3×3=μ's(さざんがミュ~ズ)   作:スターダイヤモンド

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『にこのぞりん』で『サ○ドウィッチマン風』

 

 

にこ「あら、こんなところにお寿司屋さん?…たまには贅沢もいいわよねぇ…」

 

 

がらがら

 

 

希「♪HEY! HEY! HEY!」

 

凛「♪い~ らっしゃい!」

 

にこ「なに、そのスタダ的な掛け声は…って…ここ希と凛の店なの?」

 

凛「お客さんは何様かにゃ?」

 

にこ「『何名様ですか?』でしょ。何様って失礼じゃない」

 

凛「お子さま?」

 

にこ「だから違うし!」

 

希「ひとりなん?」

 

にこ「ひとりよ!」

 

希「あっ、先に誰か来てるん?」

 

にこ「来てないわよ!…って店内、アタシしかいないじゃない」

 

希「そうやね…」

 

凛「あっ、じゃあ、あとから誰かが来るのかにゃ?」

 

にこ「来ないわよ」

 

凛「『ぼっち』にゃ、ぼっち…」

 

にこ「ぼっちって何よ!お寿司をひとりで食べちゃいけないわけ?」

 

希「ウチの友達、呼んだろうか?」

 

凛「凛の友達も呼んであげるにゃ」

 

にこ「余計なお世話よ!いいから、早く座らせなさいよ」

 

希「ほんなら、カウンターでいいんかな?」

 

にこ「いいわよ」

 

希「凛ちゃん、お子さまイス用意して」

 

凛「はいにゃ!」

 

にこ「いらないわよ!」

 

希「でも、ウチの店、立ち食い寿司やないから」

 

にこ「届くし!座ってもカウンターの上に、ちゃんと胸から上は出るから」

 

希「ぷっ!」

 

にこ「何よ?」

 

希「ないやん、胸…」

 

にこ「あるわよ!ささやかだけど、ちゃんとあるわよ!…いや、ささやかって何よ…そんなこと言わせないで」

 

希「ほい、これ乳搾り!」

 

凛「希ちゃん、それはおしぼりにゃ」

 

希「おや?」

 

にこ「嫌みか!このホルスタインが!」

 

希「あ、にこっち、それヒラメやった」

 

にこ「ヒラメか~い!!顔べったべたじゃない!」

 

希「ごめんな」

 

にこ「うわっ、顔が臭い…」

 

希「ほな、これで拭く?」

 

にこ「これ、ガリでしょ!」

 

希「殺菌効果あるやん」

 

にこ「あるけど!だからって、これで顔は拭かないでしょ!バカじゃないの?」

 

凛「ドリンクはイチゴミルクでいいかにゃ?」

 

にこ「頼まないわよ、そんなもの。何でお寿司にイチゴミルクなのよ!お茶でいいわよ、お茶で」

 

希「ガリ、一丁!」

 

にこ「それを言うならアガリよ、アガリ!どれだけガリ推しなのよ…」

 

凛「お茶、入れるにゃ」

 

にこ「うん…熱っ!!」

 

凛「湯飲みがなかったにゃ!」

 

にこ「あり得ないでしょ!カウンター、ビショビショじゃない」

 

凛「ごめんにゃ」

 

にこ「もう、いいから…早く握って!お腹ペコペコなのよ」

 

希「ほい!」

 

にこ「いや、それワシワシの手だから。お願い、揉むじゃなくて、お寿司を握って!」

 

希「何がいいん?」

 

にこ「う~ん、お勧めとかないの?」

 

希「隣のお店のおうどんさん」

 

凛「角のお店の豚骨醤油ラーメン」

 

にこ「いや、この店のお寿司勧めてよ。どうしてお寿司屋さんに来て小麦粉食べなきゃいけないのよ。なに、ここ?すしざんまいじゃなくて、小麦三昧の店なの?」

 

希「ちょっと、何言ってるかわかんないんやけど」

 

にこ「いや、わかるでしょ!…で…何があるのよ」

 

希「寿司」

 

にこ「殺すわよ」

 

凛「じゃあ、お任せで」

 

にこ「アンタが頼むな」

 

希「ほい、デマカセやね」

 

にこ「お任せよ!ウソ並べられても困るんだけど」

 

希「お任せやね」

 

にこ「早くしてよ」

 

凛「じゃあ、まず、これから…」

 

にこ「…あら、意外と美味しいじゃない」

 

希「おおきに」

 

にこ「でもこれ、何のネタ?」

 

希「味噌汁やん」

 

にこ「はぁ?味噌汁だったの…これ?アンタ、握る仕草してなかった?」

 

凛「してたかにゃ?」

 

にこ「味噌汁にお醤油に付けちゃったわ」

 

希「にこっちって変わってるなぁ…って思って見てたんよ」

 

にこ「止めてよ、恥ずかしい!

