ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~ 作:sora1996
翌日ももかの撮影現場に集まったファッション部一行はまず思ったのが流石カリスマモデルの人気の凄さが如何なるものかということだった。どこかで噂が広がって聞いたかは知らないが撮影現場には多くのファンが彼女を一目見ようと集まり凄まじい人集ができていたのだ。
「うあぁ・・・すげぇ」
見渡す限りの人の量を見て一行は空いた口が塞がらない。この人の量であるがために撮影現場の見学のために最前列へ向かうのも一苦労であった。なんとか人の川をわたり一行は最前列までたどり着く。
「いつもえりかがお世話になってます。今日はゆっくり見学していってね♪」
『は、は、はい!!』
「・・・・・」
妹の友達という肩書きのおかげでファッション部は特別に撮影現場の中に入ることが許されつぼみ達はカリスマモデルを目の前にしてガッチガチの緊張で凝り固まってしまっているのだがその後ろにいる妹はというと不機嫌そうであり嬉しくなさそうだ。
「えりか・・・機嫌直せって。折角来たんだから俺たちも楽しまないと」
「・・・・うん」
つぼみ達とは温度差が激しいえりかに拓哉はそう言ってなんとかご機嫌を直そうと考えるが・・・やっぱり彼女なりに考えている部分があるのだろうから一概には言えない部分がある。
その二人を差し置いてつぼみ達はというとモデルの撮影現場というのがどういうものであるのかというのに興味津々であるようで撮影現場特にももかのグラビア撮影に釘づけになっていた。
「モデルさんって凄いですね~~」
「だね。カッコイイ」
「あぁ~あ、あたしもあんなお姉さん欲しかったなぁ~」
「あげられるもんならあげたいよ・・・・人の気も知らないでさ」
ブツブツと愚痴をこぼしているえりかに拓哉は苦笑いしているのだがとしこ、なおみ、るりこの3人の視線を感じるとえりかは疑問顔になる。
「えりかちゃ~ん♪」
「拗ねちゃって~~~♪」
えりかもともと乗り気でなかったことで拗ねているのをやっと察したのか3人は戯れつくようにえりかを弄る。えりかもそれを言葉では嫌がっているのだが実際は戯れつかれて多少なりとも心が和らいだのかやっとこの場に来て笑顔になった。
「やれやれ、ワガママ姫様もやっと笑顔になったか」
友達に弄られながらもやっと笑顔を見せたえりかを見て拓哉はホッと安堵する。昨日の電話で姉とのコンプレックスはまだ心残りがまだあるようでそれが一番の悩みの種であったようだったが今みたいに笑っているのがやっぱり彼女らしいから。
「・・・・」
妹のその様子を見てももかは突然なにか思いつめた表情になった。誰も気がついていないが今の彼女は何かを求めている。だがそれを言葉にしないのは彼女自身が気持ちの整理ができていない事もあるのだろう。
「あっ!!・・・・・みんな」
流石に騒いでいるのがうるさいと感じた撮影スタッフは騒いでいるえりか達に視線が集まりそれいち早く察したつぼみと拓哉は顔が青くなりつぼみが4人に声をかける。流石に場の空気を察したようであり4人は途端に静かになった。
幸いなことに注意を受けただけで撮影現場から追い出されることはなかったためこれ以上は迷惑をかけるわけにはいかないそろそろ私語は慎もうと6人は黙って撮影見学をすることとなった。
「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」
だが今度は上空から野太い男の声が聞こえてきて撮影現場は空気を壊されることとなった。その邪魔者の正体は砂漠の使徒の幹部クモジャキーであり撮影スタッフは当然の乱入者に対して警戒心を剥き出しにするも当の本人は全く気にも止めていない。
「あれは、クモジャキー!!!」
混乱の中で拓哉たち3人だけはクモジャキーのことが分かっていたようであり今度は誰をデザトリアンにする気だと警戒するもこの人が多い場所でプリキュアやビーファイターになる訳にはいかない。
「つぼみ、えりか・・ここは移動して変身を・・・っ!?」
なんとかできないかと思っていたがクモジャキーは3人に猶予の時間を与えてくれるほどお人好しではなかった。邪魔者のプリキュアとビーファイターが来る前に行動するのみだと今回のターゲットへと近づいていく。
「今にも枯れそうなお前の心の花をいただくぜよ」
今回のターゲットを既に決まっている・・・そう今目のターゲットは今自分の目の前にいる来海ももか。それに気がついた3人だったが時すでに遅し・・・クモジャキーはももかから心の花を取り出す準備を始めてしまう
「心の花よ出てくるぜよ!!」
ももかはクモジャキーによって心の花を取り出されてしまうと水晶に閉じ込められてしまう。周突然人間が得体の知れないものに変えられたことで周囲の人々は大混乱となったが妹のえりかだけは分離された水晶玉に誰よりも先に近寄った。
