ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~ 作:sora1996
暗黒の闇が続く空間にそびえ立つ巨大なる城。それこそは砂漠の使徒のアジトでありそのある場所でダークプリキュアは月を眺めていた。黄色い目を光らせながら禍々しいオーラがあたりを包む。
それとほぼ同時刻の玉座の間では砂漠の使徒の兵隊【スナッキー】の軍団が集まりスナッキーたちの上には大幹部のサソリーナ、クモジャキー、コブラージャが待機していて誰かを待っているようだった。
「キュアブロッサム、キュアマリン、ブルービート。こころの種を集め心の大樹を復活させようとする者たちがいる。我々【砂漠の使徒】は人々の心を枯らし世界を砂漠にするのが目的・・・・【プリキュア】、【ビーファイター】なんとも邪魔な存在よ」
三幹部たちが待っていた相手はサバーク博士であり登場するなり玉座の間の頂点部分から演説を行う。
これまで自分たちの計画を見事までに何度も潰してきたプリキュアとビーファイターという大樹の守護者達のまずわらしさは既に自分たちの許容範囲を超えつつあるのだから問題に切にはいられないということだ。
「サバーク博士。次こそはあの未熟なプリキュアとビーファイターを倒してみせますわ!!」
「あのキュアムーンライト、ジースタッグ、レッドルの3人に敗れたならいざ知らず、未熟な守護者に何度敗れれば良いのだ?」
サソリーナにそう一喝してサバークは黙らせた。最初こそは未熟であったキュアブロッサムだけであれば問題なかったが別の守護者ビーファイターのブルービートが加わり更に第2のプリキュアキュアマリンの覚醒によって敵側の戦力は確実に強化されているのは事実でありもはや自分が危惧していたことが現実になりつつある現状サバークも焦りが生まれ始めているのだ。
口では未熟と見下しているのにも関わらずいつまで経っても成果を出せない3幹部に対してサバークの不満はもはや臨界点にまで達しているのだ。
「た、大変申し訳ありませんわ!!」
サバークの心情がやっとわかったようでサソリーナの二の舞はゴメンだとクモジャキーとコブラージャはサソリーナがサバークに謝罪し頭を下げるのを黙って見ている以外何もしなかった。
「サバーク博士プリキュアの二人・・・始末は私が」
「ブルービートの討伐は私にお任せを・・・栄えあるサバーク博士の野望を必ずやこのブラックビートが成功させて御覧に入れましょう。その代わり今後奴の始末は後私に一任を」
突然その重苦しい空気を打ち破るようにサバークの隣に現れたのは悪魔の片翼を持つ少女ダークプリキュア、続いて後ろから漆黒の影から黒い鎧を持つ漆黒の力を持つ悪のビーファイター【ブラックビート】の闇からの二人であった。
「・・・好きにするがいい。ただしプリキュアが集めたこころの種をすべて始末しろ。ブラックビート、お前はブルービートの変身者【甲斐拓哉】をこの世から消せ」
『はい』
「ちょっと!!あの3人を倒すのは私よ!!」
「ならば、我々の部下として使ってやろう」
「・・・・ふぅん、無能な雑魚を手下に使うなど俺の美学に合わん。ダークプリキュア、こいつはお前にくれやる」
「そうか・・では私の部下として使ってやろう」
「・ざ、雑魚・・・ぶ、部下・・・ですってぇ!?・・・ふざけないでよ!!!」
二人の黒い戦士に大幹部でありながら雑魚だの部下にしてやるだのと言いたい放題言われてしまいプライドをズタズタにされてしまう。
このまま言われたい放題言われて黙っていられるかと大声で言い返すがサソリーナだったがその彼女にダークプリキュアが向き瞑っている右目を開くと金色の瞳がサソリーナを捕らえるように睨みつけると・・・・
「ううぅっ!?・・・・な、なにすんの・・・・・・・・っ!!!」
ダークプリキュアの右目から凄まじい衝撃波が発生しあたりを吹っ飛ばしていとその衝撃に耐え切れずサソリーナはその場に倒されてしまう。クモジャキー、コブラージャはしっかりと耐えて見せているがそれでも衝撃波は凄まじいものがあった。
『・・・・・・・・・・』
サソリーナは悔しさに睨みつけ言い返そうとするがその視線の先にはダークプリキュアの黄色に光る眼光とブラックビートの黒いカミキリムシの仮面の目の部分が黄色く光り瞳のように邪悪な顔と同時にアーマーの胸が血のように真っ赤光り輝いて目には見えないオーラで威圧されていることに気がつくとサソリーナは恐怖のあまり言葉が詰まる。
「うっ・・・・・・し、しょうがないわね!!今回だけは大サービスで言うこと聞いてやるわぁっ!!」
流石に実力の差を思い知らされたのかサソリーナはブツクサ文句を言いながらもダークプリキュアの部下として今回は働くことを受け入れたようであり瞬間移動でその場から姿をける。
「・・・・・・」
弱い犬ほどよく吠えると言ったところだろうかサソリーナの捨て台詞を聞きながらもサソリーナに続けてダークプリキュアがそれに続けてブラックビートが瞬間移動でその場から姿を消した。
春風が吹く昼下がりに甲斐拓哉はある場所へ来ていた。希望ヶ花市の全体が見渡せる大きな小山の丘から少し離れた場所にある大きな木がある場所へと。
「・・・・・・」