 

凛「マグロのアラ汁にゃ」

 

にこ「まぁ、でも、美味しいわね…」

 

凛「ちなみに、アラ汁のアラはA-RISEの…」

 

にこ「やめなさい!A-RISEの汁って…そんなの飲んでたら、アタシが限りなく変態っぼく聴こえるじゃない!」

 

希「違うん?」

 

にこ「違うわよ!」

 

凛「じゃあ、こっち飲む?あさりのアッサリ仕立て…」

 

にこ「いらない」

 

凛「何しに来たのかにゃ?」

 

にこ「お寿司を食べに来たに決まってるでしょ!…だ~か~ら~…改めて何か握ってちょうだい」

 

希「ほい!」

 

にこ「ワシワシの手はやめて…」

 

凛「何にするにゃ?…」

 

にこ「じゃあ…だし巻き玉子とかある?玉(ぎょく)でその店の良し悪しがわかる…って言うし」

 

希「ウチに出来るかな…『意味わかんない!』」

 

凛「希ちゃん、下手くそにゃ…『イミワカンナイ』『カミノケクルクル』」

 

希「凛ちゃん、さすがやね!」

 

にこ「それ、西木野真姫…」

 

希「あれ、注文なんやったっけ?」

 

にこ「だし巻き玉子よ」

 

希「あ~…」

 

にこ「あ~…って…」

 

凛「今日のお勧めはミナミマグロの中トロにゃ」

 

にこ「中トロ?少しお財布に厳しいけど…じゃあ、それで…」

 

希「南ことりの…」

 

凛「ちゅーで…とろとろ?」

 

希「変態やね」

 

凛「変態にゃ!」

 

にこ「言ってない!言ってない!いや、言わせたのはアンタだし!なに、ここはダジャレバーなの?」

 

希「そんなバーあるん?」

 

にこ「知らないわよ!」

 

凛「勝手に作らないでほしいにゃ…」

 

にこ「いいから!もう、普通にハマチでいいわよ」

 

凛「希ちゃん、ハマチだって」

 

希「ほい、ハマチ!」

 

にこ「そこは『お待ち!』でしょ!…あら、美味しい…」

 

凛「『デッショー』」

 

にこ「真姫ちゃんのマネは、もう、いいから」

 

希「ハウマッチだけにマネーやなんて、にこっちもやるやん」

 

にこ「にこはハウマッチなんて言ってないでしょ!」

 

希「このハマチ、脂、乗ってるやろ」

 

にこ「ガン無視ね…」

 

希「ウチの店はネタに拘ってるんよ」

 

にこ「ふ~ん…これって養殖?」

 

凛「にこちゃん、冗談、きついにゃ!」

 

にこ「何が?」

 

凛「お寿司は和食にゃ!」

 

にこ「わかってるわよ、そんなこと。洋食だなんて誰も言ってないし…いやそうじゃなくて…天然かどうか訊いてるのよ」

 

希「天然なのは、えりちやね」

 

凛「海未ちゃんも相当だと思うにゃ」

 

希「にこっちもそう思うやろ?」

 

にこ「まぁ、そうね…いや、ここで同意したら、あとでとばっちり食いそうね…あ、だから、そうじゃなくて…ハマチが天然か養殖か訊いてるのよ」

 

凛「ちょっと何言ってるか、わかんないにゃ」

 

にこ「それ、二回目だから」

 

希「他に何か、食べる?」

 

にこ「じゃあ、タイとかカツオとか…」

 

凛「タイ…カツオ…う~ん…凛には無理にゃ…」

 

にこ「はぁ?」

 

凛「目が怖いにゃ」

 

にこ「怖いってアンタ…」

 

凛「良く考えたら、凛、お魚苦手だった…」

 

にこ「今、それ、気が付く…って、希、それ、ワサビ付けすぎじゃない?」

 

希「いや、これ、ハンドクリームやから」

 

にこ「何で!?」

 

希「水仕事って、手ぇ、荒れるやん」

 

 

 

にこ「もう、いいわ!」

 

 

 

 

~『にこのぞりん』で『サ○ドウィチマン風 』完~

 

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