3×3=μ's(さざんがミュ~ズ)   作:スターダイヤモンド

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μ's × Aqours その14

 

 

 

 

【ドラフト会議②】

 

ヒデコ「それでは2巡目の指名をお願いします」

 

 

 

希「…」

 

絵里「…」

 

にこ「…」

 

 

 

ヒデコ「入札が終わったようですね」

 

フミコ「みたいですね」

 

ヒデコ「では、結果を聴きましょう」

 

 

 

≪第2巡選択希望選手…『希のノゾキ見 純EYEレンズ』…『小泉花陽…音ノ木坂学院…1年…』≫

 

 

 

≪第2巡希望選択選手…『ERI The Best “Tea Room”』…『小泉花陽…音ノ木坂学院…1年…』≫

 

 

 

≪第2回希望選択選手…『ラブにこ☆アイドルらぼらとりー』…『小泉花陽…音ノ木坂学院…1年…』≫

 

 

 

ヒデコ「あぁ~!!なんと!2巡目も全員同じ…小泉さんを指名しました!!いくら作者が『花陽推し』とはいえ…これは露骨ですねぇ…」

 

フミコ「どうでしょう…先ほどと違って、これは完全に東條さんと絢瀬さんが、矢澤さんを『潰し』にいったと思いますが」

 

 

 

にこ「信じられない!アタシが花陽を獲りにいくのは、わかってるハズじゃない!それは番組名からして明らかでしょ!?ふたりは相思相愛なのよ!そこを横獲り?敢えて競合で狙うなんて、どういうつもりよ!」

 

 

 

希「ウチはワシワシ要因として欲しいんやもん」

 

にこ「はぁ!?なにそれ?そんな理由で指名?」

 

 

 

絵里「私は違うわよ。番組のコンセプト上、ことりと共にどうしても花陽が欲しいの。それに『ことぱな』が出れば、男性視聴者も取り込むことが出来るわ」

 

にこ「くっ…一緒にコントをやったからって、そうはさせないわよ!!」

 

絵里「なんのことかしら?」

 

 

 

ヒデコ「それではお三方、抽選箱に手を入れて、カードを引いてください」

 

 

 

希「…」

 

絵里「…」

 

にこ「…」

 

 

 

ヒデコ「開けてください!」

 

 

 

希「…」

 

絵里「!!」

 

にこ「…」

 

 

 

ヒデコ「あっ!!引き当てたのは絢瀬さんです!!今、右手で大きくガッツポーズ!!」

 

 

 

ミカ「早速、お話を伺いましょう。おめでとうございます!今の心境は?」

 

絵里「ハラショーよ!ここまでは、ほぼ100点に近いわ」

 

ミカ「小泉さんはどこのポジションで起用しますか?」

 

絵里「アシスタントかしら。あなたたちが知ってるかは定かじゃないけど…私たちコンビで番組持ってるの」

 

ミカ「あぁ!見たことあります…確か…『火曜から○更かし』とかいう…某SSですね」

 

絵里「そこまでバラさなくても…でも…まぁ、そういうことで、息はバッチリ合ってるわ」

 

 

 

ヒデコ「さぁ…東條さんと矢澤さんは再度、入札となります」

 

フミコ「矢澤さんに関しては、痛恨のミスと言ってもいいでしょうね」

 

ヒデコ「それは何故でしょう?」

 

フミコ「小泉さんは1巡目での指名、もしくは外れ1位…での指名でも獲れましたからねぇ。恐らく東條さんも絢瀬さんも、彼女の指名はないと思って、後回しにしたのだと思いますが…ここで獲れなかったのは本当に痛いと思います」

 

ヒデコ「これがドラフトの恐さ?」

 

フミコ「そうですね…ひと昔前なら『逆指名制度』もありましたが…」

 

ヒデコ「今はありませんものね」

 

フミコ「このあたりで、欲しい人を確実に獲っておかないと、番組の内容がまったく変わってしまうおそれがありますから…ここは双方とも慎重にならざるを得ませんね」

 

 

 

希(う~ん…どないしよ?…『ストレートで獲りにいくならあの娘』なんやけど…『ワシワシ要員としてあの娘』も捨て難いんよね…)

 

にこ(困ったわ。アイドルを語り尽くす番組なのに、ここまで連敗なんて…。ダイヤ、花陽を逃したのは大きすぎるわね…)

 

 

 

ヒデコ「決まったようです。果たしてふたりの選択は?」

 

 

 

≪第2巡選択希望選手…『希のノゾキ見 純EYEレンズ』…『国木田花丸…音ノ木坂学院…1年…』≫

 

 

 

≪第2巡希望選択選手…『ラブにこ☆アイドルらぼらとりー』…『黒澤ルビィ…浦の星女学院…1年…』≫

 

 

 

ヒデコ「これは分かれました」

 

