ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~   作:sora1996

28 / 41
第27話「素直な気持ち」

突然やってきた道場破りにこの日の明堂院家は波乱を迎えることになった。道場破りの正体は元明堂院流の門下生のヒロトであった。

 いつきはヒロトと勝負を挑み力のみにこだわる彼の信念を叩き潰してやろうと決意したのだがその結果は・・・・・・・

 

 

「僕が・・・負けた?」

 

 

 

 結果はヒロトの不意打ちによる勝利に終わった。その事に戸惑いが隠せなず道場の看板を奪われて明堂院流の名に傷をつける原因を作ったことに大ショックで自信をなくしてしまった。それだけで済めばまだよかったのだが・・・

 

 

「僕は・・明堂院流を継ぐことが兄を守る事だと一人で思いこんでいたようだ・・・僕から【武道】を取ったら何が残るだろう?」

 

 

 さつきや祖父に言われた言葉・・『大切なのは自分の心』、『誰かのためではなく自分のため』 その言葉が身に染みる・・・今まで自分は兄を守るために全てを犠牲にしてきたのにそれも変えなければならない時がきたというのか?

 

 

「【武道】一筋で生きてきた僕に。“僕のため”の【他の道】なんて・・・・」

 

 

 今までの自分を変える時が来たという百歩譲ってよしとしても・・・今更自分のために他の道を探せるだろうか?今の今まで物心ついたときから始めていた【武道】以外に自分がやりたいことなんて・・・・・・近くの湖が見える場所でいつきは考える。

今が自分を変えるとき。ターニングポイントだということは分かっていても今更になってそんなこと言われても・・・

 

 

「いっぱいありますよ」

 

 

「そうそう!!ファッションデザイナーだって何だってあるじゃないですかぁ!!」

 

 

 何をすればいいか全くわからないいつきにつぼみはそう呼び掛け。それに続きえりかが便乗して続いた。

 

 

「僕がファッションデザイナー?」

 

 

「はい。楽しいと思えることを楽しんでやりましょう」

 

 

「自分の心に素直にね」

 

 

 僕がやりたいこと・・自分の心に素直になって心の底から楽しいと思えること・・・こんな単純なことも考えてもいなかった。いつきは自分が本当に楽しいと思えること事が何であるか・・・

僕が素直になれるもの・・・それは・・・・

 

 

「っ!?」

 

 

 考え込んでいる中で唐突に辺りが揺れるのを感じるのとすぐ後に突然デザトリアンが横切っているのが見えた。あの巨体を隠すなどはそもそも無理な相談であるのだが・・・拓哉、つぼみ、えりかはデザトリアンを発見したことで目付きが一瞬変わったが・・・

 

 

「(会長の前じゃ重甲もプリキュアに変身も出来ない)」

 

 

 拓哉がどうにかしようと思っていた矢先にいつきが先導を切るようにデザトリアンのほうへと走る。

 

「おい待て、会長。素手であんなのを倒せると思ってるのか?」

 

 

拓哉は止めようとしたが逆に彼の手をはねのける。

 

 

「僕の心配はいい。甲斐君は花咲さんと来海さんと頼む。」

 

 

普通に考えれば無謀以外何物でもないのだがそれでも彼女は正義感が捨てきれないのか・・いや、本当は捨てきれない自分の心の迷いやヒロトに負けたショックからか何かせずにはいられないのかもしれない・・・・いつきは拓哉の制止を聞かずに走ってデザトリアンのほうへと走っていってしまう。

 

「あぁ~あ。あの会長は・・・・ったくもうよ」

 

 拓哉は顔に手を当てて呆れかえってしまう。なんで甲いう展開になってしまうのやら・・・拓哉はため息をつくがそのすぐ後に顔をキリリとさせる。

 

 

「やれやれ面倒だが、お転婆姫を助けにいかなきゃな。二人ともいくぞ」

 

 

『うん!!』

 

 

 拓哉の号令につぼみとえりかは同意しココロパヒュームを手に取る。そして拓哉もビーコマンダーを取り出してコマンダーのカブトムシの象徴である角を蒼く光らせた。

 

