ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~ 作:sora1996
ファッション部の活動として急遽決まったいつきのデザインした洋服作りのために部員達総出で材料を購入。その後はつぼみ、えりか・・・そして何故か二人に強制的に拓哉も連れてこられた。
「・・・なぁ、女子の部屋に男子一人だけって凄くおかしいと思うのだが」
材料集めが終わったので今日はそれで帰ろうと思っていたのだがえりかに強引に連れてこられて現在に至るのだがイマイチ今の状態に解せない拓哉。
「ウダウダ言わないの。アンタ副部長でしょ?」
「いや、それって関係あるのかよ。まぁ、それはいいとして・・・・【和】だなこの部屋」
流石に拓哉も年頃の男子。女子の部屋となれば落ち着かないのも当然といえば当然・・・なのだが・・・・
妙にこの部屋は拓哉もそのことに関してはあまり気にすることないのだ。何故ならば部屋が全くの【和】一色でありハッキリ言うのであるのならば女子らしさは欠片もないと言ってしまってもいいほどであった。
「【質実剛健】【整理整頓】って感じで・・・・ねぇ、もっと可愛いのおかないんですかぁ?」
「ちょっと二人とも」
確かに年頃の女子の部屋にしては殺風景で女子らしくない。えりかはブーブーといつきに問いかけるといつきは立ち上がり襖を開け其処にあるタンスを開けると其処からは女子がいかにも好きそうなかわいらしい動物のぬいぐるみ達が顔を出した。
「無理はしないと決めたけどやっぱり修行の邪魔になると思ってね」
「・・・・(やっぱり無理しちゃってるんですね)」
いつきは口ではああ言っているがやはり無理をしているのではないか・・・そこまでしてなぜ彼女が頑張れるのかは分からない。だがまた無理をすれば・・・
「(そうだ!!)洋服作りはあと何をすればいいんですか?」
「パターン作りだよ」
「型紙を作ってそれに合わせて生地を切る作業。先ずは型紙作らないとな」
デザインを基礎に型紙を作ってその型紙に合わせて生地を裁断する本格的な作業にこれからなのだ。ここからはファッション部部長の真骨頂が発揮されるときだと4人は気合が入った。そしてしばらくして・・・・・
『出来たーーーー!!!』
結構苦労したが型紙をデザイン通りに作り上げた。あとはこの鏡に合わせてベースとなる生地の型をとるだけ。ここからが一番難しい。気合を入れなおすようにして取りかかる・・・・筈だったのだが・・・・
「兄を守るため・・・にか」
いつきが武道の稽古の時間となってしまい本日はお開きということになってしまった。彼女がどうして自分を其処まで犠牲にしてまでも武道を極める理由を知った時に拓哉達は改めて彼女の強さを知った。
「何よ急にしんみりしちゃって」
拓哉が帰り道の道中に突然いつきの話題を振ってきたので珍しい現象だとえりかは拓哉を凝視する。
「いや、その気持ち・・・俺にも思い当たる節があるから・・・ちょっとな」
女の子でありながらどうして男子の制服を着て男になりきろうとするのか・・・・それは生まれつき病弱である兄のさつきに代わりなるため。それはつまり兄を守るため・・・その為だけに今の彼女は自分の本心を押し殺している・・・・
拓哉にもある目的のためにブルービートになったから何かのために我武者羅になるという気持ちは大いに理解できた。
「そう言えば拓哉は何でブルービートになったのよ?・・・やっぱり、あたし達と同じように選ばれたの?」
「なんだよ急に?」
突然えりかが自分に寄りそって改まった態度で聞いてきたことに拓哉はそっけなく返す。
「だって最初はあたし達に隠れてコソコしてたし今思えば気になるんだもん。ねぇ、つぼみ」
「はい。もしよかったら聞かせてくださいよ。拓哉がなんでブルービートになったのか」
「・・・・俺がブルービートになったのは」
ビーコマンダーを取り出して徐に拓哉は【父親の仇であるブラックビートを倒すため】・・・それが自分の本当の目的であると言おうとした瞬間につぼみ、えりか顔を見て言葉が詰まった。二人は純粋に地球を守るために・・砂漠の使徒から人々の心の花を守るために闘っているのに俺は・・・・・二人は拓哉が
「悪い、今は言えない」
『・・・・』
拓哉のどこか迷っている態度を見てしまった二人は何も言えなくなった。なんとなくビーファイターになったというのが拓哉の『砂漠の使徒』と闘う理由はもしかしたら自分達とは何か違うのか?