フミコ「矢澤さんの黒沢妹は順当ですね」

 

ヒデコ「順当?」

 

フミコ「残ったメンバーで『アイドル好き』と考えれば…彼女を外すことはできないでしょう」

 

 

 

ミカ「…ということでよろしいでしょうか?」

 

にこ「その通りよ。ここで逃してたら、番組名を変えなきゃいけないとこだったわ」

 

ミカ「まだ、そのピンチは続いていると思いますが…」

 

にこ「ま、まぁね…それはそうだけど…」

 

ミカ「彼女をどのポジションに配置されますか?」

 

にこ「…そこが悩みどころなのよねぇ…まだまだトークを回せそうもないし…マスコット的なアシスタントが無難かしら。隣にいて、アタシのスキルを盗んで欲しいわ」

 

ミカ「なるほど…」

 

 

 

ヒデコ「一方、東條さんの狙いはどこにあるのでしょう?」

 

 

 

ミカ「花丸さんを指名されましたが?」

 

希「ワシワシ要…やない…彼女はお寺の娘さんやん。ウチの番組趣旨にピッタリ合うんやないかと…」

 

ミカ「あっ!確かに…」

 

希「ウチが神社で、彼女が寺院。これで日本のパワースポットの話題は完璧や!」

 

ミカ「それはどうかと思いますが…」

 

希「冗談やって」

 

ミカ「ポジションはどうされますか?」

 

希「④やろか?ウチらで①②③を挟めば、全体的にスピリチュアルパワーが行き渡る感じがせぇへん?」

 

ミカ「そうですね…」

 

 

 

ヒデコ「…ということで、2巡目の選択を終わりました」

 

フミコ「さぁ…ここからが本当の勝負ですね」

 

ヒデコ「残るは…高坂さん、園田さん、星空さん…小原さん、松浦さん、桜内さん、高海さん、渡辺さん、津島さんの9人です」

 

フミコ「東條さんは…津島さんが欲しいとこかと」

 

ヒデコ「趣味が似通ってますからね」

 

フミコ「問題はあと2人をどうするか…」

 

ヒデコ「はい」

 

フミコ「絢瀬さんは…小原さん、松浦さん、桜内さん、渡辺さんあたりを狙ってくるでしょう」

 

ヒデコ「やっぱり『女子力高め』というところがポイントでしょうか?」

 

フミコ「加えて、誰も絢瀬さんを『弄(いじ)らなそう』ですから」

 

ヒデコ「なるほど」

 

フミコ「強いて言えば、小原さんは怪しいかもしれませんが…」

 

ヒデコ「矢澤さんは?」

 

フミコ「正直、一番苦しいです。西木野さん、黒澤妹の獲得できたのは悪くないと思いますが、ここからが難しいでしょうね。抽選の2連敗が響いてます」

 

ヒデコ「そうですねぇ…表立ってアイドル好きという感じは…高海さんくらいでしょうか」

 

フミコ「気心が知れている…という意味では…高坂さん、星空さんも残っていますが」

 

ヒデコ「そうすると『三○鹿』が揃い踏みですね」

 

フミコ「はい」

 

ヒデコ「ですが…どちらかというと、矢澤さんはそのふたりに『弄られる側』かと」

 

フミコ「そこなんですよねぇ。そこを矢澤さんが、どう捉えるか」

 

ヒデコ「次はいよいよ3巡目の入札です」

 

 

 

希(はてさて…どないしょ?)

 

絵里(私は選択肢が多い分、多少余裕があるけど…希とにこの出方次第ってとこよね)

 

にこ(アタシがMCの番組なのよ…ゲストの乗っ取られでもしたら、本末転倒だわ)

 

 

 

ヒデコ「それでは3巡目の指名をお願いします」

 

 

 

希「…」

 

絵里「…」

 

にこ「…」

 

 

 

ヒデコ「入札が終わったようですね」

 

フミコ「みたいですね」

 

ヒデコ「では結果を聴きましょう」

 

 

 

≪第3巡選択希望選手…『希のノゾキ見 純EYEレンズ』…『津島善子…浦の星女学院…1年…』≫

 

 

 

≪第3巡希望選択選手…『ERI The Best “Tea Room”』…『桜内梨子…浦の星女学院…2年…』≫

 

 

 

≪第3巡希望選択選手…『ラブにこ☆アイドルらぼらとりー』…『津島善子…浦の星女学院…1年…』≫

 

 

 

 

 

希「あぁ…また、にこっちと被ったん?」

 

にこ「希、なんでアタシの邪魔するのよ!」

 

希「いや、今回は、ウチが善子ちゃんを狙ってたんはわかってたやろ?にこっちが邪魔したんやん」

 

 

 

ヒデコ「そんな中、1本釣りに成功したのは、絢瀬さんです」

 

フミコ「3巡目で初めて抽選なしで獲得しましたね」

 

 

