今回で四回戦も終了します!
さて、誰が勝つのか!?
では、どうぞ!
〜恭弥side〜
(ん?やっと終わったのか?)
ただひたすらダブルネックギターの練習をしていたせいか、夜椿の演奏が終わったのを少ししてから気づいた。
ステージ上にいる夜椿の様子を見、上がっても良さそうだったのでステージ横の階段から上がっていく。
ステージに上がってくる俺に夜椿は、
「マジで熟練の奏者みたいになってるぜ、恭弥。」
服の袖で額を拭いながら、俺に話しかけてきた。
「うるせぇ。誰のせいでこんな目にあったと思ってんだ。」
俺は夜椿にしかめっ面で答える。
そんな俺に苦笑しながらも夜椿は相変わらずの表情で、
「まぁまぁ、そう言わずに練習の成果を見せてみろよ。」
コイツは......。
ハァ、諦めるか.........。
「しょうがねえなぁ。」
そう言いながら俺はギターを弾き始める。
勿論さっき発動した特典は継続中なのでアグナムと同じように熱い演奏になる。
というより、俺が引っ張られているのか弾いていく毎に心が熱くなっていく。
その熱に流されながらも他の特典の効果や、練習の成果で自分なりに操る。
そんな俺が予想外だったのか、夜椿はキョトンとする。
「これで文句ないだろ?」
「.........想像以上だよ。」
よし、意趣返しは出来たな。
「それじゃあ早速ギフトゲームを始めよっか。先行は..........そっちからでいいよ。」
「そうか、ユウキ。」
「ボクはいつでもいいよー!」
さっきまでの演奏による雰囲気なんか無視して俺たち三人はマイペースに話す。
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「ア〜〜ア〜ア〜〜〜♪」
ユウキの発声練習の横で俺は最終調整をする。
「よし! いつでもいいよ!」
発声練習とマイクの音量調整が終わり、ユウキは目を閉じて所定の位置に立った。
準備が整ったらしい。
夜椿が俺にアイコンタクトを送ってきたので首を縦に振り、いつでも演奏出来るように構える。
ヤベ、若干緊張してきた。
会場の空気はガラリと変わり、静まり返る。
夜椿の演奏により、ここにいる全員はさらなる音を求める様になっていた。
そのおかげでプレッシャーが半端じゃない。
夜椿は金管楽器を弾き始め、ユウキは歌い始める。
さっきの発声練習とは比にならないほど美しく、綺麗で透き通る様な歌声をユウキは披露する。
陽気で素敵な歌声は会場全体をあっという間に魅了し、支配した。
容姿も整っている女の子がこんな素晴らしい歌を発表すれば─────
「ウオオオオオオォォォッ!」
必然的に会場は湧く。
さっきの夜椿の演奏にはそよ風の様に優しい演奏があったわけだが、これは完全にそれを超えていた。
聞く者を優しく包み込む様な歌声は、それでいて気持ちを昂ぶらせる効果も持ち合わせ、まさに最高の一言の尽きるだろう。
「ありがとうございました!」
ユウキが礼儀正しく一礼すると、会場からこんな声が鳴り響いた。
「ユウキちゃーーーーん! 最ッ高ーーー!!」
この歓声をだしたのは
見る者を幸せにすることができるであろうその笑顔は完全に観客の心を奪っていった。
因みに今回のギフトゲームは気に入った方に投票するというシステムになっている。
ルンルン気分のユウキをステージ脇まで見送り、十六夜に上がってこいと合図を出した夜椿。
刹那、十六夜が第三宇宙速度で飛翔してきた。
.........何やってんだコイツ?
地面へ着地した轟音により、会場の視線は一斉に十六夜に向けられる。
そしてそのまま─────
「ハッ、お前ら! なにしけた顔してるんだ。まさかもう勝負は決まったと? いいか! 俺がさらに盛り上げてやる!! 耳の穴かっぽじってよく聴いとけ!!!」
この言葉に少なからず頭にきた者はいたらしく、ムッとした顔をする。
これが十六夜の狙いだろうか?
