ラブライブ!-女神と武神のアイドル戦極記-   作:Professor灰猫

4 / 14
戦極祐也(せんごくゆうや) 16歳(プロローグの時点)

この世界での主人公の1人。矢澤にこ、葛葉幸汰と共にヘルヘイムの森に迷い込み、戦極ドライバーを入手した後、夢に出てきた鎧武者の様に変身し『武神鎧武』となってしまった
一人暮らしで、父と母はユグドラシル・コーポレーションの研究員。妹もいるが、父と母に付いて行った。突如、自分の手の中にあった『力』に戸惑い、脅威となるインベスがまた出てこない事を願うが……




參話 武神

「ふあぁぁぁ〜〜……よし、やるか!」

 

 

朝の五時半、俺はアパートの近くの廃工場であくびをしていた。実を言うと、昨日は変身のせいか疲れていて、歯を磨いて風呂に入った後すぐに寝てしまった。寝た時刻は八時くらい。高校生が寝るのには早過ぎるので、こうして早く目覚めてしまったのだ。

 

俺の腰にはあの黒いバックルが、ドライバーとして巻かれている。そう……俺が人目のつかない廃工場に来た理由は……。

 

 

「変身!」

 

 

『パイン!』

 

 

昨日、森で手にいれたブラッドオレンジとは違う二つの錠前の確認だ。仮にまたあの様な怪物が出てきてもらっても困る。もう出ては来ないと信じたいが、やはり念には念を入れたい。

 

という訳でまずはブラッドオレンジと同じ、押し込み式の解錠スイッチが付いた、パイナップルの錠前を解錠する。すると、やはり頭上にあのファスナー状の裂け目が現れて、そこからパイナップルの形をした鎧が現れる。

 

 

「やっぱりパイナップルか……」

 

 

『ロックオン!』

 

 

そう呟きながら、パイナップルの錠前を窪みにはめて施錠する。昨日の様に施錠すると、またギター音が流れ始めた。正直な所、この音は耳に来るので余り聴きたくはないが、そこは突っ込まずに小刀を倒した。

 

 

『パインアームズ!粉砕・デストロイ!』

 

 

「うぉぉ……って、これ鉄球か?」

 

 

ギター音が鳴り響くと、パイナップルの鎧が降りてきて鎧が開く。右手には、パイナップルの鉄球が鎖で繋がれている。俺はそれを軽く振り回してみる。使い勝手は余り悪くはなさそうだが、やはり二刀流や薙刀に出来るブラッドオレンジの方が使いやすそうだ。

 

 

「振り回して廃工場壊したりしたら危ねぇからな……よし、次」

 

 

もう一つの錠前を見やる。これは他の二つよりも大きく、果実を模しているというよりは……花だろうか。恐らく桜だと思われる。

 

俺はその錠前を解錠した。すると、その錠前は俺の手から離れて形を変える。さらには巨大化し、立派なバイクになってしまった。

 

 

「え……まじで?これ乗れ……乗れんじゃん!」

 

 

桜のバイクにまたがって、エンジンを掛ける動作をしてみる。すると、ちゃんとエンジンが掛かるではないか。バイク免許は取っていたが、バイク自体は持っていなかったので、タダで入手した分めちゃくちゃお得であり、俺は気分が高揚していた。

 

 

『ロックオフ』

 

 

「朝早いけど、ちょっとそこら辺乗ってくるか!」

 

 

俺は錠前を閉じて変身を解除し、上着の裏ポケットにバックルをしまう。そのまま桜のバイクを走らせ、廃工場を飛び出した。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

桜のバイク……名前をつけて『サクラハリケーン』としよう。サクラはいいとして、なんでハリケーンかって?何か風を切る感じで……うん。

 

そのサクラハリケーンを走らせていると、長階段が見えてくる……そこは俺が昔から来ている所だった。

 

『神田明神』────俺が住んでいる近くの歴史ある神社だ。やはり最初に目に付くのはこの長階段……もはやトレーニングが出来るのではないだろうか。

 

そんな事考えながら長階段を登っていく。昨日あんな事があったばかりなので、御参りするのもいいんじゃないだろうか。

 

登り終わると、境内を箒で掃いている巫女さんがいた。……そいつが普通の巫女さんだったら良かったものの、紫色の髪の毛にとんでもない胸……俺には見覚えのある奴にしか見えなかった。

