花丸「どうして、ここのエレベーターは全然来ないズラ。これから大事な商談があるっていうのに…これじゃあ間に合わないズラよ…」
花丸「う~…こんなときに限って、46階にいる…早く降りてくるズラ~!!」
チーン…
花丸「あ~…よかった!何とか間に合いそうズラ…」
バタバタバタ…
梨子「すいません!乗ります!乗ります!ごめんなさ~い…」
花丸「む?」
梨子「あぁ…間に合ったぁ!…あれ?花丸ちゃん?」
花丸「あっ…梨子ちゃん?」
梨子「気付いてくれて…助かったよ…」
花丸「それは良かったズラ」
梨子「ここのエレベーターって1本逃すと、なかなか来ないでしょ?これ逃すと、待ちくたびれちゃうもんね?」
花丸「それはこっちの台詞ズラ…マルもずっと待ってて…これでやっと上に行けるズラ」
バタバタバタ…
曜「ちょっと待って!」
花丸「えっ!もう1人来たズラ?」
曜「梨子ちゃん!話を聴いて!」
梨子「曜ちゃん?」
花丸「ズラ…」
曜「梨子ちゃん、行かないで!」
花丸「ズラ?」
梨子「曜ちゃんとのお話はもう終わったでしょ?…さようなら…」
曜「ちょっと待って!まだ終わってないよ」
梨子「私の中ではとっくに終わってるの…」
曜「どうして?悪いとこあったら直すから!」
梨子「いい加減にしてよ…」
曜「梨子ちゃん…」
梨子「だったら、この際はっきり言わせてもらうけど…」
花丸「えっと…ふたりの間に何があったか知らないけど…この状況で続けるズラ?…マルは上に行きたいズラよ…時間が…」
梨子「あっ!そうだよね…マルちゃん、ごめん!すぐに終わらせるよ」
花丸「えっ?梨子ちゃんは降りないズラ!?この状態で降りないズラか!?」
梨子「えっ?…だってこのエレベーターなかなか来ないから…」
花丸「いやいや、だからって…」
梨子「わかった…じゃあ、開けたままでいいから…」
花丸「それも困るズラ…」
曜「花丸ちゃん、安心して。すぐ終わらせるから」
花丸「じゃあ、もう早くするズラ」
曜「梨子ちゃんは、今回の件で誤解してることが10個あるの!」
花丸「多い!長くなるズラねぇ…マル、時間ないズラ」
梨子「10個?だったら、ひとつずつ言ってみてよ!」
花丸「訊く!?…それ、今、訊くズラか?…」
梨子「悪いけど…曜ちゃんは私にとって…もう過去の人なの!」
曜「過去って?私は前に進みたいんだよ」
梨子「無理だよ…」
曜「無理じゃない!同じ傷を負った者同志じゃん!私は梨子ちゃんと前に進みたいの!」
花丸「同じ傷?」
梨子「私は上に行きたいの!…ねぇ、もういい加減にしようよ…これ以上はマルちゃんに迷惑掛かっちゃうから…」
花丸「もう相当掛かってるズラ…時間がないって…」
梨子「悪いけど、曜ちゃんにはもう、うんざりしてるの。顔も見たくない!二度と止めないで…さようなら…」
ドア シマリマス
シマルドア ゴチュウイクダサイ
曜(!!)ドア ガシッ!
