ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~   作:sora1996

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第15話「つぼみの乙女心!?始まる初恋」

 午前の国語の授業が終わり休み時間になると本日は花咲つぼみの隠れた特技にえりかの友人の女子が数名注目していた。というのも彼女は中学生にとっては難しい【徒然草】をいとも簡単に訳したためであった。

普通はあの【徒然草】を予習してなければいとも簡単に訳するのは難しい。というか普通の中学生が古文や漢文に興味を示すということも珍しいのであるのだが・・・・

 

 

「・・・・(眠い。ていうかよく喋るよな女子って)」

 

 

 女子たちが騒いでいる中で拓哉は机に顔を埋めてボーっと時間を過ごしていた。女子はどうして朝からこうも元気なのだろうか?と思うほどよく喋る。その話を聞いていて飽きないが熟睡できないのが難点である。もう少し静かにしてくれれば程よく眠れていいのだが・・・・・

 

 

「ふぁぁあ~~~~・・・・・(こうも後ろで井戸端会議されると寝る気も失せたな。とりあえず起きてるか)」

 

 

 次の授業までできれば寝ておきたかったのだがどうやらそれもさせてくれないらしい。やれやれと思いながらも仕方がないと拓哉はまたもボーッとしながら時間を潰そうとする。

 しかしながら突然つぼみ達の教室に突然教室の扉を勢いよく音を立てて開かれるとそこに全員の目線がその扉を開いた人物に集まった。

 

 

「あ、アンタは・・・・」

 

 

 

「せ、生徒会長さん!?」

 

 

 なんと入ってきた人物は生徒会長こと明堂院いつきであった。一体どうしてこのクラスに?とつぼみと拓哉は思っていたがその二人より先にえりかが何かに気がついたような顔になる。生徒会長が来たことで何かを忘れていたのを思い出したようだ。

 

 

「どうやら僕が来た理由が分かったみたいですね。来海さん?」

 

 

「おい、えりか部長さん。アンタ・・・・まさか」

 

 

 拓哉もえりかが珍しく深刻そうな顔になっている理由に察しがついてようやくこの珍獣が何をしでかしたのかが読み取れたようにえりかに皮肉を込めてそう聞いた。

 

 

「そのましゃか・・・部員名簿ですよね?」

 

 

 拓哉の問にえりかは静かに頷いて見せてそれを見た拓哉も一瞬間で顔に汗が出るこの部長はと思っているが自分も部員名簿のことを今の今まで忘れていたので同罪であると感じ黙ってはいたが・・・

拓哉と同じくえりかも汗を顔に浮かべているのだがそれに構わず生徒会役員を引き連れて先導者いつきは話を続けた。

 

「提出日はとっくに過ぎています。今日中に提出してくれないとファッション部は廃部にします!!」

 

 

「そんな!!」

 

 

「ええ!?」

 

 

 提出期限を守っていなかったファッション部部長のえりかに殆どの責任はあるが今になって突然生徒会長から直々にファッション部の廃部宣告を聞かされてしまい激しく動揺してしまう。まさかここまでの強硬手段に出てこられるとは予想もしていなかったが・・・・・

 

「ではそういうことで。失礼」

 

 

 要件が済んだいつきと取り巻きの生徒会役員は早々と教室を後にする。その姿を見ているつぼみはと言うと頬を少し赤らめながら見とれている様子で「なんて凛々しんでしょう」と言っている始末。

 

 

「・・・・・(ど、どうしよう・・・あと3人部員集めなきゃいけないんだけど)」

 

 

今日中に部員名簿を出せと言われてしまってもまだ部員は部長の自分、副部長の甲斐拓哉、新入部員の花咲つぼみの3人だけプリキュアやビーファイターとして砂漠の使徒と戦っていたこともあり今の今まですっかり部員勧誘のことを忘れていたため新入部員の宛などはどこにもない。

しかしなんとかして部員定数をクリアするためには最低でもあと2人入らなければならない。

・・・だが今の今になって勧誘などしても時間が・・・どうすればいいのかとえりかは困惑し頭を抱える。あと二人・・あと二人でいいのだが・・・・・・

 

 

「(・・・・・・)

 

 

 えりかは丁度自分の目の前にいる女子3人組を見て目が止まった。それに気がついた女子3人組は目を反らして口笛を吹いて誤魔化しているが拓哉はというと次にこのマイペース部長が何をするかな等は手を取るように理解ができた。

 

 

「としこ!なおみ!!るりこ!!お願い、ファッション部に入って!!このとーりだから!!」 

 

 

 拓哉の予想が大的中して目の前の女子3人組としこ、なおみ、るりこに部員になってくれるように手を合わせて頼んでみるも3人組は部活をしてまでという部分に微妙な顔をしてしまっている。