 

 

「……希か?」

 

「えっ……ゆうっち?あはは……朝早くにどうしたん?」

 

「いや、俺は早く目覚めちまっただけなんだけどな……希は何やってんだ?」

 

「んー、巫女さん?ちょっとしたアルバイト始めたんよ」

 

 

俺をゆうっちと呼ぶ奴の名前は東條(とうじょう)(のぞみ)。俺とにこが中学の二年頃に、転校してきて同じクラスだったのだ。最初は余り話す事が無かったが、希のタロット占いをやってもらってから徐々に仲良くなり、今に至っている。似非関西弁が目立つような気もするが、俺やにこは慣れてしまっている。

 

 

「……」

 

「なんや〜ジロジロ見て……。あ、似合う?」

 

「に、似合うぞ」

 

「ん〜?触りたいん?ええでぇ〜ゆうっちも男の子やもんなぁ〜」

 

「やめろって……!」

 

 

希が胸を押し当ててくるので、それを両手で引き剥がそうとする。と、こんな感じに希は仲がいい奴には、なりふり構わずセクハラを仕掛けてくる。にこも希の必殺技とも言える胸揉み、わしわしMAXの被害者だ。

 

確かに希の巫女姿は凄く似合っている。神秘的なオーラというものだろうか……そのスピリチュアルとかそんな感じが凄い。胸も……な。だが希がセクハラしてくるので、かなり台無しになったが。

 

 

「はぁ……何で俺の周りには、こんなに苦労人が多いんだか……」

 

「それどういう意味?」

 

「だから、希もにこも色々苦労してるなって事」

 

「まぁ……一人暮らしやし?それを言うならゆうっちもやん」

 

「俺はまだいい方だよ」

 

「まぁ確かに、にこっちと比べれば……な?」

 

「……」

 

 

希はこの歳で一人暮らしをしている。俺もそうだが、俺は男なので問題ない。一方、希は華の女子高生だ。女子高生がマンションで一人暮らしなど、親がよく許してあげたものだと思う。

 

にこは一人暮らしという訳でもないが、逆に言えば3人の姉弟達をお世話しなければならない。女子高生+主婦をやっているようなものだ。言いたくないが、にこは人間関係でも少々問題があるので、俺や希よりも精神的に辛いであろう。

 

ちょっと雰囲気が暗くなってしまったので、ここで話題を変える事にしよう。

 

 

「……そういや昨日、幸汰に会ったな」

 

「え、ほんまに?こうちゃん元気にしてた?」

 

「あぁ。いつも通りだったぞ」

 

「良かったぁ〜……こうちゃん寂しくしてるかと思ったわぁ……」

 

「それ何回目だよ。幸汰の事だから大丈夫だろうし、寂しいのは希の方なんじゃないか?」

 

「ち、違うもん。ウチ寂しくなんてないし」

 

 

そう言うと希はそっぽを向いてしまった。幸汰も同じ中学だったので、希とは俺ら繋がりで話す事が多かった。チーム鎧武で踊っていた時は、幸汰のファン的な存在だったのだ。

 

相当仲が良いのだが、希は打たれ弱いのでこんな感じに顔を赤らめる。希もちゃんと乙女心があるのだと思う。

 

 

「……今、失礼な事考えなかった?」

 

「…………考えてません」

 

「嘘つきにはお仕置きやなぁ……ふふふふ……」

 

「や、やめ……あははははぁ!ハァ、あははは、は!」

 

 

希の目は笑っていない。わしわしMAXの手つきをすると……俺の脇腹をくすぐってきた。俺はこれに弱いので、とんでもない笑いが込み上げてくる。

 

 

「ん?なんやこれ。バックル?」

 

「あはは……!希っ、それは……」

 

 

希が俺の裏ポケットを探ると、あのバックルを取り出した。俺が止めようとするが、時は既に遅し。希の腰にドライバーが巻かれ……無かった。

 

 

「なんや〜なんも起こらんやん……って、ゆうっち?」

 

「……へ?」

 

「何ポカンとしてるんや?」

 

「ちょ、ちょっと貸してみろ!」

 

「う、うん……」

 

 

俺はそのバックルが壊れてしまったのかと思い、希から少々強引にだが返してもらう。そしてそのバックルを腰に当てると、しっかりベルトが巻かれていったのだ。

 