 

『プリキュアの種、いくですぅ!!」

 

つぼみからピンクの光がえりかからブルーの光がシプレ、コフレの胸に集まり光が凝縮されピンクと青のプリキュアの種が二人の手に取られる。

 

 

『プリキュア・オープンマイハート!!!』

 

 

 つぼみ、えりかが手にとったピンクと青のプリキュアの種をココロパヒュームにセットした二人は胸からそれぞれの種の色の光の香水を胸からまとっていく。

上半身がピンク色の光と水色の光がそれぞれフリルスカートに変わり今度は下半身にかけて光りが発生するとロングブーツが身にまとわれる。

次に互の胸に香水を噴きかけると胸にハートの形をしたクリスタルが出現す手首にリストバンドが形成される。

最後につぼみの長くきれいな髪がと瞳がピンク色に変色しロングポニーテールに整っていきえりかは明るい青色に変色そしてロングストレートの髪型に変わりひと噴き頭に香水をかけてリボンで髪を結んでいきパヒュームを腰に当てココロパヒュームキャリーに収めていき二人は同時にポーズを決める。

 

 

「大地に咲く一輪の花、キュアブロッサム!!」

 

 

「海風に揺れる一輪の花、キュアマリン!!」

 

 

『ハートキャッチプリキュア!!!』

 

 

 

 

 

 

 

「重甲!!」

 

 

 ビーコマンダーの赤いスイッチを押して黒い羽のウィングを開かせ変身コードを叫んでコマンダーを頭上に掲げた瞬間にビーコマンダー内部に圧縮収納されたブルービートのインセクトアーマーが光り輝き拓哉の身体を青い光で包みこんでいく。アーマーは元の大きさに戻って素早く拡散し拓哉の身体を包みこんでいく。

最初は両腕に素早く鎧が纏われそこから胸と下半身そして拓哉の顔以外のすべての部分に重甲なる鎧がまとわれる。

最後に拓哉の顔が鎧騎士の仮面に包まれて蒼いカブトムシの戦士へと姿を変えて蒼い閃光が当たりに発生する

 

 

「ブルービート!!! 重甲!!ビーファイター!!!

 

 

 ジャキっと金属音を冴えながらポーズを決めて鎧騎士の姿に変えた少年は名乗り上げを決めたあと3人は急いでデザトリアンの後を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人のプリキュアと1人の蒼鎧戦士はいつきに襲い掛かろうとしているデザトリアンの前に立った。いつきは突然現れた3人の戦士特にプリキュアのコスチュームの可愛さに目を輝かせた。

 

 

「此処は危険です」

 

 

「逃げてください」

 

 

 カッコよくセリフを決めるブロッサムとマリン。デザトリアンの咆哮が響く。3人の戦士は身構えいつでも飛びかかろうと力を身体にため込んでいく・・・・のだったが

 

 

「プリキュア・・・か、かわいい~~~!!!

 

 いつきの言葉は二人のキリっと決めた空気を一瞬で粉砕しポーズを崩させてしまう・その当のいつきはその二人にに構わず後ろでプリキュアの衣装を見て子供のように騒いでしまっている。

 

 

「・・・・・(ホントにこの娘はなんていうか、ギャップが激しいな)」

 

 凄まじい程にギャップの差が激しすぎるのかブルービートも言葉を失い固まってしまう。

 

『はやく逃げて!!!』

 

 

 自分達のコスチュームに見惚れている場合ではないとブロッサムとマリンは同時に声を出した。その間にもデザトリアンは動きだして看板が媒体になっているその平たい板の大きな腕で3人を殴りつけてきた。

 

 

「危ない!!」

 

 

 

 デザトリアンの攻撃に気がついたブルービートがいち早く声をあげてギリギリのところでブロッサムとマリンは同時に飛び上がり回避。ブルービートも自分の近くに居るいつきを抱えてその場から緊急回避べく空へと飛び上がった。

 

 

