ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~   作:sora1996

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第1話「転校生」

 ホームルームも終わりチャイムがなるとこのクラス担任の鶴崎先生が入ってくる。今日の授業の一限目は国語だったはず。正直マジで眠くなるため拓哉は国語が大苦手であった。

 

拓哉

 「昨日みたいに大目玉をくらうのだけはゴメンだ。今日はなんとか頑張って意識を保っておかないと」

 

 

 頑張って意識を保つという事自体がそもそもおかしな話であるのだが本人にとっては真剣な事。だがいつもそう思っていてもどうしても国語だけは睡魔に襲われてしまうから困ったものである。

 

 

鶴崎

 「授業を始める前に新しい仲間を紹介するよ。花咲さん、入ってきて」

 

 鶴崎先生の合図に転校生と思われる少女が入ってきた。だが入り方がガッチガチでぎこちない動きでなんだか違和感が隠せない状態だ。女子生徒はとりあえず黒板の前に立って止まったがそこから動こうとしない。

 

 

鶴崎「花咲さん、黒板に名前を書いて自己紹介して」

 

 

つぼみ

「っ!!」

 

あまりのテンパった様子に苦笑いを浮かべるクラスメイトの生徒。少女は黒板に名前を書いてはいるが・・・・一番前の席からギリギリ見えるか見えないか程度の字の大きさで一番うしろにいる拓哉には見えなかった。だがそのことに彼女は気がついてないようでそのまま深呼吸をしたかと思えば

 

つぼみ

「  は、はじめ・・・・」

 

 

 なんといきなり自己紹介を始めたのだが名前を言い終えるその前にえりかが手を挙げた。

 

えりか

 「先生、字がちっちゃくて見えないよ~~~??」

 

拓哉

 「(・・・・やると思ったよ・・・・)」

 

 えりかの一言でクラスメイトがクスクスと笑う。だが少女の顔は笑っていない。寧ろ話す前に腰をおられてしまい緊張に拍車をかけてしまったようだ。

 

拓哉

 「(あぁ~あ。完全にえりかのペースになっちゃった)」

 

 こうなってしまったら簡単には自分のペースを掴むのは難しいぞと拓哉も少し笑いながら少女の様子に注目する。

 

鶴崎

 「花咲は謙虚というか控えめなんだね」

 

 

 鶴崎先生に言われ少女は名前を書き直しているが大きさはさっきと殆ど変わっていない。それに気がついて少女はもうパニックになっている。その様子を見て鶴崎先生が肩に手を置くと少しは緊張が和らいだようだが緊張は凝り固まっているようでまだ様子がぎこちない。

 

つぼみ

 「きょ、今日から転校してきました【花咲つぼみ】です。趣味は・・・・」

 

えりか

 「はぁあ~~??」

 

つぼみ

 「っ!!!」

 

えりか

 「花咲さんって声まで控えめなんだ?」

 

 

えりかは悪気がないようだが少女にとっては大ダメージに違いない。えりかのおふざけムードに周りは笑っているが・・・・

 

拓哉

 「(えりか・・・・今の傷口に塩だぞ・・・・多分)」

 

 

 長年の付き合いの拓哉は少し冷や汗ものだった。これはもうあの娘に主導権を返すことは不可能に近いだろう。

 

鶴崎

 「えりか言い過ぎ。花咲が喋れなくなっちゃうだろ」

 

えりか

 「そっか。自分が声デカイもんだからつい・・・こりゃまた失礼しました。」

 

 鶴崎先生のフォローでようやくえりかは反省したように頭を下げた。これで少しはあの娘も楽になるだろう。よし、ここは俺の出番だと拓哉は意気揚々にタイミングを見計らった。

 

拓哉

 「お前の場合はその声と態度は控えめになった方がちょうどいいぐらいだけどな」

 

 えりかのおふざけのあとに拓哉が一言ツッコミを入れた途端にクラスメイトは爆笑する。その爆笑の中えりかは手を振り拓哉はグーサインを見せた。

 

つぼみ 

 「・・・・・・・」

 

 助け舟を出しがつぼみ本人はそれに気がついてない様子。せっかく新規一転し自分の殻を脱ぎ捨てようと思ったのに結局いつもと変わらない。それで頭が一杯なのかもしれない。

 

鶴崎

 「花咲、他に言うことは?」

 

 

つぼみ

 「え、あ、あの・・・よろしくお願いします!!」

 

 

 言いたいことはもう他に思い浮かばないようで転入生の花咲つぼみは最後に一言そう言って頭を下げた。すると拍手が起こる。その様子を見てつぼみはやりきった事にやっと笑顔になった。

 

 

鶴崎

 「えっ~と・・空いてる席は・・・」

 

えりか

 「此処よぉ!!花咲さん」

 

 そう、偶然にも空いてる席はえりかの隣の席だったのだ。その前にいる拓哉は「あぁ~あ」と声を漏らしているがそれは鶴崎先生には気がついてない様子。・・・つぼみはえりかの隣になることを聞いて顔が引きつってしまった。だが他に席がないのならば仕方がない。

 