「ももねぇ、ももねぇえ!!!」
水晶玉に閉じ込められた姉の姿を見ていつになく混乱した姿を見せるえりかの元へ拓哉とつぼみも駆け寄る。その間にクモジャキーはデザトリアンの媒体となるべき素材を探していると撮小道具の荷物から散乱した化粧道具に目をやる。
「デザトリアンのお出ましぜよ!!!」
化粧道具を媒体として生まれたデザトリアンの姿は散乱した道具をそれぞれ合体させたようなものであり見た目はクモジャキーの好みではないようであるが見た目はどうでもいいと暴れさせる。
「ビューーーーティーーーーー!!!」
デザトリアンの出現によって混乱はピークを迎え人々は逃げ惑いファッション部も散り散りとなった。暴れたことで周囲には凄まじい土煙と人々の悲鳴が響き渡っていく。
「えりか、えりか!!!」
大混乱の中放心状態のえりかに拓哉は彼女の方を揺さぶって声をかける。目の前で自分の肉親がデザトリアンにされたショックがかなり大きく普通の人間であればこうなるのは無理もない。
「つぼみ~~~!!えりか~~~!!」
「えりか!!プリキュアに変身してももかさんを助けましょう!!」
「うん!!」
つぼみの言葉を聞いてえりかは我に返ったのか決意の表情になり二人はココロパヒュームを取り出すとピンク色と青の光に包まれる。そしてパートナーに集まった光を凝縮したこころの種を手にとって変身コードを叫んだ。
『プリキュア・オープンマイハート!!!』
プリキュアの種をココロパヒュームにセットした二人は胸からそれぞれの種の色の光の香水を胸からまとっていく。上半身がピンク色の光と水色の光がそれぞれフリルスカートに変わり今度は下半身にかけて光りが発生するとロングブーツが身にまとわれる。
次に互の胸に香水を噴きかけると胸にハートの形をしたクリスタルが出現す手首にリストバンドが形成される。
最後につぼみの長くきれいな髪がと瞳がピンク色に変色しロングポニーテールに整っていきえりかは明るい青色に変色そしてロングストレートの髪型に変わりひと噴き頭に香水をかけてリボンで髪を結んでいきパヒュームを腰に当てココロパヒュームキャリーに収めていき二人は同時にポーズを決める。
「大地に咲く一輪の花、キュアブロッサム!!」
「海風に揺れる一輪の花、キュアマリン!!」
『ハートキャッチプリキュア!!!』
少女たち二人はプリキュアに変身を完了させたあとポーズを決めて名乗り上げる。
「重甲!!」
拓哉はビーコマンダーを取り出し赤いスイッチを押して黒い羽のウィングを開かせると変身コードを叫んでコマンダーを頭上に掲げた。
掲げたビーコマンダーが青く光りを発生させあると中に収納されているブルービートのインセクトアーマーが元の大きさに戻っていき拡散し拓哉の身体もその蒼い光へと包まれていった。
まずは腕に素早く鎧が纏われ次に胸と下半身そして顔以外のすべての部分に重厚なる鎧がまとわれると最後に拓哉の顔が鎧騎士の仮面に包まれて蒼いカブトムシの戦士へと姿を変えて蒼い閃光が当たりに発生する
「ブルービート!!! 重甲!!ビーファイター!!!」
ジャキっと金属音を響かせながらポーズを決めて鎧騎士の姿に変えた少年は騎士の名を名乗り上げをポーズを決めた。
「現れたなプリキュア、ビーファイター。行くぜよデザトリアン!!」
やはり出てきななとクモジャキーはデザトリアンに命令を下し3人と戦わせる。居無いな腕での先制攻撃を仕掛けるも3人は飛び上がって攻撃を避ける。
『はぁああああああああああっ!!!!』
飛び上がった勢いに乗って3人はトリプルキックをデザトリアンへと叩き込んでいくが化粧独具の一つであるパクトが胴体となっていることでトランポリンから飛ぶように弾き飛ばされてしまいその勢いに乗ったまま後ろに飛んだ。
だが幸運にも後ろのビルがあったことでそれを足場にするように一度止まり3人は足を着地させて体重をビルに預け一度力を足に貯めていくと・・・・・
『はぁああああっ!!!』
そのままもう一度ブロッサムとマリンは二度目のダブルキックをブルービートは飛び上がりからのフライングダブルパンチ放ってデザトリアンを押し倒す。
3人は同時に着地しマリンは我先にとデザトリアンへと向かって飛びブロッサムとブルービートはその後を追うように走る。
「ダレニモ・・・ダレニモ私ノ気持チハ分カラナイ!!!」
「っ!?・・・ああぁあっ!!!!」
飛び蹴りの態勢に入ったマリンはももかの心の声を聞いて一瞬隙ができてしまう。その隙を逃がすものかとデザトリアンが腕をふるってマリンをビルへと叩き飛ばしてしまう。
「マリン!!」
「ヤバい!!・・・ブロッサム!!」
「はい!!」
流石に姉が相手となるといつものように戦うことは難しいのだろう。ブロッサムとブルービートは彼女のサポートに回るべく急いで空に飛ぶ。
「ブロッサム・シャワー!!!」
「9,6,4、インプット。フラッシュモード!!