いつもの仲間や友達には優しい普段の彼からはあまり考えられないような姿を見て沈黙してしまう・・・
流れる静寂の中なんとか場を持たせようと3人はそれぞれ考える中拓哉は突然弾けた態度になったように笑い出す。少しでも場を持たせようと思った彼なりの行動だ。
「おいおいそんなにマジになるなって。いつかちゃんとした理由があることを二人に話すよ。・・・必ず」
父のように本当の意味で自分がブルービートとして闘う理由を見出すまでは・・・復讐のためになったなどと言ったら二人は自分から離れて行ってしまうかもしれない。
それだけは今の拓哉にとっては一番の恐怖・・・それだけ今の拓哉は二人といる時間がかけがえのないモノになっているのかもしれない・
「もう、いいじゃん!!今すぐ教えてよ~~~!!!」
本音を誤魔化すようにお茶らけた態度を見せた拓哉にえりかはブーブーと文句を言っていつもどおり幼馴染同士の親友同士の何気ないやりとりが始まった。
「うるさいな、この“超”がつくほどのマイペース珍獣が!!」
「なんですってぇ~~~?ブルービートなんてかっこいい名前だけどアレただのカブトムシじゃない。この虫野郎!!」
拓哉はえりかに「カブトムシ」と言われて「なんだと~~珍獣えりかっか!!」と言い返す。言い合う中で思わず吹き出して大声で笑う拓哉とえりか・・・それによって気がつけばいつにも何気ない笑顔をみせる。
「・・・・(拓哉、やっぱり私達に言えないことがまだあるのでしょうか?)」
えりかと一緒にふざけている拓哉の姿を見てつぼみは違和感を覚えた。無理にこの場を和ませているようにも見える・・・自分達にブルービートであることをばらさないようにしていた時のように。
「どうしたの?つぼみ」
「いえ、何でもないです」
つぼみの視線に気がついたえりかがそう聞くもつぼみは何でもないとそう言う。拓哉もそのことには気が付いていたが何も言わないで誤魔化した。お互いに何かを感じる部分があるが・・・言葉のできないのは年頃だから・・・それとも別の理由があるかもしれない
Δ
翌日再び拓哉達はいつきの家に足を運ぶのだが・・・・・思わぬ出来事に驚かされることになった。
「えぇ~~~!!!??」
「服作るのやめちゃうんですか?」
「すまない。やはりああいうのは僕には向いてないと分かったんだ」
いつきが3人に言ったのは折角だがこれ以上はやはり自分らしくないからと服を作るのをやめたいということだった。えりかは其れを聞いて黙っているはずがなく・・・・
「向いてない?」
「っ!!・・・そ、そうなんだ」
いつきは自分の言い分をハッキリと伝えようと思っていたのだが其れを聞いて黙っていないのがファッションに命を賭けているといってもいいファッション部部長えりかの思わぬ威圧感を感じて怯むように引いてしまう。
「あぁ~あ、スイッチ入っちゃったよ。ああなったら止めるのは難しいぞ~」
「で、ですね」
拓哉はえりかをみてスイッチ入ったなと後ろで苦笑いを見せていてこうなってしまったら止めるのは至難の業であるということを一番知っている。いつきが押し出されるのも時間の問題だと思う。つぼみも暴走したえりかをまだ短い付き合いだが分かっているつもりなので納得したように後ろで拓哉と共にいつきがどう動くかを見るのであった。
一方いつきはというと・・・・ここでえりかに押し出されるわけにはいかないと思って言葉を選んでいたのだがその最中でも容赦なく目の前のマイペースガールの追撃が待っていた。
