ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~ 作:sora1996
拓哉が家を出てから1時間ぐらい経った頃だった。拓哉は今とあるファッションショップへと足を運んでいた。ある二人組に連れられて・・・・
「・・・なんで僕はこうなっているんでしょうかね?」
「いいなぁ~これ」
「それもいいけどこっちもいいんじゃない?」
その道中で丁度ショッピングに出かけていた来海姉妹に捕まってしまいつぼみがリュウゼツランという何十年に一度歯科の花を咲いたという花好きに堪らずまた滅多に見れない突然のイベントで来海姉妹との約束をキャンセルしたのだ。
「楽しそうだな二人共」
それ故の穴埋め役として本人の了承を得る前にえりかに拉致されるような形で連れてこられ現在は此処に至る。えりか、ももかの二人はというと姉妹水入らずで楽しんでいる様子。思わず拓哉も笑いが溢れた。
「・・・ついでだから俺も何か見てみるか」
そういえば暫く新しい服を買っていないしちょうどいいから自分も何か探してみるかと拓哉も店の中を歩いてみた。
「春となると色とりどりっていうか・・・目がちょっと疲れちゃうな」
何か良い物がないかと拓哉もショップ内を探索するように探してみる。今の季節が春ということもあってか薄手のインナーが多かったり明るい色がメインのバリエーションに目が少しチカチカしそうになった。
「このズボンいいな。でも少し値が張るな・・・・・う~ん、でも欲しいなぁ~」
そんな中でも拓哉は目に止まり手にとってみたのはフェイクレザーデザインのホワイトカラーデニムジーンズだった。
しかし中学生が買うには少し高い値段であった。でも欲しい・・・物欲とはこういう時に人を揺さぶってくるので困ったものである。特に突然目の前に現れたモノに惚れ込んでしまうと尚更質が悪い。
「何してんのよ?・・・・あ、もしかしてそれが欲しいとか?」
「あ、ああ。でもちょっと高くて手が出さないよ・・・・でも欲しいなコレ」
手にとっているジーンズを見ながらも迷っている拓哉のとなりにえりかが突然ひょこひょこっと現れた。
特殊な加工でレザー風潮に見えるがジーンズの生地自体は完全な純デニム素材という中々思いつかなかない発想のデザインに拓哉は惚れ込んでいた。
「う~~ん・・・・・」
その独特なデザインの魅力に完全にどっぷりとハマる拓哉だが値段はとても自分の今の手持ちでは買うのは難しい。今から親に頼んで小遣いを前借りしてもいいがそうなると暫く学校での昼食を我慢しなくてはならなくなりそうだ。
「なんだったらあたしが作ってあげようか?」
買うか買わないかで悩んでいる拓哉にえりかはそう言ってみる。拓哉は「お前が?」と聞き返すがそれが聞き捨てならないとトタトタと素早く歩いて彼女は拓哉に詰め寄った。
「ふっふっふ~~えりか様を舐めないほうがいいよ?材料さえあればそのデニムよりもっと凄いの作ってあげちゃうから」
お得意の得意顔を見せるえりかに自信の程を納得する。そうだ、コイツはというか俺もだがファッション部だからオーダーメイドの服を作るぐらいは簡単だ。しかもえりかのデザインならば任せても恥ずかしくない。
「そこまで言うなら頼んでみようかな・・・まぁ、期待しないで待ってるよ」
「ちょっと、そこは期待しなさいよね」
「わかったって。そう怒るなってば・・・ふふっ」
拓哉の素っ気ない返しにえりかはツッコミをいれる。ごく当たり前のやり取りをするのも久しぶりであり拓哉自身も楽しさのあまり思わず笑う。
持っていたものを棚に戻ししばし3人はその後ショッピングを楽しんでいると外がやけに騒がしいことに気がつき様子を見に外に出てみる。
「どうしたんですか!?」
「へんな奴らが駅で暴れてるのよ」
逃げてきた女性からの情報によれば謎の集団が駅で大暴れしているとのこと・・・嫌な予感しかしないと拓哉とえりかは急いで駅に行ってみるとそこには・・・・・
「ダークプリキュア!!」
「ブラックビート!!!」
そこには【極悪の漆黒タッグチーム】ダークプリキュアとブラックビートが大量のスナッキー軍団を引き連れて暴れている姿があった。
「ももネェは先に行って」
「え?何言って・・・きゃぁっ!?」
敵の狙いはただ一つそれは自分たちプリキュアとビーファイターを倒す事だ。ももかに先に逃げるように促すと同時にももかは逃げる多くの人の波に飲まれて有無を言う前に駅から離れさせられる。
「人が逃げ遅れてる!!えりかはあの人を頼む。奴らは俺が片付ける」
「うん!!」
駅の入口で逃げ遅れている女性と子供の姿を発見した拓哉はコフレがいないため変身できないえりかに代わりスナッキーの始末を引き受けるとビーコマンダーを取り出した。
「じゅう・・・っ!?」
ビーコマンダーを構え重甲しようとした拓哉の横をかすめるように一人の少女が横切った。その人物を見て拓哉は動きが思わず止まる。
「あの人は何考えてるんだ・・・っ!?・・」
その正体は月影ゆりであった。彼女は素早くもしなやかな身のこなしスナッキーの軍団をまるでちぎっては投げるようにあっという間に片付けてしまう。
「す、すごい・・・・」
生身では拓哉でもスナッキーとはまともに戦えないのに彼女はいとも簡単にあのスナッキー軍団を相手にしても臆することなく果敢に戦いなぎ払うかのような強い姿を見て拓哉は勿論えりかも絶句する。
「あの人は・・・もしかして、ゆりネェ!?」
スナッキーと戦っているあの彼女の顔を見てどこかで見たことある面影だと拓哉は考える・・・・そして過去の記憶を呼び起こしていくとあの少女が誰なのかを思い出したように声を出す。
どうして彼女がここにいるんだ?・・・いやそれ以前にていうかなんであんなに強いんだ?