あえて悪目立ちをし、そして反感を買うことによりさっきまでユウキの歌声に魅了されていた奴らの意識を引き寄せたのだろう。
(これが逆廻十六夜か......。)
〜三人称side〜
問題児たちの世界を特典として出せる恭弥だが、目の当たりにした十六夜の凄さに圧倒された。
そして、会場の意識が十六夜に集中し、十六夜はユウキ同様所定の位置に立ち、いつでも歌える体勢になる。
夜椿から、合わせるから弾いてくれ、的な合図がきたので準備をし、演奏が始まる────
誰もがその歌を聴いてまず思ったこと、それは─────『凄まじい』だと思われる。
先ほどの十六夜の態度が気に入らないと思っていた観客の顔は明らかに全く別のものを見る目になっていた。
例えば、一般人が汚いツボを見つけたとしよう。
通常そんなものに目をくれる奴など0に等しいが、その中に札束が入っていれば話は別だ。
無価値なものがいきなり価値あるものになった。
目を引くにはそれで十分。
十六夜の歌声は嵐の様に荒々しく、魂までもが奮いたってる様に錯覚させた。
ユウキの歌声が心を奪うと例えるなら、十六夜の歌声は心を鷲掴み、束縛する......と断言できる。
正反対で、荒くれている。
チャンスは自ら掴み取るものだと。
言わんばかりのその歌はノーネームの在るべき姿を体現したかの様に思えた。
そんな歌に観客の心は、魂は、ものの数分で魅入られていた─────
演奏が終わり、特に挨拶もすることなく十六夜はステージを降りて行った。
が、観客は違った。
席を立ち、拍手を送り、十六夜を賞賛している。
俗に言うスタンディングオベーション。
ユウキの時も起きたが、席を立ったのは大半が男性、対する十六夜は僅かばかりの男性と大多数の女性でバランスが取れている結果になった。
正直言ってどっちが勝つかわからない。
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〜恭弥side〜
『それでは、投票に移りたいと思います! 手元にそれぞれ二色の紙が配られたましたね? 赤色が新神 木綿季 様、青色が逆廻 十六夜 様をそれぞれ表しています。皆様は気に入ったお方を表す色紙を空中に投げて下さい。なお投票権は一度だけです。では、お願いします!』
黒ウサギの説明を聞き終え、観客は空中に勢いよく紙を投げ捨てる。
すると紙は意思を持っているように動き出し、全てある一ヶ所に向かって飛んで行った。
赤と青の二色が醸し出す風景はとても幻想的で、ウチの女子連中は見惚れている。
紙は白夜叉がいつの間にか片手に持っていた小さな二つの箱に入っていく。
箱の大きさ会場全体から送られてくる量を明らかに超えているかに見えるが、紙はドンドン吸い込まれていく。
集計が終わったのか、黒ウサギが結果が書かれているであろう紙切れを片手に一言。
『それでは、結果を発表します! 簡易ギフトゲーム" 智知る闘士と奏でる剣士 " 、勝者は────" ノーネーム " 逆廻 十六夜 様です!』
「ウオオオオオオォォォォッ!」
観客席から聞こえてくる多数の雄叫びが全体に響き渡る。
観客は立って歓声をあげるものと落ち込んで座っているもの、見事に二分割されていた。
『双方素晴らしい歌でしたが、43票という僅かな差によって勝敗が決しました。』
十万を超える観客の内たったの43票差、本当に僅差だな。
すると会場にあった道具類が全て無くなり綺麗になった。
その近くに夜椿がいるということは、そういうことだろう。
「あ〜あ、負けちゃった。ご褒美欲しかったんだけどな〜。」
「ドンマイとしか言えないな。」
あんまり甘やかすのもダメだしな。
いかがだったてしょうか?
イヤーそれにしても夏休みが終わり就職活動も大詰めになったとたんに担任と、サークルの先生と板挟みになってしまった。
互いに意見が違うから心理的ストレスががががががが。
ま、まぁ気にせずに次回お会いしましょう!