 

 

「そう言われてもな~」

 

 

「おしゃれには興味あるけど・・・・部に入ってまでやる気は」

 

 

 最初の拓哉、つぼみと同じ反応である3人組。女子としてファションに興味はないワケではないがそれでもわざわざ部に入ってまでやるつもりはない。迷っている3人にえりかは手を合わせて頭を下げる。

 

 

「そうだ、ウチのショップの商品2割引にしてあげるから!!」

 

 

 拓哉はそれを聞きなんの権限があってそんなことできるのだ?とツッコミを入れたかったがえりかの必死すぎる態度に思わず黙る。

えりかの事だからこの場は黙っている方が自分に危害が及ばない上えりかがあとで始末をつければ問題ない。

 

 

『・・・・・もう一声!!』

 

 

 えりかのモノで釣る作戦で相手を釣ろうということなのだろう。某通販番組のような特典を見せられるとファッション部へと入ること傾き始める3人。だが少し考え込むと・・・

3人は目を見合わせるとそう言ってえりかにあとひと押しで落ちるとアプローチする。流石のえりかもこれ以上何を付ければいいかと考えるが数秒後に・・・

 

「こーなったらフェアリードロップ特性の【オシャレノート】も付けちゃう!!!」

 

 

『おおおーーー、 乗った!!』

 

 

 トドメの一撃の特編に女子3人はファッション部への加入を同意しこれで部員は6人。定数を上回ったので部として成立できるとえりかはホッと安心する。あとは部員名簿をさっさと生徒会に提出するだけだ。

 

 

「みんな仲間ですね♪」

 

 

「ていうか・・・はじめからこうすればよかったんだな。流石はえりか部長」

 

 

 つぼみは新入部員の3人を歓迎し拓哉はえりかに対して皮肉を込めるかのようにそうナイスアイディアだと言わんばかりの視線を送る。とりあえずこれであとは部員名簿を提出するだけだ3人はひと安心しその後の授業を受けるのだった、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後になり生徒会室へと向かう拓哉、つぼみ、えりかの3人。昼休みにでも出せばよかったのだが色々と準備等があったため結局は後回しになって放課後までもつれ込んだのだ。

 

「ファッション部の来海、花咲、甲斐。入りま~す!!」

 

 

 えりかを先導にファッション部の幹部3人は生徒会室に入る。すると其処には生徒会室とは思えない程薄暗い雰囲気が漂っており中にはメガネをかけた男女が暗闇でメガネを光らせながら3人を眼力で圧倒するように睨みつけていった。

 

 

『!?』

 

 それに3人は圧倒されて思わず絶句する。明堂学園の生徒会は異質な者が多いと聞いたことがあったがまさかここまで違う意味で凄いとは思ってもみなかったためだが。

 

 

「あの・・・・生徒会長は?」

 

 

「明堂院さんなら今さっき帰ったところだよ」

 

 

「ファッション部の部員名簿を持ってきたんですけど・・・・」

 

 

絶句している拓哉とつぼみの代わりにえりかがそう聞くが淡々と生徒会役員はメガネを上げながらそう言う。話では今日までに部員名簿を提出すればいい筈だからまだ間に合うとえりかはそう問うように言うが・・・・

 

 

「ファッション部は廃部ってことで決定したわ」

 

 

「そんなぁ~~~」

 

「何っ!?・・ちょっと待ってくれ。部員名簿は今日中に出せばいいと言っていた本人が先に帰るなんてどういうつもりなんだよ!?・・・だいたいアンタら役員が残っているのに統率すべきトップが先に帰るなんて・・・・」

 

 

 つぼみが理不尽だという悲鳴の声をあげ拓哉は納得がいかないと抗議するようにそう言う。

『今日中』なのだから文字通りの意味なら普通は学校が閉められる時間までと考えたいたがまさか生徒会長が家に帰るまでがタイムリミットだったなんて誰が予測できるものなどいるはずがない・

 そんな理不尽など納得ができるかと拓哉は食ってかかるもその彼を黙らせるように生徒会役員の視線が一気に集まった。

 

 

「日直の仕事が長いちゃって遅くなっちゃったんです」

 

 

 拓哉の生徒会役員に対して噛み付いてくる態度はまずいとえりかは事実をありのままに話すも相手側はそれをすごすごと受け入れてくれるような感じではない。生徒会役員たちは薄暗い部屋で3人に軽蔑するような視線を送り無理やり黙らせようとしてくる。

 

 

「明堂院さんは一度決めたことは変えない人だからな」

 

 

「会長は提出日が過ぎてもずっと待っていらしたのよ?今日だってギリギリまでお待ちになっていたのに・・・・」

 

 

