前回のあらすじ
夕張、明石、川内、夕立の四人は大神から相談を受けた。『おかしな宗教に嵌っている友人を助けたい』という相談を受け、各自で情報を集めに回った。
夜になり、夕立の上司である早蕨から『大神が死んだ』という情報が伝えられた。現場で手がかりを集めていると数体の化け物が襲い掛かってきた。苦戦を強いられながらも撃退に成功した。
「こういうのは『俺たち』の管轄だからな」
早蕨は言った。明石が何か知っているのかという質問に対して肯定の意を示した。
「・・・夕立ちゃん、早蕨さんってどういう管轄なの?」
川内が夕立に質問する。
「えーっと・・・」
【記憶力ロール 夕立 アイデア 55—20→97 ファンブル】
K[・・・・・・俺にどないせいっちゅうんじゃ]
張[どうしてマイナス補正がかかっているの?]
K[こいつの部署はちょっとアレなんで新人は知らないことが多い、だからマイナス補正をつけたんだが・・・]
川[どうするの?分からなかっただけじゃなくてどんなペナルティをつける?]
立[緩いやつにして、提督さん!]
K[キーパーと呼べ、キーパーと。そうだな・・・アイデアだし化け物とかのことを深読みしてビビったってことでSAN値を1減らせ]
「ごめんなさい、全然分からない・・・」
「俺の部署は特殊でな」
彼の話によると早蕨の属する部署は、化け物やカルト教団などのいわゆる「訳の分からないもの」を専門にしているらしい。言ってしまえばオカルトなどを含めた得体のしれないものが関わる事件の解決を専門にしており、そのため他の部署とは基本的にかかわらないのだそうだ。内容が内容なだけに関わって来るような警察もおらず、新人にわざわざ教えることもない。
「一部では問題を起こしそうなやつをまとめて監視するための部署だろうとさえ噂されている」
「ちょっちょっと待ってくださいっ」
さっさと説明を進めようとする早蕨を明石が制止した。
「えっと、いろいろと意味が分からないんですけど」
「細かいことを説明してたら日が昇るぞ。俺の所属と所属している部署についての説明自体は控えるように言われているからこれ以上はどのみち言えないが」
「・・・要約すると早蕨さんはこういうもののエキスパートって認識でいいの?」
「それで問題ない」
半端に説明したり説明しなかったりする早蕨の言葉に夕張はため息をついた。そして訊いた。
「早蕨さんの部署が他の人からどう思われているかについてはさておきまして、さっきの化け物について教えてください」
早蕨からの情報をまとめると以下の通りだ。
・化け物の名称は「ミ=ゴ」であり、通常であればまず出会うことはあり得ない存在である。
・写真や動画などを撮ろうとしても写ることはない、写すならば特殊な加工が必要。
・死亡から数時間程度で跡形もなく消え去るため詳しいデータを集めることは困難。
・解剖などは専門外なので早蕨は生態的な情報は持ち合わせていない。
「・・・俺があんたらに与えられる情報はこの程度だ。何か聞きたいことは?」
他の警察は荒らされた現場を右往左往している。大神の死体とミ=ゴと現場を調べているようだ。
「聞きたいことと言われましても・・・」
四人はいきなり多くの情報を伝えられて自分でまとめきれていないようだ。
「聞きたいことがあったら俺に時間があるときに訊け、全部とは言わないが教えてやれることは教えてやる」
踵を返してミ=ゴの頭を軽く蹴る。反応はない、やはり死んでいるようだ。
四人を視界から閉め出した様子からこれ以上の説明をする気はないようだ。
K[さてどうする?このまま残って早蕨についていくも良し、帰って別行動をするもよしだ]
川[どうしよっかなー。早蕨さんについていっても『浮雲教団』のことは分からない感じがするし、でも他に行くところもないんだよね]
立[どうする?なにする?]
張[鏑矢からの情報は得られそうになさそうだし、かといって他に何か分かりそうなこともないのよね]
明[大神くんが死んだことをトリガーになって警察へ情報が入ったりしませんか?]