つぼみ

 「・・・・・」

 

えりか

 「あたし、来海えりか。分かんないことがあったら何でもあたしに聞いてね♪」

 

 

自己紹介の時に弄られた事を少し根に持っているのか自分からは話しかけないようにしようと思い黙っていたがえりかにその手は通用しなかった。

 

 

つぼみ

 「・・・は、はい(私、こういうタイプの娘苦手なんですけど~~~~)」

 

 つぼみが苦笑いになって心の声でそう呟いている。えりかの勢いに押されていてかなり困っている様子だ。どうやら悪い癖が出ているなと拓哉は後ろを向いた。

 

 

拓哉

 「おい、自己紹介は後にしろよ。・・・また先生に怒られちゃうぞ」

 

えりか

 「国語の授業でよく昼寝して怒られるアンタに言われたくないですよ~~~」

 

拓哉

 「うっ・・・・そ、それを言われると何も言い返せません。失礼します~~」

 

拓哉が助け舟のつもりでそう言ったが逆に的を射た一言を言われて返り討ちにあってしまった。拓哉は何も言い返せない様子で前に向き直った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拓哉

 「・・・・ふぁぁぁ~~~~」

 

 授業が始まり男子のひとりが指定された段落を読んでいるがそれを聞いて既に拓哉はアクビをしてしまっている。まだ始まって15分しか経っていないのに眠く堪らない。

 

えりか

 「ねぇ、花咲さんって何処から引っ越してきたの?」

 

つぼみ

 「鎌倉ですけど・・・というか授業中ですよ??」

 

 睡魔と戦っている拓哉の後ろでえりかに話しかけられたつぼみが困っているようだった。拓哉に話はあとにしろと言われたのにそれも気にせず自分のペースで話して来るこの娘に苦手意識は更に増長している。

 

えりか

 「鎌倉!?良い所じゃない!! 何で引っ越してきたの?」

 

つぼみが嫌がっているのにえりかは気が付いていないようで大声をあげる。それに前で睡魔と戦っていた拓哉は目が覚めたようで後ろで話こけている二人の会話を聞き入っている。

 

つぼみ

 「おばあちゃんの所に住むことになって」

 

えりか

 「お父さんとお母さんは何やってるの?」

 

つぼみ

 「一応お花屋さんなんですけど~~」

 

 つぼみもえりかの質問に答えているうちに授業中であるということを忘れてしまったようで話に夢中になってしまったようだ。えりかはコソコソと自分の席のほうに体を戻す。

 

鶴崎

 「花咲!!・・・授業中は無駄口利かない」

 

つぼみ

 「す、すみません・・・・」

 

 鶴崎先生に注意されてしまい素直に謝るつぼみ。だが納得がいかない。話しかけてきたのは隣にいるこの娘(えりか)なのに・・・・

 

つぼみ

 「・・・・・」

 

 えりかを見てみるとこっちを向いて手を合わせている。誤っているつもりなのだろうがそれでも自分だけが怒られるなんてどうしても納得ができない様子でつぼみのえりかに対する印象はもう最悪なものになってしまった。

 

 

拓哉

 「(・・・花咲さん、ドンマイ)」

 

 えりかに嵌められた・・・いや、たまたま運が悪かったかもしれないのだが自分も一度やられたことがあるので拓哉もつぼみに心の中で同情した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから滝のように一日は流れていったがつぼみはえりかに振り回されて転校初日でもはや天敵なのではないかと思うほどになってしまっていた。昼休みではお弁当で好きなおかずの唐揚げを食べられてしまったりといろいろ気苦労という疲れが彼女を襲っていた。

 

つぼみ

 「・・・・疲れました」

 

 部活も見たかったけど今日はそんな気分ではない。早く家に帰って部屋にある荷物の片付けでも済ませてしまおうかと思うほど・・・・もう明日から学校に来るのが憂鬱だ。

 

えりか

 「えぇ~~~~~~!?!?!?」

 

つぼみ

 「っ!?!?」

 

 この大きい声は・・・まさかと思って声がした教室を見てみると其処には女子生徒数名とえりかに拓哉が何か真剣に話っているようだ。

 

つぼみ

 「・・・・・」

 

 

 つぼみはえりかに見つからないようにその様子を見ていたが何やら訳あり・・・と言うよりも真剣そのものだった。

 

えりか

「やめちゃうの??」

 

 

女子生徒A

 「ごめん・・・塾もあるし」

 

 

えりか

 「ちょっと待ってよ・・・貴女たちにやめられちゃったら・・・ファッション部はあたしと拓哉の二人になっちゃうじゃない!!!」

 

 

女子生徒B

 「もう決めちゃったことだし・・・・・」

 

女子生徒A

 「ゴメン・・・・・」

 

 女子生徒は申し訳なさそうにしながらも教室から出て行ってしまった。えりかの声も届く前に。

 

拓哉

 「予感的中・・・・すんごいヤバイねこりゃ・・・俺、占い師の才能あったりして」

 