「さぁ、早く逃げて」

 

 

「う、うん・・・あ、ありがとうブルービート」

 

 

 ブルービートはいつきを地面に下ろしてデザトリアンのほうを向く。いつきはブルービートの背中を見て思わず何かを感じる。ブルービート本人は気がついてないようであったが・・・・

 

 

 

「ふははははははは!!!!コイツは甘えん坊じゃき。師匠に叱って欲しかったらしいぜよ。弱い奴じゃ」

 

 

 後ろから現れたクモジャキーに全員の視線が集まる。またもこの男は強さを以外のものはすべて否定する発言にブルービートの苛立ちを募らせた。

 

 

「うるさい脳筋野郎!!人が誰かに謝ろうと思っているその思いを・・・不安や迷いを利用するなんて許さない!!一気に決めるぞブロッサム、マリン」

 

 

『うん!!』

 

 

 怒りに震えるブルービートはスティンガーブレードを右腕に装備ブロッサムとマリンはフラワータクトを召喚して手に取るのだが・・・そうはさせまいとクモジャキーが動いた。

 

 

「そうはさせんきり。ビックバンクモジャキースペシャル!!」

 

 

 クモジャキーは拳にエネルギーをためていくとそのまま一気に地面へと叩きつけて稲妻のような何かが迸っていく。一見するとただのパンチでしかないのだが・・・・・

 

 

『うわぁあああぁああああっ!!!??』

 

 

 次の瞬間には大地が裂け大規模な地割れが起きて3人は裂け目にのみ込まれてしまったのだ。ブロッサムとマリンはクモジャキーの不意打ちに対処できずに飛び上がる前に地面の裂け目に飲まれて完全に身体が宙に浮いてしまった・・・このまま自分達は落ちる!?

 

 

「ブロッサム、マリン」

 

 

 しかし間一髪のところをブルービートが左手ブロッサムの右手を掴みその瞬間にブロッサムはマリンに手を伸ばして掴み上げたことで3人は首の皮一枚のところで最悪の事態だけは免れた。

 

 

「待ってろ。今持ち上げるからな・・・(だけど流石に二人を片手で持ち上げるには力が足りない。・・・・だけどこのままじゃ!!)」

 

 

 聞き手の右手はスティンガーブレードを装備したために封じられている。左手で二人分の体重を支えきるには体制が悪い。なんとか踏ん張ろうとアーマーに力を込めるがそれをさせまいとクモジャキーがブルービートへと歩み寄っていく。

 

 

「今3人とも楽にしてやるぜよ」

 

 

「くっ!!・・・二人とも絶対に手を離すなよ!!!」

 

 

 早く持ちあげなければと焦るブルービート。だが左手だけではやはり厳しいのかなかなか思う通りに動かない。崩れた地面の岩が亀裂の間からクモジャキーが放ったエネルギーが雷のように走っていてバチバチバチと音が鳴っている。

不意に石ころ亀裂の無限の穴に落ちていくとそれに反応したかのように稲妻が発生。それによって石ころは粉々に砕かれた。落ちれば自分達の身体も稲妻の攻撃を受ける・・・・それを見た3人は落ちればタダでは済まされないと肝を冷やす。

 

 

「落ちるぜよ!!」

 

 

 なんとか二人のプリキュアを支えているブルービートに向かってケリを入れようとするクモジャキー。迫りくる牙を研いだ敵の気配を感じたブロッサムとマリンは思わず恐怖で目を瞑った。

 

 

 

「駄目だ!!」

 

 

だが間一髪のところでギリギリそれ防がんとした少女が割り込んでクモジャキーを突き飛ばした。その正体は明堂院いつき。彼女はクモジャキーを突き飛ばして離れさると今にも落ちそうなブルービート達へと駆け寄った

 

 

「さぁ、3人とも早く!!」

 

 

「ありがとう。・・・っ!!・・・危ない、逃げろ!!」

 

 