突風を集中させると手から無数の桜の花弁をデザトリアンに向かって勢いよく発射しそれに続きブルービートはインプットマグナムに認証コードを入力し盲ましを発生させるほどの強烈な放ちブロッサムの技と融合させた光線がデザトリアンに直撃しデザトリアンのその大きな体が地面に倒れた。
「マリン大丈夫か?」
二人はデザトリアンが倒れた隙にマリンのもとに駆け寄った。マリンの傷自体は大きな問題ではないそれ以上に姉がデザトリアンにされたことによるメンタル面のダメージが非常に問題ありの状態だ。いつもの彼女には見られない動揺が隠せないでいるのがわかる。
早く戦いを終わらせなければならないと思っているとデザトリアンは立ち上がりももかの心の中に眠る本音を暴露し始めたのだ。
「確カニ私ハ【モデル】トイウ夢ヲ叶エタワ。キレイナ服ヲ着テ雑誌ニ載ッテ・・・ファンノ人ニ応援シテモラッテ。デモその所為デ失ッタモノモ沢山アル。【普通ノ生活】【普通ノ友達】・・・えりかガ、妹ガ羨マシイ!!!」
『!!!』
「ももかさん」
ももかの本音を聞き3人は動きが止まる。特にえりかは妹として一番近くにいたのに姉がこれほど前に思い悩んでいたことに言葉が出なかった。
知らなかった・・・・モデルになりたいと思っていた自分とは正反対に自分のように普通でいる事を望んでいたなんて。
「あっはははははは!!!!もっと叫べデザトリアン。心の花が枯れるまで暴れるぜよ!!」
「特別扱イナンテシテ欲シクナイ。私ダッテ普通ニ友達ト遊ビタイ。タダ、ソレダケナノニィ!!」
デザトリアンは次なる攻撃だと胴体をドラミングのように叩いていくとその部分から煙幕のように煙が発生して辺りを包んでいく。
3人は司会を奪われてしまいブロッサムとマリンは思わず咳き込んで動きが止まってしまった。
『ゲホゲホゲホ・・・・・っ!?・・・きゃぁああああああああ!!!』
視界を奪い第二の攻撃の口紅型ミサイルでプリキュアチームを大きく吹き飛ばしてしまう。
「ブロッサム、マリン・・・っ!?・・・ぐああああぁああっ!!!」
いつの間にか距離を縮めていたデザトリアンの巨大な腕がブルービートに迫り彼の体はビルに向かって凄まじい勢いで飛ばされてコンクリートへと叩きつけられる。見た目とは反比例なほどの強敵に3人は圧倒される。
「このデザトリアン見た目は好かんが中々やるぜよ。さぁ、心の花が枯れるまで暴れるぜよぉ!!!」
「ビューーーティーーー!!」
デザトリアンの咆哮があたりに響いた。悲しき心の怪物の咆哮が・・・・そしてそれに合わせクモジャキーの勝ち誇った高笑いも重なっていく。
「やめて・・・もうこれ以上心を弄ばないで・・・・」
デザトリアンにされたももかの心の花が枯れ果てるまで本音という叫びを見世物にされる・・・それにマリンは耐え切れず弱々しくクモジャキーに許しを請うように声を出した・・・だがそれを聞いてクモジャキーはニヤリと笑を見せるだけであった。
「弄んだのは俺じゃないきり。そいつの気持ちを分かってやらん周りの人間じゃき!!」
クモジャキーの言い分にマリンは何も言い返せない。たしかに妹の自分だってこうなるまで彼女の気持ちが分からならなかったのだからクモジャキーの言うとおり・・・周りの人間と大差ない。
あたしも同罪なんだ!!