「楽しくなかった?」
「た、たのし・・・・ぼ、僕には他にやるべきことがあって・・・・」
「じゃあ、あたし達でやっちゃいますから見ててください。行くよ~~つぼみ、拓哉」
二人の予想は的中しえりかに連れられる形で3人はいつきの制止を振り切って明堂院家へと突撃していくのであった。
Δ
そして4人はいつきのデザインと選出した生地をベースにして世界に一つしかないちぇニックを製作の総仕上げに取りかかった。えりかの裁断の絶妙はハサミ捌き、つぼみが縫製を担当し・・・
「・・・・」
「やってみます??」
「・・・いいのかい?」
つぼみが縫製をしている姿を見ていつきは思わず目を輝かせている・・・つぼみはそれに気がつくと途中でいつきにそれを代わる。その姿は意外にも様になっており・・・何より本人が一番楽しそうで勧めた甲斐があったと満足し彼女が縫製する姿を静観する。
因み拓哉はというと・・・・
「・・・・(俺の出番ないや・・・まぁ、偶にはいいかなこういうのも)」
つぼみ達にお役を取られてしまいやる事がないと出されたお茶を飲み暇を潰しているのだった・・・・因みに彼の担当はというとデザイン作りが主であるため正直言えばいる言いがないのだ。
『かんせーーーーい!!』
そしてしばらくして遂に縫製も完了し遂にこの世に二つともない明堂院いつき特製の中ニックが完成した。それにつぼみ、えりかは大はしゃぎであったが一番喜んでいたのは勿論・・・・
「僕のデザインしたチュニック」
ちょっとしたきっかけが現実となったことに興奮が隠せない・・・いつきは年相応の女の子らしい笑みを見せてテンションが高くなっていた。
「早速試着しましょう!!」
「試着って・・・・えぇええ!?!?」
服なのだから着なくては意味がない。当たり前のことだがこんな女子らしい服は今まで来たことがないのだろう・・・いつきは胸が高鳴りながらも3人に廊下に出てもらい着替えて試着していく。そして試着が終わった彼女の姿は・・・・・
「こ、これが・・・ぼく?」
「どうですか~?」
鏡に映っている別人のような自分を見て言葉を失ういつき・・・これが本当に自分?・・・この可愛い姿が・・・夢にまで見た姿に思わず我を忘れる。
「まるで別人だ・・・・似合ってるじゃん会長」
「え!?・・・そ、そうかな?」
拓哉に似合っていると言わるといつきは頬が赤くなっている。照れているのだが男子に言われたことが何よりうれしいのだ。
「色合いといい全体的なシルエットといい・・・流石だ」
だが拓哉はと言うとどっちかと言えばいつきが作り上げたデザインの事を褒めているようにも聞こえる。それを聞き後ろにいるつぼみ、えりかは・・・
「拓哉、其処は他にも言うことあるでしょ!!」
「ま、まぁまぁ・・・・でも、拓哉・・其処はもっと他に言うことあるのは確かですよ」
二人は拓哉に聞こえない様にそういいながらも二人は感じた。拓哉は無意識に他者を特に女子を勘違いさせることが多いということを・・・・・・・
「?・・・なんだ?外が騒がしいけど・・・・」
だが・・・それも突然壊されることとなった。外が何かでも燃えていることに気がついたいつきと拓哉達3人は何事だとその場所へと向かう。
その後これから起こる事がいつきにとっての人生で最大の転機となる出来事となる事はこの時誰も予想がつかないでいたのだった・・・・・・・・・