そこはキュアムーンライトがダークプリキュアとブラックビートの闇の戦士タッグと激戦を繰り広げた心の大樹がある平原を連想させるような自然と神秘があふれる場所で拓哉が自分の本音を言えるただひとつの場所でもあった。
「父さん・・・俺、まだわからないよ。本当に俺がブルービートになってよかったのか・・・貴方のように戦えるのかが」
大きな大樹の前にあるひとつの十字架の前で拓哉は独り言をつぶやいていた。もうこの世にはいない相手に向けて・・・・
この場所は拓哉がブルービートのビーコマンダーと初め出会った場所でもあり思いつめたり何かに迷ったりして時に彼は此処に来て誰も聞いていないのに一人で自問自答を繰り返すのだ。仲間になったつぼみ、えりかにはまだ話していないこともある。自分が何のために砂漠の使徒と戦っているのか・・・その本当の目的を・・・・
「・・・でも、今の俺は一人じゃない・・・・何となくそれはわかる気がするよ。あの二人なら本当のことを話しても・・・・」
あの二人なら自分の本音を・・・自分が戦っている本当の理由を打ち明けても今まで通り心の大樹と人々の心を守る仲間として、親友として接してくれる・・・・
そんな気はするのだがやはり怖い・・・もしも自分の本性を知った時に二人が離れていってしまうのではないか今の関係が壊されてしまうのではないかと・・・
そして自分でもまだ認めたくない部分が無意識にあるのだ・・・・・自分の戦っている本当の目的が【復讐】のために戦っているという事実を。
「そろそろ行くよ。父さん・・・・」
今日はこれくらいにしておこう。拓哉はそう思い重い脚を動かして大樹とその前にある十字架に背を向けた。まだ本当の意味での答えは見出せていないのかもしれない。でもいつかその答えを自分の力で見つけ出さなければならない日が必ず来る。そんな気がするのだ・・・・
万が一その時になって自分はブルービートとして大樹の守護者【ビーファイター】として戦っていく事が出来るのか・・・それは今の自分には分からない・・・・・
だが遠くない未来にその時が必ず訪れその時までには答えが出ている・・・・そんな予感もまた彼は自分の心の奥底で感じ取っていたのだった。
「お、アイツ等もここにきてたのか。おーーーい!!」
今日は砂漠の使途も今のところは動きを見せないから一旦は家に帰って久々にゆっくりと時間を過ごそうかとかと思っていた道中の途中で小山の頂上でつぼみ、えりかの二人が壮大な景色を眺めている場面を発見し拓也は二人に声をかけた。
「珍しいね。何してんの?こんなところで」
「え、いや・・・ちょっとな。・・それより、絶景だね此処からの景色。学校があんな小さいや」
えりかに問いただされると拓哉ははぐらかすようにそう言い返す。2人はなにか隠してはいる・・・だがそれ以上特に何も感じなかったため詮索はしなかった。
「・・・・綺麗」
改めて自分の街の全景を見て思わず出た言葉がそれだった。つぼみが初めてシプレとコフレの二人に出会ったのがこの場所。ここからの景色は心が洗われるほど美しい・・・
「砂漠の使徒はこの世界を砂漠にしようとしてるんだよね」
「そうです。それを防ぐために【こころの大樹】を復活させるです」
「それが私達の使命なのです!!」
この美しい世界を守るのが自分たちの使命。砂漠の使徒がどうしてこの綺麗な世界を砂漠にしたいのかは分からない。なぜ争いしかできないのかその疑問は常にあったがこうやって改めてそれについてじっくりと考えることは今までなかった
でも相手がどのような目的であっても絶対に自分たちの故郷を大切な場所を不毛な砂漠の世界にさせるわけには行かない。砂漠の使徒からこの世界を守るのが【プリキュア】と【ビーファイター】でありこのという二つの守護者の力はその為にこそあるのだから。
「・・・キュアブロッサム、キュアマリン、ブルービート。俺達3つの力が1つに合わされば誰にも負けない。たとえこれからどんなに強大な敵が現れても3人の力を合わせれば絶対に乗り越えられる。だよな?」
「うん!!・・・もう一つ・・・皆の胸の中にある【心の花】を砂漠の使徒から守り綺麗に咲かしてあげる」
「そして【こころの種】をたくさん集めれば【こころの大樹】は蘇るのですね」
こころの大樹が復活させることもまた守護者の使命。今はまだ【こころの種】の数は少ないが少しずつ集めていけば必ず蘇る。そのためにも人々の砂漠の使徒から心を守り抜くことも自分たちのもう一つの使命なのだ。
「それだけじゃないです!!素敵な奇跡が起こるです」
「なになに素敵な奇跡って!!それで砂漠の使徒をバーーっと倒せちゃったりするの?」
「それは秘密です!!」
「秘密か~それじゃ仕方ないな」
もしかしたら本当に砂漠の使徒を倒せるかもしれないと期待したのに秘密と言われてしまうとガッカリしてテンションが下がるえりか。
「でも何回砂漠の使徒を倒せばいいんですか?」
「そ、それも秘密ですっ」
「そ、それなら仕方ないですね」
本当はよくわかっていないんじゃないかとつぼみは思って苦笑いする。だが実際このまま何度も戦うしかないと3人は思う。相手が諦めるまで何度も戦って戦って戦い続けるそれが自分たちの使命だと・・・・・・