にこ「あら、こんなところにお寿司屋さん?…たまには贅沢もいいわよねぇ…」
がらがら
希「♪HEY! HEY! HEY!」
凛「♪い~ らっしゃい!」
にこ「なに、そのスタダ的な掛け声は…って…ここ希と凛の店なの?」
凛「お客さんは何様かにゃ?」
にこ「『何名様ですか?』でしょ。何様って失礼じゃない」
凛「お子さま?」
にこ「だから違うし!」
希「ひとりなん?」
にこ「ひとりよ!」
希「あっ、先に誰か来てるん?」
にこ「来てないわよ!…って店内、アタシしかいないじゃない」
希「そうやね…」
凛「あっ、じゃあ、あとから誰かが来るのかにゃ?」
にこ「来ないわよ」
凛「『ぼっち』にゃ、ぼっち…」
にこ「ぼっちって何よ!お寿司をひとりで食べちゃいけないわけ?」
希「ウチの友達、呼んだろうか?」
凛「凛の友達も呼んであげるにゃ」
にこ「余計なお世話よ!いいから、早く座らせなさいよ」
希「ほんなら、カウンターでいいんかな?」
にこ「いいわよ」
希「凛ちゃん、お子さまイス用意して」
凛「はいにゃ!」
にこ「いらないわよ!」
希「でも、ウチの店、立ち食い寿司やないから」
にこ「届くし!座ってもカウンターの上に、ちゃんと胸から上は出るから」
希「ぷっ!」
にこ「何よ?」
希「ないやん、胸…」
にこ「あるわよ!ささやかだけど、ちゃんとあるわよ!…いや、ささやかって何よ…そんなこと言わせないで」
希「ほい、これ乳搾り!」
凛「希ちゃん、それはおしぼりにゃ」
希「おや?」
にこ「嫌みか!このホルスタインが!」
希「あ、にこっち、それヒラメやった」
にこ「ヒラメか~い!!顔べったべたじゃない!」
希「ごめんな」
にこ「うわっ、顔が臭い…」
希「ほな、これで拭く?」
にこ「これ、ガリでしょ!」
希「殺菌効果あるやん」
にこ「あるけど!だからって、これで顔は拭かないでしょ!バカじゃないの?」
凛「ドリンクはイチゴミルクでいいかにゃ?」
にこ「頼まないわよ、そんなもの。何でお寿司にイチゴミルクなのよ!お茶でいいわよ、お茶で」
希「ガリ、一丁!」
にこ「それを言うならアガリよ、アガリ!どれだけガリ推しなのよ…」
凛「お茶、入れるにゃ」
にこ「うん…熱っ!!」
凛「湯飲みがなかったにゃ!」
にこ「あり得ないでしょ!カウンター、ビショビショじゃない」
凛「ごめんにゃ」
にこ「もう、いいから…早く握って!お腹ペコペコなのよ」
希「ほい!」
にこ「いや、それワシワシの手だから。お願い、揉むじゃなくて、お寿司を握って!」
希「何がいいん?」
にこ「う~ん、お勧めとかないの?」
希「隣のお店のおうどんさん」
凛「角のお店の豚骨醤油ラーメン」
にこ「いや、この店のお寿司勧めてよ。どうしてお寿司屋さんに来て小麦粉食べなきゃいけないのよ。なに、ここ?すしざんまいじゃなくて、小麦三昧の店なの?」
希「ちょっと、何言ってるかわかんないんやけど」
にこ「いや、わかるでしょ!…で…何があるのよ」
希「寿司」
にこ「殺すわよ」
凛「じゃあ、お任せで」
にこ「アンタが頼むな」
希「ほい、デマカセやね」
にこ「お任せよ!ウソ並べられても困るんだけど」
希「お任せやね」
にこ「早くしてよ」
凛「じゃあ、まず、これから…」
にこ「…あら、意外と美味しいじゃない」
希「おおきに」
にこ「でもこれ、何のネタ?」
希「味噌汁やん」
にこ「はぁ?味噌汁だったの…これ?アンタ、握る仕草してなかった?」
凛「してたかにゃ?」
にこ「味噌汁にお醤油に付けちゃったわ」
希「にこっちって変わってるなぁ…って思って見てたんよ」
にこ「止めてよ、恥ずかしい!