 

ミカ「放送席、放送席…絢瀬さんです。見事、桜内さんを手に入れました」

 

絵里「えぇ…ここまでの結果が順調すぎて恐いわ」

 

ミカ「どのあたりが、獲得のポイントでしょうか?」

 

絵里「やっぱり…佇(たたず)まいがエレガントなところかしら。騒がしくないというか…」

 

ミカ「これで、かなり番組のイメージが沸いてきたんじゃないですか?」

 

絵里「そうね…。穏やかな音楽が流れる中、ソファに座ってロシアンティーを飲みながら、まったりと好きな趣味について語り合う。…最高だわ…」

 

ミカ「彼女にはどのポジションで?」

 

絵里「③ね。梨子って、すごくニュートラルな感じがするの。だから②と④に誰が来ても『ワンクッション入る』っていうか…」

 

ミカ「安定材みたいな?」

 

絵里「そうね。花陽ほど『圧し』に弱くもなさそうだし」

 

ミカ「以上、ここまでの結果にご満悦な様子の絢瀬さんでした」

 

 

 

ヒデコ「一方、またも抽選となったのは…東條さんと矢澤さんです」

 

フミコ「矢澤さんの『津島さん狙い』は想定外でした」

 

ヒデコ「これはどういう戦略でしょうか」

 

 

 

ミカ「…ということですが?」

 

にこ「なんとなくよ、なんとなく。前々から彼女にはシンパシーを感じていたのよ」

 

ミカ「どういうところが?」

 

にこ「まぁ…いいのよ、それは…」

 

 

 

ヒデコ「それでは3回目の抽選となります。矢澤さんは『2度あることは3度ある』となるのか…それとも『3度目の正直』となるのか…。どうぞ、カードを引いてください」

 

 

 

希「…」

 

にこ「…」

 

 

 

ヒデコ「開けてください」

 

 

 

希「…」

 

にこ「!!」

 

 

 

ヒデコ「おぉ!矢澤さんが引き当てました!ついにやりました!」

 

 

 

ミカ「今の気持ちを誰に伝えたいですか?」

 

にこ「ここまでアタシを育ててくれたママに…って、なに言わせるのよ!!」

 

ミカ「ようやく抽選で当たりを引きました。彼女に期待することは」

 

にこ「…『オチ』…」

 

ミカ「えっ?」

 

にこ「オチ担当よ」

 

ミカ「…と申されますと…」

 

にこ「このあとのメンツにもよるけど、下手したら自分の番組なのに、終始アタシが弄られるおそれがあるじゃない?それを避ける為よ。リスク回避ね」

 

ミカ「はぁ…」

 

にこ「だからポジションは当然④よ」

 

ミカ「…だそうです」

 

 

 

ヒデコ「理には適(かな)ってますね」

 

フミコ「はい」

 

ヒデコ「さぁ、東條さんはそうすると外れ3位の指名となりますね」

 

フミコ「ちょっと読めなくなりましたね。リリホワ色を弱めるならAquorsからの選択となりますが…」

 

 

 

希「…」

 

 

 

≪第3巡選択希望選手…『希のノゾキ見 純EYEレンズ』…『高坂穂乃果…音ノ木坂学院…2年…』≫

 

 

 

ヒデコ「あぁ!やっと呼ばれました、我らが主人公、高坂さんです!!」

 

フミコ「最後まで呼ばれなかったらどうしようかと思いました」

 

ヒデコ「作者もそこまで鬼畜ではなかった様です」

 

 

 

ミカ「では東條さんにお話を伺います。ここで高坂さんの指名となりました」

 

希「そうやね」

 

ミカ「どんな役割を期待してでしょうか」

 

希「穂乃果ちゃんは、素直やからねぇ。取り敢えず、どんな話でもビックリしてくれそうやん」

 

ミカ「リアクション芸枠?」

 

希「…ってことになるんかなぁ?善子ちゃんを獲れんかったのは残念やけど…これはこれで悪くないんやない?」

 

ミカ「どちらに配置しますか?」

 

希「①やね…海未ちゃんや凛ちゃんと絡まなかったら、そこまで面倒くさいことにはならんと思うんよ」

 

ミカ「…だそうです…」

 

 

 

ヒデコ「はい、わかりましたぁ」

 

フミコ「そうですねぇ…東條さんのメンバーはなんだかんだ言っても、結構バランスが取れていると思いますよ」

 

ヒデコ「言われてみれば、真面目、不思議、アホ、天然とバラエティーに富んだメンバー構成ですね」

 

フミコ「それは矢澤さんのメンバーにも言えますけどね」

 

 

 

ヒデコ「ではこのあと、4巡目、5巡目です」

 

フミコ「はい」

 

 

 

 

 

~つづく~

 

この作品の内容について

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  • 1話、1話分けた方がいい
  • Aqoursの話が少ない!

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