(ほぼ)高速艦のみのTRPG   作:ツリ目

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本格的に探索開始

 早蕨に連れられて四人は警察署に到着した。早蕨はどこかに連絡を入れていたが連絡先は分からない。

 

 署内の電話でもあちこち連絡を入れていた。探索者が彼と再び話を進めることが出来たのは現場から離れて数時間後、午前二時頃だった。ほとんどの建物から明かりも消え、該当以外でまともな光源はない。足元のアスファルトを歩く音が際立つ、車の走行音が建物を反響する。

 

「待たせたな」

五人は早蕨のデスクに集まった。もう少ししたら二人ほど協力者がやってくるらしい。今は早蕨がデータベースにアクセスしてもらうところだ。

「とりあえずデータベースにアクセスしてみるが期待はするなよ。俺も少しずつ調べているがロクなもんがなかった、これで情報が手に入るとは思えないからな」

そう言ってパソコンをいじり始めた。

 

【調べものロール 早蕨 図書館 ??→67 成功】

 

アクセスに成功、膨大な量の事件についての情報が表示される。最新式と思われるPCの操作が一気に重くなった。事件の名前と思われるファイルがずらりと並んでいる、シークバーから察するに数は500や600ではとても効かないだろう。

どんな事件についてなのかを確認していたら五人で一緒にやっても一週間はかかるだろう。

 早蕨はシークバーを下げる、数が多いので後ろから見ている人は全く読めない。

「あ、あの」「黙れ」

画面から一瞬たりとも目を離さない。周りの情報を一切遮断するほどの集中力、無言の圧力から話しかけることは憚られる雰囲気だ。時計のカチカチという音と早蕨のパソコンを操作する音が支配する。

 数分後、早蕨がパソコンを操作する音が途絶えた。背もたれに身体を預けて一息ついた。

「データベース上関連性が高いファイル1件、うち一件は解決済み、低いながら関連性があると思われるファイル5件、うち解決済み3件。結果、使い物になるファイルは関連性の低い二件のみ」

視線を天井に向けながら淡々と言った。画面を四人が見るとデスクトップに二つのファイルが出されている。どちらもロックがかかっているようだ。

「どんな内容なんですか?」

「ミ=ゴが関係していた事件だ。それ以外に関連性はない」

時間がかかった割に得られた成果は無かったも同然だった。

「ちょっと見せてもらっていいですか?」

明石が画面をのぞき込みファイルを開く。概要を流し読みしてみるが今回の事件との共通項はミ=ゴと思われる存在が関与しているくらいのものだ。それぞれの事件は闇金会社のボディガード代わり、バイオ科学研究の研究で暴走した個体だ。前者の事件は8年前、後者の事件は5年前だ。

「5年前、確か教会の動きが活発になったのもそれくらいじゃなかった?」

川内が前に早蕨から聞いた話を思い出してそう言った。バイオ科学の事件の解決と今回の事件、浮雲教団と関係があるのだろうか。

「この事件の内容について教えてもらえませんか?」

「俺が警察になったばかりの時だから俺自身も詳しいことは知らねえ、ファイルの中身を読ませるくらいしかしてやれねえからな」

4人はファイルの中身を確認した。以降は事件を簡単にまとめたものだ。

 

 

 11月下旬よりA市にてチェーンソーで斬り刻んだような傷を体中に負った変死体が多数発見される。死体の特徴として頭が全て行方不明になっていたため、身元の確認に時間がかかった。死体が発見された全ての場所から犯行を行った者たちの拠点を特定、12月下旬に乗り込む。直前に勘付かれたため一時的な逃走を許してしまう。午前零時に乗り込んで研究員の元締めをとらえたのは5時間後、関係者の全てを捕らえたのは1週間後だった。リストから新入りと思われる研究員を数名ほど漏らしてしまったもののそれ以外の全員を捕らえることに成功した。研究に使われていたと思われる魔術的な資料や書物を根こそぎ回収した。

 

これがおおよその内容だ。

「この新入りが魔術の資料を持ち出し、その魔術を行使して信者を集めた、どんなものがあるか分からないけど何かしらの魔術を使ってパトロンから金銭的な支援をさせたってところかな」

資料を読んで川内が推測を口にする。しかしこの資料と今回の事件が繋がっているとするなら確信をついているかもしれない。

「この研究所は今どうなってるの?」

「すでに土地の権利が誰かに渡されて今はマンションが建っていたはずだ」

夕立の疑問はすぐに解決した。マンションがすでに建ってしまっているのなら跡地を調べることは出来ない。

「どうしたものかしら、事件の背景は見えた気がするし元凶と思われるものもあったけど、5年も前の人を見つけるのは流石に無理よね。ここらへんで手詰まりかしら」

 

 

 数分後、一人の男がやってきた。癖っ毛で茶髪で眠そうなたれ目、背丈は一七〇ちょっとの中肉だろうか。イケメンの通行人Aのような印象だ。ちゃんとスーツを着ているしネクタイもとめてあるけど何故だかだらしない雰囲気がある。

「やっほーラビラビ、いきなりだから時間がかかっちゃったよ。深夜だから全然車とかなかったけどね」

「誰がラビラビだコラ、せっかく仕事を用意してやったんだからふざけてんじゃねえ」

「ひどいなあ、そっちが頼んできたのにその態度はないんじゃないかなあ」

「だったら今後は一切お前に手伝わせなくていいな、こっち方面の収入がなくなってもてめえの生活が安定するってんなら一切気兼ねなくこっちも仕事ができるしよお」

「待って待って、ごめん僕が悪かったから!調子に乗ってすみませんでした!」

茶番劇をして男が4人に気付いた。

「この娘たちは?今回の事件の関係者なのかな?」

「夕立たちが事件を解決するッぽい!」

4人は自分たちのことを説明した。全員の自己紹介が終わって男はうんうんと頷いて

「明石さん、夕張さん、川内さん、夕立さんね。僕は桐壺って言うんだ、桐壺海(きりつぼ かい)。一応は私立探偵をしていて、たまに警察の仕事も手伝っているんだ。前々から浮雲教団のことは頼まれてて調べていたんだけど、何か動きがあったのかな」

「えっとねー」

川内が今回のことを説明した。

「なるほどね、君たちの事情はだいたい分かったよ。僕も知ってることは全部教えてあげたいけど大したことは分からないんだ」

ここでも大した情報は得られないようだ。

「せいぜい教団の信者とコネがあるくらいかな」

 

「「「「それ充分大したこと!!!」」」」

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