凛「マグロのアラ汁にゃ」
にこ「まぁ、でも、美味しいわね…」
凛「ちなみに、アラ汁のアラはA-RISEの…」
にこ「やめなさい!A-RISEの汁って…そんなの飲んでたら、アタシが限りなく変態っぼく聴こえるじゃない!」
希「違うん?」
にこ「違うわよ!」
凛「じゃあ、こっち飲む?あさりのアッサリ仕立て…」
にこ「いらない」
凛「何しに来たのかにゃ?」
にこ「お寿司を食べに来たに決まってるでしょ!…だ~か~ら~…改めて何か握ってちょうだい」
希「ほい!」
にこ「ワシワシの手はやめて…」
凛「何にするにゃ?…」
にこ「じゃあ…だし巻き玉子とかある?玉(ぎょく)でその店の良し悪しがわかる…って言うし」
希「ウチに出来るかな…『意味わかんない!』」
凛「希ちゃん、下手くそにゃ…『イミワカンナイ』『カミノケクルクル』」
希「凛ちゃん、さすがやね!」
にこ「それ、西木野真姫…」
希「あれ、注文なんやったっけ?」
にこ「だし巻き玉子よ」
希「あ~…」
にこ「あ~…って…」
凛「今日のお勧めはミナミマグロの中トロにゃ」
にこ「中トロ?少しお財布に厳しいけど…じゃあ、それで…」
希「南ことりの…」
凛「ちゅーで…とろとろ?」
希「変態やね」
凛「変態にゃ!」
にこ「言ってない!言ってない!いや、言わせたのはアンタだし!なに、ここはダジャレバーなの?」
希「そんなバーあるん?」
にこ「知らないわよ!」
凛「勝手に作らないでほしいにゃ…」
にこ「いいから!もう、普通にハマチでいいわよ」
凛「希ちゃん、ハマチだって」
希「ほい、ハマチ!」
にこ「そこは『お待ち!』でしょ!…あら、美味しい…」
凛「『デッショー』」
にこ「真姫ちゃんのマネは、もう、いいから」
希「ハウマッチだけにマネーやなんて、にこっちもやるやん」
にこ「にこはハウマッチなんて言ってないでしょ!」
希「このハマチ、脂、乗ってるやろ」
にこ「ガン無視ね…」
希「ウチの店はネタに拘ってるんよ」
にこ「ふ~ん…これって養殖?」
凛「にこちゃん、冗談、きついにゃ!」
にこ「何が?」
凛「お寿司は和食にゃ!」
にこ「わかってるわよ、そんなこと。洋食だなんて誰も言ってないし…いやそうじゃなくて…天然かどうか訊いてるのよ」
希「天然なのは、えりちやね」
凛「海未ちゃんも相当だと思うにゃ」
希「にこっちもそう思うやろ?」
にこ「まぁ、そうね…いや、ここで同意したら、あとでとばっちり食いそうね…あ、だから、そうじゃなくて…ハマチが天然か養殖か訊いてるのよ」
凛「ちょっと何言ってるか、わかんないにゃ」
にこ「それ、二回目だから」
希「他に何か、食べる?」
にこ「じゃあ、タイとかカツオとか…」
凛「タイ…カツオ…う~ん…凛には無理にゃ…」
にこ「はぁ?」
凛「目が怖いにゃ」
にこ「怖いってアンタ…」
凛「良く考えたら、凛、お魚苦手だった…」
にこ「今、それ、気が付く…って、希、それ、ワサビ付けすぎじゃない?」
希「いや、これ、ハンドクリームやから」
にこ「何で!?」
希「水仕事って、手ぇ、荒れるやん」
にこ「もう、いいわ!」
~『にこのぞりん』で『サ○ドウィチマン風 』完~
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Aqoursの話が少ない!