 今朝の拓哉の予言が的中してしまったことに本人も焦っている。言霊とはもしかしたら実在するのか?と思うほどの的中ぶりに拓哉は現実逃避のボケをかます以外この場を和ませる方法が思いつかなかった。

      

えりか

「んなこと言ってる場合か!!!・・・んんぁああぁあああ~~~~~!!!!・・・もう!!」

 

 

 拓哉のボケにツッコミを入れながらえりかは頭を抱えて叫んだ。このままでは部活として存続できなくなってしまう。えりかにとってそれはもはや死活問題だ。

 

えりか

 「どうすりゃいいのよ~~~部員があたしと拓哉だけじゃ同好会になっちゃうじゃない~~~~~」

 

つぼみ

 「・・・・・・・」

 

 つぼみはこの流れで見つかったら絶対部員になってくれとせがまれると思い見つかる前にさっさと退散しようとゆっくりと動いたが・・・・

 

えりか

 「っ!!!」

 

つぼみ

 「ひっ!?」

 

 頭が若干見えていたようでえりかに見つかってしまった。拓哉はえりかが何かを見つけた様子に同じ方向を見てみると同時に廊下を大急ぎで逃げるつぼみが見えた。

 

えりか

 「まぁ~~~てぇ~~~~~~~!!!!」

 

拓哉

 「おい、えりか!!・・お前も待たんか!!」

 

 えりかの暴走特急モードになっていることを悟った拓哉はマズイと大急ぎでえりかを追いかけた。

 

えりか

 「ファッション部入って!!」

 

拓哉

 「待て、えりか、それは強引すぎる!!!・・・落ち着け、なぁ?」

 

 つぼみの手を掴んで強引に勧誘しているえりかの姿を見てかつての自分を思い出す。そう言えば俺もこんな流れになっていたような・・・・拓哉はえりかの手を掴んでなんとか暴走と食い止めようとするもえりかには拓哉の声は届いていない様子だ

 

えりか

 「まだ部活決めてないんでしょ!?・・・このとおーりだよ!!」

 

 拓哉の声を無視してえりかは話を強引に進めていこうとする。拓哉もこの状態のえりかは危険極まりない・・・もとい、止めるのは至難の業である事は理解している。

 

つぼみ

 「ちょっと待ってください。私一応園芸部にはいろうかと思ってい・・てぇっ!!」

 

 流石にこればかりにはつぼみも従えないと自分のやりたい部活があるということをえりかに伝えようとするもえりかは聞き入れる様子はない。

 

 えりか

 「つぼみ家お花屋さんなんでしょ?学校来てまでお花なんかいいよぉ~・・ファッション部入ろう!!」

 

拓哉

 「どうしてそうなるんだよ!!!」

 

 えりかの部活存続に必死になっているのはわかるがいくらなんでもその理論は強引すぎると拓哉もツッコミを入れる。えりかの肩を掴んでつぼみから離れさせると思ったがまだえりかは強引に手を取ったままだ。

 

 

えりか

 「楽しいよ~~!!女のコだもんねファッションに関心無いわけないよね!?」

 

 

 えりかのマシンガントークは耐えなく続いていく。つぼみもいつまでも黙っているのかと拓哉は心配になったが遂に我慢できなくなったつぼみがえりかの手を払う。

 

つぼみ

 「私お花が大好きなんです!!!・・・勝手に決めないでください!!!」

 

えりか

 「・・・・・・」

 

  突然大声を上げたつぼみに驚くえりかと拓哉。控えめというか自分から意見は言わないタイプだと思っていたということもありギャップが激しいことに同様が隠せないようだ。

 

 

つぼみ

「っ!!・・・・・・・・・・」

 

 我慢できなくなってつい怒鳴っていしまったことにつぼみ自身も驚いているようだ。つぼみはそのまま回れ右して後ろを向くと早歩きで去っていた。

 

拓哉

 「・・・・えりか、ああなるのは当然だよ・・・・少しは相手のことも考え・・・・おい?」

 

 ポカーンとしているえりかに拓哉はそう言ってなんとか宥めようと思ったが突然えりかは校舎に向かって走っていってしまった。

 

拓哉

 「・・・・おい、お前まさか」

 

  えりかの後を追うと教室に戻っていて荷支度を始めていて今日のところは帰るようだ。拓哉は念の為にえりかに問いただす。もしやまたつぼみを追いかけるのではないかと

 

えりか

 「今日のところは帰るだけだよ。・・・じゃね、拓哉・・・また明日」

 

拓哉

 「あ、ああ」

 

 少しは堪えたか?・・・家に帰るだけと言っていたが・・・一応後をつけてみるか?

 

拓哉

 「心配だ・・・・やっぱり追いかけよう」

 

 幼馴染としての長年の付き合いでえりかの良い部分も悪い部分も殆ど知り尽くしている。今のように悪い癖が出ないか心配でしょうがない。ここはこっそりと様子を伺うかと拓哉も気がつかれないように教室を出て行きえりかの後を追う。




 基本的にト書は描写ナレーション形式にしたいと思います。

場合によりけり主人公メインの時は主人公目線からになります(汗)

さて、いよいよ次回は大地に戦士登場!!
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