「・・・あぁあ~~~!!もう、いいよ。キミらと話していても埒があかない!!・・えりか、つぼみ、行くよ!!」

 

 

 拓哉はこの空間にいるのが耐えられないと二人を連れて生徒会室から出ていき扉をバタンと締めた。3人は思わぬ自体に数秒固まってしまうもいつまでもそうしている場合ではない。どうにかしなければ・・・・

 

 

「えりか、拓哉、どうしましょう?」

 

 

「こーなったら生徒会長の家に乗り込んで直談判しかない!!」

 

 

「だな。こっちから直々に出向くしかないっしょ」

 

 

 こうなれば最終手段だと3人はいつきの自宅の明堂院亭へと乗り込むしかない。学校からはそれなりに遠いが急いでいけばなんとかなるとえりかと拓哉はつぼみを連れいつきの自宅へと向かった。

 

 

「うわぁ~~~」

 

 

「噂には聞いていたがやっぱりデカイな・・・さてと、インターホンはここか?」

 

 

 つぼみは普通の家の数倍はある和風の門構えに思わず声を漏らす。たしかいつきの実家は武術家系で本人も明堂院流という武道の心得があり実力も県大会で優勝する程だとこの前聞いてはいたが想像を超えていたため当然の反応となった。

 玄関のチャイムを鳴らし3人はいつきの友人ということで家の中に入れてもらうも中もかなり広く武術家の家ということで古風漂う和のイメージで固められた広い中庭が広がっていた。

 

 

「いつき様は只今武道館で門下生たちと稽古に励んでおりますが」

 

 

「いくらでも待ちます。今日中に会ってどうしても話さなきゃならないことがあるので」

 

 

「かしこまりました」

 

 

 どれぐらい時間がかかっても構わないと3人は武道館へと案内されていつきの稽古風景を見学することとなった。3人は周りにいる門下生に混じっていつきが組手をしているのを見させてもらったが・・・・

 

 

「おお、素敵です!!素敵すぎます!!」

 

 

 相手をしていた男子を一瞬で投げ飛ばして勝負を決めてしまった場面を見てつぼみはベタ褒めになっている。

その様子を見てえりかは「おーい」と声をかけながらつぼみの顔に手を伸ばすとそれに気づきつぼみは「なんですか?」と聞き返す。

 

 

「泣きを見るから生徒会長には惚れないほうがいいよ~」

 

 

「・・・・な、何を急に言い出すんですか!!?」

 

 

 つぼみは少しの間えりかの言っていることを考えていると意味を理解し大声でそう言う。それに周りにいた門下生が反応しチラリとこちらを見てくるのを見てつぼみは「すみません」と静かに誤った。

 

 

「言っとくけどさ生徒会長は・・・」

 

 

「おしゃべりは稽古の邪魔になりますから・・・おぉ~~この高鳴る鼓動はもしかして・・・初恋!!」

 

 

「・・・あの、つぼみさん~~あとでどうなっても知らんぞ~~俺は忠告したからねぇ~?」

 

 

 つぼみが案の定な状態になっている事にえりかと同じく隣にいた拓哉も少し冷ややかな視線を送ってそう言った。もしも生徒会長の“正体”を知ったらどうなる事やら・・・

 多分予想ができるパターンは落ち込んでどん底に落ちて・・・・最悪は去年のえりかのように熱を出して寝込むだろう。

 

 

「やめろと言われれば言われるほど恋は盛り上げるのです!!!」

 

 

 完全に本気恋愛モードになっているつぼみを見て拓哉とえりかは呆れかえる。つぼみはいつきに対して本気の本気の大真面目の恋愛感情を抱いている。自分たちの忠告をここまで無視することを見る限り拓哉はこの後のことを考える・・・絶対に超クラスで面倒事になると。

 

 

「おい、えりか・・・後処理は同じ女子のお前に任せるよ」

 

 

「えぇ!?・・面倒事を私に押し付けるの?」

 

 

 こうなった時の女子のテンションの上がり具合と事実を知った時の奈落の底へ落ち粉砕されたときの対応を考えただけで面倒だと拓哉はつぼみがその事実を知ったあとの後処理をえりかに丸投げしようと考えるほどだった。

 

 

「だって一応お前も女子じゃん。つぼみの励ましとフォローはお前の方がしやすいだろ?」

 

 

「”一応”って何よ?・・・・・しらないよ~~」

 

 

 拓哉にそう言われえりかは面倒なことになったと思いながらもこの後どうなるか想像しただけで面倒だと同じ女子ながらも【恋心】とは恐ろしやと思うのだった。

 自分も女のコだから分かるが無情にそれを砕かれた時の反動というものは凄まじいもの・・・拓哉ではないが自分もつぼみが落胆する時になんて声かけようかと今から考えるほどだった。

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