ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~ 作:sora1996
学校へ向かう明堂院いつきに女子の視線は集まっていた。某劇団のような男装女子な彼女だが初対面の女子は殆どが男子と間違えるほどだから視線が集まるのは無理がない。
「・・・・か、かわいい」
だが彼女もやはり年頃の女の子。学校の通り道で視界に入った服屋の展示されている服を見て思わずときめいてしまう。自分もこんな服を着ることが出来たらどんなに素敵だろう。想像しただけで・・・・なんて考えるのも最近になってようやく出来るようになった。
あの二人のプリキュアとビーファイターが現れるまでは出来なかったのに・・・・
「生徒会長、ウチの新作気に入ってくれたんですか?」
いつきがドレスに目線が釘付けになっている後ろから声がして我にかえると其処にはえりか、つぼみの姿があった。あまり見られたくない場面を見られてしまったかと少し動揺するが目撃者の3人はというとあまり気にしてない様子であった。
「ま、まぁ・・・・」
というのも実はいつきが見惚れていたドレスが展示してあるファッションショップはえりかの実家の【フェアリードロップ】だったのだ。ちょうど二人も学校に登校する時間だったので思わぬところで鉢合わせしてしまったということなのだ。
「お願いしていたファッション部への入部考えていただけました?」
「ふぁ、ファッション・・・いや、申し訳ないが忙しくてね。それじゃ失礼する」
やはりまだ自分に正直になれない様子でいつきはその場から逃げるように歩き始めるのだがそれをえりかが腕をつかんで引きとめた。
「じゃあせめてデザインだけでも書いてみてください」
「デザイン?」
「可愛いなと思う服を自分で書いてみるんですよ」
「ボクが服を?」
自分がデザインを・・・それならば無理しなくても出来るかもしれない。その日の学校は二人に勧められたデザイン制作のことで頭がいっぱいになりろくに授業の内容も頭に入らないのだった。
「出来たぁ!!!」
そして下校後に自宅でいつきはその日の夕方の武道稽古の前の時間に自分の部屋でデザイン画を回見るのだった。自分好みの世界で一つだけのデザインを頭の中で精いっぱい考えて・・・・。
翌日の明堂学園中等部のファッション部の部室では今日も活動が行われていた。ファッション部部員たちはと言うと部費で仕入れた材料を使い自分たちがデザインした服を自作しおdのデザインが自分に合っているかなどを探求することに夢中で部室内は非常に楽しいという空気であふれていた。
「ちょっと飲み物買ってくるけどついでに何か欲しい人いる~?」
「あたし、オレンジジュースね!!」
「私はお茶をお願いします」
飲み物を買いに行くついでだと拓哉はファッション部全員に欲しいものを聞きそれをメモすると部室を出て購買部の近くにある自動販売機で6人分のジュースやお茶などを買い漁った拓哉は部室の前まで戻ってみるとそこには・・・・
「あれ、生徒会長?・・・何してんだウチの部室の前で」
部室の扉の前で佇んでいる人影を見かけた拓哉はその人影の主の正体を知り驚いた。なんと生徒会長の【明堂院いつき】その人だったのだ。
「生徒会長」
「わぁ!?・・・な、なんだ、甲斐君か。びっくりしたぁ~」
急に声をかけられたことでかなり動揺している姿を見て珍しいものを見た。しかしそれよりも今問題なのはなぜ彼女が部室の前で佇んでいるのかということだ。
「それは俺のセリフなんだけどな。それより、何してるの?こんなところで」
「え?・・・えっと、それは・・・その」
ほとんどの同級生はいつきに対して敬語なのだが拓哉は構わずため口でそう聞くと突然の事でいつきは更に動揺する。拓哉はいつきが持っているA4の大きさの茶封筒を見て「成程」と心の中で頷いた。
「用があるならいつまでもこんな所につっ立てないで、どうぞ、どうぞ」
「え、ちょっと!?」
なかなか部室に入れないいつきを後押しするように拓哉は部室の扉を開ける。いつきはまだ心の準備がと言いたそうだったが拓哉には見えていない様子であった。
「たっだいま~~~」
「おかえりなさい~~」
扉をあけるとつぼみが拓哉を出迎えそのすぐ後にえりかが拓哉が持っている袋から頼んでいるジュースを取ろうと駈け寄る。
「今日は珍しいお客がいるよ・・・・じゃん!!」
だがその前に拓哉は部員面々に自分の後ろにいるいつきを部員に紹介するようにそういった。いつきはというとまだ緊張が解れていないようで態度がコテコテに凝り固まっていた。
「や、やぁ・・・失礼するよ」
「生徒会長!?」
「えっと・・・こ、これを。頼まれたデザイン画描いてみたよ」
茶封筒から取り出したデザイン用紙を見たファッション部女子部員一同は「可愛い!!」と全員が揃えて声を上げた。始めた描いた自分のデザインがかなりの高評価でいつきも満更ではなさそうであり思わず普段のキャラが崩れそうになってしまうほど笑みを見せてしまった。
「・・・・よし、折角だからこのデザインを作ってみない?なぁ、今日の活動は会長のオーダーメイド私服製作ってのどうよ部長」
「お、それいいね。じゃあ、生地を買いに行きましょう!!」
「え?い、今から?」
またも拓哉の一言でファッション部部員全員がいつきを連れてそのまま彼女が描いたデザインをこの世に誕生させるべく材料の買い出しへと向かうのだった。