海未 :「すみません、所用で遅れてしまい…ま…し…た…と穂乃果、ひとりだけですか?」
穂乃果:「珍しく、みんな用があって遅れてくるみたい」
海未 :「はて…今日はこれから雪でも降るのでしょうか?」
穂乃果:「こんなに晴れてるのに?」
海未 :「…」
穂乃果:「えっ?なに?」
海未 :「いえ…なんでもありません…。それより…ここにある、この『大きな机』はなんでしょうか?入った瞬間、実はこちらの方が気になったのですが…」
穂乃果:「えっ?海未ちゃん知らないの?これは『雀卓』って言うんだよ」
海未 :「えぇ存じております。それが…なぜ、部室にあるのですか!?」
穂乃果:「えっと、それコンビニに…」
海未 :「売ってません!コンビニのレジの前には置いてません!」
穂乃果:「たははは…バレたか…」
海未 :「しかも、そのネタは前回使いましたから」
穂乃果:「だよね…。実はさ、ずっとお父さんの部屋にあったんだけど…使わないから捨てる…って話になって、捨てるなら穂乃果が貰うよ…ってなって、でも部屋には置いとけないしなぁ…ってことで」
海未 :「部室に持ってきたのですか?」
穂乃果:「軽トラで運んでもらった」
海未 :「なぜ?」
穂乃果:「なぜ?」
海未 :「なぜ、女子校の部室に雀卓が必要なのでしょうか?」
穂乃果:「ヒマな時に…遊ぶ?」
海未 :「何を言ってるのか、わかりませんが…」
穂乃果:「だから…」
海未 :「いいですか!部室に雀卓などというのは、不良とタバコがセットになって初めて成り立つアイテムなのです!私たちには全く似つかわしくありません!今すぐ、処分してください!」
穂乃果:「えぇっ!捨てちゃうの?まだ使えるみたいだし、もったいないじゃん!!」
海未 :「そういう問題ではありません!」
希 :「ん?どないしたん?そんな大きな声出して」
絵里 :「いつものことじゃない…」
にこ :「本当、飽きもせずよくやるわ」
ことり:「まぁ、それでこそ穂乃果ちゃんと海未ちゃんなんだけど」
凛 :「海未ちゃんはお腹が減ってイライラしてるのかなぁ?」
真姫 :「そんなわけないでしょ、花陽じゃあるまいし…」
花陽 :「へっ?」
真姫 :「強いていうなら、カルシウム不足じゃない?…って…何、この大きな机は…」
海未 :「みなさん揃ったようですね?」
絵里 :「偶然、そこで一緒になっちゃって…」
海未 :「それなら話は早いです」
穂乃果:「ひとりずつ説明するのは面倒だもんね!」
海未 :「いえ、そもそも、そんな原因を作らなければよいだけの話なのですが…」
穂乃果:「実はさ…ほのほのしじかじか…ってことで…」
にこ :「はぁ?何、部室に私物を勝手に持ち込んでるのよ!」
穂乃果:「にこちゃんは人のこと言えないでしょ!」
にこ :「アタシのはアイドル活動に必要なものだから!」
穂乃果:「えぇ?アイドルって麻雀しちゃいけないの?」
花陽 :「確かに…麻雀を打つアイドルがいないわけではないけど…」
穂乃果:「さすが花陽ちゃん!話がわかるぅ」
海未 :「そういうことではありません。教育の場に、このようなものはふさわしくない!と言ってるのです!」
穂乃果:「その辺は…ほら…ことりちゃんがお母さんに『おねが~い♡』っていえば、なんとかなりそうじゃん」
ことり:「なるかなぁ?」
海未 :「なりません!」
絵里 :「認められないわぁ!理事長が認めても、私が認めないわ」
穂乃果:「いや、絵里ちゃんに、そんな決定権はないでしょ!」
海未 :「とにかく不健全です!」
穂乃果:「でもさ…普段、海未ちゃんは穂乃果に向かって『少しは頭を使いなさい!』とか言うじゃん?麻雀って頭をすごく使うらしいよ。だからボケ防止にいい…って聴いたことない?」
