスは最後まで話させてくれず、聞き覚えのある爆発音がし、煙が私を包んだ。
「あ……、やられた」
「真夜さんて、実は赤ん坊だったんですかー」
「そんなわけないでしょう。バカも休み休み言いなさい」
煙が消え去ると、私はアルコバレーノ達と同じ身長になっていた。
おしゃぶりがついていて、これは他のアルコバレーノのおしゃぶりとは違い虹色だ。
私とチェッカーフェイスの身体は超回復や超再生する体質で、ほぼ無尽蔵と言っても過言じゃないんたけど、その二つを止められてしまうと死んでしまう。
まぁ今この話はあまり関係ないから置いておいて、どうやらそのおしゃぶりが私の力をものすごい速さで吸収しているようだ。これじゃ本来の半分の力しか出せない。
まったく、私が手を貸したら未来が変わってしまうから、なるべく傍観してるって話そうとしたのに遮るんだから。
トリップする時にただこの地球に来てくれるだけでいいとか言っていたくせに、自分勝手な男だ。
これは、物語を崩すなということなのかな?
それとも何か、別の思惑があったりするのかもしれない。
ちなみに洋服も一緒に小さくなってくれたから、私は裸にならずに済んでいる。
「とりあえず、ミルク飲みます?」
「あなたの大事な愚息と永久のお別れをさせてあげましょうか?」
「結構です」
相変わらずキャラブレブレですね、フランさん。
「はぁ……もういいわ。フラン、空いている部屋はないかしら? もう寝ようと思うのだけれど、どの部屋に入ればいいのか分からなくて」
小さくなった手で前髪を掻き上げる。この身体は未来編が終わったら元に戻るのか、まだ分からない。長い付き合いにならないことを願うしかないか。
「あれ、真夜さんてボスに部屋へ連れてかれたんじゃなかったでしたっけ~?」
……あの部屋には誰もいなかったのに、どうしてそのことを知っているんだろう。まぁいいか。
「ちょっと色々あったのよ。それでどこに泊まればいいのか分からなくなったから歩いていたらフランと会ったの」
「そうことなら、まっかせて下さーい。拷問部屋まで案内しま……」
「削ぐわよ」
「やだなー、冗談じゃないですか。ミーも明日すごーいかったるい用事があるんで遠慮します」
フランのいう用事というのは、十中八九骸の手助けだろう。
歩き出すカエル頭の後を追いながら、漫画で見た牢獄に閉じ込められている骸を思い出す。
そういえば、さっきフランが師匠が長年片想いしてる人だとか私のこと言ってたけど、あれって本当なのか?
骸はクロームのこと好きになりそうだったのに、どうしてだろう?
私が骸に何かしたのか、それとも身体を乗っ取りたいという意味での片想いなのか、実際に会って聞いてみるしかない。
「フラン、骸に私と会うまでに死にそうになったりしたら、頭の葉っぱの部分刈っちゃうわよって言っておいてくれる?」
「ププ、了解ですー」
その後、案内された空き部屋はフラン部屋の隣で、お礼を言って部屋に入った。
幹部の部屋の近くに空き部屋があるのは、何があってもいいよう監視するためだということは分かっていた。
だから、私は何も言わない。
幻覚を使ってフランが私の部屋に入り、いつでも暗殺出来るようずっと警戒していることに。
パイナッポーの果実の上についた芽を植えると、再び結実するそうです。つまり、骸の頭の葉っぱ刈れば、また骸が出来上がるのです。