K[と、いうと?]
明[私の根拠のない想像ですけど話してもいいですか?]
K[プレイヤーとしてなら許可する]
明[皆さんももしかしたら察しがついているかもしれませんけど、大神くんが死んだことは『浮雲教団』が関与していると思われます。今回の事件で化け物や周辺の状況について調べれば手がかりが見つかるかもしれません]
川[もともと早蕨さんは『浮雲教団』のことを調べてたんだよね。大神くんが関係している可能性が高い今なら押せば色々と情報が手に入るかも]
立[???]
張[それなら事情を説明して協力を仰ぎましょ。私たちが集めた情報をちらつかせたら動いてくれるでしょ。夕立ちゃんも教会で聞いた話を伝えてもらっていい?]
立[・・・・・・?わかった]
K[夕立の反応が怪しいが、情報を餌に協力させるって感じでいいな?]
「早蕨さん、私たちと交渉しよ?」
川内が早蕨に声をかけた。横目で睨みつけるように川内を見た、あまり良い感じではない。警戒しているようだ。
「今回の事件には『浮雲教団』がおそらく関係しています、大神くんは『浮雲教団』に友人が入信していてそれを助けようとしていました。相談を受けて私たちも自分達で教団について調べ、様々な情報を得ました。
私たちが情報を提供する代わりとしてあなたに協力してほしいんです」
明石が言葉を引き継いだ。
「この事件の解決に私たちも協力させてください」
「・・・・・・・・・」
返事はなかった。何も言わずに大神の遺体の方へ歩いていく。
「早蕨さん!」
夕立が追いかけていく。が、すぐに早蕨と一緒に戻ってきた。
「現場は彼らに任せる。俺たちは一度署に戻って報告し、状況の整理する」
「報告ってことは上司に連絡するの?」
「当然だ、ある程度の報告をしないと今後の方針を決めるときとかがめんどくさい」
川[警察の上層部も教団に入信してる人がいたんだったよね?じゃあこのまま報告させるのは不味いんじゃないかな?]
明[そういえばそうでしたね。ではそのことを交えて報告を控えてもらいましょう]
張[いえ、いっそのこと嘘の情報を流してもらいましょ。そのほうがもしかしたら]
夕[自由に動き回れるっぽい?]
明[少なくとも国家権力にひれ伏せるということはないでしょう]
K[じゃあこんな感じか]
「どうした、何か言いたいことがあるみてえだが」
「私たちが調べた限りだと、警察の上層部にも入信していると思われる人物が何人かいらっしゃるんです。ですからそのまま報告するとこっちの行動が制約されてしまう可能性があります」
「ほう?」
「信じてくれなくてもいいですけど、そういう情報が出てくるということは考慮してもらいたいです」
「・・・・・・・」
「情報を共有することで裏付けが取れたり自由に動いたりできると思うけど?」
「ぽい!」
【言いくるめロール 川内 言いくるめ 85+10→85 成功】
四人からの説得を受けて早蕨は言った。
「お前らの意見はおおよそ理解した。とりあえず上への報告は適当にやっておこう」
警官にあるまじき発言があったようだがそれはともかく、意見は聞き入れてもらえたようだ。
「しかし手持ちのデータのほとんどは署のデータベースとUSBに保存してある。戻って作戦会議だ」
そう言ってどこかへ電話をし始めた。
「もしもし、早蕨だ。例の教団が本格的に動いているらしい、・・・ああそうだ。お前にも手伝ってもらうから署に来い」
一方的にまくしたてて電話を切った。
「早蕨さんの友達?」
夕立が質問した。早蕨は微妙そうな顔で
「・・・仕事上の相棒に近い、かもしれん」
(へえ、この人にもそういうのがいるんだ)
川内が失礼なことを考えたがそれに気づくはずもない。
張[ひとまずこれで色々と動きやすくなったわね。次は警察署に行って早蕨さんにデータベースにアクセスしてもらう感じでしょうね]