目の前の状況にわけがわらかなくなる拓哉だったが今はそれよりもこの混沌とした状況を何とかしなければ混乱する頭にある思考を無理やり振り払うように首を振った。
「えりか、拓哉、変身です!!」
「うん!!」
「ああ」
2人がゆりのとてつもない強さに絶句している間につぼみがシプレ、コフレを連れて合流する。3人はゆりに続き戦場となった駅をそして砂漠の使徒から人々を守るべく変身アイテムを手にとった。
『プリキュアの種、いくですぅ!!」
つぼみからピンクの光がえりかからブルーの光がシプレ、コフレの胸に集まり光が凝縮されピンクと青のプリキュアの種が二人の手に取られる。
『プリキュア・オープンマイハート!!!』
それぞれ手にとったプリキュアの種をココロパヒュームにセットした二人は胸からそれぞれの種の色の光の香水を胸からまとっていく。上半身がピンク色の光と水色の光がそれぞれフリルスカートに変わり今度は下半身にかけて光りが発生するとロングブーツが身にまとわれる。
次に互の胸に香水を噴きかけると胸にハートの形をしたクリスタルが出現す手首にリストバンドが形成される。
最後につぼみの長くきれいな髪がと瞳がピンク色に変色しロングポニーテールに整っていきえりかは明るい青色に変色そしてロングストレートの髪型に変わりひと噴き頭に香水をかけてリボンで髪を結んでいきパヒュームを腰に当てココロパヒュームキャリーに収めて変身が完了する。
「大地に咲く一輪の花、キュアブロッサム!!」
「海風に揺れる一輪の花、キュアマリン!!」
『ハートキャッチプリキュア!!!』
二人は名乗り上げを決めて同時にポーズを決めると煌めいて光が発生する。
「重甲!!」
拓哉はビーコマンダーを取り出し赤いスイッチを押して黒い羽のウィングを開かせると変身コードを叫んでコマンダーを頭上に掲げた。
掲げたビーコマンダーが青く光りを発生させあると中に小型化されて収納されているブルービートのインセクトアーマーが元の大きさに戻って拡散し拓哉の身体はその蒼い光に包まれていった。
腕に素早く鎧が纏われ次に胸を中心に上半身から下半身へ鎧が装着される。顔以外のすべての部分に重厚なる鎧がまとわれると最後に拓哉の顔が鎧騎士の仮面に包まれて蒼いカブトムシの鎧騎士へと姿を変えてポージングを決めると蒼い閃光が当たりに発生する
「ブルービート!! 重甲!!ビーファイター!!!」
鎧を唸らせポージングを決めて名乗り上げると鎧が蒼く煌いた。そしてもう一度ポーズを崩して総称『ビーファイター』の名乗りあげを高らかに決めた。
3人は同時に飛び上がりゆり駆け寄った。それに合わせダークプリキュア、ブラックビートの二人も瞬間移動で3人の前に対峙する。
「スナッキーを暴れさせたのはお前たちをおびき寄せるためではない」
「何っ!?」
驚くブルービートを他所にしダークプリキュアは手を前に出して赤い光の衝撃波を発生させてブロッサムとマリンの二人を後ろの駅の方へと飛ばしてしまう。
「ブロッサム、マリン・・・・っ!?」
「ブルービート、貴様の相手は俺だ」
ブルービートにはその衝撃が命中しなかったのはブラックビートが狙っていたからであった。自分の前に飛びかかり同時にクロスカウンターの要領でお互いの胸を殴りあった。
「ぐっ!?・・・たぁああっ!!」
「ぐお!?」
インセクトアーマーのスペックやパワーでは両者共に互角だが先に怯んだほうが目の前の相手に押し負けるのは互角同士の勝負の鉄則。そう思ったブルービートは追撃の右ストレートをブラックビートの胸の赤い装甲へ叩き込んだ
「ほう?・・・この前よりは多少は戦い方を覚えたか?」
「もうお前に負けるわけにはいかない。いくぞ!!」