 

「わ〜スピリチュアルやな。ゆうっちにしか使えんの?あと、それって何に使うんや?」

 

「え……えっと……」

 

 

俺は説明に困った。希にはあんな事言えないし、希にベルトが巻かれなかった事は、俺にも分からなかった。だからといって希に嘘をつくのも、俺は出来ればしたくない。希は嘘をつかれるのが大嫌いだ。

 

 

 

 

 

そんな感じに俺がアタフタしている時、何処かでジッパーが開く音がした。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「っ!希、危ない!」

 

「えっ────きゃうっ!?」

 

 

咄嗟に、祐也は希を横に押し倒した。地面はコンクリートなので、流石に少し痛むようだ。

 

 

「痛たた……ってゆうっち!どこ触って────!」

 

《グルァァァ……》

 

「……すまねぇ、希。揉んだ事は後で謝る……今はそれどころじゃねぇ」

 

 

希は目の前にいたモノに恐怖し、祐也に胸を揉まれた事も忘れて声が出なくなっていた。そのモノとは、二足歩行だが人とはかけ離れて、頭部と背中には橙色と青色をした枝角を持った怪物『シカインべス』だった。

 

祐也は希に声をかけた後、すぐに立ち上がりブラッドオレンジロックシードを握りしめ、解錠した。

 

 

「変身」

 

 

『ブラッドオレンジ!』

 

 

「え……って、オレンジ!?」

 

「同じ事言うなぁ……」

 

 

頭上には裂け目『クラック』が開き、そこからブラッドオレンジの鎧が出てくる。希の反応が幸汰とあまりにも似ていたので、祐也は苦笑しながらも戦極ドライバーに施錠する。

 

 

『ロックオン!』

 

 

施錠すればギターの待機音声が流れてくる。そして冷静になりながら、カッティングブレードを倒した。

 

 

『ブラッドオレンジアームズ!邪ノ道・オンステージ!』

 

 

そしてブラッドオレンジロックシードの断面が切り開かれ、鎧が降りてきて身体は紺色のパワースーツ包み込まれる。鎧が開かれた姿を見て、希は口を開けて驚いていた。

 

 

「武神、鎧武……!」

 

 

希はその姿を何度か見た事がある。だがそれは実際にではなく、神社の奥にあった胡散臭い洋な古い書物に載ってあったのだ。

 

 

それは時を遡る程、今から約500年前────戦国乱世の真っ只中。

 

天下統一を目指す為、武将と同盟を組んでそれに仕える────『武神ライダー』と呼ばれる存在があった。

 

だがその中に、突如現れ何処にも属さない武神ライダーがいた────それが武神(ぶじん)鎧武(がいむ)である。

 

武神鎧武は我が欲望の達成の為に、他の武神ライダーを倒して自分の力にした。更には『運命の巫女』と呼ばれる存在を手に入れようとしたが失敗。そして追いつめられた時、この神田明神が置かれた場所にあったご神木と、一体化したと言われている。

 

その野望は『ウィザード』と名乗るライダーと『アーマードライダー鎧武』という武神鎧武に極似したライダーに見事に打ち砕かれてしまったのだが。

 

そしてご神木に蓄えられていた水が、雨となって降り戦は無くなる。その後────『イエヤス』と名乗る青年が、天下を治めたという……なんとも信じ難い話があったのだ。

 

 

だが……その武神鎧武が、今目の前にいる。それも、自分の幼馴染みの祐也が変身してしまったのだ。希は開いた口が塞がらない。

 

 

 

 

 

そして彼はシカインべスに向かって、こう言い放った。

 

 

 

 

 

「ここからは俺のステージだ……」

 

 

 

 

 

武神になった少年が生み出すのは『創造』か『破壊』か────

 

 

 

 

 




やっぱり希にはバレます────これは俺の世界での鉄則。あと幸汰×希も

だからといって全員にはバラさない……そうなるとキツい


あれ……この世界もしかして……と思った感のいいガキは嫌いだぜ(シドVoice)

てな訳で次回はパイン回!シリアスあればいいと思ってます

パインパインにしてやるぜ!(ISの方は、こちらがある程度進んだら出します)





彼はどちらを選ぶんでしょうかね?






  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。