希 :「間違った話ではないんやけど…」
真姫 :「根本的に論点がズレてるわね」
海未 :「仮に…百歩譲ったとして…です」
希 :「譲るんや」
真姫 :「譲るのね」
海未 :「仮にです、仮に。仮に…それが頭によい!…として…」
にこ :「あぁ、それ?それは確かに譲りたくなるわ。海未にとってメリットしかないもの」
凛 :「穂乃果ちゃんが、頭よくなったら無敵になるかもにゃ」
希 :「そういう意味では、にこっちもやった方がいいんちゃう?」
真姫 :「凛もね!」
にこ :「もらい事故発生」
凛 :「凛もぶつけられたにゃ…」
海未 :「外野、うるさいです!!」
一同 :「…」
穂乃果:「…で…百歩譲って…なにさ?」
海未 :「そもそも論として…いつ、これをするのでしょう?」
穂乃果:「へっ?だ、だから…一番最初に言ったじゃん!ヒマな時に…」
海未 :「私たちにヒマな時間などあるのですか?私は作詞、真姫は作曲、ことりは衣装作成…ほかのメンバーもそれぞれの仕事を手伝ったり、家の事情があったり…もちろん勉強したりして、それはそれは急がしい日々を過ごしているのに…穂乃果だけはとてつもなくヒマなのですね?」
穂乃果:「うぐっ…」
海未 :「わかりました。では、麻雀は穂乃果ひとりで遊んでください」
穂乃果:「いや…ヒマな時…って言うのは、語弊があったよ…えっと…その…ほら、アレだ、アレ!うん、μ'sのみんなでジャンケンして、負けた人がジュース買いに行く時があるじゃん?」
海未 :「はぁ…」
穂乃果:「そういう時に、これで決める!っていうのはどうよ」
一同 :「はぁ?」
海未 :「あなたは馬鹿ですか?そんなことをしたら、毎回買いに行く人は決まってしまうではありませんか?」
穂乃果:「そんなことわかんないじゃん!確かに頭が良くないと、難しいかもだけど…『運』だってあるわけでしょ?頭がいい人が100%勝つんだったら、ゲームとして成り立たないじゃん!」
希 :「それは一理あるかも…やね」
海未 :「希…」
希 :「機械相手のギャンブルやなくて、こういうのは、心理戦の要素があるから…」
穂乃果:「ほら、海未ちゃんなんて、頭良くてもババ抜きで一度も勝てないんだから、穂乃果たちが必ず負けるとも限らないでしょ?」
にこ :「穂乃果たち…って、勝手にアタシを入れないでよ」
凛 :「凛も仲間に入れるのは、やめてほしいにゃ」
穂乃果:「えっ?仲間でしょ?」
希 :「そやけど…ジュース買いに行くのに毎回毎回、卓を囲んでたら日が暮れちゃうけどなぁ」
穂乃果:「ま、まぁ…そうだけど…例えばの話だから…」
海未 :「わかりました。そこまで言うのなら認めましょう!」
穂乃果:「さすが海未ちゃん!」
にこ :「いや、部長はアタシなんだけど…」
海未 :「ところで…最後にひとつ確認があります」
穂乃果:「ん?」
海未 :「あなたは…麻雀が打てるのですか?」
穂乃果:「ん?」
海未 :「麻雀のルールを知っているのですか?」
穂乃果:「ん?」
海未 :「まさかと思いますが…」
穂乃果:「あはは…いやぁ…その…まさか…だったりして…これは海未ちゃんに一本取られた…」
海未 :「あなたって人は!!」
穂乃果:「うわぁ!誰か助けてぇ」
一同 :「…」
穂乃果:「あれ?『ちょっと待っててぇ!』は?…えっ?何、穂乃果、今、孤立無援?四面楚歌って感じ?」
希 :「まぁ、想像通りのオチやね…」
~つづく~
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Aqoursの話が少ない!