先日の敗北が身にしみているブルービートはブラックビートを吹っ飛ばしたあと再度構えを見せてやる。始めて戦ったあの時とは多少なりとも違うと自分に言い聞かせながら冷静さを装いながらブラックビートを睨みつけてやった。
「面白い。だがお前では俺を倒せない」
もうあのような敗北はしないというブルービートに対してあざ笑う黒いカミキリの戦士。青い正義と黒い怨念は駅を二人の決闘のバトルフィールドとしながら大激闘を繰り広げはじめた・・・
もはやこの二人の対決を止める事はもはや出来そうにない・・・二人の鎧騎士は同時に勢いよく離れた距離を一気に縮めるように走った。
「どうしていつまでも私にこだわるの!?」
青い正義と黒い怨念が激闘を始めていたその近くではゆりがダークプリキュアの攻撃をなんとか受け止めているところだった。
なんとかダークプリキュアのパンチを腕で受け止めても次の瞬間には空中からの回し蹴りで蹴り飛ばされてしまう。
「お前は・・お前は私だから。キュアムーンライト!!!」
ダークプリキュアの言葉を聞いて後ろに飛ばされたブロッサム、マリンはもちろんブラックビートと激戦をしていたブルービートも驚いた。
驚いている3人を尻目にダークプリキュアは躊躇なく膝をついたゆりに近づいき目と鼻の先まで距離を縮める。
「私はひとりで十分だ。お前には消えてもらう」
ダークプリキュアはそのままゆりにむけて手を伸ばし赤い光を集めていく。生身の人間があの衝撃波を受けたら恐らくは跡形もなく消滅してしまう。ブロッサムとマリンは彼女を助け出すべく急いで走って向かうが・・・・間に合わない。
「消えろ・・・・・」
赤い光線がゆりに向かって放たれた。もはや絶体絶命・・・・誰もがそう思ったが紙一重のところで割り込んだ影があった。
「・・・・・・・・っ!?」
ゆりは衝撃を受けたはずの自分の身体に何も衝撃が走っておらず痛みも何も感じていないことに違和感を覚える。
もしかして私は痛みを感じるまもなく自分はこの世から消えたのか?
そんな錯覚を覚えながらゆっくりと目を開いていくとそこには・・・・・・・
「大丈夫?・・・ゆりネェ」
「拓哉」
目を開いて見たその目線の先にはいつの間にか自分の前に立ったブルービートがダークプリキュアの衝撃波を自分の身体を盾にして守っていた姿だった。
「貴様、邪魔をするな!!」
突然邪魔に入ったブルービートに向けてパンチとキックのラッシュを浴びせるも腕を組んで逆にアーマーのパワーで押し切るようにダークプリキュアの身体を飛ばす。
「このままじゃヤバい。ゆりネェをダークプリキュアから逃がさないと・・・ビームモード!!」
目の前の漆黒の戦士を相手に一般人を巻き込むのは部が悪すぎるとブルービートはインプットマグナムを手に取りブローバックさせるとダークプリキュアとブラックビートに向けてビームモード砲撃を連射して動きを止めさせた隙にゆりを抱えてブルービート達はゆりを連れて一時撤退し駅からは黒い戦士を除いて誰もいなくなった。
「逃げても無駄だ。これがある限りキュアムーンライトは逃げきれない」
残されたダークプリキュアとブラックビートだったがダークプリキュアにはまだ切り札があった。ムーンライトのプリキュアの種の残骸・・・これはゆりが持つプリキュアの種の欠片と共鳴する性質がありこれがある限りどこに隠れていようとも逃げ切ることはできない。
「他人をかばうとは・・・だからお前は俺に勝てんのだ。ブルービート・・・お前の強さ、弱さ・・・この戦いで全てを見てやる。覚悟するのだな」
黒い戦士達は駅をあとにし各々の標的であるキュアムーンライトこと月影ゆり、ブルービート甲斐拓哉を血眼になって探し始めるのだった・・・・たとえ逃げようとも自らの手でこの世から抹殺するという漆黒の野望を胸に秘めながら・・・・