 しかしその彼女に向けてデザトリアンの容赦のない攻撃が放たれてブルービートといつきが居る足場を崩した。いつきは紙一重でその攻撃をかわしブルービート達3人は崩されて宙を舞った岩を足場にしてなんとか体制を立て直し飛び上がって散り散りとなるのだが・・・

 

 

「ぐあぁああっ!?!?」

 

 

「きゃぁああああっ!?!?」

 

 

「あぁああああぁあっ!?!?」

 

 

その瞬間にまるで触手のように自由自在に伸びる看板の腕に3人は叩きつけられて地面や亀裂で出来た岩肌に叩きつけられて猛攻を受ける。3人の悲鳴がその場に無情にも木霊する。

 

 

「プリキュア、ビーファイター」

 

 

「どこを見てる?」

 

 

 クモジャキーのキックがいつきを襲うが彼女はギリギリのところでよけることに成功し頬をかすめた程度で済んだ。

 

 

「ほぉ?人間にしては上出来じゃき。遊んでやるぜよ」

 

いつきが意外にも自分の蹴りを避けたことを素直に称賛しクモジャキーは人間でありながら強い相手と察したのかターゲットを切り替えて彼女へと迫った。

 

 

「(『武道』の道は僕にとって辛い事の連続だった。でも同時に『武道』を極める喜びもあった。お兄様のため、家のためだけ修行してきたわけじゃない。僕は武道が大好きなんだ。この力で僕は・・・大切な人たちを守る!!)」

 

 

 やっと気がついた本当の自分の気持ちに吹っ切れた・・・・・

もう迷いはない・・・いつきは自分が持てる力で今目の前にいる邪悪なるものと闘う決意を固めクモジャキーに向かって闘いを挑んだ。

 

 

「でりゃぁああああああっ!!!」

 

 

「はっ、たぁあああああああっ!!!」

 

 

その勝負の勝敗はいつきに軍配が上がった。殴りかかってきた拳を可憐によけてクモジャキーの腕を取り彼の勢いを利用してそのまま柔道でいえば一本背負いの要領で投げ飛ばし地面へと叩きつけて組み伏せたのだ。

 

 

「どうだ!!」

 

 

 そして追撃の関節技を決めてクモジャキーを攻めるが人間の腕力ではやはり彼には通じないようでクモジャキーはニヤリと余裕を込めた笑みを見せた。

 

 

「何ぜよ?それは」

 

 

 所詮は期待外れ。クモジャキーの素早いキックがいつきに迫る。脳筋馬鹿力のあのケリを生身の人間が受けたら大けがでは済まないがこの距離では逃げるのも間に合わない・・・・だが一つの影が彼女を抱えて飛び去った。

 

 

 

「プリキュア!!」

 

 

 その正体はキュアブロッサム。彼女を抱え遠くに飛び去ってクモジャキーから逃がしたのだ。クモジャキーはそれを面白くない様にうなり声をあげるがその彼にもう一つの影が迫った。

 

 

「ビームモード!!」

 

 

「ぐあぁあっ!!?」

 

 

 

 上空からブルービートのインプットマグナムでの援護砲撃でクモジャキーは爆発に巻き込まれてしまう。

 

「ぐあぁああっ・・・ちっ!!!!」

 

砲撃を受けたクモジャキーは「小癪な」と声をあげるも突然爆風を切り裂くように突撃してきたブルービートのダブルパンチアタックが待っていた。

 

「たぁあっ!!」

 

 

「ぐあぁあっ!?・・・おのれぇ・・・」

 

 

 カブトムシの角に見立てた二つの拳からの一撃は流石のクモジャキーでも大ダメージは必至。殴られた胸と右手で抑える一度逃げるように飛び上がった。あと残るはデザトリアンのみだ。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「あとは私達・・・プリキュアと!!」

 

 

「ビーファイターに任せてくれ!!」

 

 

いつのまにかマリンがデザトリアンの腕を抱えて投げ飛ばしていた。それを見てブロッサムとブルービートのペアは同時に飛び上がりマリンの隣に立ちブルービートはスティンガーブレードを構える。今度こそ一気に浄化すると各々の武器を構えて煌めかせた。