曜「マルちゃん!何で開けておいてくれないの?閉まっちゃったら、話できなくなっちゃうじゃん!」
花丸「めんどくさい!めんどくさいズラ!こんなくだらない揉め事は、外でやるズラよ!マルは大事な商談あって急いでるズラぁ」
曜「梨子ちゃん、考え直してよ!」
梨子「マルちゃん…ちょっと、まだ掛かりそうだから、私たちのこと気にしないで先に行ってて」
花丸「でも…それなら降りてくれないと…」
曜「梨子ちゃん、結婚しよう!」
梨子「結婚!?」
花丸「け、結婚!?…いきなり、聞き捨てならない話になってきたズラ…」
曜「マルちゃん、急いでるんだよね?」
花丸「う、うん…大事な商談があるズラ」
曜「だったら、もう早く行った方がいいよ?」
花丸「い、行くズラよ…」
曜「うん…あとはこっちの話だから…」
花丸「あとも先も…マルは最初から関係ないズラ…じゃあ…行くズラよ…」
梨子「結婚は無理だよ!だって…私には他に好きな人がいるし…」
花丸「あぁ!!ほ~ら!まだとんでもない爆弾が残ってたズラ…。好きな人がいるズラか?…誰?誰?…ここまで来たら最後まで見せてもらうズラ」
曜「ん?」
梨子「はい?」
花丸「えっ…あっ…続きをどうぞズラ!」
梨子「…えっと…だから諦めて!」
曜「そんなのウソだよ!梨子ちゃんは、千歌ちゃんが果南ちゃんに走ったから…だからその寂しさをまぎらわそうとしてるだけで…」
梨子「関係ないよ」
曜「関係あるよ。最初に千歌ちゃんに盗ったのは、梨子ちゃんなんだから!」
花丸「ややこしくなってきたズラぁ♡」
梨子「だから、それなのに、どうして私と結婚するって話になるの?フラれた者同志、仲良くしましょう…ってこと?そうやって傷を舐め合っても、虚しいだけだもの」
曜「違うよ。気がついたんだよ!私が本当に好きだったのは梨子ちゃんだったんだって!私は梨子を幸せにしたいだけ!それさえできれば、梨子ちゃんの過去なんて気にしないよ」
花丸「おぉ!よく言った!曜ちゃんを応援したくなってきたズラ!」
梨子「と、とにかく、曜ちゃんの気持ちはうれしいけど…悪いけど私には、その気持ちを受け入れる自信がないの。だから…さようなら…」
花丸「ちょ…ちょっ…ちょっと待ったズラぁ!梨子ちゃん、自分に正直になるズラよ!」
梨子「えっ?花丸ちゃん…」
花丸「梨子ちゃんは、何かを隠してるズラ!曜ちゃんを傷つけないように、敢えて冷たくしてるズラ!本当にそれでいいズラか?」
梨子「…ありがとう…でも、もういいの…さようなら…」
ドア シマリマス
シマルドア ゴチュ…
花丸「あっ!」
ピッ!
花丸「あ~…もうちょっと!どうして、こんなとこでボーッとしてるズラ!」
曜「えっ?」
花丸「あ~!もう!ちょっと!どうしてマルが止めてるズラ!そこは曜ちゃんが止めないと!」
曜「あっ!そうだよね!」
ピッ!
花丸「いや、この階のボタンを押してどうするズラ!行ったあとに戻ってくるの待つズラか?どう考えても、梨子ちゃんを連れ戻す場面ズラよ!…ほら、梨子ちゃんは、あっちに行くズラ…」
梨子「…」
花丸「梨子ちゃんも、ちゃんと気持ちをぶつけるズラよ」
梨子「だから…私…善子ちゃんと付き合ってるの」
曜「えっ?」
花丸「えっ?」
梨子「だから、本当に強がりとかじゃなくて、ちゃんとした…正式にさよならなんです」
曜「あ…そうなの…」
梨子「…だから…ごめんなさい…これで本当にさようなら」
曜「ちょっと待った!」
花丸「いや…さすがに曜ちゃん、無理ズラよ…」
曜「私も上に行くんだ…」
花丸「えっ…ちょっ…えっ?…曜ちゃん、乗るズラか?」
曜「だって、これ1階行っちゃったら、なかなか戻って来ないんだもん」
花丸「何階に行くズラ」
梨子「52階」
曜「同じく」
花丸(マルと同じズラ…)
ドア シマリマス
シマルドア ゴチュウイクダサイ
梨子「…」
曜「…」
梨子「…」
曜「…」
梨子「…」
曜「…」
花丸(う~ん…気まずいズラぁ…)
~『ようりこまる』で『ジ○ンポケ風』完~
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Aqoursの話が少ない!