唇を噛み締めるマリンはどうすればいいか分からなくなりそうだった。
ももねぇを助けたい・・・・・でもどうすれば・・・どうすればいいの?
「それは違います!!」
「っ!!」
「確かに周りの人はももかさんの寂しい心に気づけなかったかもしれない。でもその心を引きずり出して弄んだのはクモジャキー・・・貴方です!!」
「そうだ・・・・人の心の弱みに付け込んで自分たちの目的のために利用した。クモジャキー・・・許さない!!!」
「私、堪忍袋の緒が切れました!!」
後ろから仲間の・・・ブロッサム、ブルービートの声を聞いてマリンも立ち上がる。ブロッサムの決め台詞を合図にブルービートも本気モードのスイッチが入り彼女の隣に飛び着地する。
「ブロッサム、ブルービート・・・・ももねぇの気持ち・・こんなことにならなきゃ絶対わからなかった自分が悔しいよ!!」
二人の怒りの表情を見てマリンも心の中にあった迷いが一気に消えていった。一番近くにいたのに意地になって自分は近づこうともしなかった。そればかりか嫉妬して怒り人気があることに拗ねて・・・・
「でも・・・だからこそ絶対ももねぇを助けてみせる!!」
「はい!!」
「ああ!!」
「海より広いあたしの心も、ここらが我慢の限界よ!!・・・覚悟しなさいクモジャキー!!!」
怒り大爆発のマリンはクモジャキーに向けて指を立ててそう宣言する。クモジャキーはというと鼻で笑って挑発を返す。
「やれ、デザトリアン!!」
クモジャキーの号令に合わせ先ほどの煙幕攻撃を発生させるが同じ手は二度も通用しないとブロッサムとブルービートは同時に飛び上がった。
「その手は桑名の焼き蛤です!!・・・同じ技は聞きません。ブロッサム・フラワーストーム!!!」
同じ手は二度も通用しないとばかりにブロッサムはカラダを大回転させて竜巻を発生させていくと煙幕を消滅させる。
「0、1、0・・・インプット。絶対零度冷凍弾!!!」
ブロッサムに続けて飛んでくるミサイルにインプットマグナムをブローバックさせ認証コードをに入力。絶対零度冷凍弾を発射し冷気でリップ型のミサイルを冷気で固める。
「1,1,0、インプット。ビームモード!!」
その後素早く通常ビーム攻撃を連射しインプットマグナムの砲撃を放ちミサイルを粉々にして攻撃手段を一気に封殺しにかかった。
「マリン、今です!!」
「ももねぇを助けろ!!!」
「うん!!」
二人の気持ちを胸にマリンはデザトリアンの隙を見逃さず胸のクリスタルを光らせる。
「集まれ花のパワー、マリンタクト!!」
マリンタクトのクリスタルドームを回して虹色の光を青いクリスタルに集めるとエネルギーを充填させると青い光がタクトのクリスタルから放出される。
「花よ煌めけ、プリキュア!ブルーフォルテウェイブ!!」
充填させた花のパワーを一気に集中させるとを水色の花の形に形成させたエネルギー弾に変換させてデザトリアンに向けて勢いよく発射した。
「はぁあああああああああああああああああっ!!!!!」
タクトのクリスタルドームを回転さえてエネルギーを送り込んでいく。するとデザトリアンの身体は宙に浮かんでいき浄化のエネルギーが送り込まれると光を発し心の花と媒体となっていた化粧道具と分離する。
「今度はお前の番だクモジャキー!!!」
「ちっ・・・・今回はやっぱり貧弱ぜよ」
次はお前だとブルービートはスティンガーブレードを取り出すが流石に形勢不利と判断したようで主観移動で姿を消した。
その日の夕方には久しぶりに姉妹で話し合い二人は長い間に出来た溝が埋まったようだった。・・・ももかの心の花であるダイヤの花言葉は【可憐】つぼみ曰くももかにピッタリだ。そしてえりかもももかの本音を聞いたことで考え方が変わった・・・・そしてこの日に純粋に憧れの対象へと変わったのだった。