 

 

 

「カンバーーーーーン!!!」

 

 

 投げられたデザトリアンはまだまだ抵抗してやろうと向かってくる。だがブロッサムとマリンが同時に前に出る。

 

 

「ブロッサム・シュート!!!」

 

 

 先ずは先制攻撃とブロッサムのブロッサム・シュートの砲撃の雨がデザトリアンに降り注がれる。一発一発の攻撃力は大きなダメージになることはないがそれでもそれが集団に集まれば所詮は多勢に無勢。一つ一つが小さくともその力が集まれば一つの大きな力となる。水の滴が固い岩に穴をあける如くの連続砲撃の前にデザトリアンは思わず怯む。

 

 

「マリン・ダイブ!!」

 

 

 続けてマリンの追撃マリン・ダイブを放ちブロッサム・シュートでデザトリアンで怯んでデザトリアンをものすごい勢いで後ろへと吹っ飛ばす。周りにはマリンの技によるソニックブームが辺りに降り注がれた影響で草木は風になびかされる。

 

 

「スティンガーブレード!!!」

 

 

 その時を待っていたとばかりにブルービートが飛び上がってスティンガーブレードを振り下ろし抜刀斬撃をデザトリアンに叩きこみ動きが鈍ったその巨体に蒼い刃を振りおろされていった。ブルービートが放つ数発の斬撃を見舞わせて動きを更に鈍らせにかかる。

 

 

「たぁあ!はぁあ!!・・・でやぁあっ!!」

 

そして一度飛び上がって離れてトいくとブルービートはトドメとばかりにブレードを胸に翳していきスティンガーブレードのハッチをスライドさせて銀色のギアを高速回転させてエネルギーをブレードの刃に充填させる。

 

 

「ビートルブレイク!!」

 

 

右から刃を振りおろし更に左に刃を振り上げてもう一度振りおろしてX字に斬りおろすとデザトリアンに青い稲妻とエネルギーの光がX字型を描きながらに包まれていく。

 

 

「カンバーーーーン!!!!」

 

ブルービートのビートルブレイクがデザトリアンを切り裂き蒼い稲妻がその巨体を包みこんでいくとそのまま巨大なる怪物は倒れて大爆発を起こして消滅。媒体となった明堂院道場の看板と道場破りヒロトのこころの花と分離する。

 

 

「ふぅん・・・プリキュアも少しは強くなったようじゃき。次はもっと楽しませるぜよ!!」

 

 

 闘うこと以外は本当に興味がないのかクモジャキーは捨て台詞を吐いて瞬間移動で使役にしているスナッキーとともに消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は流れ夕日が町を綺麗に照らす。道場破りのヒロトは改めて入門を許され一件落着し奪った看板も返された。終わりよければすべてよしとはまさにこのことだろう・・・・。

 

 

「君たちに頼みがあるんだ」

 

 

 看板を元に戻したいつきは唐突に拓哉達に改まった態度でそう言ってきた。何だろうと3人は疑問顔になる。

 

 

「僕をファッション部に入れてほしい」

 

 

 その言葉を聞いてつぼみは大感激。えりかも喜びの笑顔になった。自分たちの努力がようやく実を結んだとなると喜んで当然だろう。

 

 

「もちろん大歓迎ですよ!!!」

 

 

 大はしゃぎの女子二人組。その後ろで拓哉はと特に何も言わず黙ってはいるもののいつきに笑顔を見せてうなずいて見せる。無言で歓迎するということだろう。

 

 

「お爺さま、お母様、そして、お兄様・・・いつきの迷いは消えました。僕の素直な心を伝えます・・・僕は、『武道』も『可愛い服』も大好きです!!」

 

 

 ようやく言う事が出来た本当の気持ちを伝える事が出来た少女の顔は清々しくなっていた。もう自分は誰かの為だけに頑張らなくていい・・・・

いつきにとって今日という日は自分を縛りつけていた重い枷が外れた瞬間でもあった・・・

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。